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2021-05-16 21:31

034. ピラミッドのレントゲン写真

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ニュースレター『STEAM NEWS』でお届けした「ピラミッドのレントゲン写真」について,少し語ってみました.

毎週金曜日朝7時にアート,リベラルアーツと科学技術に関するニュースレター『STEAM NEWS』を発行しています.YouTube,ポッドキャストでまとめもお送りしています.

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一です。おはようございます。今朝は長崎のですね、また屋外の高台寺というモテラさんに続く坂道からお届けしています。
昨日からずっと雨が降っていたんですけれども、今朝一瞬だけ晴れるということで、まだ朝早いんですけれども、屋外で撮影をさせていただいています。
人があまり通らないところなので、接触に気をつけながら録画録音させていただければと思います。
前回の録画録音、YouTubeとポッドキャストですね、聞いてくださった方のお詫びがあります。ごめんなさい、訂正があります。
何かというと、アミロースと発言しているんですけれども、アミラーゼの意味でした。
アミロースというのが澱粉のことで、アミラーゼというのがアミロースを分解する酵素のことでした。
脳内でアミラーゼがアミロースに置き換わっちゃったんですね。言い間違いをずっとしていました。
動画にテロップとかも入れないまま上げちゃって、後で気がついた次第です。
特に生物学であるとか生化学の専門の方だったら、脳内で何があっても言い間違いないだろうという言い間違いだったんですけれども、聞いてくださった方、見てくださった方、申し訳ありません。
もし高校生の方とかで入試とかで生物を捕らえるという方は、ごめんなさい、こんな間違いをしないようにしてください。
専門外のことを偉そうに言うのは気をつけなきゃいけないなと、深く反省しているところです。
今日は何の話をしたいかというと、レントゲンという方の発見したX線の話をしたいと思っています。
これは何でかというと、これは別のYouTubeチャンネルになるんですけれども、我々エジプト調査隊の隊長であるエジプト考古学者の河合ゆきのり先生がされている
河合ゆきのりの古代エジプトというチャンネルがあるんですけれども、そこでエジプトの大ピラミッドの中を壊さずに投資する、中を見るという技術について解説をされています。
それについてできるだけ詳しく、詳しくといっても、高校の立科程度のところから始めて説明したいなと思ってニュースレターを書かせていただきました。
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ニュースレターはまた概要欄に、それからPodcastで聞いてくださっている方のほうもディスクリプションのところに書かせていただきますので、また機会があればご覧いただければと思うんですが、
投資する中を見ると、皆さんご経験おありだと思います。
健康診断であるとか、あるいは病院の整形外科であるとかで、X線写真、レントゲン写真を撮られたことがあると思います。
健康診断なんかも毎年胸部レントゲン写真というのを撮られると思うんですけども、
実はレントゲンさん、X線を見つけられた方なんですけども、レントゲン写真という言い方を嫌っていたそうなので、できるだけX線写真で統一したいと思います。
つい癖でレントゲン写真と言っちゃうかもしれないんですけれども、気持ちはX線写真と思ってください。
レントゲンさんは今から120年前に第一回のノーベル物理学賞を受賞されています。
その受賞理由が、X線の発見、それからX線写真の発明です。
確かにX線が見つかったこと、X線写真が発明されたことで初めて人体は生きたままの骨を見ることができるようになったんですね。
つまり人体を切り開かずに骨の状態を見ることができるようになった、それから多少臓器の状態を見ることができるようになったということが画期的な発明、発見だったわけなんですけれども、
そのX線はどうして見つかったのかというと、Xは未知という意味でつけました。
Xがなぜ未知なのかというのは、面白いテトトークがあるので、またそちらもご覧になっていただければと思うんですけども、
とにかく未知の光線が出ている、放射線が出ているX-ray、Rayって英語で光線のことですね。
