紙の時刻表には列車番号が載っている
にゃおのリテラシーを考えるラジオ、読書と編集の千葉直樹です。
このチャンネルでは、読書とIT時代の読み書きソルバーを中心に、様々な話を送っています。
今回お話しするのは、列車番号1の話、時刻表は読み物だからな、の71回目です。
日曜日は時刻表を読む話をしています。あなたはどんな時に時刻表を見ますか?
そこそこの都会に住んでいたら、電車の時刻を調べることはあまりないかもしれませんね。
旅行に行くときは、結構真面目に乗り換え時刻を調べる必要がありますが、
今は、現在地と行き先が分かれば、その間の交通機関の時刻をアプリで一揃い見ることができるので、まあそれで十分だと思います。
僕も出かけるときにはそうします。
紙の時刻表を見ることはありません。紙の時刻表は持ち歩くのに邪魔ですからね。
じゃあ、紙の時刻表なんかいらないんじゃないかと思うでしょう?
そうですね。出かけるためには全く不要なんですよ。
では、紙の時刻表は何のためにあるのかというと、ズバリ読むためです。
時刻表というくらいでずらっと時刻の数字が並んでいる本。
何が面白いのでしょう?
言うまでもありませんが、数字以外にもいろんな情報があるから読むのです。
いろんな情報の中でも、例えば列車名は日頃時刻表なんか見ないという方でも結構面白い情報かもしれません。
鉄道でちょっと遠くに行くときには特急などを使うので、列車名を意識することが多いと思います。
結構地方色が出るというか、列車名を見ただけでどのあたりを走るのかがわかるケースがあって、それはこれで楽しいでしょう。
逆に、あまり地方色が出ない名前の列車もあります。
新幹線はそうですね。いろんな地域を走るので、あまり地方色が出ない方がいいのでしょう。
列車名は特別鉄道が好きという人じゃなくても意識しますが、これが列車番号となると思いっきりマニアックな世界になりますよね。
あ、これ、例えばのぞみ1号みたいな列車名についている番号とは違いますよ。
走っている列車にはすべて番号がついているんです。運行管理上すべての列車を識別する必要があるのは想像できると思います。
その番号を列車番号と言います。
はっきり言って、これは鉄道事業者が運行上の指標から付けているものなので、乗っていく僕たちには全然関係がありません。
なので、アプリなどで電車の時刻を調べてもあまり見かけないと思います。
列車番号の意味と歴史
でも紙の時刻表にはこれがきちんと載っています。
列車番号は1桁から5桁の数字とアルファベットで付けられています。
日本では鉄道の例明記から列車は番号で区別するようになっていて、その番号をもとにダイヤが組まれました。
ダイヤを組んでいくのは重要な列車からで、この重要な列車というのは、東京から日本の端っこの重要都市を最速で結ぶ列車ということになります。
重要な列車から番号を振っていきますから、若い列車番号の列車は最優先で走らせる重要列車なのですね。
最初の頃は列車名、いわゆる愛称を付ける習慣はなくて、1列車、2列車という感じで呼んでいたようです。
後に愛称を付けて呼ぶようになりました。
となると、列車番号1って気になりませんか?
なんとなく最重要列車って感じがしますよね。
2022年6月号を調べてみました。
愛称の列車番号1は、東京発博多行きののぞみ1号でした。
1Aという番号が付いています。
1列車は西に向かう列車で、今もその伝統が引き継がれているようですね。
では、古い時刻表を見てみましょう。
新幹線が東京から新大阪だけだった頃の1968年10月号を見ると、列車番号1Aは光1号新大阪行きでした。
後ろのAは新幹線で使われるようになった記号なのですね。
ということは、Aが付いていない単なる1番の列車はあるのでしょうか?
ありました。
特急桜、東京発長崎瀬戸行きです。
もっと古い時刻表はどうでしょう?
時刻表相関号1925年4月号では、特別急行1列車、東京発下関行きというのがあります。
この列車には続きがあって、下関から文字までの連絡線1便に接続し、その先は文字から急行1列車で鹿児島まで接続します。
1列車シリーズで、東京から鹿児島まで快速で行くわけですね。
1列車は名門中の名門というわけです。
東京以北に目を向けてみましょう。
こっちはまだ東北新幹線がない1978年10月号を呼んでみます。
東北方面は列車番号1M、初刈11号、上野発青森行きですね。
Mというのは電車を表します。
番号だけの場合は機関車が牽引する客車列車でした。
この列車の相性番号が11号なのは、上野の出発が午後で、この前に1、3、5、7、9号があるからで、初刈シリーズの最終便だからなのです。
青森で青函連絡線1便に接続し、函館からは列車番号1D、大空1号、福代行きに接続します。
Dはディーゼルカーを表しています。
この一連の連絡列車も戦前からある北の名門と言っていいでしょう。
今はJR各社に分かれてしまっているし、こんな風に遠くまで走る列車はなくなってしまったりして、ダイヤの編成手法がすっかり変わってしまったので、列車番号を追いかけるのはよりマニアックになってしまいましたが、
こうやって番号軸に列車を追いかけるというのは、いかにも読んでいるという感じではないでしょうか。
時刻表を読むという感覚をほんの少しでも感じていただけたら嬉しいです。
今回は列車番号1の話をしました。
今日はここまで。
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今日もワクワクする日でありますように。千葉直樹でした。ではまた。