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2023-05-21 13:22

#94: タワマン文学

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今月読んだタワマン文学(小説)について話しました。


ハピネス (光文社文庫) Kindle版 | 桐野 夏生 (著) 

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タワマン文学とは
横山です。
大樹です。
今月、読んだ本をまた紹介したいと思うんですけどね。
今日は、いいのをちょっと引っ張ってきました。
いいですね。
はい。普通に小説ですね。
ほう。
で、
はるき。
はるきじゃないんですよね。
うん、そうなんだ。
はるきは積んであるんでね。
普段あんまり読まない小説、ちょっと読んでみたんですよ。
タワマン文学。
あー、なるほど。
っていう括りを最近知って、
あ、こんなジャンルあるんだってことで、
まあちょっと、タワマン文学っていう括りで本を探してみましたと。
その、その括りで探したんだ。
タワマン文学の本を見つけたじゃなくて。
僕のイメージだと、タワマン文学っていうのは、
やっぱ、そもそもタワマンっていうのは、
田舎から出てきた庶民にとっては、
あの、いつかタワマンに住みたいなみたいな、
そういう憧れの元だったり、
えっと、高層界の方が、
あの、低層界より偉いみたいな。
うん。
なんかそういう、なんだろう、マウンティングの道具にされたりとか、
あの、夢破れてタワマンから去るとか、
タワマンに住んでる人いいなっていうことにデュサンチマンを感じるとか、
そういう感情の、なんかゴタゴタを描くような、
なんか文章だったりするイメージですね。
まさにそれっすね。今回手に取ったのは。
「ハピネス」のあらすじ
うん。
キリノナツオさん?
へえ。
っていう女流作家の方みたいなんですけど、
そうなんだ。
えっと、その人のハピネスっていう本をちょっと手に取ってみたんですね。
はい。アザブ競馬場とかかと思った。
ああ、そう。だからそっちもあったんですけど、
えっと、このキリノさんの本、
結構そのタワマン文学の走りって呼ばれてるような作品だったみたいで、
結構ドロドロ風の作風みたいで、その人間関係を。
しょうもない人間関係をいかにドロドロ描くかみたいなところで戦ってるような女流作家らしいんですけど、
ああ、これがいわゆるあの、
三浦大輔かっていうふうに思いながらちょっと手に取りましたね。
昔、えっと、僕が映画を紹介した脚本家であり監督の人ですね。
うん。で、ハピネスっていうタイトルなんですよ。
へえ。
幸せとは何かっていうのを、
まあ、いい感じに突きつけられるというか、
それをタワマンっていうものを主軸にね、書いた本だと思ってるんでね。
ちょっと早速ネタバレじゃないですけど、
最初のあらすじだけ話して、
ドロドロだっていうのをちょっと痛感していただければと思います。
主人公は29歳の専業主婦ですね。
ああ、そうなんだ。
で、田舎、新潟から引っ越してきて、
もうこんな田舎生活やだっていうことで、
26歳の時に東京に出てきた、
その頃はフリータやってて、今は専業主婦。
で、3歳の娘がいて、
江東区のタワマンに、今2人で住んでいます。
で、パパ。
まあ、夫はウィスコン新州に単身赴任している、
IT大手企業のサラリーマンですね。
うん。
なかなかもう単身赴任から帰ってこない。
もう3年ぐらい離れ離れ。
だから赤ちゃんができた頃にもうすでに単身赴任しちゃってて、
もうほとんど夫とは会えないみたいな状態で、
ほぼシングルマザーみたいな状態で、
タワマンで3歳の赤ちゃんを育てているっていう主人公ですね。
合コンで知り合ったんですよ、その旦那さんとは。
で、合コンで知り合って即赤ちゃんができて、
で、そのままもうでき婚っていう形で、
タワマンに引っ越して、もう夢ある生活だって思ったら、
もう全然旦那とは会ってないっていう状態で、
なんか2人でいるととりあえず、娘と2人。
娘はいくつぐらいなんですか?
3歳ですね。
まあ3歳。
で、この娘もね、ちょっと滑舌が悪いというか、
なんかうまく舌が回らない感じだし、
言葉の覚えもちょっと良くない。
まあ他の3歳の子と比べてあんまり足並みが揃ってない感じで、
そこにもちょっと不安を持っているっていう描写もありましたと。
イブママの登場
で、そのタワマンの29階に住んでるんですね、赤ちゃんと一緒に。
赤ちゃんというかもう3歳児と一緒に29階に住んでいると。
で、29階ってもうほぼ100メートルぐらいの高さですよね。
風が異常に強いらしいんですよ。
窓とか開けれるんですかね?
