2018-08-05 16:26

村上春樹のおすすめ小説4選 #013

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【村上春樹RADIO記念】 村上春樹さんの小説を、短編から長編・エッセイまでおすすめの4作について語ってみました。 ブログ:https://www.nejimakiblog.com Twitter: @nejimakir...

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どうも、世界のねじを巻くラジオのねじまきです。
今日は村上春樹さん本人がDJとして出演される村上ラジオの放送日ということで、
せっかくなので村上春樹さんの小説についていくつか紹介したいなと思います。
前回お話しした音楽で言うMr.Childrenと少し立ち位置は似ていて、
ミーハーがいかにも読みそうな小説家ということで、
本当に本好きの方に村上春樹好きなんですって言ってもちょっと嫌な顔されたり、
みたいな感動を受けることはしばしばあります。
とは言っても村上春樹のすごいところは、ミステリーと違って結構全世界で売れてるような小説家だったということです。
海外、特にアメリカの空港とかに行っても村上春樹さんのペーパーバッグが本当にポンって前に出されてたりもしますし、
学生の時も留学生で村上春樹読んでますって人は本当にヨーロッパとかアメリカとかフランス、中国とか本当にいろんな方が読まれてて人気なんだなと思いました。
世界で40カ国以上の言語に翻訳されていて、いろんな層から読まれてるみたいです。
そういった反面結構インターネットとかでは割と村上春樹さん叩かれてるような印象で、
雰囲気小説だとか、セックスとパスタしか書いてない話ばっかりやみたいなのが、そんな批判もよく見ます。
僕自身で言いますと、そこそこ村上春樹さんの本は読んでますし、どこがいいのかって聞かれると結構難しくてですね、
そういったぼんやりとした良さっていうところが村上春樹さんが叩かれやすいところに原因にあるんじゃないかなと思ってます。
今日はせっかくなので村上春樹さんの小説を3つ4つ紹介したいと思います。
まあおしゃれな小説書いてる人やろうって思う方もおられると思うんですけども、結構いろんなタイプの小説を書いておられるので、
短編から小説、ドキュメンタリーみたいなものからエッセイまでいろいろ書かれてますので、ちょこちょこ紹介していきたいと思います。
まず紹介したいのが、走ることについて語る時に僕の語ることというエッセイです。
村上春樹って結構おしゃれなイメージが一般的にはあるみたいで、あまり運動とかしなさそうな雰囲気、僕も全然読むまでは知らなかったんですけれども、
しないような人かなとは思ってたんですね。
でも実際は結構ガチなランナーで、マラソンとかにもしょっちゅう出られてるみたいで、3時間何十分台で走られる、フルマラソン走るっていう実力の持ち道みたいです。
この本は村上春樹さんがそのランニングを通して、人生とはとか小説を書くとはどういうことかみたいなのを哲学的なところを語っておられてまして、
村上春樹さんの内面とか人生観みたいなのを感じ取れる一冊です。
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語り口もそれほど難しい感じじゃないので、一発目に読むには本当にいい本なんじゃないかなと思っています。
ランニングを始めてみようと思う方だったりだとか、意外な一面を知りたいという方はこの本から入ってみてはいかがでしょうか。
詳しくは僕の以前のランニングについてのポッドキャストでお話してますので、興味のある方はそちらも聞いてみてください。
では次に紹介したいのが、僕自身がゲイということで、LGBTに書かれた短編を一つ紹介したいと思います。
タイトルは偶然の旅人という題名の短編小説でして、東京キタン州という短編小説州に一番初めに収められています。
エッセイとか旅行記を除いて、村上春樹さんの小説では比較的珍しく村上春樹さん本人がストーリーを物語るという構成の短編になっています。
話はまず村上春樹自身が体験したジャズ絡みの2つの不思議な出来事からスタートしまして、ここも詳しくお話したいところなんですけれども長くなるのでこの部分からはちょっと割愛しましてですね。
