図案集、パターン図
こんにちは、栗林健太郎です。
この1週間で、写真シリーズを2つ完成させたので、それらの話をしたいと思います。
1つ目は、図案集、パターン図というもので、2つ目は、アリス・イン・ナポレストというものです。
その2つとも、ノートというサービスを使って写真をアップして、
それについての説明文、説明文というのかな、
マニフェストみたいなものかもしれないですし、
あるいは、どういうことを考えて作ったよ、みたいな、
そういう考え方、理論的背景かもしれませんが、
そうした文章を1つずつ、それぞれ付与してアップをしてあります。
最初の図案集、パターン図というものは、
8月の12日から9月の12日まで、
毎日1日5枚ずつ写真をアップする、みたいなことを30日間続けてまして、
それに、何でこういうことをやっているのかという文章を付けた、
そういった連作というか、そういう写真シリーズになります。
ノートの方に、さっきも言ったように、
何でこういうものを作ったのかというのを書いたので、
詳しくはそこを見ていただければと思うんですけど、
詳しくはというか、考え方みたいな、
何でこういうことをしたのかという考えについて、
詳しく書いてあるので、見ていただきたいんですけど、
ここではもうちょっとベタに、
制作プロセスの話をしたいなと思っています。
毎日写真を撮ってまして、
それは通勤時とか、出かけた時とか、散歩した時とか、
大体そういう時ですよね。
わざわざ撮りに行くみたいなことはしないんですけど、
そういう時に、何となくカメラでパシャパシャって撮るんですけど、
大体10枚、20枚ぐらいですかね。
大体本当に通勤の行き帰りとかそれぐらいの時間だったりするので、
その時も考え事をしてて、
写真のことに頭がいかないこともあるんで、
あんまり撮れないこともあるんですけど、
それぐらい撮って、その中から5枚選んで、
ライトルームで現像して、それでアップするみたいな、
そんな感じで作っていました。
これは5枚っていうのは、別に何枚でもいいんですけど、
毎日一定の量を繰り返すみたいなことをしばらくやってみようと思いまして、
このズワンシューというシリーズは、
日常というか、特になんてことのないところに
ある種のパターンを見出すみたいな、そういうコンセプトでやってたんで、
とはいえ、文章でも書いたんですけど、
いかにもこれはパターンとして作りましたよみたいなのを、
そのまま写真にするみたいなのはあんまり意味がない。
この取り組みにとっては意味がないと思っていて、
なので、できるだけもともと意図されていたわけではないパターンを見出すってことをやりたくてやってたんですけど、
1日5枚はやると、みたいな感じになると、だんだん疲れてきて、
疲れてきてっていうか、あんまり思いつかなくもなってきて、
ある種偶然、適当に、あんまり意識せずにパッと取ったものに、
結構いいなって思うものがあったりしてですね、
それは継続を無理やりすることによって、
ある種自分の目というか、ものの見方を今まで自分では意識しなかったようなところに持って行ったり、
引き出したりするみたいな、そんな効果があったのかなというふうに思ったりします。
もちろん、取るだけじゃなくて、
現像して、その後トリミングをしたりとか、
あとはちょっとした角度を調整したりとか、
そういう過程においても、それまでは取ったときは見えてなかったような図案みたいなパターンが見出されてきて、
結構面白いなっていうことも多いにありました。
そんな感じで、何かしら世の中、人工物でも自然物でも、
それぞれに人工物の場合は人間が意図したパターンがありますし、
自然物の場合は進化の過程で生まれてきたパターンというのがあるんですけど、
そういったものを一旦外して、
そういったことではないというと言い過ぎですけど、
少なくともその本筋ではないようなパターンを見出すみたいな、そんなことをやっていたわけです。
もう一つのアリス・インナーフォレストというのは、2020年の4月に撮ったもので、
アリス・イン・ナポレスト
これは前のホームページに載せてたんですけど、
そのホームページを作り変えちゃって、それで見えなくなったので、
また改めてノートにアップし直して、
かつ説明文はその時は書いていなかったので、
これはこういう目的があって作りましたという文章を書きました。
これも説明についてはノートの方を見てほしいんですが、
簡単に言うと写真というのは基本的には平面の画像なわけですよね。
写真だけじゃなくて絵とかもそうですけど、なぜか立体的に見える。
立体的に見えるというとVRみたいな感じかって感じですけど、
そういうことではなくて奥行き感があるわけですよね。
それは大昔から探求をされていて、
どういう風に絵だったらどういう風に描けばいい感じに立体になるのかっていうのは
ずっとやられてきたことですし、
VRとかそういったものにも探求の歴史っていうのは引き継がれているわけですね。
その中で写真っていうのは一般に言われるような奥行きを近くするような仕組みとは
