1日10分、宇宙時間をテーマに毎日お届けしております、宇宙話。 今回は月の表面で見つけられる資源についてお話ししていきます。
人間が月に行って、現地でどうやって生活していくのか。 月より先、火星だったりを目指す上で重要な物質っていうのはその場にあるのか。
どういった物質があるのか、どうやって見つけていくのか。 そんなお話ししていこうと思っておりますので、ぜひ最後までお付き合いください。
2、1、イグネーション。
スペース、スペース。
スペース、スペース。
佐々木亮の宇宙話。
2023年10月3日始まりました、佐々木亮の宇宙話。 このチャンネルでは、1日10分、宇宙時間をテーマに、天文学で博士号を取得した専門家の亮が、毎日最新の宇宙トピックをお届けしております。
本日でエピソードが1090話目を迎えております。 あと10話で1100っていうところになってますけど、基本的には1話完結でお話ししておりますので、気になるトピック、気になるタイトルからぜひ聞いていただけたら嬉しいです。
前回は、月の表面にあるチタンと呼ばれる物質、これが月の中でどういう役割を担っているのかっていうところから、iPhone作れんじゃない?みたいな話までしていったりとか、
あとは、それの前とかは、月の地下深くから掘り起こされた物質っていうのがどういう性質があるのか、みたいな月に関する特集っていうのをガンガンやっているっていう、そういう状況になってます。
これはもう本当、月特集ガンガンやっていこうっていう気持ちなので、今日も月のお話をしていこうかなというふうに思っております。
今日は、月の表面にある資源、月には一体どんな資源があるのか、そんなお話をしていきます。
人間が月面探査をしていく、この背景にはやっぱり資源探査っていうところが大きくあります。
資源っていうのは、簡単に言うといろんな材料ですね。今回紹介するところで言うと、アルミニウムとか酸素とか水素とかもそうだし、前回のチタンとかもそうですね。
水もそうです。こういったところがどういう特徴があって、一体何があるのか、そして、
月でそういう資源を見つけたときに、一体どういう応用の仕方ができるのか、そんなお話をしていこうかなというふうに思ってます。
で、最近やってる月特集とか、これまでポッドキャストの中でも月に関するテーマ、ピックアップしてきたので、そのあたりをまとめた
Spotify のプレイリストを更新してあります。ぜひ概要欄からそちらもチェックしてみてください。
じゃあまあ早速本題に行こうかなと思うんですけど、月にはどんな資源があるのか、ここを紐解いていくっていうところで、JAXA のページっていうところを
参考にしながらお話ししていきますね。まず月にある資源、一番注目されるのはやっぱり水ですかね。
これはポッドキャストでもこれまで紹介してきてるし、1085話では月の水を発見するまでの世界の科学者の取り組み、120年の歴史っていうところをお話しさせていただいたぐらい、まあすごい深い歴史があるんですね。
で、そんな中で最近は月に水があることは当たり前だというところまで理解されていて、で実際に例えば10年後20年後、
人類が月に移住しているような人もいるみたいな、長期滞在している人もいるっていう状況が実現された時に、
重要になってくる資源の一つですね。もう生活には欠かすことができないと。生命の維持っていうところも重要だし、工業利用っていうところでも使われますね。
そしてまあ水が取れるっていうところの一番のメリットは、水、どういうものかっていうとH2Oじゃないですか。
H2Oってことは水素も酸素も取得できるというようなところで、この水素と酸素が引き出される状態が今後いろんな資源を出していくっていう上で重要になってくると。
というところで、順番に酸素と水素っていうところを紹介してみましょうかね。酸素っていうのは人間が呼吸するのにも必要だし、
逆に酸素から水を作るっていうこともできますよね。で、あと期待されているところで言うとロケットの燃料、これ酸化剤って呼ばれるものが使われるので、
その酸化させるための材料として酸素っていうのが使えるだろうっていう、そういう考えられ方もしていますし、あとは燃料電池とかの燃料にもなったりするというようなところで、酸素の存在っていうのも不可欠になってくるんですよね。
月の表面って本当にカラッカラの何もない状態だし、アポロ計画の映像を見たりしても、ちゃんと宇宙服を着てないとダメなことはなんとなくわかりますよね。
地球に比べて重力が6分の1っていうような本当にふわふわした状態になっていて、実はこの重力っていうのが大気があるかないかっていうところに非常に大切な役割を担っていると。
地球にこうやって酸素とか水素とか水とか、まあ水はちょっと違うかな。一旦見えない酸素とか水素の話しましょうか。
そうすると、こういう大気がある中で僕たちって生きてるじゃないですか。この音が聞けるのも大気があるおかげだし、僕がこうやってポッドキャストで喋れてるのも、呼吸をして酸素を吸って二酸化炭素を吐き出しながら喋ってるからですよね。
この気体があるっていう状態は、実は重力によって地球に気体が保持されている状態だからなんですよ。
ただ単にまとわりついているっていうわけではなくて、この重力ってのは結構重要なんですよね。重力があるから
大気、大気も結局は細かーく見るとちっちゃい粒なんで、その粒がちゃんとこう地表に留まり続けていられるというところになるんですよ。
その一方で月とか他の惑星とかもそうですけど、なんかこう表面に気体があったとしても、月だと6分の1の重力でそれらを保持することができない。
もちろん他にもいろんな要素があったりするんですけど、重力で保持することができないっていうところから大気がなかったりするというようなところがあるので、
まあその大気がない状態ってことは呼吸もできないので、酸素っていうところを取り出さないといけないと。
で、まあこの酸素っていうところはどうやって取り出すか。さっき言ったみたいに水から取り出すっていうこともできるし、
昨日のエピソードで話したそのチタンが含まれている鉱物、これイルメナイトって呼ばれる物質ありましたね。