一応バルコニーは出れるけど、まあ基本的にめちゃくちゃ風が強いと。
夜になるともうビュービューゴーゴーとんでもない音がするっていう。
で、その恐怖に怯えながら毎日寝ていると。
そうなんだ。
で、こんなはずじゃなかったっていうのもそこに思いを寄せると。
で、その上、風が強すぎるので、
バルコニーに物を出していい時間っていうのもルールで決まってるんですね。
11時から13時の間だけ物を干しておくて、
それ以外は全部部屋干しないし、
外に置いてある物は全部しまってくださいっていう風なルールになってるんですよ。
で、そんな中、その娘、3歳の娘と一緒に
昨日砂場遊びをしたなっていうのをふと思い出して、
その砂場遊びで使っていたシャベルとスコップ?
一緒や。
えっと、シャベルとバケツを
外にちょっと出しっぱにしてたんでしょ?汚れてたから。
で、そしたら夜中に風がめっちゃ吹いて、
もう吹き飛んでて、それが。
そのシャベルには自分の娘の名前がフルネームで書いてあった。
にもかかわらずそれを吹き飛ばしてどっかにやってしまった。
これはまずい。
怒られ案件みたいな。
で、その後、いぶきちゃんのママから連絡が来るんですね。
このいぶきちゃんのママ、通称イブママっていうのがまたちょっと厄介でしてね。
ママ友ってこと?
ママ友っすね。
ターマン、ツインタワーなんですけれども、
タワマン住民の物語
主人公たちが住んでるのは東東なんですよ。
で、いぶきちゃんのママが住んでるのは西東なんですね。
東東は特定の階層までは全部賃貸で貸しに出しているような物件ですと。
かたや西東の方は全部文書というか買わなきゃいけないようなものでして、
ここでも明らかな格差があると。
主人公は賃貸で家賃23万円の部屋を借りていると。
なおかつ西の方が日当たりがいいと。
東側の方には30何階建ての大企業のビルが建っちゃってて、
それのせいで昼からも電気をつけなきゃいけないぐらい基本的には真っ暗な状態になっていると。
西側はね、そっからもうお台場は見えるわ、何でも見えるわみたいな、
相当のお金を払わないと住めないような方に住んでいるいぶきちゃんのママから連絡が来ると。
昨日も風が強かったですね。
外に物をきっぱにしないように気をつけましょう。
今日も多満のみんなで西東のラウンジに集合しませんか?
っていうようなメールが来るんですね。
それって個人当てじゃなくてグループ的な感じ?
そうです。
もう嫌味しかねえと。
ルールはちゃんと守ろうね。西東に集合しようね、みんなつって。
で、それに気が乗らないままっていうのをメールには表せないんで、
分かったありがとうって言って、そのまま西東に向かうっていうとこから始まるんですよ。
もう全部地獄じゃないですか。
それは、それ今始まりっていうことじゃないですか。
もやもやな気持ちをひたすら感じることが目的の小説なのか、
そこから何かが変わっていく物語なのかどうなんですかね。
一応変わります。最初ここで第一章が終わったんですよ。
で、こういう短編小説を集めたものなのかなって思ったら、
そっからちゃんとストーリーが続いてたんで、
一応話は続くんだっていうことで話を読み進めました。
幸せのフォルスボーントゥラブ
最後は一応ハッピーエンド的な感じで終わってくれるんで、
安心して読みはするんですけれども、ちょっとご都合かなって気もしてますね。
もういろんなところに散りばめられてるこのね、
果たしてこれは幸せなのかって思わせてくるような仕掛けたち。
主人公はそもそもどんな気持ちでこんな状況にいたのかっていうのを
追体験できるような良い作品でしたね、これは。
なるほど。
その時思ったのが、この主人公、田舎から飛び出してきたってものの、
一回その田舎に帰るっていう話があるんですね。
ちょっと田舎の様子を見に行こうって言ったら。
あれ?こっちの方が良くね?っていう風に思うシーンがあるんですよ。
田舎でやりたくもないような畑仕事とか家業みたいなことを
やらされたくないやっていう風に思って、
東京で良い男見つけて、たまに住むんだって思いだけで東京に来たんですけど、
あれ?田舎暮らしも悪くねえなっていう風になっちゃって、
ちょっとモヤっとするっていうシーンもあるんですね。
タイトルがハッピネスっていうだけあって、
幸せについて考えさせられるんですけど、
誰かが作ったような幸せっていうのに、
いかに踊らされてるかっていうのは、やっぱ考えさせられますよね。
これのことをちょっとせっかくなんで、
人間フェーム用語的に言うと、フォルスボーントゥラブってやつですよね。
確かにそうですね。
これの判断って結構むずいなって思ってて。
一応補足すると、ボーントゥラブっていうのが、
本当に自分が何て言うようにですかね。
本当に自分がやりたいって思ってる、心の底から沸き上がってきたもの。
ですよね。かなり大きく言うと。
そうじゃないもの。
つまりフォルスボーントゥラブ。
タワマンという存在は結構その象徴だっていうことですよね。
