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ちょっとね、話題になっている記事がありまして、「そのエモい記事は必要ですか?」っていうね。
正確に言いますと、「そのエモい記事いりますか? 可能する新聞への苦言と変化への提言。」っていうタイトルがついているですね、記事。
社会学者の西田亮介さんによる記行なんですけれども。
あの新聞社に勤めている人にはね、とりわけ新聞社だけじゃないかな、テレビも含めてかな、マスコミかな、にとってはね、結構ね、面白い、興味深い理論点だと思ったんですね。
いろんなことが書いてあるんですけれども、書いてあることをそのまま読んだ方がいいでしょうね。
ナラティブでエモい記事。これをね、西田さんは問題視しています。
このところ、エピソード主体のナラティブでエモい記事を新聞の紙面で見かけることが少なくない。
ナラティブとは物語や語りを意味する。要は、お涙頂戴の日常描写ものの記事のことである。朝日新聞だけではない。他の全国誌でも共通の現象だ。
とありまして、途中、かったりしますね。ナラティブでエモい記事とは具体的に言うと、データや根拠を全面に出すことなく、何かを明確に批判するのでも賛同するわけでもない。
一位にかつ直ちに読む意味が定まらない。記者目線のエピソード重視、ナラティブ重視の記事のことだ。
実例を挙げるのは、はばかられるので控えるとして、例えば、我が町のちょっといい話の類の記事であり、地元で愛された店が閉店する。
学校教員の小話、日々の記者の独白やエッセイなどを念頭に置いている。
ただ、書かれたテキストをどう受け取るかは読者次第。そもそも好きに読めばいいし、厳密にカテゴライズするのも難しいので、批判もなかなか難しくすこぶる。
価値が悪いとあります。それでもあえてこれを批判的に取り上げて論を深めたいというふうに問題的にはされている。
確かにありますよね、こういう記事。
ただ、ここまで読んでまず最初に思うのは、このところってあるけれども、新聞記事っていうのは、私が入社したのは2000年ですけれども、ずっとこの調子かなっていう感じはしますけどね。
要するに、ここでいうエモい記事。そうですね、なんとも難しい、曖昧なところですけれども、データや根拠を全面に出した記事って何かなって思うんですけれども、いわゆるストレートニュースですね。
こういう事件がありましたとか、政府がこういう方針を決めましたとかね、円安で今1ドル7円になってますっていうのは、多分データが全面に出てるものだと思いますね。
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一方で、明確に何かを批判したり賛同する記事って多分今までもあんまないと思うんですよね。
新聞ってそういう記事は避けているので、逆にそちらが両論平起っていうことで批判されてきたのが新聞かなと。
要は、何でもいいんですけど、消費税を上げるか下げるかみたいな話でも、上げたほうがいいっていう人と下げたほうがいいっていう人と、
二利識者を用意するっていうのが、わりとよくある新聞のお作法なんですよね。
それ決めるのは読者の皆さんですよっていう形で提言する。
これは実はあんまり海外の新聞だとそうでもないところが多くて、海外の新聞もいろいろですけどね。
欧米の新聞ということで言うと、アメリカの新聞なんかは、例えば大統領選はどっちに票を入れるべきだとかっていうのは明確に示す。
そういうのとは一線を隠していて、いろんなものから客観的に距離を取りましょうねっていうのが新聞のあり方なので、賛同したり批判したりっていう記事っていうのはおそらくあんまないですね。
全然例外になっているのが社説で、あれはもう明確に賛成反対を決めますね。
ただ新聞が20ページから40ページぐらいある中で、一つの記事でしかないので、極めて例外的だと思います。
他の記事に関して言うと、確かに、あとコラムは覗いてくださいね。
朝日新聞だとパジソー論とか、転生人語もそうですね。
ああいう筆者が自分の思いの丈を綴りますみたいなもの、記者、取材後期だ、考えるって書いて取材後期っていうのとかは、確かに賛成したり反対したりを明確に打ち出しますけど、
社説も含めて全部ひっくるめてもたぶん1%もない記事の全体のですね、かなっていうふうに思いますね。
あとは、そうじゃなくてもナラティブ重視、語り、物語の記事、これは確かにもっとあります。コラムとかよりもありますよね。
なんかね、これも人によるんでしょうけど、私はそういうのをお話し物とかね、物語調の文章みたいなふうに聞きましたね。
そういうことを社内で言っている、言い方をする先輩たちのもとで、記者として修行を積んできましたかね。
これね、ある種別称なんですよ、お話し物っていうのは。
やっぱりこれ西田さんの価値観と古い新聞社の体質ってすごい似てるなと思っていて、私はそれを感じたんですよね。
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このコメントプラスっていう記事にコメントをつけられる機能があって、そこで江川翔子さんね、ジャーナリストも西田さんに全面的なサウンドを示してくるんですけれども、
多分江川さん世代のジャーナリストの価値観だなっていう感じはすごいします。
どっちかというと、お話し物っていうのは下に見られてきたっていうのが実際のところだと思いますね。
例えば社会部、社会部っていうのはですね、主に事件事項、要するに社会を賑わす話だったら何でも取り扱う部ですね。
だから他の部が政治部だったら政治の話を扱う、経済部は経済の話を扱うと、科学部だったら科学の話題を扱うって決まってるカテゴリーがあるわけですけれども、
それに漏れるものというか、全部ひっくるめて社会部ですね。
これね、社会部っていうと日本の新聞社では極めて通用な、新聞社を全部解体して最後に部を一個残せって言われたら、政治部か社会部かどっちかだと思うんですよ。
もともと新聞ってやっぱり自由民権運動とか政治の話題にまつわって大きくなってきたところがある一方で、成田地は河原版なので社会部なんですよね。
何でもどっちからと思いますっていうぐらい、新聞社の根幹みたいな部門なんですが、英語で社会部って何ていうか知ってます?
シティニュースセクションって言うんですよ。シティニュース。途端に軽くなりません?
街の話題って感じしますよね。シティニュース。フランス語だとフェディベア。これ何かっていうと、フェっていうのは物事のことですね。
ディベアっていうのはダイバーシティとかと同じディベア。様々な物事みたいな直訳をするという意味ですね。
これだから、フランスに留学してたんですよ。留学って恥ずかしくて、語学だけ学んでたんで本当に申し訳ないなという気持ちもありますけど、
語学学校に行って、私は新聞記者をやってるんですよって言って、じゃあその新聞の誌面にどういうのがあるのか、今ちょうどいいんで、皆さんと一緒に勉強しましょうってなって、
で、社会面の記事のことをフェディベアって言ってて、これどういう意味かわかる?要するにあまり重要ではない記事ですね。雑な紹介の仕方してて、おいおいって思ったんですよ。
僕は社会部経験結構長いので。だけど言われてみりゃ、政治とか経済っていうのは国を動かす重要な話っていう価値観で考えると、
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シティニュースですからね、良しな仕事ですからフェディベアって、どっちでもいいって言われちゃえばそれまでの話なんですよね。
そういうのが載ってるのが社会面で、日本では比較的みんな事件記者とかっていうドラマが流行ったりっていうのは、あれも全部社会部記者だったんで、社会部は花形っていうイメージであるんですけども、
諸外国だとあまり全然そうは思われていないっていうね、はい。っていうその社会面の記事とかでお話し物っていうのが載ることがあるんですよね。
今でも、朝日新聞だと窓っていう記事とかはもう完全にそういうお話し物なんですけれども、ちょっとまた次回ね、その辺の話を詳しくしたいと思います。