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それでは本日の本題に入りたいと思います。
今日お話ししたいのは、Can Doの書き方ということなんですね。
これは行動中心アプローチのコースデザインの中では、たぶん一番たくさんやる部分だと思います。
これを話そうと思ったのは、実は仕事でやっているからということもあるんですね。
ちょうど昨日、これをオンラインで授業でやったところでして、
それはあんまりこのむらスペで話したことがないかなと思って、
今日はそれの続き、というか同じネタを使いまわしているというような感じもあるんですけどね。
では皆さん、行動中心アプローチの教科書というと、
例えばヨーロッパの方では結構ありますし、
日本語の教科書では丸ごととか色どりとかそういうのがありますね。
こういう教科書で教えたことがあるという人がいらっしゃいましたら、
ハートマークいただけますかね。
まだそういうのを教えたことがない方は涙のマークでリアクションいただければと思います。
ハートマーク、結構いるじゃないですか。素晴らしい素晴らしい。
ほとんど参加している人がハートマークでした。
もう1個聞いてみましょうか。
行動中心アプローチでコース開発、コースデザインもしたことがありますという人がいたら、
ハートマークいただけますか。
行動中心アプローチのコースデザインしたことがある人、ハートマーク。
まだそれはないという方は涙のリアクションでいかがでしょうか。
そっちはまだあまりないのかな。
そっちはまだあまりないみたいですね。
でもこれからはどんどん、やっぱり涙の方が多いですね。
涙の方ほとんどですね。
でもそういう方には今日の話はピッタリの内容になると思います。
行動中心アプローチのことはだいたいわかっているし、
だけどコースデザインはしたことがないという人は本当にピッタリです。
ありがとうございます。
とは言いつつ、まだ録音で聞いている人の中には、
行動中心アプローチのことを知らない人もいらっしゃると思うので、
まず最初にちょっと簡単に話をしてみると、
要するに何らかの行動ですよね。
何らかの行動ができることを目的に、
日本語とか別に日本語に限らず、
英語でもスペイン語でもイタリア語でもヒンディ語でも何でもいいんですけど、
そういうのを教える。
あるいは自分で勉強する。
そういう考え方が行動中心アプローチですね。
言語を中心ではないです。
文系調査室とかは文法とか、
それから機能調査室とかというのも、
言語の一つの中の分野ですよね。
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そういう部分から出発して、
それを教えたら何ができるようになるかというのが、
言語を中心にしたアプローチなんですけど、
だからみんなの日本語とかみんなそうですよね。
だけど行動中心アプローチはそうではなくて、
まず何をしたいかということですね。
やりたいことがあって、そのためにはどんな文法とか、
どんな語彙を教えればいいのかということを考えるのが、
行動中心アプローチです。
これはJFスタンダードの中にももちろん含まれていますけど、
もとはといえば、たぶんCFRですよね。
Common European Framework of Reference。
ヨーロッパで始まったものだと思いますけど、
それがJFスタンダードにも取り入れられて、
おととし、去年かおととしぐらいに文化庁の
日本語教育参照枠でもはっきり行動中心アプローチですって
もう明記してある。
これが今の国際的なスタンダードといってもいいんじゃないかと思います。
ここまでの流れとして、
何日か前に、今週だったかな、先週間に、
行動中心アプローチのコースデザインの全体的な
全体的な考え方を
このムラスペでお話ししたことがあります。
そこをざっくり振り返ると、
最初にどんな分野の行動の
コースかを決めるわけですよね。
例えば日本でPTAに参加する
母親のための日本語のコースとか。
その後で、
PTAに参加する母親はどんな行動を
取るのかということをリストをいっぱい作るわけですね。
これもやる、あれもやる。
PTAからの連絡のプリントを読むとか、
イベントのメールを読むとか、
いろんな行動があると思いますから、
その行動をリストにして、その後に
Can Doを書くということになります。
Can Doっていうのは、
なんで行動リストをCan Doのリストにしなきゃいけないかというと、
レベルが全然違うと
それがコースにできないわけですよ。