ジャズ好きな方はぜひこれを読んでくださいとだけ言っておきます。
この短編のメインのあらすじストーリーを一言で表すとピアノの調律師であるゲイ男性の主人公の生活を描いた話ということになります。
同性愛者といえども一般の方が想像するようなゲイらしさとは結構かけ離れた東京で生活する善良な市民みたいなイメージで主人公は書かれています。
ローンの返済もおおむね終わっていてオーガニックの料理にも精通していて、週に5日のジム通い、パートナーともうまくやっているみたいな模範的な設定のゲイです。
セックスを象徴的に書くということで有名な作家としては意外なことにこの短編では一度も男性同士のホモセクシャルな性行為は書かれていません。
話としては書店のカフェでディケンズの高齢感を読んでいると声をかけてきた女の子との交流とか、
主人公が過去にカミングアウトを家族にして彼女だけじゃなくて友人や家族ともギクシャクしてしまう様な様子が書かれていたりもします。
あまり説明しすぎると作品の良さをダメにしてしまいそうなので、僕のお気に入りの文章を一つ紹介したいなと思います。
風当たりがきつい時代にもかかわらずカミングアウトして活動していたプーランクという作曲家に関して主人公が語る場面があるんですけれども、
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彼はまたこんな風に言っています。
私の音楽は私がホモセクシャルであることを抜きにしては成立しない。
彼の言わんとするところはよくわかります。
つまりプーランクは自分の音楽に対しても誠実であろうとすれば、自分がホモセクシャルであることに対しても同じように誠実ではなくてはならなかったのです。
音楽とはそういうものですし、聴き方とはそういうものです。
18ページと19ページからです。
いい文章ですね。
偶然の旅人の紹介はこの辺にしとくとして、実は村上春樹さんの作品の中でセクシャルマイノリティが書かれるのはそれほど珍しいことではありません。
例えば海辺のカフカという小説の中ではトランスジェンダー的な途上人物が出てきたりだとか、
有名なノルウェーの森だとか、色彩を持たないタダキ作ると、
彼の巡礼の旅でも結構同性愛的なエピソードが書かれるなど、あげればキリがないほど幾度となく複雑な性が顔を表してきます。
特にスプートニクの恋人という小説では、スミレッというレズビアンの女性とミューという女性との関係をメインにストーリーが展開されています。
他には村上春樹さん本人の発言も見逃せなくてですね、
昔本人がホームページで質問を募ってそれに一つずつ回答した文章を本にした村上さんのところという本があるんですけれども、
そこでは同性愛について書きのように答えています。
同性婚については賛成ですか反対ですかという質問に、僕はゲイの友達知り合いが結構多くて、ここのところ周りで同性婚がいくつか続けてありました。
もちろんアメリカでの話です。結婚できてみんなとても幸せそうでした。よかったというわけで僕は同性婚に賛成派です。
同性愛だからどうって区別して考えるんじゃなくて幸せならいいんじゃないか的な回答が非常に好感が持てると個人的には思います。
アメリカとかヨーロッパに何年も在住経験のある作家さんなので当然といえば当然なんですけれども、そのLGBTにも理解のあるような感じが結構僕的にはいいかなと思っています。
この偶然の旅人という短編が含まれる東京キタン集という小説集には他にも10月に映画化される離れイベイという異国情緒の爽やかさとその悲しさみたいなのを書いた名作も入ってますのでぜひ初めての方も読んでみてください。
ということで次は3つ目の小説を紹介したいと思います。
次のタイトルはアンダーグラウンドという小説になります。
これはですね、日本を侵犯させた地下鉄サリン事件について書かれた本でして、この間朝原商工が死刑になったということでそれもまた衝撃だったんですけれども、せっかくなのでこの小説ちょっとディープな小説についてもお話したいと思います。
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皆さん地下鉄サリン事件って覚えておられます?
