なるほど。結構いろんなことやるんですか?大学で。
そうですね。僕の場合機械システム工学って感じだったんで、その機械工学。
ロボット作りとかしてたんですか?
あ、そうそうそう。結構ロボットを作りましょうみたいな授業もあって、面白かったですね。
アカデミックな材料力学とか流体力学とかあるんですけど、機械力学とかそういうのも学ぶんですけど、授業の中で1台じゃあロボットを作れと。
仕様から考えて設計制作して、じゃああなたは機械を考える人ね、あなたは制御を考える人ね、あなたは電気を考える人ねっていう風に分けてチームでビルディングして、
じゃあ1台機械を1年かけて作りましょうみたいな授業もあって。そこで木登りロボット。
我々はテーマとして木登りを面白そうだね、木登るロボットいたら面白そうだねって言うので、木登りロボットちょっと作ったっていう。
木登りロボット作ってたんですね。
作りました。
それはどっち系なんですか?機械系なんですか?制御系なんですか?
僕はメカ系で。
メカ系で。
機械が好きだったんで、もう金属の形をとにかく自分で作りたくて、構造を考えたりとか木に引っかかる仕組みを考えたりとかして、
こういうのあったらいいなと思って、実際図面を描いて削ったりして、物にしてみたいな。そういうことを大学の時やってました。
いやー面白いですよね、そこね。
僕ね、実はアメリカに来てお金がなかった時に通訳の仕事をしたことがありまして。
通訳ですか?
こっちのタイヤ工場で、メカニック系の人と制御系、コンピューターの情報を出す人の間の国が違かったんで、
僕が日本人の技師さんと、メカニックのほうが日本人の方で、制御系の人がアメリカ人の方だったんで、その間に通訳でちょっと入れって言われて。
結構難しそうだね。
本当はそういう通訳って通訳会社の人たちがやるんですけど、
その通訳会社は日本語と英語できるのは女性の方しかいなかったんで、その場所って結構な騒音がする中で耳栓しながら通訳するっていうすごい不思議な現場なんですけど、
ここを耳栓しながら、すごい真夏のめっちゃ暑い工場の油とかの匂いがすごい中で、そこを通訳させてもらって。
それ以外もいろいろやったんですけど、会議通訳ももちろんやったんですけど、
その時のメカニックと制御の方とのやりとりの中で喧嘩みたいにやってるのに、どんどん白熱して喧嘩みたいにやってるのに、
そのロボットが狙い通りに動いた時の2人の友情が芽生える瞬間とか、とにかく真剣だったのは全てこれをちゃんと動かすためだったんだねっていう、
その友情の感じっていうか、一つのことを動かしたのに、言葉も文化も、多分それも制御系と機械系っていう独自のプライドみたいなズレみたいなのもあるんですけど、
それが結びついた時に、俺たちが世界変えるぜみたいな達成感みたいなのに立ち会ったことがあって、そういうとこにいらっしゃったかなっていうのを今想像できました。
一旦ちょっとこの業務の残業料減らそうよみたいな話になって、少しだけ余裕が出てきたと。
いやここが研究者の方も似たような環境がありまして、でもコロナで少し時間がふとできた時に、
ちょっと見直した時に僕はそこで音声配信をスタートさせたっていうかちょっと後なんですけど、
で支部長さんも始めたってことでちょっと似てるんですよね、スタートが。
そうですね、僕の場合最初ブログを技術ブログを始めたんですけど、そのタイミングで。
時間が余ったからゆっくりするわけじゃなくて、そこを何かに使おうとするんですね、みんな。
そうですよね。
みんなというか、何か新しいことをやろっかなみたいな感じになってですね。
私はそこでブログを始めるわけですけど、でちょっと色々お話しさせてもらうと、そもそも何でちょっとブログを始めようかなって思ったって話なんですけど。
ぜひ聞かせてください。
もともとなんか自分の技術の棚下ろしがしたいなと思ってたんですよね。
一生懸命10年ぐらい働いてきたんですけど、結構馬車馬で働いてきたんで。
他の技術者と比べて自分の技術、今持ってる技術ってどういうものがあるんだろうっていうのを一回整理したいと。
ブログを書くことによってある種整理できるし、自分の持ってる技術の知識っていうのが、
それでブログを見てくれた人にとって役に立つとさらに何かちょっといいなと思ったので。
そういうのでまずブログで情報発信してみようかなって思ったのがまず1点と。
あともう一つやっぱ、もともとそもそものづくりが好きなんで、ものづくり自体を結構いろんなものづくり関係のない人たちに知ってほしいなと思ったんですよね。
技術面白いんで。
これ何であんまりものづくりの発信ってそれまであんまりなかったんですかね。
なんでなんですかね。多分僕が思うにそれが面白いものとして伝わらないってみんな思ってるのかなと思ってて。
僕もやってみようと思ったきっかけが実は同窓会ですごく中学校の頃の友人と会う機会があって。
そうするとやっぱ久しぶりに会ったら今何やってんのとか。
なりますね。
なるじゃないですか。僕の場合は工作機会っていう機会作ってるんで。
工作機会っていう機会を作ってますよって言うんですけど。
自分の中では当然あーんみたいな。
えー何かマニアックだねみたいな感じになるとは思ってて。
当然そうなったんですけど。中の一人が工作機会ってどんな機会なのって聞いてくれたんで。
そうですよね。
こういう機会だよって説明して。
工作機会の素晴らしさというか役に立ってるよっていうのとあと動画を見せたりしたら意外とみんな食いつくんですよ。
こんなえーみたいなこんな機会あるんだみたいな。
でこういうふうに役に立ってて。実はすごい身近なんだよって言うとすごく興味持ってくれて。
