2024-03-05 20:37

#37 (ゲスト回1/4)法律でマジックを保護することはできるのか?(ゲスト:松下昂永弁護士)

今回から全4回(予定)のゲスト回となります。

今回はマジックと法律の両方に(たぶん)日本で一番詳しい弁護士の松下さんをお呼びして、マジックと法律という話題について扱います。

※収録環境が異なるため、音声がいつもと雰囲気違いますのでご了承ください!

本編でも話していますが、「法律的にOKでも倫理的・道義的にはNG」ということが往々にしてあります。マジックと法律の関係性を議論する際には避けては通れない話題ですので、現在グレーゾーンが多いだけに、非常に注意して扱っていただければと思います。

また、話の都合上、特定のテクニック名を出しています。タネ明かしを目的とするわけでなく、議論を深めるための意図ですのでその点もご了承ください。

法的な判断については、可能性を伝えているだけで、本エピソードを聞いたことによって不利益を被った場合でも、一切責任は追いかねますので、ご了承ください。

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マジックマーケット BAKA_MAGIC "Spice of Magic"という小冊子はほしい方は頑張って探してください(笑)

・松下さんX:https://twitter.com/law_and_magic

・テンヨー:https://tenyo.jp/

・おたよりフォーム :https://forms.gle/QfGghdnG3PizPuMF7

・note:https://note.com/magictsundoku

00:04
しゅうた
奇術積読宣言 ON AIR
どうも、奇術愛好家のしゅうたです。このポッドキャストは、手品が好きすぎて本を知るほど積んでいる私、しゅうたが手品を趣味とする愛好家向きに、マジックに関するヨタ話をするポッドキャストです。
スポーティファイでお聞きの方は、番組フォローをお忘れなく。フォローするだけで番組のサポートにつながりますので、ご協力よろしくお願いいたします。
はい、ということで早速ですが、今回はゲストが来ております。ゲストは、弁護士の松下昂永さんです。
松下昂永
はい、弁護士の松下と申します。よろしくお願いいたします。
しゅうた
はい、よろしくお願いします。いやー、数日前にオファーさせてもらって、それで急に出演してくれてめっちゃ嬉しいです。ありがとうございます。
松下昂永
はい、よろしくお願いします。
しゅうた
じゃあ、ちょっと簡単に自己紹介をお願いしていいですか?
松下昂永
はい、私は今ですね、三村小松法律事務所というところで、企業法務全般をやっている弁護士でして、特に知的財産関係と地方自治体関係の事件に注力をしております。
仙台の出身でして、タリルさんですとかトーマさんと一緒に高校時代に奇術愛好会を設立したときのメンバーです。
その時からマジックを趣味としてやっているというところですね。
しゅうた
タリルさんとかトーマさん、Twitterやってる方は何回かご覧になった方いるかもしれませんけれども、
仙台の同じ高校の出身で、大学とかはみんなバラバラでって感じですね。
そうですね。
大学のサークルは僕らが一緒だったということで、実は松下さんと言いましたけど、ちょっと告発しておきたいですね。
実はもともと大学のマジックサークルで同期でやってましたね。
松下昂永
ステージは何やってましたっけ?
僕はずっとシンブルですね。シンブルだけっていう。
確かにそうか、シンブルだけか。
だけですね。
修田さん何でしたっけ?
しゅうた
俺は駒場祭でカードをやって。
松下昂永
カードか、そっかそっか。
しゅうた
カードマニプレーションやって、それは師匠が入江田さんで。
その後やらずですね。クロスアップ専門という感じでした。
なるほど。
実はですね、松下は以前マジックマーケットでも、以前と言っても2017とか18ちゃうんですけど、
松下昂永
結構前ですね。
しゅうた
バカマジックというサークルの名義でですね、あれも東大の技術学校からの同期なんですけれども、
あれでスパイスオブマジックという冊子をね、1巻と2巻を出して発表したみたいな経緯もあって、実はそこにもちょっと法律のコラムも書いてもらって。
松下昂永
そうですね。
なんか自分以外全員マジックのちゃんとしたネタを書いてるようになんか、
私だけ法律関係のことを吐くってちょっと空気読めない感じでしたけども。
しゅうた
でもクロちゃんがミスディレクションの心理学、彼心理学者出身だったんで、