僕はですね年齢的にかなりちっちゃい頃なので記憶には正直あまりはないんですけれども、YouTubeのドキュメンタリーとか他のサリン事件に関する本とかを読んでたりするといかにこのテロ事件がですね得意なものであったかというのがよくわかります。
村上春樹さんのこのアンダーグラウンドもそのうちの一冊でして、本書は春樹さん自身が地下鉄サリン事件の被害者62名にインタビューしたものをまとめたものになります。
春樹さんはこの本を書いたきっかけについてこう語ってるんですけれども、そこにいる生身の人間を顔のない多くの被害者の一人、ワンオブゼムで終わらせたくなかったからだと語っています。
このアンダーグラウンドの本には本当にインタビューがつらつらと書かれてまして、例えばまさにオフィスに向かおうとしている会社員の方だったりだとか、
学校行く途中の学生の方がまず思ったのが今日は学校に行かなくても進むしラッキーみたいなことが書いたりだとか、他には馬の機種の職業をされている外国人の方だったりだとか、本当にいろんな方のインタビューが読める本になってます。
結構どのインタビューも正直に言われたことを書かれているような感じで、変に脚色されたものよりもはるかにリアルな感じであの事件が蘇ってきます。
結構被害者の方でも確信をつくような一言がハッとあったりだとか、例えばそれからこんなことを言うと変だけれど、ああいう宗教、教神的なもののことを理解できないでもないというのは昔から気持ちとしてはあるんです。
頭から否定する考え方は持っていないというふうに一般の方が語ってたりだとか、まあ現代でもそのオウム神理教の信者は活動をどんどん続けているみたいで、アルフとかまた別の名前でどんどん増えているみたいです。
再びですね今そんな良い時代でもないので地下鉄サレン事件のような悲劇が起こらないとも限りませんし、そのやっぱり朝原将校が死んでしまったってことで、違う方面にどんどん進んでしまうという恐れもありますので、こんな悲劇が起こらないことを本当に祈るしかないですねという気持ちになります。
村上春樹ってジャズやらパスタやらそういった類のオシャレ小説ばっかり書いてると思っておられる方にはぜひ読んでいただきたいと思います。
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決して読んでて楽しい本ではないんですけれども、ここの心の底にずっと重く沈み込むような読語感は保証できるかと思います。
はい、ということで4つ目最後に紹介する小説はネジ巻き鳥クロニクルという長編です。
僕のやっているブログとポッドキャストは世界のネジを巻く何々っていう感じでつけてるんですけれども、その元ネタとしてはこのネジ巻き鳥クロニクルという小説が挙げられます。
この小説が本当にすごくてですね、長さも結構なかなかすごくて、第1部第2部第3部という分厚い本3冊に分かれてまして、どれもが300ページ400ページあるような内容になってます。
そのボリュームに合わせてなんですけれども、その世界観もすごく濃くてですね。
1984年の世田谷の路地裏から1938年の満州猛虎の国境、戦時中の話だったりだとか、駅前のクリーニング店から意識の底の井戸までいろんなテーマが含まれて書かれています。
あのイギリスの超有名なバンドレディオヘッドのトムヨークもこの小説が好きで、この内容を元にした曲を書いてたりもします。
本当に一言では表せないいろんなテーマが書かれてまして、シリアスなだけじゃなくて、わりかしユーモアも含まれてまして、途中でカツラの会社からハゲ頭の数を数えるみたいなシーンがあったりだとか、
パスタをジャズを流しつつ茹でてたりするシーンがあったりだとか、そんなシーンもあったりします。
他に言っておかないといけないのは、そんなシーンばっかりじゃなくて、戦争の話も出てくるので、残酷なシーンが出てきたりだとか、わりと濃いエロスみたいなのが出てきたりだとか、暴力とエロス的なところもしっかり書かれている小説です。
あらすじとかを説明し始めると本当に止まらなくなるので、紹介はこれぐらいにしておきたいんですけれども、
本当にまとまった時間ができたという方は、このネジマキドリクロニクル読んでみてはいかがでしょうか。
はい、ということでここまで4つの小説を紹介してきました。
1つ目は走ることについて語る時に僕の語ること。
東京鬼胆集という短編小説集に書かれている偶然の旅人というゲイのピアノ調律師の話。
3つ目はオウム心理教によって起こされた地下鉄サリン事件について書かれたアンダーグラウンドという小説。
4つ目は村上春樹さん長編の代表作であるネジマキドリクロニクル。
この4つについてお伝えしました。
いかがだったでしょうか。
村上春樹さんの小説一度も読んでないという方は、一度この紹介した中から読み始めていただけると幸いです。
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あと最後に紹介したいのが、本日2018年8月5日の19時から放送される村上ラジオについてですね。
ラジオで村上春樹さん本人がDJを務めて、ラン&ソングスということで走ることについてと音楽について村上春樹さん本人がDJをされます。
興味のある方はこんなポッドキャストだけじゃなくて村上春樹さん本人の声を聞いてみてはいかがでしょうか。
ここまで話してだいたい15分30秒。
最高の長さじゃないでしょうかね。
次のエピソードでは僕のインターネットヒストリーということで、
実は明日8月6日は世界初のウェブサイトが開設されたことを記念して8月6日はWWWの日つまりワールドワイドウェブの日と呼ばれているみたいです。
これにちなんでインターネットの思い出だとかインターネットのここが好き、古き良きあの頃のインターネットみたいな僕の実体験に基づいていろんな話をしていきたいかなと思っています。
ということで最後にブログやってますのでもし興味のある方はwww.ねじ巻ブログ.com 世界のネジを巻くブログをやってますのでぜひご覧ください。
ではここまで聞いていただきましてありがとうございました。
次のエピソードでお会いしましょう。
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