なのでX-rayとX線と名付けたんですけども、それは何かというと、1800年代の終わり頃、1892年か91年かだったと思うんですけども、
ニュースレッダーには正確な数字を書いています。
真空のガラス管、当時の物理学者、最先端の物理学者が行っていた実験に、真空のガラス管に電気を流すということをしていたんですね。
真空といっても多少空気であったりとか、木ガスですね、燃えないガスを入れたりとか、非常に薄くなんですけどもしておきます。
そこに電気を流した、これ何が最先端だったかというと、当時電気そのものがなかったんですよ。
概念的にあるし実験室レベルでもあったんだけども、ご家庭に電気はギリギリ来てなかった時代だと思います。
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エジソンがニューヨークで送電所を作ったのが1882年かな、84年か82年だと思うんですけども、そんな時代です。
エジソンはニューヨークで発電所を動かす前にロンドンで実験をしているので、ロンドンの方が数ヶ月早かったそうです。
ロンドン近郊のゴルゴダマインという街が、それに先立って、さらに数ヶ月先立って送電をしていたとその街は主張しています。
ただ、エビデンスがすごく弱いのかな、その街は宣伝しているんですけども、公式な記録がどうかというのはちょっと怪しいです。
とにかくそんな時代です。そこから10年以内、10年ちょっとですかね、ぐらいにレントゲンは当時オーストリア出身の方だと思うんですけども、ドイツの大学で実験をしていて、
なのでおそらく送電は受けてなくて、大学内で発電していたと思うんですね。
とにかくこの真空のガラス缶に電気を流すということを実験していました。
その真空のガラス缶にネオンというガスを注入すると何が起こるかというとネオン缶になります。光るんですね。
いろんなガスを入れてみるとか、できるだけ真空で上げてみるとかいろんな実験がされていたんですけども、当時、明かりというものもアークライトですよね。
ガストから少しエジソンが電球を発明していますが、1880年代後半というのは電球がなくはないんですけども、
電球そのものもガラス缶の中に空気を抜かないといけないんですね。空気が入っていると中のフィラメントが燃えちゃうので空気を抜かないといけない。
ガラス缶から空気を抜いて光らせるというのは当時の発想としては主流だったのかもしれないですね。
ネオン缶というのは中に入れるガスの濃さであるとか種類とかで光り方が変わるので画期的な技術だったんですけども、
レントゲンが興味があったのは非常に薄いガスを入れたときに電極と電極の間を何かが流れている。
電気が流れるということは当時電気の正体というのは分かってなかったんですけども、何かが流れている。
導線を流れてきたものが真空中もどうにか移動している。
どうも電極が2種類あって、2種類2個ありますよね。プラスとマイナスを2個ありますよね。
当時はプラスを繋いだのをアノード、日本語で陽極。
マイナスを繋いだのを陰極、仮想度って呼んだんですね。
アノードから仮想度に向かって電気が流れると思ってたら、どうも仮想度からアノードに何かが飛んでいっているようだと。
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これは後に電子というものだと分かるんですけど、当時電子は知られていないので、仮想度からアノードに向かって何かがレイ、光線が出ているというふうに考えたんですね。
何で仮想度から出ているか分かったかというと、途中に遮蔽板を置いたときに仮想度から何かがぶつかっているということが分かったからですね。
仮想度から何かが出ているので、仮想度レイ、日本語では陰極線ですね。
仮想度レイというものが出ていると名付けました。
仮想度レイが出ているガラス管、ガラス管のことは英語でチューブって言いますから、仮想度レイチューブ、CRT。
多分昔からパソコンを触っていらっしゃった方は聞き覚えがあると思います。
パソコンのコロンとしたディスプレイですね、テレビと同じ分厚いやつですね、あれCRTって呼んだんですけども、まさに同じものです。
仮想度レイがシンクの中で飛んでくる。
CRT、または発明されたブラウン博士の名前を使ってブラウン管というふうにも呼びます。
ブラウンさんはブラウン管と呼ばれることをあまり嫌わなかったようです。
ブラウン管という名前が普及しています。
だからテレビの分厚いテレビですよね、液晶になる前の分厚いテレビですよね、液晶とかプラズマになる前のブラウン管。
ブラウン管というのは仮想度レイが出てくるだけじゃなくて、それがガラス面にぶつかっているんですね。
