00:01
はい、こんにちは、なおくんです。ということで、前回の放送の続きなんですけれども、
【楽曲分析】FF6 【ティナのテーマ】を分析してみた、ということでお話ししております。
はい、前回の放送、収録放送ではですね、あのティナのテーマのメインパートのセクションですね、
8小節でひとまとまりなんですけども、その8小節がどういう構造になっているのかというのを説明しました。
ちょっと簡単に復習しておきますと、基本的に4つのフレーズで8小節が成り立っています。
2小節×4ですね。2小節×4で8小節のフレーズが成り立っています。
それがどういう構成になっているかというと、まずですね、部品その1が、これがいわゆるモチーフってやつですね、この曲の顔となる部品ですね。
で、この部品をちょっとずつですね、改造というか、ちょっと変化をつけて繰り返していくんですね。
で、2回目の変化というのが語尾ですね。語尾がちょっと変わってますね。 これが1回目。で、2回目が
しらしみというふうに上がってますね。で、3回目のフレーズが、これは元のモチーフを3度平行移動、スライドしてですね、同じことを繰り返してますね。同じフレーズをやっています。
で、フレーズの4つ目が、モチーフとは全然違うフレーズなんですけれども、最後の締めのフレーズということで
使われてますね。はい。ということで、この8小節のメロディーがどういう構成になっているかというと、
A、A'、A2'、Bという感じで、2小節かける4という感じで成り立ってますと。
で、この8小節を普通のゲーム音楽だったらですね、延々とループさせるという形になると思うんですね。
ここまで。で、これを何百回もループさせることで、ゲーム音楽というのは一般的に成り立っているんですね。
はい、こんな感じでね。実際この曲もですね、この今の8小節を2周してるんですね。
要は1周目やって、2周目もう1回同じことをやるんですね。
で、この流れに行ったら3周目、4周目とずっと同じことをやっても全然いいんですけども、ただこの曲の場合は3周目のループに入った時にちょっと違った展開を見せるんですね。
03:07
これがですね、このティナのテーマという曲の非常に面白いところだと僕は思っておるわけでございます。
ちょっと最初に耳コピした時には一見ちょっと気づかなかったんですけれども、ちゃんと調べていったらそれに気づいたので、これはすごい面白いなと思いました。
どういうことかというとですね、3ループ目に入った時にですね、普通だったら同じことを繰り返すっていう風に考えるのがセオリーというか、一般的なんですけれども、3ループ目に入った時にこの曲はですね、こういう展開をします。
2ループ目の終わりからちょっと弾いてみますと、ドシラーときて、3ループ目にこういう風になります。
はい、わかりましたか? なんかね、これ一瞬転調したのって思いますよね。
つまり、何が言いたいかというと、2ループ目でドシラー、ドシラーって終わって、この流れだったら普通そのまま繰り返すとしたらラシドミドってなるんですけども、
そうじゃなくて、3ループ目はドシラー、ドシラーってなった後に、ドレミソミっていう風に、
本来ラシドミドって入るところをドレミソミっていう風に、3度上がった音程から始まったんですよ。
で、これを最初にパッと聞くと、いかにもなんか転調したように聞こえるんですね。
転調というのは何かっていうと、ポップスとかでよくあるんですけども、
サビをですね、2回3回と繰り返すときに盛り上げていくために最後のサビを転調させるというテクニックがあるんですよね。
一度上げ転調とか半音上げ転調とかっていうのがあったりとか、あとこういう気楽曲だと単三度上げる転調とかね。
その曲そのものを全部転調させて、キーを変えてですね、
で、キーが上がると盛り上がった感じがするので、それでフィナーレに持っていくっていうそういうやり方、手法がよくあるので、
これを一瞬聞くと、転調したのかって思ってしまうんですよ。
ってなった後に、じゃなくてこういう風にラシドミドじゃなくて、
じゃなくてドレミソミっていう風になると、転調して曲が盛り上がりにいってるなっていう風に思うじゃないですか。
思うんですけども、実はそうではないんですね。
ここまで完全に転調した感じの流れになってるんですね。
で、このまま転調したのであればですね、この次はですね、
06:13
っていう風になるんですけども、この曲ではそうはならずにですね、
その後にまた、今度は本来のモチーフに戻るんですね。
本来のモチーフにまた戻って、
で、また最後に、タララーン、タララーンっていう風に戻ってくるんですよ。
これがね、めちゃめちゃすごいなという風に個人的に思ったんですよね。