そうですね。いやでもそうとも限んないなって思ってて。
ガチでタワマン住みたいって思ってて、
それを成し遂げてタワマンマジ最高っていう風な、
もしかしたらイブキちゃんのママっていうのが、
それのサイトあるかもしれないし、
イブキちゃんのママ自身もこれがフォルスボーントゥラブなのかもしれないなって思ったりすると、
他人から与えられる幸せに安易に言い越しちゃいけないなっていう風な思いが、
すげえ強くなって。
かといって、自分でそれが自分にとっての最大限の幸せだっていうのは、
判断をすぐにできるかっていうのは難しいなって思ってて。
探し続けるトゥルーボーントゥラブ
そうですよねマジで。
簡単にこのタワマン文学の主人公をバカにできないなっていう風に思いましたねここは。
何が自分にとって幸せかってないっすわ。
まさに前横山さんが、
清介さんっていう方がゲストに来たときに、
人と比べてしまうみたいな話があったと思うんですよ。
だから人と比べなかったときに、
自分が本当に素直にやれるものなんだろうっていうのを、
清介さんとの対話を通して結構考えたと思うんですけど、
本当にそれって訓練がいるというか、
普通にやりたいこと何?欲しいこと何?ってやってポンポン出てくるもんって、
人と比べて欲しがってんじゃないのかなっていうのは、
普通混ざるものというか。
それを外していくっていうのはかなり訓練のいる話だと思って、
それを本当に探していくことっていうのが、
この自分アラサーとしてはひたすらその作業をやっているのが、
このぐらいの時期だなっていうのは今自分は思ってるところですね。
いやそうっすね本当。
フォルスボーントゥラブをいかに排除していくかというか、
トゥルーボーントゥラブを探すのに時間を割いてる感じですよね最近は。
だからこのターマン文学はどういう人に読んでほしいかっていうのは、
ドロドロの人間関係、不倫やら離婚やら、格差やら何やらっていうのを、
大好きですっていう人はぜひ読んでほしいし、
ターマンに住みたくない
一回この豊かな生活っていうのに憧れてる人っていうのも、
ストッパーとして読んでみてほしいですよね。
田舎暮らし最悪だとかって思ってる人とか、
ターマンに住みてぇっていうふうに実際に思ってる人っていうのに、
読んでほしいなって思いますね。
横山さん自身はターマンに憧れることってあるんですか?
いやーないっすね。
いやないっていうか、結局そのターマンっていうのに対する、
マイナスの噂っていうのがあまりにも多かったんで、
それを実際今回ターマン文学っていうものを読んでみて、
実際あるんだな、ありそうだなこんなのっていうのを痛感したっていう感じだから、
やっぱその人間関係のいざこざとかっていう面で、
ターマンには住みたくないですね。
なんならどこにも住みたくないっすね。
人間がいないとこに住みたいっすね。
僕はそれで言うと、結構ターマンに住みたいんですよ。
で、なんていうのかな、これ結構年齢を重ねるごとの変遷みたいのもあるんですけど、
ターマンっていうのはある意味1個の象徴ですね。
都会のギラギラしたキラキラしたものを得たいかどうかみたいな話で言うと、
20代とか10代、10代20代前半ぐらいかなっていうのは一番、
それがすごい欲しくて、やっぱりみんなキラキラして、
良さそうだなって自分も金持ちになって、
なんかそうなりたいみたいな話がありましたと。
でもお金がないですというところで、
いやそんなもん得られないなみたいな、
いやでもお金無限にあったらそれ欲しいのになっていうことを結構考えてたのが20代前半で、
20代後半、20代後半もお金ないな、
今も別にそんなにお金があるわけではないんですけど、
なんか部分的には得られるようになってきたというか、
一応今渋谷には住めていますみたいな話とかで部分的に得られるようになってきたところで、
それこそ本当に、実はそれゴールないし、
別にマーケティング的に購買欲を刺激されてるだけの部分って結構あったなっていうことで、
なんか結構気づきつつ、
だからといって全てが無駄かというと、
やっぱ渋谷に住むのは楽しいし、
なんか例えばレストランでお酒飲むとかも楽しいし、
マーケティングに劣らされてる部分と、
それでも自分が好きな部分っていうのは結構見えてきたなっていうのが、
このぐらいの年齢ですね、個人的には。
みんなどうなんだろうなって思って、
お金が欲しいって思ってる中にも実は、
お金がたくさん稼いでる自分が好きっていうことがあってあるし、
みんなそういう幻を抱いては戦って消してきて、
また何かに気づくって、それぞれの道に気づくみたいな、
なんかそういう経験ってあるのかなって思って、
自分はその結果として今は都会に住んでるのが好きなんですけど、
みんなはどういう変遷を得てるんだろうなっていうのは、
ちょっと聞いてみたくなりましたっていう話です。
お金持ちになりたいっすね。
そうですね。
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