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皆さん、こんにちは。今日も明日も授業道、黒瀬直美です。この番組では、中学校・高等学校の国語教育、働く女性の問題、デジタル教育について、ゆるっと配信しています。
今日は、第125回、「やばいのやばさを考える授業を構想してみた。」というタイトルでお届けしたいと思います。
1月18日土曜日、私が所属している広島美穂の会という国語教育の研究会で、ある先生が、「やばい」という言葉をもとに、その言葉について考える授業の実践発表がありました。
そこでは、いろんな方面から、皆さんが分析したり考察したり協議したりということで、とても充実した研究会だったんですけれど、いろんな改善案が出る中で、私がもうちょっとね、大村浜型の単元学習に寄せるんだったらどういう風になるかなっていうのを、自分で勝手に妄想してみたんで、今日はその妄想について語りたいと思います。
その先生は、「やばい」という言葉が若者たちの間でたくさん使われていて、この「やばい」という言葉がその感情をいろいろ表現したりする、そのいろんな表現を奪っている、表現力を奪っている、それから感情を自覚するという認識も浅くなってしまっているというような問題点から、この授業を思いついておられたそうです。
私もこの間、中学生に問題集を教えていて、ちょうどやばいという言葉が題材になっている評論文が出てきたので、とても興味を持って聞きました。
その評論文では、やばいという言葉は、このやばいという言葉一言で、人間の感情すべてを封じ込むような、とても危険な言葉であって、感情を阻害する、人間の感情を阻害する言葉だっていうような論調だったんですけれど、
その評論文も面白いなと思って読んだんですけれど、私がこれ授業するにはどうしたらいいかなと思って、いろいろ妄想を見せたところ、やっぱり導入では、生徒の自分たちの生活、その現状から入っていくのが適切だろうと思って、
生徒にアンケートを取らすか、生徒自身からやばいっていうのをいつ使うかっていう、自分のやばい使用実態っていうのを、生徒に聞いて引き出させると思いますね。
やばいっていう言葉を使う頻度とか、どういった時に使うかとか、あるいはネットで検索させて、どういうふうなやばい使用例というのがあるかっていうふうに検索して発表して、自分がやばいっていう言葉を使っている実態について認識させます。
で、最終的に自分がもっとそのやばいという言葉を使うことのメリットとかデメリットとか、それからやばいという言葉を使うことによって自分はどういう言葉の認識になっていくのかとか、それからこれからどうやってそういったやばいっていう言葉のような短くしたり、いろんな意味にも含みを持たせたり、
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それから若者の間で流行っているようなそういう言葉と向き合っていくのかっていう、その言葉に対する認識が深まっていればいいというような感じで授業を構想し始めまして、やっぱり導入は今の生活実態のやばいっていう使用例を聞きます。
で、その後はどういうふうに展開しようかなと思ったら、用例をたくさん集めてきてそれを分析させたらどうかと思うんですよね。自分たちの生活からこういうふうなやばいの事例がありましたとか、ネットにはこんな事例がありましたっていうのをグループ組んでもいいし、何人かで調査を手分けしてもいいし、事例を引っ張ってきます。
事例をたくさんクラスで共有してそれを分類整理させるといいと思うんですよね。このやばいはこういう意味で使われる、このやばいはこういう意味で使われるっていうような分類整理をすることを通して、やっぱりやばいっていうものがいろんな時に使われるっていうことがよくわかると思うんです。
そこでメリットとデメリット、これを分析させたらどうかと思うんですよね。私自身が考えるやばいのメリットは、非常に多機能というか便利な言葉ですよね。
それから、瞬時にその場で感情の共有が図れる。だからすごく今のこの忙しい情報化社会にあっては、とてもコスパがいいというかタイパーがいいというか、その場でやばいねっていうだけで瞬時に感情が共有できるわけなんで、
これはやっぱり時代にあった考え方なんだろうな。やばいっていう言葉だけで、その場で一瞬仲間と一体感が持てるっていうメリットがあると思うので、だから若者たちは仲間との一体感、瞬時に効率よく、そして誰でもがその場の空気を支配できるということで、とても使い勝手がいいんでしょうね。