それをA1レベルの形にならしたり、
あるいはA2とかB1とかB2の、
とりあえず一つのレベルに直して、
それでそうしないと
コースができないので、
そこでCan Doを作るということになるわけです。
このCan Doというのは何かというと、
ゴールでもあり評価基準でもあるというわけですね。
かつ、その一つのコースの中のCan Doは
だいたいレベルが同じぐらいというふうになっている必要があります。
ゴールでもあり評価基準でもあるというのは要するに、
これは別に文系シラバスでも同じなんだけど、
ゴールと評価基準というのは同じじゃなきゃいけないわけですよね。
例えば、
みんなの日本語でも、
十四科で手形を勉強するというときに、
手形をちゃんと活用できるようになるということだったら、
当然テスト、評価基準も
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その手形が活用できるようになるということで
なければいけないわけですけど、
それは行動中心アプローチでももちろん同じで、
そういう意味でゴールでもあり評価基準でもある
そういうものになるわけですね、Can Doがね。
これが、
みんなの日本語でいうと、
手形とかでコースができているわけですよね。
それと同じくらい、
行動中心アプローチの
一つのコースの単位となっていくものです。
コースを構成する単位になるのが、
このCan Doになるわけですね。
実際のCan Doの作り方というのは、
基本的には四つの要素があります。
四つの要素があって、最後にできるという、
行動中心の可能形になっていたり、
あるいはできるという、
それがついていたりという構成になっています。
ではどういう要素があるかというと、
最初は一番、
順番は必ずこの順番じゃなくてもいいんですよ。
だけど四つの要素というのは、話題とか場面というのが
まず最初にありますね。
その次に条件というのがあります。
条件のレベルを慣らしたりすることができるわけですね。
条件次第ではA1でもできるけど、
条件全然何もなかったらネイティブでも難しいとか
そういうことはあると思いますね。
例えば相手がゆっくり話してくれたらとか、
相手が言い直してくれたらとか、
そういうのが条件ですよね。
あるいは静かなところだったら聞き取れるとか、
そういうのも条件になります。
それから対象ですね。
これは対象というと僕ちょっといまいち
あるいは聞き手とか読み手みたいに聞こえちゃうので、
対象という言葉は僕はあまり好きじゃないんですけど、
要するにコンテンツのことですね。
要するに日本語で書いてあることとか、
話す内容のことです。
それが対象のことですね。
例えば書くことができるというのも、
自分の名前をカタカナあるいはひらがなで書くことができるというのと、
白紙論文を書くことができるというのは、
もうそれで全然難易度が違うわけですよね。
なのでここの対象の部分もレベルを慣らすときに
とても重要になります。
さっきの条件と対象の部分ですね。
レベルを慣らすときに変えるのに重要なのは。
最後が行動です。
聞くことができるのか、話すことができるのか、
読むことができるのかとか、
ある確認できるとか、あるアナウンスすることができるとか、
そういうことですね。
例えば具体的にどういうCDSがあるかというと、
これは国際交流基金の公式の資料の中に書いてあるんですけど、
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ちょっと一つ読んでみますね。
自分の国について学ぶ集まりで、
あらかじめ準備してあれば、
自分の国や町の様子などについて、
まとまりのある簡単なプレゼンテーションをすることができる。
これが一つのキャンドゥですね、CDSです。
キャンドゥとCDSっていうのは、
キャンドゥっていうと、
お店の名前とかでもあるので、
僕はCDSっていう言い方をしてますけど、
でも同じです。
何か違いあるのか。
すみません、何か違いもしかしたらあるかもしれませんが、
僕は同じだと思って今話をしていますね。
CDSはキャンドゥステイトメントですけど、
それがまるごととかそういう教科書の中では、
キャンドゥという書き方で書いてありますね。
では、これでどれが話題とか条件とか対象とか行動になるのかというのを、
もう一回説明してみると、
自分の国について学ぶ集まりで、
あらかじめ準備してあれば、
自分の国や町の様子などについて、
まとまりのある簡単なプレゼンテーションをすることができる。