ミスディレクションの心理学的分析をしてたんですけどね。
あれも面白かったですね。
松下昂永
マニアックな話でしたけども。
しゅうた
それぞれちょっと出会ってからもう15年以上経ってるわけですけども、
マジックに7日の形で関わり続けてるということで、
今日はいきなりもう出てくれとお話したのはですね、
マジックにおける法律問題というところをちょっと話してもらえればなと思ってきました。
きましたっていうのは今日ちょっと僕、弁護士事務所に来てますからね。
松下昂永
あんまり行きたくない場所ですからね。
しゅうた
特に何も法律相談があるわけではなく、収録機器を持ってやってきたという感じでやってます。
03:07
しゅうた
じゃあ、背景的な部分を話しておきますと、
今回ね、やっぱり昨今種明かしYouTuberって言われる人たちがYouTubeで種明かしをしてたりとか、
古典的なマジックならともかくですね、
現代の公安社が全然存命で結構積極的に発表してるような人が、
人の作品も解説してしまったりとかですね。
以前あとはエピソード27で私が話したんですけれども、
海賊版のマジックショップみたいなのも海外には出現してたりとかですね。
素人向けに見ると、公安社とかメーカーの権利を覚やかしていそうな、
いるんじゃないかという行為がマジック業界では目立っている気がしていて、
ちょっとそういったのもあってきました。
あとは、今回弁護士という立場で話はしてもらいますけれども、
もちろん個人的な見解であることと、何かちょっとありますか?
松下昂永
そうですね。あくまでも一般論的な話になると思いますので、
実際にこういう問題があるんだということになったら、
直接ご相談に来ていただければというふうには思います。
しゅうた
はい、ということで皆さんぜひご依頼していってください。
ここからですね、結構法律的にこれはOK、これはダメ、
みたいな話が結構出てくると思うんですけれども、
それだからって別にやっていい?
法律的にOKだからやっていいとか、というわけではない。
というわけではないというか、それを容認する立場で話しているわけではない
ということはちょっとご理解いただければなと思います。
法律的にOKだけど、倫理的に、道義的に、マナー的によくないよね
ということは往々にしてあると思いますし、
むしろ大半がそういうところ、今結構グレーな状態であるというのが
事実だと思うので、そういう立場じゃないというのは
ちょっと改めて注意して聞いていただけたらなと思います。
はい、ということでちょっと話を広げていくのに、
おそらくいろいろ質問をしていくスタイルがいいかなと思いますので、
まずは私から質問を、あとリスナーの方からも事前に質問をいただいておりますので
ぶつけていきたいなと思います。
よろしくお願いします。
よろしくお願いします。
そもそもの話になるんですけど、
マジックを法的に保護することってまずできるんですかね?
松下昂永
これは非常に根本的なところで難しい質問なんですけど、
結論から言うとなかなか難しいというところで、
ただ部分的に可能なところはあるよねっていうぐらいだとは思っています。
なるほど。
しゅうた
今自分でした質問でパッと素人目に思いつくのは、
特許とかなんですけど、
例えば天王さんとかでいくつかの製品特許を出してるっていうのは知っていて、
もちろん特許を出してしまうと種明かしをするところとのトレードオフだと思うんですけど、
特許っていう観点からどうですかね?
松下昂永
そうですね、特許っていうのが一番わかりやすいところではあって、
マジックの主にギミックとかになると思うんですけど、
そういうのを守ろうと思ったときにまず特許が出てくるよねと。
ただ特許っていうのはそもそもの制度として発明の中身を公開して、
06:02
松下昂永
世の中にその技術を知らしめるということを代償として、
その代わりに独占権を得るっていう仕組みなので、
マジックの中身を公開することが必須になると。
しゅうた
なるほどね、種明かしはもう避けられない。
松下昂永
そう、だからここがマジックと根本的に相性が悪いところですね。
ただ一応言っておくと、特許の中身って簡単にウェブで確認することができて、
天用の特許を取ってる、出願してる書類とかも見れますし、
あとはアメリカの空飛ぶ方法とか、そういうのも実は特許になってるみたいで、
そういうのを確認することができるんですけれども、
技術的な用語、手品用語もあるかもしれないですけど、
技術的な用語が非常に多くて、専門性が高いと。
しゅうた
法的な用語とか?
松下昂永
法的というか、技術用語、特許でしか使われないようなマニアックな用語とかが結構あって、