ちょっと違う表現もあるんじゃないかなと思っていて、
それを具体的に示さないとよくわからないので、
具体的に示すためにいろんなパターンの奥行き近くの新しいパターンみたいなのを
提示すると言いたいことがわかりやすいよなと思ってやったシリーズです。
これは森と言ってますけど、公園に行っていろいろ写真をたくさんある日撮ってきてですね、
それをまとめたものなんですけど、さっき言ったようなコンセプトで全部撮っていて、
もちろんその中から特にコンセプトを表すものを選んでるんですけど、そういったシリーズになります。
これは立体誌みたいなところに対するコンセプトを表すみたいな話をしましたが、
単純に美的な関心ももちろんないわけではなくて、
単純にそういうものがある種の写真的な美しさというものを表すよなとは思っておるわけです。
その2つの写真シリーズに共通して言えるのは、
自分でもあんまり言語化はしてなかったんですけど、そういう写真をよく撮ってるんですよね。
今回シリーズにまとめたものだけじゃなくて、他にもいろんなコンセプトがあるんですけど、
結構ある種の似通り方があるという感じがしていて、それはどういうことかというと、
自分で撮る写真については何が写ってるかっていうのはあんまり関心がないわけですよ。
何でもいいわけではないんですけど、あんまり何が写ってるのか、どういうふうに写ってるかっていうのはそんなに関心がなくてですね。
例えば図案集の場合は画面を構成する、それこそパターンですよね。
パターンをどういうふうにたくさんのパターンを提示するかということに関心があって、
それが何が写されているのかとか、被写体が何かとか、あるいはきれいに写っているとか、ぼけて写っているとか、
そういったことは割と二の次で、どんなパターンが写し出されているか。
写し出されているかってちょっとまたあれなんですけど、画像としてどういうパターンが見えるのかっていうことが重要なわけです。
アリセインナフォレストっていうシリーズだと、たまたま森の木を写しているんですけど、木じゃなくても別に構わないわけですよね。
やりたいのは写真における立体紙の構造、仕組みみたいなのを提示できればいいので、木じゃなくても何だっていいんですけど、
分かりやすいので、木を用いたという感じで、それもさっきの話と同じで、何が写っているかそんなに問題じゃないし、どういうふうに写っているかっていうのもあんまり問題ではないわけですね。
コンセプトがあって、そのコンセプトを示せるようなこと。
そのコンセプトっていうのも何か対象物とか被写体に対するコンセプトとかでもないし、美的なコンセプトというわけでもないですし、
単純に何らかの問題意識とか何らかの提示したい構造みたいなのがあって、その構造を写し取れるかどうか、
その構造を画像としてプレゼンテーションできるかどうかということに関心があるわけです。
写真の制作プロセス
それが何か意味があるのかって言われると、意味があるのかどうかは分からないですけど、
自分にとっての写真の制作っていうのは、ある種そういうカメラというものを使って、
カメラに固有の、あるいは写真に固有の、あるいは固有だと自分には思われるプレゼンテーションをする、
あるいはこれは何でなんだろうなっていうのを考えるみたいなのが楽しくてやってるんで、
そういう写真を撮って遊んでいるわけです。
とはいえ、もちろん自分自身は写真を撮ったりするのは写真を見るのがものすごく好きなわけですよね。
なので、その余波で自分でも撮っているというとこなんですけど、
見る方は普通にいろんな写真を見るわけで、そのほとんどは被写体がいいとか、
写真としてすごくいいなって思うとか感動するとか、そういうものが多いんですけど、
それはそれとして当然素晴らしい写真なんですけど、
自分自身が制作するときはあんまりそういうことというよりは、
そういう抽象的な課題意識、あるいはコンセプトがあって、
そういうものを探求するために撮っていたりするわけです。
それに加えて今回は図案集の制作プロセスのところで言ったように、
1日5枚とか制約を課して、かつ毎日特に何もネタがなくてもやるっていう、
それは今回新しく取り入れた方法なんですが、
そういうことをやることによって、ある種自分自身を追い込むことで、
特にネタがないけど1日5枚あげなきゃいけないんでデッチ上げると。
デッチ上げた中にそのデッチ上げ方が無意識のうちにいい感じになって、
結構思ってもなかった面白さがあるなみたいなのが出てきて、
それはあんまりコンセプトを実現するのに本質的かと言われると、
そういうわけではないかもしれないんですけど、
ただ結果としては出てきた絵の面白さみたいなところに、
自分としてはつながってきている面もあるなと。
逆にちょっと雑になって、
コンセプトを表すものとしてはちょっと雑すぎるなと思うものもあるんですけど、
ただその分面白いなと思うものもできてきたわけです。
というわけで写真シリーズをこの1週間で2つ作ったので、
そんな話をしました。
ではまた。さようなら。