この中で話題とか場面っていうのが、
自分の国について学ぶ集まりで、
これが話題や場面のところ。
その次の、あらかじめ準備してあれば、
これが条件ですよね。
自分の国や町の様子などについて、
これがその対象になる部分ですね。
最後の行動になる部分が、
まとまりのある簡単なプレゼンテーションをすることができる、
というふうになるわけです。
これがどのくらいのレベルかというと、
B1のレベルなわけですよ。
B1のレベルで、さっき条件がね、
あらかじめ準備してあればっていうのがありましたけど、
この条件を変えてね、
いきなり話を振られてもとか、
そういう条件になったら、
当然B1では全然無理ですよね。
なので、もっと上のレベルになってくるわけです。
それから対象のところも、
今回はここでは自分の国や町の様子などについて、
というふうに書いてありましたけど、
これが例えば行ったことのない国や町の様子などについて、
というふうにしたら、
それを調べるスキルも必要になってきますよね。
なので、これもB1よりも高いレベルが
必要になってくるんじゃないかと思います。
こういう感じで条件とか対象を変えることで、
そのレベルをいろいろ調整したりすることができます。
じゃあこれね、もっと具体的に、
だけどすいません、
行動中心アプローチで一番大事なのは、
やっぱり自分でコースデザインをするっていうことだと
僕は思っています。
特にオンラインで教えている、
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一対一で教えている人だったら、
相手に合わせたコースの開発とかができるわけですよね。
なのでそういうところとか、
あるいは僕みたいに自分でキンディ語を勉強している人とか、
そういうときにはこれはすごく役に立ちます。
キャンドルステイトメントを自分で書くことによって、
何を勉強すればいいか、
どんな言葉を調べればいいかということが、
すぐにわかってくるわけなんですよね。
例えば僕がキンディ語とかで、
もっと上手になりたい、
もっといろいろな人と話ができるようになりたいとか、
いう内容だったら、
そういうゴールだったら、
何を勉強すればいいかわからないじゃないですか。
それをもっともっと具体的にしていくんですよね。
さっき大事なことを言うのを忘れていたけど、
もう一つ大事なことは、
具体的になるべく小さくするということです。
細分化するとも言いますけどね。
そうすると何を教えればいいかというのは、
わかるようになってきます。
例えば日本の会社で、
コミュニケーションできるんだったら、
すごく漠然としているけど、
メールの受信ができるとかね。
でもどんどん細かくしていくと、
それが何を教えればいいかということが、
どんどん見えていきます。
例えば僕のキンディ語の今、
自分のレベルで考えると、
僕が今一つできるようになりたいと思っていることの一つは、
ちょっと以下のように言ってみますよ。
これもキャンドゥですね。
僕が今、とりあえず当面できるようになりたいなと思っている、
キャンドゥはこんな感じです。
乗車アプリでオートサンリンが来てくれないときに、
オートサンリンの運転手が集中して聞いて、
確認もしてくれれば、
行ったことがない目的地までの道を、
運転手に確実に伝えていくことができるようになりたい。
今、僕は基本なので、
ようになりたいというのを最後につけたんですけど、
そういう感じですよね。
これをさっきみたいに4つの要素に分解していってみると、
話題とか場面のところが、
乗車アプリでオートサンリンが来てくれないときに、
そういう場面。
これは話題じゃなくて場面ですけどね。
条件として、
流しのオートサンリンというのは要するに、
流しって言うと、
本当に僕が走ってくるオートを止めてやるような感じもありますけど、
普通はもう中に溜まり場があるんですよ。
タクシープールみたいな感じで、
オートサンリンがいっぱい溜まっているところがあるので、
そこに行くわけですけどね。
ここは流しのというふうに書きました。
条件としては、
流しのオートサンリンの運転手が集中して聞いて、
確認もしてくれればということですね。
これにさらに優しいヒンディ語でとか、
それもちょっと入れない、
今の僕にはちょっと無理かもしれない。
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それで対象になるところが、
行ったことがない目的地までの道をということですね。
行ったことがない目的地までの道。
行動の部分が運転手に確実に伝えていくことができる。