ガラス面にぶつかって光っている。
だから映像が見れるんですね。
レントゲンさんは当時、仮想度レイを何とかガラスの外に取り出そうとしたようなんですね。
ガラスの外に取り出す方法はいくつかあって、ガラスを仮想度レイは通過できないので、つまり電子ですね。
ベータ線と同じなんですけども、ベータ線もガラス一部で遮蔽できるので出てこないんです。
ガラスにぶつかることで光を発するんですけども、
なのでガラスの一部を薄い金属白、真空を保ったままガラスじゃない部分を作るというので、薄い金属白にすると仮想度レイは飛び出します。
ただレントゲンさんはガラスのまま何か出てこないかなと思って電圧の方を上げたんですね。
もう電圧ガンガン上げたんですね。
一節によると数万ボルトまで上げたということです。
実験的には5000ボルトぐらいから次の種類のレイが出てくるんですね。
仮想度レイをアノードにぶつけると、当時は白金電極で白金使ってたんですけども、
白金に仮想度レイをぶつける、電子をぶつけるとX線が飛び出します。
それからガラスにぶつけることでも多少出ています。
昔のブラウン管テレビ、パソコンのCRTなんかも原理的にはX線多少出ています。
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ガラスにぶつかっているのでね。
X線が出てくる。
レントゲンさんは何かよく分からないけど、Xに名前つけたレイが飛び出している。
何で気づいたかというと、そばに置いてあった光る石ですね、蛍光物質がうすら光ったんですね。
何か出ているぞと思って。
蛍光物質は時計の蓄光材料ですかね。
光当てると夜の間しばらく光ってなるじゃないですか。
あれとよく似た物質です。
セブン非常によく似た物質です。
あれなんかほら、ブラックライト当てるとパカッと光るでしょ。
強く光るでしょ。
あれと同じ原理です。
目に見えない光を目に見える光に変える物質。
これは蛍光物質で。
レイントゲンさんは何か見えない光が出ていて、蛍光物質を光らせているぞと気づいて、Xへの名前をつけて、
それからたまたま写真に映るかなと思って写真を撮ったんですね。
そうすると紙を通過しても写真が撮れるし、ガラスを通過してきているということは、ガラスも通過するんだろうということは想像がついて、
手をかざして撮ってみると骨が写っていた。骨と指輪の金属の形だけが通過していなくて、皮膚は通過していた。
というので何か透過して物を見るということができるというのでX線を発明をしました。
すいません、車が通ります。ちょっと避けます。
はい、どうぞ。
外で撮っているとこういうことがあるんですね。
X線写真というものを発明をレントゲンさんはしました。
これで医学の世界なんかはもう大幅に変わっていったわけですね。
それからレントゲンさん発明したX線、これ実際には光だったんですね。
フォトンという光のことを書いた格子、フォトンだったんですけども、
それによって非常に微細なものを見るという技術も生み出されました。
物を通過するという技術、それから可視光では見ることができない非常に微細なものを見ることができるようになりました。
ではそれで超大きなものを見れるかという話なんですね。
要はフィラミッドをX線で見ることができるか。
これはいくつか問題があって、たぶん3つぐらい問題があって、
1つはまずX線の装置、X線を発生させなきゃいけないので装置がいる。
胸部レントゲンとか健康診断で受けられるときはX線検診車という車に乗りますよね。
車ぐらいの大きさの装置がいるよと。
それからフィラミッドを持っていくこともできないし、そんな大きな装置もない。
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たった1つ任意の場所でX線を発生する方法はあるんですけども、それは核爆発が必要なのでやりたくないですよね。
フィラミッド壊れちゃうかもしれないし、周りの人みんな死んじゃうかもしれないし。
さすがに核爆発を使ってX線を発生するというのは現実的ではない。
それからもちろん写真もいりますよね。
X線というのは基本的に光なんですけども、X線を曲げるレンズというのが早々手に入るものではないので、なくはないんでしょうけども、
解析格子という格子を使えば曲げられはするんですが、
写真に収めると、X線の写真に収めると、これはなかなかの大変なことなんですね。
なぜ曲げないといけないかというと、
レントゲイ写真はみんなピタッとくっつけていて、背中と装置とくっつけていて、フィルムもピタッと身体にくっつけますよね。