デメリットとしては、あまりにも便利すぎるためにそれが乱発されて、意味自体が薄れちゃうし、自分の表現力も奪われてしまう。正確さや豊かさが失われてしまうっていうところが大きいと思いますね。
あとは、世代のギャップがありすぎちゃって、同じような年代の人とは空気感が似ているから、とても共感しやすいと思うけど、価値観が違う人との間では、そういうやばいっていう言葉を使うことによる不快感も出てしまうということで、公的な場では使うのは控えたほうがいいだろうなって思いますね。
こんなふうなことで、メリットとデメリットを制度なりに分析させる、考察させるっていうのはとても大事だと思うんです。
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その次に何をするかっていうと、これからの論文を調べるといいと思うんですよ。自分たちはこうやって自分たちの生活実態から分析してみたけれど、専門家はどういうふうな意見を持たれているのかっていうのを、ここで教員がしっかり材料を探してこないといけないと思うんですけど、
やばいっていう言葉について書かれた論文をいくつか用意して、それを手分けして読ませるとか、グループで担当して読ませるとかして、論文でしっかり学術的に理解させるっていうのはとても大事だと思いますね。
その後はどういうふうにしたらいいかっていうと、元に帰って自分たちの使っているやばいっていう事例をもっと言葉豊かに、本当に誰にでも分かるようにさらに深くしていくにはどうしたらいいかっていう言い換えをやるとか、ちょっと言い換えてみようということで言い換えて、その言い換えることによってどういうことがわかったかっていうのを考察させるといいと思うんですよね。
そして自分なりにここまで学習してきたことをまとめさせて、やばいとこれからどう付き合っていくかっていうことを考えさせたらいいと思うんだけど、それ書かせるだけだったら単調で面白くないんで、ディスカッションさせるとか、これからやばいとどう付き合っていきますかっていうのを、
例えば若者の立場でディスカッションする。大人の立場でディスカッションする。あるいは小学生とか子供の立場でディスカッションする。その立場になりきってやばいを分析してみるっていうふうなやり方でやっちゃうと結構面白いんじゃないかと思うんですよね。
立場が変えられると多面的になるんでね、切り取り方。ディスカッションだったら面白くないっていうのは、なかなかディスカッションの場が話し合いに慣れてない子だったらその場がうまく盛り上がらないっていう場合は、ディスカッションのシナリオを書かせたらどうかと思うんですよね。
これも多分AIとかに何かしらの下書きを書かせてこれを土台にしてさらに自分たちで膨らませてごらんみたいにやっちゃうと、なかなか進まない子たちにとってはAIがそこをしっかりサポートしてくれるんじゃないかと思うんですよね。
ということで最後はそれでディスカッションさせて、最終的に色々勉強してきたけどあなたはこういうヤバイっていうね、いろんな意味を含ませて便利な言葉だけれども正確さや豊かさが失われていく言葉とどのように付き合っていきますかっていうような作文を書かせるっていうふうな落とし所で終わるといいんじゃないかなと思いました。
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ということでこのヤバイっていう言葉一つとっても素晴らしい単元になるなと思ったんですね。このヤバイって言葉一つ学習することによって言葉に対して非常に敏感になる言葉に対して非常に考え深くなるような生徒を育てるようになるので言葉に対する意識が深まると思いますね。
ということでこれも語彙力を増やす一助になるんじゃないかと思いました。
ということで今日はちょっと大村浜方の単元学習についてヤバイっていう言葉を皮切りに単元の妄想をしてみました。
大村浜については色々私も勉強してきたけどまだまだ勉強不足なところがありますし今しゃべったことは大村浜先生だったらもっと深くもっと面白くもっと徹底的にされると思うんですよ。
まあでも大村浜先生のようにはできないから持続可能な形でやるとしたらこんな感じになるんじゃないかっていう私の提案でした。
それでは今日の配信はここまでです。聞いてくださりありがとうございました。またお会いいたしましょう。