腕抜きの必要性
にゃおのリテラシーを考えるラジオ、読書と編集の千葉直樹です。
このチャンネルでは、読書とIT時代の読み書きソロ版を中心に、さまざまな話をしています。
今回のタイトルは、
仕事ができる人は腕抜きと指さっく、というものです。
火曜日は、日頃考えていることを話しています。
腕抜きってご存知ですか?
手首から肘のあたりにつけるカバーです。
今は腕カバーとかアームカバーと言うことが多いみたいです。
ガーデニングをやっている人がおしゃれに使っていることがありますね。
もちろん、本格的に農作業をやっている人には必須と言ってもいいかもしれない装備です。
検索してみると、おしゃれなデザインのものが結構あります。
使ってみると、かなり必要的なんですね。
袖を引っ掛けたり、汚したりしないために使うものです。
これ、事務仕事でも使えます。
黒いものが、ちょっと穴黒な事務員のイメージとして使われることもありますよね。
なぜ使うかというと、書類仕事をやっていると袖が汚れるから必要なんです。
手書書類を大量に処理するとそうなるんですね。
指さっくとソロバンの話
もう一つ、ちょっと穴黒なイメージのものが指さっくです。
僕の世代は、子供の頃の習い事の代表格にソロバンがありました。
ソロバンを習得するための一つの目標は、
全国手算教育連盟の検定試験を受けて、9とか弾を取ることです。
だいたい8級とか7級くらいから検定を受けていきます。
ただ、ある程度実用性を認められるのは3級からです。
検定の科目は、掛け算、割り算、見取り算が基本です。
見取り算というのは、ずらっと縦に並んだ数字を上から順に足したり引いたりしていって合計を求めるもので、
上の級になるほど桁が増えて計算が大変になります。
4級までは、主にソロバンを正確に操作するスピードを早めることを目標としますが、
3級からは、小数点がある数字の計算ができなければなりませんし、
その他に暗算、応用計算と伝票算というものが加わります。
暗算は、ソロバンを使わずに頭だけで計算するもの。
応用計算は、文章題から計算方法を考えて正しい計算をするものですが、
伝票算は、伝票に見立てた紙の束に書かれた数値を紙をめくりながら合計する技能が必要なのです。
この時に、伝票をめくるために指差っこが必須でした。
ソロバンの検定というのは、むちゃくちゃ実用性を重視したものなのですね。
今でもソロバンの検定は行われていますが、昔と違ってどちらかというと、
趣味のスポーツみたいなイメージになっています。
それはなぜでしょう。先ほど見取り算や伝票算の説明を聞いて、
なぜそんなことをするんだろうと思いませんでしたか?
エクセルで一発じゃん、と。
そうなんです。だから実務にはあまり役立たなくなったので、
ソロバンは趣味のスポーツみたいなものになったわけですね。
データ化とITリテラシー
しかし、今でも指差っこは現役です。
使いやすいように改良もされています。
少数派ではありますが、腕抜きも見かけなくはありません。
多少アナクロなイメージがあると言いましたが、
今は一周回って職人的なイメージになっているような気もします。
でも、これらが実用されていることに疑問と不安を感じることもよくあります。
腕抜きと指差っこが事務処理でなぜ使われているかというと、
それだけ紙が多いということに他なりません。
大量の手書書類を処理し、大量の紙をめくる業務がまだまだあるということです。
まだそんなことをやっているところがあるの?って感じる人も多くなっているかもしれませんが、
腕抜きも指差っこも百均に売っています。
指差っこは可愛いキャラクターがついたものまであります。
何でも紙をなくせばいいというわけではありませんが、
紙をやめてデータ化しても良いものはかなりの割合になるようにも思います。
データ化すると計算が自動化できます。
これは省力化の観点ですが、もっと大事なのは、
情報を探すのにコンピューターの手を借りることができるようになったということで、
今までは調べるのが大変で諦めていたデータを活用することができるようになるのです。
と、IT屋さんが普通に思うことが、実はまだまだ非常識で、
グズグズしているうちに人海戦術でやっている事務処理が回らなくなったら、
いろいろ大変なことが起きてしまうのではないかと、
腕抜きと指差っこを見るたびに不安に思うのですね。
今回は、仕事ができる人は指抜きと指差っこ、という話をしました。
今日はここまで。
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今日もワクワクする日でありますように。
千葉直樹でした。ではまた。