かなり専門性が高いので、読み解くには結構根性が必要なので、
みんながみんな気楽に読めるっていう、そういう感じでもないかなというふうに思います。
なのでその意味では別に特許出願して公開されても当然にダメージがあるかというと、
多分そこまででもダメージはないのかもしれないですね。
実際店員予算とか出してるけれども、それで売上減ったっていう感じではならないと思いますし、
マジシャンみなさん特許出てるって聞いても多分そんなにみなさん読もうとはならないような気はするので、
その程度のものではあると思いますけど。
しゅうた
ありがとうございます。
実はこの特許に関連してリスナーから質問が来ておりまして、
教授さんですね。
松下昂永
いつもありがとうございます。
しゅうた
ありがとうございます。
修田さん、マジシャンさん、こんにちは。
こんにちは。
いつもラジオを楽しく配信しております。
先日特許候補を見ていたら、見てるのすごいですね。
みんな大好き店員予算の特許や実用信案が数多く掲載されていて、
読むだけでも楽しかったです。
候補にはその特性上、店員予算の手品道具の仕組みや図面等がつまびらかにされているのですが、
特許や実用信案の金銀が切れているものがほとんどです。
こういったものは個人が参照して自作するのはもとより、
3Dプリンタで量産して販売するなどしてもよいのでしょうか。
個人的に道義的には微妙という感覚ですが、法的観点からコメントいただけたら嬉しいですということなんですけれども、
いかがでしょうか。
松下昂永
これはですね、まず最初に期限が切れていない状態を一旦考える必要があると思っていて、
まだ特許権を持っているよというとき、
この状態でここに書かれたような、個人が参照して自作するとか販売するということについて、
実は個人が自作する、これは許される可能性が高いと思います。
なぜかというと、特許権というのは業として使うということになっているので、
個人的にやる分には別に問題ないだろう。
ただ後半の質問にあった、量産して販売だとこれ業じゃないということになっちゃうので、
それはできないというのがまず前提としてあります。
09:00
松下昂永
その上でじゃあ特許権切れたらどうかというと、
しゅうた
それはもう自由にやっていただいて、法律上では大丈夫。
松下昂永
20年ですね。
なので私の感覚としては20年経っているので、もういいんじゃないという感じもしますけれども。
しゅうた
でも20年経ったら全然公安した人も存命で高いですし。
松下昂永
この3Dプリンターだと特にデータ販売みたいなのもあり得るじゃない。
しゅうた
これデータ売るというのももちろん結構あると。
松下昂永
データになると今度は、実はデータの販売だと間接侵害という論点になってくるんじゃないかなとは思いますね。
間接侵害ってちょっと難しいんですけど、
要は特許に書かれたものをそのまま生産するのが直接侵害というんですけど、
それの準備というか予備的行為をするのはそれは間接侵害、ちょっと別のものになって、
しゅうた
そっちで侵害って言われちゃうかもしれない。
間接に侵害するって思っていけば素人大丈夫かなと思います。
松下昂永
そういうことですね。
要は特許券付いてるやつを量産して販売は基本やめろということで、とりあえずはいいかなと思いますね。
しゅうた
なるほど。
これ今特許はもちろん天王さんとかは日本国内で出してますけど、
これさっき外国で空飛ぶ特許とかって言ってたけど、
松下昂永
外国で出た特許って扱いってどうなるんですか?
これはちょっといろいろ細かい議論、しかも最先端の議論いろいろあるんですけれども、
基本的なところで言うと特許法っていうのは国ごとなんですね。
特許券も国ごとなので、
日本で特許登録をしてもアメリカでの行為を止めることはできない。
逆にアメリカで特許券取っても日本の行為は止められない。
だから自分が止めたい国、独占したい国に行って特許を取る必要があるっていうのが原則になりますね。
しゅうた
じゃあ例えばそれこそ日本で出た天王さんの特許を見て、
丸パクリする人が海外の別の国に行って、
それで申請して通っちゃったら、
そもそも特許のパクリだけど、
その人が自分の特許を持ってコピーしてやってしまうってことがあればもう止めることはできない。
松下昂永
基本的には止められないですね。
厳密にはいろいろ細かい議論があって、
例えばこれ生産が日本で生産して向こうに売るとかどうだとか、
そういう細かい議論はあるんですけど、
原則論としては今言ったような例を止めるには、
外国で特許を取っておかないといけない。