このイルメナイト、チタンが入ってるっていうところを前回ピックアップしてお話ししましたけど、実はこれ酸化鉱物、酸化してるんですよ。
つまり酸素があると。だからチタンが取れてiPhone作れんじゃないかっていう話もあるんですけど、普通に酸素もくっついてるから資源としてはめちゃめちゃ重要で、
そこから酸素を取ることができたりするというようなところでも酸素の確保方法はあったりしますね。
で、他に水から取るっていうところで言うと、水素もそうですね。水素もこれロケットの燃料になります。
水素って爆発させられるじゃないですか。科学理科の授業とかで、
中学校か、中学校の理科の授業とかで水素って爆発する機体なんですよみたいなところ見たことあると思います。
試験管で泡ブクブクさせて、ブクブクさせた後の試験管にマッチの火を近づけるとポッていう。
そのポッていう理由は何ですかっていう、中学校理科の問題とかが確か出るんですよね。
で、そういったところできっとみんな1回は通っているその水素の判別の仕方ですけども、そういった理由も、
そういう性質も含めでロケットの燃料になるっていうところはなんとなくイメージつくかもしれません。
で、ここも水から取り出せるっていうところもそうだし、イルメナイトって呼ばれるところから酸素を、
あ、これは水素はそこから取るっていうよりはイルメナイトから酸素とチタンを取り出すために使うこともできるというところで、
水素をくっつけることによって物質を引き剥がすみたいな化学反応を引き起こして、
熱して引き剥がすっていう方法があるんですけど、この方法によって酸素を抜き出すっていうところができるというふうになっていて、
水があると水素と酸素を作れて、で、それだけじゃなくてイルメナイトって呼ばれる月の表面にある石からも酸素が取れて、
で、その酸素を取るために水素が使えるから水の中に含まれている水素を使いましょうとかっていうようなところで、
なんかもう結構こう循環、じゅんぐりじゅんぐりで使えそうっていうところが水素酸素の一番重要な部分っていうふうになってますね。
そして見つけた上で、現地で使うのか、地球に持ち帰ってくるのかっていうところが、これからの応用例の重要な部分になってくるかなと思うので、
そこら辺の詳しい情報とかの論文とか見つけたら、またポッドキャストで紹介していけたらと思っております。
そんな感じで今回は、月面に行って何するのか。なんか地質が重要とか、資源探査とか言ってきたけど、
月の表面で何が見つかるのかみたいな話ってあんまりしてきてなかったと思うので、この辺りをピックアップさせていただきました。
で、なんでこの話をピックアップしたのかというとですね、なんとNASAからのリリースが出ていて、
NASAはアルテミス計画で月面に宇宙飛行士が降り立つっていうところを見込んで、
その時にやるミッションで、地質調査の成果を最大化させるためのジオロジーチーム、地質学チームっていうところを
選んだというところのリリースが出ていたんですよ。なのでちょっと今回はこちらの内容とかも、次回か。
次回はこのチーム選定の内容とかも含めてお話ししていきながら、これからどうやって月面探査が進んでいくのか、みたいなところまでお話ししていければと思っておりますので、ぜひ最後まで楽しんでいただけたらと思っております。
ということで、今回は以上というところになりますね。はい、ということで本題は以上なんですけど、今実際に質問も届いているので、
ポッドキャストにお寄せいただいた質問もちょっと紹介させていただきたいと思います。
リスナーネームマスロックさんからいただきました。 Spotify のコメント欄からいただいてますね。
初めまして。1年ほど前から聞かせてもらってます。豊富なネタで飽きることなく楽しく聞いています。
さて、昨夜は満月の中秋の明月でした。数日前ですね、今日から。
深夜には雲も晴れて綺麗な月が見えました。その時、ふと思ったことについて質問します。
月には衛星はないのですか?月に限らずですが、衛星の衛星ってないのかな?とふと疑問に思いまして、しょうもない質問ですが良かったら教えてください。
これからも応援しています。というところですね。ありがとうございます。嬉しい質問だなぁ。
この月特集をやっているタイミングでは、めちゃめちゃいい質問ですね。衛星の衛星。
これ、孫衛星って呼ばれるものがあるんですよ。孫衛星。この子ですよね。そういったところは実際ある可能性としてはなくはないんですけど、
発見はされてないというところで、現状の確認できている事実からすると、ないっていうところになりそうですね。
まだ発見されてないっていうところなんですけど、実際はかなり質量の制限とかもあったりして、なかなか難しい部分もありそうなんですよね。
例えば月の周り回るってなったら、大きさ10キロぐらいでとか、重さもかなり少なくてじゃないといけなくて、
そうなってくると、そもそもなんか衛星なのかな、みたいな。まあ衛星なんだけど、みたいなところですね。
けど実際に人工衛星が月の周りを回るっていうことをできているわけなので、質量がそうやって積み、
釣り合っていく場所っていうのも存在するっていうところだけ考えておくと、不可能ではないと。
宇宙空間の中のどこかにはあるかもしれない。そんなところですかね。
ということで、ご質問いただいてありがとうございました。
マスロックさんですね。マスロックさん、ぜひこれからもコメントを寄せいただけたら嬉しいです。
皆様からの質問だったり感想っていうところはですね、Spotify の概要欄のところの下にある質問コーナーだったりとか、
あとは概要欄にあるお便りフォームだったり、Twitter のハッシュタグ、宇宙話とかで募集しておりますので、ぜひ皆さんジャンジャンお寄せください。
ということで、今回は以上にしておきたいと思います。明日はアルテミス計画の中で重要視されている地質学を考えるチームの選定についてお話ししていこうと思っております。
ぜひ最後まで楽しんでください。それではまた明日お会いしましょう。さようなら。