しないとぼやけちゃうんですね。X線があちこちから飛んでくると散乱するのでぼやけちゃうんですね。
焦点を合わせないといけない。
それができないので身体に密着させて、フィルムを密着させて写真を撮るんですけども、
ピラミッドにフィルムを密着できるかというと、できないのが問題ですね。
それから、X線は被爆の問題もあるので、こういった理由で、
X線で巨大な建造物を見るということは現実的ではない。
そうすると、自然界由来で何か投下しているものはないかなと探したわけですね。
これ長崎大学じゃなくて、ごめんなさい、所属先を言ってしまった。
名古屋大学の森島先生というソリウシ物理のチームですが、
宇宙から粒子が降り注いでいます。太陽光線なんかも宇宙から降り注いでいるものの一つなんですけども、
太陽光以外にも宇宙からいろんなものが降り注いでいます。
一番多いのが、おそらく水素原子核プロトンという、水素の原子核、陽子ですね。
陽子で降り注いでいるんですけども、他にアルファ線であるとか、
それからカミオカンデで有名になった、小柴先生のカミオカンデで有名になったニュートリーノという物質であるとか、
そういったものが、ニュートリーノは太陽からも地球に降り注いでいるわけなんですけども、
大気の中の酸素とか窒素とかと反応して、別の粒子を弾き出しているんです。
電子を弾き出したりもするんですけども、その中にミュウ粒子、ミュウオン、おなじみなんですけども、
ミュウオン、ミュウ粒子を大気から弾き出しているんですね。
そのミュウ粒子というのは、電子と同じ性質を持っているんですが、ただ重いんです。
電子の200倍の重さがあります。
こいつは電子と違っていろんなものを通過するんですね。
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通過して、ただ電子なので通過した後はフィルムに残します、写真看板に残します。
なので通過するんだけども記録が残るので、それを記録したのが名古屋大学の森島先生のチームです。
ピラミッドの場合も巨大な建造物ですが、四方八方から、空気からやってくるので空気由来なので四方八方からミュウオンがやってきます。
ここは森島先生のチームのすごいなと思うところ、大発明だと思うんですけれども、
ミュウオンがどっちから来たのかというのを調べるミュオグラフィーという技術を開発されてお持ちであって、
それでどっちから来たかというのが分かるのでピンボケが起こらないわけですね。
ピタッと密接させなくてもどっちから来たミュウオンだということが分かるので、
ピラミッドの通しが可能になった。もちろん解像度の問題はあろうかと思うんですけれども、
その結果ピラミッドの内部に空白が空洞ですかね。
ミュウオンというのは骨なら吸収されて臓器なら通過するとかそういう性質ではなくて、
僕もこれは知らなかったんですけれども、物質の密度によって吸収されたり吸収されなかったりするそうなので、
石があったのかそれともただの空気だったのか、密度が全然違いますからそれを検出できるそうなんですね。
それによってピラミッドの内部に空洞があったということが分かったそうです。
考古学者の見解を聞いていると空洞は結構至るところにあるにはあるそうなんですね。
スイスチーズだというマーク・レーナー先生なんかがおっしゃっていましたけれども、
ただミュウオンで検出できるぐらいの非常に大きな空洞があったということは大発見じゃないかなと思います。
2017年のネイチャーに掲載されています。ニュースレターの方ではそのリンクも貼らせていただいています。
今回早口でおしゃべりしてしまったんですけれども、
ミュウオンという粒子によって巨大建造物はもともと火山の中のマグマが通る隙間があるかどうかであるとか、
それから日本だと福島第一原子力発電所のコア、核燃料ですね。
それが残っているのか溶け出しているのかというのを投資するために使われたりとか、
そういった今話題の技術ではあります。
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日本にも非常にゆかりのある技術であります。
というわけで、今回レントゲンの話からミュウオンの話までざっとお話をさせていただきました。
詳しい内容はニュースレターの方に書いていますので、よかったらお読みいただければと思います。
今日も聞いてくださって、見てくださってありがとうございました。また次回お会いしましょう。
市でした。
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