逆に外国で取ってないなら、
それは何をされてもしょうがないよねと。
そういうのが基本的な発想になりますね。
しゅうた
分かりました。
じゃあちょっと特許についてはそんなもんにして、
あとパッとこれも素人目に思いつくのは、
自分のアイデアを保護するっていう意味では、
営業秘密とかかなと思うんですけれども、
これはどうですか?
松下昂永
営業秘密の一つの選択肢としてあって、
営業秘密って何かっていうと、
一定の情報について、
有用性、秘密管理性、非公知性っていう、
12:02
松下昂永
非公知というのは秘密ってことですね。
この3つが認められたときに、
その不正な持ち出しとかを禁じるっていう制度なんですね。
例えば、従業員が会社で持っている顧客情報とかのリストを持ち出しちゃったと。
勝手に持ち出してそれを他の会社に売り飛ばしたとか。
そういう話ですと。
マジックの種の話で言えば、
普通はなかなかないかなとは思うんですけども、
開発したマジックの原理とかを助手には教えたけれども、
絶対に秘密にしろよと。
秘密保持契約みたいなものを秘密にしておいたのに、
そのマジックの種をパソコンで保管してもらったみたいな。
そのデータを持ち出されちゃったってときに、
これ、栄養秘密の持ち出しなんじゃないですか?
っていう風に言うようにはできるんだけれども、
これは秘密管理性とか、
非公知っていう要件から分かる通りですね。
本とかDVDで解説した内容っていうのはもちろん該当しない。
しゅうた
パブリックに出しちゃってるから、秘密じゃなくなってるんですね。
松下昂永
もう公にしちゃってるんで秘密じゃないし、
秘密管理もしてないし、
公にしてなくてもそもそも秘密管理してない。
だったら別に、
要は助手には教えて、
助手に秘密保持契約とかしてないってことになると、
その時点でも秘密管理されてないので、
なかなかマジックの保護っていう意味では使いにくいよねと。
なるほどね。
さらに言うと、問題になるのが、
例えば不正な持ち出しとか、そういうのが代表例なので、
自分がマジックを演じて、
それを誰かが勝手に解析しましたと。
それを他にも勝手に公開されちゃいましたっていう時には、
別に不正に持ち出したっていうわけでもないので、
それは止めることはもちろんできませんよっていうふうにはなりますね。
しゅうた
なるほどね。
これちょっと時事ネタなんですけど、
営業秘密です。
寿司屋が、
某寿司ちゃん某ってニュースになってるから、
浜寿司とカッパ寿司か。
裁判のデータじゃないですか。
あれとかは魚の喧嘩のデータを、
当時の経営者が持ってたと。
松下昂永
はいはいはい。
そうですね。
これだから営業秘密を元経営者が持ち出したっていう、
不正に入手したんですかね。
それが問題だっていう。
しゅうた
明らかにそれは営業秘密だよねって判断されたっていうことですね。
なるほど。ありがとうございます。
ということで、特許とか営業秘密の話になったんですけど、
ちなみに実際、特許だよって認めてもらうのって、
これ結構コストかかるんじゃないかなと。
時間もお金も。
松下昂永
そうですね。
営業秘密とか著作権との比較で言うと、
まず著作権っていうのは、
著作物を生み出したらそこから保護されるわけですよね。
しゅうた
生まれた瞬間。
松下昂永
生まれた瞬間から保護されました。
営業秘密っていうのは、
これも自分たちで、
そもそも秘密にしてるから周り誰も知らないので、
それを秘密管理しておいて、
それが有用であって非公知であれば、
それで認められるってことなので、
15:00
松下昂永
ある意味コストは低いんですけど、
特許ってそうじゃなくて、
特許庁っていう役所が、
これ特許ですと認めなきゃいけないんですよね。
具体的な手続きっていう意味では、
特許、これは発明を生み出したとなったら、
それを書類にまとめて、
こういう発明を作ったっていう発明をまとめて、
特許庁に出願すると。
そこで出願して、
これで特許あげますっていうふうにいかないと意味がない。
できないわけですね。
大体一件取ろうとすると、
これは本当便利士っていうのは、
特許出願する専門家なんですけど、
大体30万から50万ぐらいかかるかなっていう感じです。
時間としては6ヶ月から1年ぐらいは見とく必要があるかなと思います。
しゅうた
結構かかるね。
松下昂永
ちなみに私は学生時代に特許出願したことがあって、
しゅうた
本当?
松下昂永
本当は遊びでなんですけど。
しゅうた
レベルの高い。
松下昂永
大学時代シンブルをやってたんですけど、
僕が松下修斗っていうふざけたギミックを開発したんですよ。
