1. にゃおのリテラシーを考えるラジオ
  2. #606 【技】マイナカード..
2023-07-05 09:55

#606 【技】マイナカード返納と駕籠の関係

マイナンバーカードを返納する人の意図と勘違い、なぜマイナンバーを推進する必要があるのかについてお話します。

にゃおの考える現代の基礎的なリテラシーは、ITをきちんと使えることが含まれます。

そのためにどのような問題があり、どう解決していったらよいか考えてみるPodcastです。

LISTEN版にゃおのリテラシーを考えるラジオ

https://listen.style/p/nchiba


配信書き起こし
https://note.com/nchiba

twitter @nchiba

YouTube
https://www.youtube.com/@nyaos

「読書と編集」の活動は、
https://www.nyaos.net/

ストアカの「読書と編集のITリテラシー教室」は、
https://www.street-academy.com/steachers/468576?conversion_name=direct_message&tracking_code=62e788e6ff484f6d2952151bb9c955b4 

をご覧ください。

サマリー

マイナンバーカードの返納について考察し、人手不足や情報漏洩の問題を含めた社会システムの変革の必要性を説明しています。

社会システムの変革の必要性
にゃおのリテラシーを考えるラジオ、読書と編集の千葉直樹です。
このチャンネルでは、読書とIT時代の読み書きソロ版を中心に、様々な話をしています。
今回のタイトルは、「マイナカード返納と駕籠の関係」というものです。
水曜日は、ITを中心とした技術的な話をしています。
ニュースで、マイナンバーに関する話題をよく目にします。
大抵は、マイナンバーに対して批判的な話題です。
そして、批判的なコメントの中には、マイナンバーとマイナンバーカードの区別がついていなかったり、あえてごちゃ混ぜにして煽っているものもあります。
これらのパターンの極端なケースは、マイナンバーカードを返納するというものです。
マイナンバーカードを持つか持たないかはその人の自由ですが、それでマイナンバーが消えるわけではありませんし、
マイナンバーを使って社会システムを変革する動きは変えられないので、極論すれば返納によって徐々に不便なことが増えていくだけなのです。
では、なぜ社会システムを変革しようとしているのかというと、単純な話、人が減っているからです。
まずは、人が減っているということを実感した体験を話しましょう。
僕は札幌に住んでいます。
今年札幌の周りで大きな話題になっているのが、お隣の北広島市にできた日本ハムファイターズのホームスタジアム、エスコンフィールドです。
ここ、ちょっと交通が不便な場所にあります。
最寄りのJRの駅から歩くと20分以上かかります。
なので、シャトルバスが運行されているのです。
実際に利用してみると、まあまあ快適なバスなのですが、いかんせん運行台数が人の数に見合っていないのです。
試合の後は、シャトルバスに乗るまでに1時間以上待つことがあります。
もう少し運行台数を増やせば良いと単純に思ってしまうのですが、そもそもバスを運転する人が確保できていないのですね。
もともと運転手は高齢化が進んでいたところにコロナの直撃を受けたので、みんな別の仕事に移ってしまったわけです。
人を乗せて運転するというのはかなり大変なことなのですが、利用する側はそんなことはあまり考えていないし、正直なところ安ければ良いと思っているのではないでしょうか。
そういう厳しい現場で働いていた人がコロナで転職してしまったら、簡単には元の職場に戻ることはありません。
これは自分の身に置き換えてみればよくわかると思います。
なぜそうなってしまったのかを掘り下げてみると、自動車は人が運転するのが当然という意識があるのです。
その主たる理由は安全確保でしょう。
人がやれば安全という一種の信仰があるのです。
でもそれをやる人がいなくなったら、もともこもありませんよね。
バスに乗るのに1時間以上待たなければならないというのはそういうことです。
実は僕たちが快適に移動できている裏では大量の人が動いています。
要するに人海戦術なんです。人がたくさんいるなら人海戦術も良いでしょう。
でもその人がいないという状況が色々な場面で起きています。
人手不足の問題
コントロールバスの話はその一つですが、次に問題が顕在化するのは物流です。
遠からず通販の送料無料は事実上不可能になるでしょう。
実は同じようなことはジムの世界でも起きています。