で、これは冷静に考えるとですね、このサムネイルで言うところのAダッシュのですね、一番下の3段落目のセクションですね。
ここで使われているこのドレミソミっていうのは、すでに出てきたモチーフじゃないですか。
つまりそのAセクションの中で3回目に出てきたフレーズなんですよね。
これをセクションの頭に持ってくることによって、いかにも転調しました感を感じさせるんですよね、ユーザーに。
でも転調してしまったらですね、これはそのPOPSの曲ではないので、終われないんですよ。
要は何が言いたいかというと、ゲーム音楽っていうのはループを前提に作られているので、
結局最後に戻ってこなきゃいけないんですよ。だからその転調しきってしまうと、戻るのが大変になってくるんですね。
だからこの一見転調して盛り上がったというか、雰囲気がガラッと変わったなというふうに思わせておきながら、実は転調してなかったっていう、そういうトリックなんですよ。
わかりますかね。なんかちょっとうまく伝わってたら、伝わってなかったら申し訳ないんですけども。
そうなんですよね。これがね、もうめちゃめちゃすごいんですよ、本当に。
こういうことがね、センスよくできるのが、このね、ファイナルファンタジーの作曲された上松さんのすごいところだなと、僕は個人的に思っているわけなんですけどもね。
こういうテクニック自体は知ってても、それをどうやって曲に生かすかっていうのが、その作曲家のセンスだと思うんですよね。
これは本当すごいですよね。このターンサンド上に転調するっていうPOPSの手法に一見思わせておきながら、実は
転調してたわけじゃなかったっていうね、そういうことにね、分析してみると気づくわけですよね。
いやこれはすごいですよね。つまりそのAセクションをひたすらね、もう繰り返すだけでも全然曲として成立するんですよ、本来だったらね。
まあ一般的なゲーム音楽だったら。それはね、ファミコン時代とかは多分そういうふうになってたでしょうね。それはメモリーの関係とかね、容量の関係もあって、あまり長い曲が作れなかったっていうこともあってか、
09:03
おそらくね、ファミコンだったら多分この8小節をひたすら繰り返す。本来の8小節を。
これね。これを延々と機械的にプログラミングして繰り返すだけでもいいんだけど、これを2周した後に3周目で
ちょっとこう展開させるわけですね。でこれが通常のPOPSだったらもう完全に転調しきっちゃって、でもう盛り上がって終わるんですけども、
ただこのゲーム音楽なので盛り上がったまま終わるわけにはいかないので、また元に戻るためにもう1回その本来のモチーフに戻るんですね。
でその最後は完全に同じ終わり方をしているわけですね。そうすることによって自然にこう盛り上がりを作りながらも曲としては破綻してないというか、
破綻って言い方ちょっとおかしいかもしれないですけども、終わらせちゃったらもうそこでゲーム音楽として終わっちゃうのでちゃんとループするように
戻りつつも、かといってその飽きさせないための工夫がされているということで、なんかねこの曲はめちゃくちゃねシンプルながらすごくね、あの
すごいテクニックが使われている。すごいテクニックが使われているというよりかはそのテクニックの使い方のセンスがもうつば抜けてるなと思いました。
本当になんかやっぱりゲーム音楽の本質をちゃんとこう理解されているようなね、まあこういう言い方するとちょっとなんか語弊があるかもしれないですけど
って思いましたね。
なんかちょっと選挙歌じゃないですけどなんか変な車の音が最近鳴ってますね。
はい、ということでちょっとね話は逸れましたけど、何が言いたかったかっていうと、このティナのテーマっていう曲がすごいんだよっていうことをね、ちょっと自分なりに解説してみました。
どんだけ伝わっているかどうかわかんないですけど、ゲーム音楽って本当なんかね、あの
やっぱり一般的な曲とは違って終わることができないから、基本的にループなんだけど、でもループさせる中でも
同じフレーズをずっとループさせるのは飽きてしまうから、それをいかに飽きさせないように繰り返すか、そしてこのモチーフをですね基本的にはあの
何度も何度も繰り返すことによって、この曲をねこう散漫にさせないようにするのが特にゲーム音楽の特徴だと思ってるんですけれども、その
モチーフを繰り返すときも、そんなにこうね展開させすぎずかといって同じ繰り返しにならないようにちょっとした展開を加えるっていうね、そのモチーフの発展のさせ方っていうのも非常に勉強になるなというふうに
思わされました。はい、ということで今回はファイナルファンタジー6ティナのテーマについて分析をしてみました。
はい、最後まで聞いてくれてありがとうございました。