これが最後の行動の部分ですね。
これは今だいたいA2レベルぐらいだと僕は思っています。
なんでA2ぐらいにっていうふうに言えるかというと、
全体的に考えなきゃいけないんですけど、
全体的な感覚というのがまだ最初のうちはないと思います。
誰でも最初はそうだと思いますよね。
なのでそういうときのためにですね、
国際交流基金のCan Do Statementの各レベルの特徴的な表現というのが、
そういう資料があります。
https://jfstandard.jp
https://level-keyword-all.pdf
こういうURLなんですけど、
さっきムラスペのハッシュタグ付きで、
僕がこれもツイートしてますんで、
興味のある方はこの資料をご覧いただければと思います。
そうするといろんな需要とかやり取りとか、
聞き取りとか、
こっちからアウトプットするときのそういう分野も分けてあって、
かつC2レベルとかC1レベル、
B2、B1、A2、A1というそういうレベルに分けて、
この分野のこのレベルではこういう言葉が特徴的ですよ、
みたいな言葉がたくさんリストになっているんですね。
なのでこれを見ながらやれば、
それに合ったCAND statementを書くことができると思います。
さっき僕がこのオートサンリンの例で言いましたけど、
さっきオートサンリンのCANDの中で、
条件のところに流しのオートサンリンの運転手が集中して聞いて、
確認もしてくれればというのがありましたよね。
これはこのリストの中のですね、
A2のキーワードで聞き手が集中して聞いてくれればというのがあるんですね。
なのでそれを聞き手といっても、
聞き手はこの場合はオートサンリンの運転手に決まっているわけですから、
流しのオートサンリンの運転手がというふうに入れたわけですね。
かつそれに確認もしてくれればというのをちょっと入れました。
こんな感じでそのレベルに特徴的な表現がリストになっているので、
これを使えばそんなにずれたレベルのCANDステートメントになることはあんまりないかもしれません。
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ただしね、
例えばそのキーワードがあれば必ずそのレベルになるというわけではないんですよ。
例えば聞き手が集中して聞いてくれればというのがあっても、
僕の場合は目的地までの話だからそんなにないですけど、
でもそれがさっきも言いましたけど白紙論文とかね、
その白紙論文の内容を伝えることができるようになったら、
それはもう全然A2じゃないわけですよね。
もっといろんな語彙とかも必要になりますし、
白紙論文の内容を伝えるんだったらもっともっと文法とかもいろんな文法が必要になってくると思います。
なのでその一つのキーワードが入っていれば必ずそのレベルになるというわけではないんですけど、
だけど大体の感覚をつかむのにはこの資料はとても役に立つと思います。
まだまだ言いたいことがたくさんあるんですけど、
もうそろそろ時間ですので今日はこの辺までにしておきたいと思います。
今日ここにリスナーの方がいらっしゃいますけど、
リスナーの皆さんもこういうキャングを使った授業をしてみたい、
あるいはコース開発してみたいなというふうに
もし思う方がいらっしゃいましたらハートのマークでリアクションいただければと思います。
まだ自分にはちょっと難しいかなと思う方は涙のマークでリアクションいただければと思いますがいかがでしょうか。
ハートマークいただいてます。ありがとうございます。
たくさんハートマークいただいてますね。ありがとうございます。
やってみたらそんなに難しくないですよ。
このキャングを使ってコース開発するというのは、
こういうCDSをたくさん書いて、細かければ細かいほど何を教えればいいかというのははっきりしてくるので、
それでぜひコース開発もして、
日本語教育の多様化にも貢献することができると思いますので、
ぜひ私も応援したいと思っております。
それでは本日もムラスペにご参加くださいまして、ありがとうございました。
今日のキャンドルの書き方についてご質問とかコメントがありましたら、
ぜひムラスペのハッシュタグ付きでご協力いただければと思います。
あと今日のハナキン1007でもこの部屋にありますので、
その時にももっとリアルタイムで聞きたかったらそこにもぜひ来てくださることを楽しみにしております。
それでは本日も良い一日をお過ごしください。
今夜のハナキンでお会いできることを楽しみにしております。
そして冒険は続きます。