全然なんてことない、
別に発明というまでもないぐらいのギミックなんですけど、
遊びで特許法を勉強してたんで、
出願してみたいなと思って。
しゅうた
なるほどね。
松下昂永
出願って別に登録を目指さないで出願するだけだったら、
別にすぐできるわけですよ。
適当に書いて出す。
要はその手続きをちょっと味わいたかったみたいな。
1万円ぐらいお金かかるんですけど、
適当に作ってやって出願したことがあるんで。
自分の名前で検索すると多分出てくるんですよね。
通ったの?
通ってない。
出願したから。
出願するだけで公開されるんですよ。
登録されてもそれは公開されるんですけど、
出願するだけでも公開されるので。
しゅうた
なるほど。
松下昂永
ということで恥ずかしいんですけど。
しゅうた
じゃあ大学で、大学じゃなくてもシンブルをやってる人は、
ぜひ松下弁護士の名前で調べるって出てくる。
松下昂永
恥ずかしい。
当時は特許法も遊びで勉強してても全然ですけど、
そういうこともやったんで分かるんですけど、
大変なんですよね。
自分で作るのが大変なので専門家にお願いするんですけど、
しゅうた
そういうときお金かかるよと。
松下昂永
しかも今の日本での話なんで、
これを海外でやろうとすると本当に全然まだまだかかるよということですね。
しゅうた
それ結構出すのコストかかって時間もかかるってなると。
松下昂永
じゃあ実際それが侵害されたよって言って裁判したりとか、
裁判どんだけあるものなんですか?
これはなかなか悩ましいところで、
そもそも何に特許を使いたいかっていう話だと思ってて、
今言ったような他の人が侵害したときにお金取るよってのが一番分かりやすいんだけれども、
しゅうた
それ以外にも、例えば自分のブランディングに使いたいとか、
松下昂永
宣伝に使いたいっていうこともあるから、
それに使うっていう意味ではもしかしたら30万とかだったら別にいいかなってなるかもしれない。
ただ他の人からお金を取るんだぞって思って使うとなかなか難しい。
しゅうた
お金目的よりかはやっぱりブランディングとか、
18:00
松下昂永
あとは競合他社の模倣、パクリを止める抑止力。
ただお金取るっていうのでも結構、
特許持ってればすぐお金向こうから取れるんじゃなくて、
実際に相手がやったパクリったものというのが、
本当に特許権に侵害しているのかってすごい慎重な裁判が必要で、
少なくとも1年ぐらいかかるわけですよね。
しゅうた
それのときの弁護士用もすごいかかるし、
松下昂永
かといって弁護士に依頼できない、しないでやるかって言われると結構それも大変。
しゅうた
なのでコストはかなり高いですよね。
松下昂永
特許っていう意味では、
マジック業界ってすごいアイディアの幅が広いわけですよね。
例えば医薬品特許とかだったら、
この基本的な薬取っちゃったら、
みんなこの薬の特許を応用しないと作れないみたいな特許があったりして、
そういうのがあるとすごい強いわけですよね。
じゃあマジックで何があるかっていうと、
例えばダブルリフトとか、あとはフォールドシャッフルとか。
みんな使うやつ。
これ特許取ったらもう強いわけ。
例えばダブルリフトに特許持ってたら誰もアンビシャスカードできないみたいな話で、
めちゃくちゃ強いんだけども、
じゃあそれ特許取れるかっていうと取れないだろうなってなるわけ。
なんでかっていうと、
そもそもダブルリフトって誰が思いついたの?っていう話。
なかなか難しいっていうのがあるのと、
今のは細かい話で、
実はそもそも単なる技法というか、
例えば野球のボールの投げ方とか、
そういう個人の技術に依存するやつっていうのは基本発明取れない。
特許取れないことになってるんですよね。
ここはちょっとなかなか悩ましいところなんで、
マジックって結構錯覚とかを応用したりっていうことがあるので、
なかなかテクニック的な人の技に依存する部分が多いので、
誰でも真似できるっていうものじゃないと特許取りにくいんですよね。
しゅうた
なるほど。
松下昂永
例えばその意味でギミックとかだと、
物があれば誰でもできるということで取りやすいっていう話になる。
実体性が、さっきのシンブルのギミックも物があるから取れる。
しゅうた
偏差も製品があって取れるという。
なるほど、ということでした。
ありがとうございます。
じゃあ一旦1本目このもんにして、
また次の回に質問を続けていきたいと思います。
次の回でまたお会いしましょう。
バイバイ。
松下昂永
バイバイ。
20:37

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