現在のジム処理は人海戦術で行われています。
コンピューターによる自動化は行われていますが、そのほとんどは数字を扱う分野だけと言っていいでしょう。
今やパソコンがないオフィスは存在しないでしょうけど、パソコンを使って自動処理をしているケースは稀です。
その最たる例がExcelをワープロとして使っている例です。
それが悪いわけではありません。
問題はそういうことをする人自体が減っているということなのです。
採用したくても全く応募がないと苦労している人事担当者はずいぶん増えているようです。
このジム処理の塊が国や自治体、医療などの公的な部門です。
この部門で働いている人が今は結構いますが、ここでもシャトルバスの運転手問題のようなことが起き始めるでしょう。
今でも待たされる印象の強いこれらの部門でもっと待たされるようになるのです。
それはやり方が悪い、無駄を省けと思ったのではないでしょうか。
その通り、ジム処理の無駄が起きている原因の一つは、バラバラな情報を付き合わせて確認しなければならないことです。
ジムスタッフと言われる人が目視でそれをやっています。
組織ごとに異なる番号を称号するために、名前と生年月日と住所を目で確認してあちこちに転記したりしているんですね。
これをミスなくやるのはまあ無理です。
あなたはできますか?
例えば、毎日100件、ミスなく完璧に1年間。
これは多分無理なので分担するとします。
2人でやったらミスはなくなると思いますか?
大抵は人が増えれば増えるほどミスの件数は増えてくるものです。
今の人海戦術はそういうミスに目をつぶっているのです。
深刻なのは、ミスをしない慎重な人を集めることができなくなることです。
もっと大変なのは、ちょっとくらいミスをする人でもいいと思っても、そういう人すら集められなくなっていくということです。
送料無料の通販サービスを使えなくなるように、病気や怪我で病院を受診しようとしたら、保健診療が受けられない、原因は事務処理の人手不足ということになるかもしれません。
人手不足に対処するには、そもそもあやふやな情報を作らないようにしなければなりません。
そのために進めようとしているのがマイナンバーを使うことです。
最初から一人ずつに割り当てられた番号を使って情報を作っていくのです。
今、人海戦術でやっている仕事の一部をコンピューターによる自動処理にできるようにするのです。
さらに、必要な事務処理の一部を自分でやれる人にはやってもらうこともできます。
そのために必要なのがマイナンバーカードの仕組みなのです。
情報漏洩と既存の仕組みの問題
マイナンバーを使って情報を集めれば、それが原因となる情報漏洩の可能性が出てきます。
それは確かに問題ですが、現在の事務処理でも情報漏洩は起きているのです。
たまたま、それが僕たちの目には見えていないだけなのですね。
だいたいみんないろんなところで名前や青年月日住所、電話番号まで書いているじゃないですか。
書いた紙がどう扱われるかを見届けてはいないですよね。
マイナンバーにまつわる問題は、コンピューターシステムによる自動化のおかげで、個人情報にまつわる問題が迅速に可視化されるようになったということなのです。
マイナンバーに問題がないとは言いませんが、既存の仕組みにも大きな問題があって、
その仕組みの安全を確保するための人海戦術も効かなくなっているのだということもきちんと認識する必要があります。
絶対に安全なシステムを作るのは不可能ですし、
絶対に安全じゃなきゃダメという言葉を使う人は信用できません。
そんなお題目を唱えているうちに、働く人がいなくなるというタイムリミットの方が深刻かもしれないのです。
マイナンバーカードを変納して満足している人は、デコボコ道でもカゴが使えるから舗装する必要はないと言っているように見えます。
それも一つの生き方なのでしょう。
でも僕は、二人の人が担ぐカゴで一人が移動するよりも、整備された道を自動運転車で移動できる未来がいいなと思うのです。
今回は、マイナカード変納とカゴの関係という話をしました。
今日はここまで。
読書と編集では、ITを特別なものではなく、常識的なリテラシーとして広める活動をしています。
ITリテラシーの基礎を学べるオンライン講座をやっています。
詳しい内容については、概要欄のリンクから、または、「読書と編集」と検索して、ネコがトップページに出てくるホームページをご覧ください。
この配信の書き起こしを、ノートで連載しています。
概要欄にリンクがありますので、フォローいただけると嬉しいです。
今日もワクワクする日でありますように。
千葉直樹でした。ではまた。
09:55

コメント

スクロール