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2021-04-24 14:31

031. トリチウムは怖くないけれど...

ニュースでよく耳にする「トリチウム」とはどのような物質なのでしょうか?  ニュースレター『STEAM NEWS』からトリチウムを話題を短くお伝えいたします.

毎週金曜日朝7時にアート,リベラルアーツと科学技術に関するニュースレター『STEAM NEWS』を発行しています.YouTube,ポッドキャストでまとめもお送りしています.

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一です。おはようございます。
東京都、それから関西で、緊急事態宣言が出されているということで、
ぜひ皆様、人との接触機会を減らして、ご安全にお過ごしいただければと思います。
長崎も、大型連休明けには、感染者数が爆発的に増えるのではないかと懸念されていまして、
できるだけ今のうちから、接触機会を減らして活動を行っています。
今日も、人の来ない場所で録画・録音をさせていただいています。
授業も、僕が担当しているものに関しては、率先してリモート授業を導入しています。
恐らく、今後リモート授業が増えていくと思うので、
僕はたまたま1年生を担当しているので、今から慣れてもらう意味もあって、早めにリモート授業をさせていただいています。
大学の講義は90分ありますから、90分ずっと見ているのは大変だと思います。
YouTubeでも90分ってなかなか見ないですよね。
僕は90分の授業というのは、90分しゃべるのも結構大変なんですね。
特に1年生ですから、90分授業を聞くというのに慣れてもらうという意味もあって、
何とか集中してもらおうと思って、90分の中で3回ぐらいは笑かそうかなと思って、
90分ずっとね、僕は大阪弁でわーっと喋っているんですけども、
ただね、笑わそうと思っても反応が見えないから、学生さんはやっぱりカメラとかオフにしてますからね、
反応が返ってこないのはちょっと辛いなと思って、
後でメッセージとかを読むと、画面の向こうで爆笑してましたとか書いてくださっているんですけどね、
もし学生さんでこのYouTubeを見ていらっしゃる方はですね、
今度リモート授業のときは絵文字で何かレスポンス返せるじゃないですか、
サムアップとか笑ってるアイコンとかあるじゃないですか、あれ押してくださいね、
その話は置いといて、
今日はですね、今日の話題はトリチウムという物質についてお届けしようと思っています。
このYouTubeポッドキャストでトリチウムについてお話をしたいと思います。
なぜかというと、先週政府がこういう発表しました。
東日本大震災で被災した福島第一原発の周囲に今タンクを建てて、その中に処理水という水をため込んでるんですね。
これは何かというと、福島第一原発のコアが溶け出してしまって、
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原発の中身というのは放射性物質ですから、ウラン、プルドニウムが含まれる放射性物質、
それに核生成物も混ざっていますから、人間が近寄れないわけですね。
そこに地下水が流れ込んでしまって、その周りの水も汚染されている。
水の中に核物質が溶け出しているのもあるし、水そのものも放射性物質に触れることで放射能を持つようになっているということなんですね。
溶け込んだ放射性物質に関しては東京電力が処理して除去しているということになっているんですが、
トリチウムという物質だけは除去していません。
これは除去が非常に難しいので、除去していないんですね。
トリチウムとは何かという話をさせていただきます。
これは水が放射性物質に触れることによって生成されてしまっている物質で、金属のような名前の響きがありますけれども、
日本語で言うとリチウムという金属と名前がすごく似ているじゃないですか。
ただ全くの別物なんですね。
リチウムというのは水素です。水素。水はH2Oで水素2個と酸素1個でしたよね。その水素です。
水素なんですけれども、水素というのは水素原子というのは中を非常に細かく見てみると、
陽子というつぶつぶが1つと、電子というつぶつぶが1つ。陽子と電子が1個ずつできています。
陽子は電子に比べると非常に大きい質量で言うと1万倍ぐらいですかね。
ちょっと数字忘れちゃいましたけれども、非常に大きいのと非常に大きい陽子と非常に小さい電子があるんですけれども、
1個ずつこれは普通の水素です。普通の水素のことは軽水素とも言います。
この陽子とほぼ重さが同じ中性子というつぶつぶが陽子にくっついたもの。
陽子・中性子・電子という物質。これを重水素、英語でデューテリウムというふうに言います。
陽子・中性子・電子。この重水素なんですが、これは割と自然界にある安定した水素です。
この陽子・中性子・電子のところにもう1個中性子がやってきた。
陽子・中性子・電子。これを酸重水素あるいはトリチウムというふうに呼びます。
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名前がトリチウムといえども、これは水素に変わりはないわけです。
水素に変わりはないので、水素2個と酸素1個で水分子になることができます。
重水素、デューテリウムの方は安定しているんですけれども、トリチウムの方、酸重水素の方は、実はこれは放射線を出す能力、つまり放射能を持っています。
どういうことかというと、この中性子、陽子・中性子・中性子の中の中性子1個が電子を放出して陽子に変わるんです。
中性子が電子を1個放出して陽子に変身します。これ崩壊って言います。
そうすると、陽子・陽子・中性子になるじゃないですか。
陽子・中性子・中性子が電子1個放出して、陽子・陽子・中性子になるんです。
元からあった電子はそのままに、陽子・中性子・中性子・電子がトリチウムですよね。
それが電子1個放出するので、陽子・陽子・中性子・電子・電子になるんですよ。
これになった結果何かというと、ヘリウム酸という物質です。
つまり水素からヘリウムに変身してしまう。
これがトリチウムの少し厄介な性質で、
この飛び出した電子のことを電子ビームなんですけれども、別名ベータ線と呼んで、
これを放射線の一種だという風に数えます。
電子が飛び出してくる。実際にはこの電子トラップされずにビヨーンて飛んでいくんですけれども、
ただしトリチウムの場合の電子ではそんなに飛び出した電子はエネルギーを持っていないので、
水中では数ミリメートルしか進むことができないそうです。
僕見たわけじゃないので、そうですとしか言いようがないんですけども、そうなんです。
なのでトリチウムがまず水分子の形として存在するとして、
それが周り普通の渓水の中にいる限りは、電子は、ベータ線は飛び出してこない。
タンクの端っことか表面ですね、水面から飛び出してくる電子ビームはどうなっているの?
ベータ線はどうなっているの?という話があるかもしれないんですけれども、
エネルギーの弱いベータ線なので、まず空気中もそんなに遠くまで飛ぶことはできないのと、
タンクは金属製のタンクなので、そのタンクの壁を越えて外に飛び出すということはできません。
なのでトリチウムを多く含む処理水であっても、
タンクに入れている限りは、その周囲にベータ線が飛び出しているということはないと考えられるわけです。
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政府が発表したのは、そのトリチウムを含む水を薄めて海洋投棄しましょう、海に流しましょうという案なんですね。
これはもうタンクがどんどん増えていってしまうので、どこかに処分はしないといけない。
どこに流しますかというと、蒸発させて空気中に放出するか、あるいは海に流すかどっちかしかないんですけれども、
海に流しましょうというのは、トリチウムだけを選んで取り除くというのは非常に困難なんですね。
というのはほぼ水素なので、もちろんものすごいお金をかければできるんですけれども、
水素とトリチウム、軽水素とトリチウムは重さが違うので、
その性質を利用して分離というのはできなくはないんですけど、非常にお金がかかる。
それよりは薄めれば、水の中にあれば無害だから、海の中に捨てましょうというのは合理的な判断とは言えると思います。
どのぐらい薄めればいいのかというのは、もちろん周りにトリチウムだけの水を作ったとしたら、
放出するβ線を止めるものがないので、我々は被爆してしまうんですけれども、
周りに十分な軽水があると、周りに水があるとβ線が止められるので安全だと。
どのぐらいの薄め方をすると安全なのかというのが、
国の基準であったり、それからWHOの基準であったりというものがあります。
1つ覚えていただかないといけない単位があって、それがベクレルという単位ですね。
これは何かというと、1秒間に1個のトリチウムが電子を1個放出する。
これを1ベクレルと呼びます。
1秒間に1回放射線が飛び出してくる、これを1ベクレルと言います。
当然、たくさんあればベクレル数がたくさん上がっていくんですけれども、
例えば1秒間に10個飛び出せば10ベクレルになりますね。
ただ、それを受け止める水の方が十分あればいいということで、
WHOが飲料水として、ここまでなら大丈夫だよと示している基準は、
水1リットルあたり1万ベクレルまで。
水1リットルあれば、その中に1万ベクレルのトリチウムの放射線があっても、
飲んで大丈夫ですよという基準を示しています。
これは飲む場合なので、環境中はもう少しあっても大丈夫だと言われているんですけれども、
政府発表によると、福島第一原発のタンクの中の処理水は1リットルあたり100万ベクレルある。
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これを100倍以上に希釈すれば1万ベクレルという基準になるので、
1万ベクレルという基準をクリアするので、海洋放出しても安全だという主張なんですね。
トリチウムはただの水ですし、動植物が吸収しないので、生物濃縮ということがほとんど起こりません。
なので、海に放出しても大丈夫ということは信用してもいいんじゃないかなと思います。
ところが、何が問題かというと、問題があるんですね。
問題が何かというと、その処理水の中で本当にトリチウムしか残っていないのかということなんですね。
実は東電がかつて発表した資料の中に、他の各種、放射性のセシウム、放射性のストロンチウム、放射性の要素、放射性のルテニウム等々が
基準値以上残っていて除去できてなかったんですが、それを積極的に公表しなかったという事件がありました。
これは極端な話、隠蔽と呼んでもいいんじゃないかというような事件がありました。
東電だけではなくて、政府もそれを把握していたのに公表しなかったということがありました。
だから今、その処理水の中に本当にトリチウム以外の各種が取り除かれているんですかという疑問は残るわけです。
その点に関しては、どうしても我々一般人が調査するというのは難しいので、これはもう確実に公表してくださいよと言っていくしかないんですが、
その点については我々も言い続けていこうと思っています。
トリチウムに関しては恐れることはないとは思うんですが、その他の各種の放射性物質については、我々は強く踏み込んでいかないといけないと思っています。
こういったことに関して、毎週ニュースレターを書かせていただいているんですけれども、取り上げていますので、よかったら概要欄から見ていただければと思います。
今日も聞いてくださって、また見てくださってありがとうございました。また次回お会いしましょう。
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