あっじゃあ面白いんだと思って。
ものづくりってやっぱ普通の人にとってもすごい面白くて。
伝え方だけでこう見せ方を工夫すれば伝わるんだなってすごい感じたんですよその時。
えー。
なんでまあそれもあってですねちょっと技術の棚下ろしと同時にですね。
なんで僕のブログって結構そのマニアックなものから結構浅いというか。
広く誰でも読めるようなものまで結構ザクバラに書いてる人。
一番聞かれてるやつって読まれてるやつってどんな記事なんですか。
一番読まれてるのは結構マニアックな記事でバネザガネとか。
バネザガネ。
バネザガネは意味があるのかないのかみたいな。
なんすかバネザガネって。
バネザガネっていう部品があるんですよ。
はい。
あのザガネってわかる?ワッシャってわかりますか。
はいわかります。
ワッシャを半分にちょっと切り目を入れてちょっとバネみたいになってる部品があるんですよ。
はい。
閉めるとバネみたいにギュって潰れるので感覚的にわかります?ネジが緩みにくいような感じになると。
そこでこうギュッとすごくバネが踏ん張ってくれるんで。
あーなるほど。
ネジがこうわーって振動させた時にこうネジが緩まないよみたいな。
ワッシャよりいいよと。
ワッシャよりいいよって言われてる部品があるんですけど、実は意味ないよっていう研究結果がいろいろあって。
みんな妄心的にですね、バネのザガネいるときは緩まないみたいな思ってる人いるんですけど、実はそうじゃないんだよっていうのを解説した記事があって。
それが結構バズってですね。
なるほど。
1日で10万人ぐらいに見てもらったという。
すごくないですかそれ。
そういうのが人気あるんですね。
そういうのは人気ありますね。
マニアックなものが人気あったり。
だから僕ら研究者の世界も意外と閉鎖的で情報公開というか日常でなかなか出せないというか、それを出してると暇なの?みたいな。
じゃあもっと仕事上げるよみたいになっちゃうから、発信しにくいみたいなのがあるんですけど。
でもいざ発信すればその道で役に立つこと、学んだことみたいなのがシェアされるんで、次の世代の人たちがすごく助かるし。
別に次の世代じゃなくても同業者みたいな人たちが協力して集まるコミュニティみたいなのができて、どうやったらもっとよくできるかねとか、この業界を明るくしたいとか成功させたいっていう熱量になっていくじゃないですか。
そういった意味でやっぱりあるとないと全然違いますよね。
そうだと思います本当に。
ものづくりの分野って結構閉鎖的なんですよ。
すごく閉鎖的で。
多分研究の分野、僕もちょっと研究の分野あんまり詳しくないんですけど、同じようなことがあると思うんですけど。
似てるかなって思いますね聞いてて。
ノウハウとか技術とか知識って自分たちだけのもので、よそに出したら取られちゃうよとか、そういう気質がすごく強いので。
そういう一面は確実にありますね。
ありますよね。技術を外に出さないとか、他の技術者とは交流しないみたいな、そういう文化結構強かったんですよ。
だからあんまりよその人と話したりすることってそんなになかったんですよね。
ある種それが情報発信、ものづくり系の情報発信やってる人って他にもいろいろいるんですけど、
そういう人たちだったりとか、SNSの交流である意味その壁が崩れつつあってすごくいい感じで普及してると。
これからだって10年20年考えた時にやっぱ自分の持ってるところの自社の技術とか自分たちの研究室の狭い範囲での技術だけで何とかしていこうとして、
世界をリードできるはずがないので。
そうですそうです。だから本当に仲間として、例えば日本だったら日本っていうこの箱の中の、そこで国力を入れずにして、
そこで仲間としてこうやっていかないとなかなかこう発展していかないですよね。身内でこうやり合っててもしょうがないんで。
っていうところがあるので、ある種そういうのはちょっと壁が崩れつつあるんですけど、
僕がちょっと今アプローチしているのはまさにそのものづくりを知らない人とか、そもそも触れない人に対してどういうふうに面白さを伝えれるかなっていうところですね。
そこの技術者同士の技術の共有も当然ありますし、
なんか得意分野で言ったらやっぱ知らない人に分かりやすく伝えるっていうのはある種得意としているところなので、そこでいろいろ価値を出せばいいかなと思ってですね。
いやいいと思います。一般の人たちも応援したいって気持ちになると思います。
それを見てて、資料を見て、頑張ってほしいなって応援したいなって思うんですよ。
ありがとうございます。もう本当に、しかもなるべく子供たちにも伝えたいですよね。この産業機械の役割とか大事さっていうのをですね。
どんだけ我々の生活にとって身近で縁の下の力持ちとして支えてるんですよっていうと。
要はいろんなデバイスの部品だったり、車の部品だったり、さまざまなロボットの部品だったりを削って作り出すような工作機械のわけじゃないですか。
そうですね。
だからすごい僕らが気づかないところでたくさんのものに使われてるんですよね。
そうなんですよ。もうたくさんのものというよりも全てですね。何をたどっても絶対に工作機械にたどり着いちゃうんですよ。
もう何をもう身の回りのもの全てですね。何を手に取ってもこの製作工程の上手には。
マジですか。じゃあちょっとそれやってみましょうよ。僕今から言いますんで。僕マッサージチェアとか好きなんですけど。
マッサージチェアにも使われてますね。マッサージチェアはそもそもネジとか使われてるんで、そこを削るのが工作機械ですし。
マッサージチェア自体って多分布がありますよね。布を縫製してる縫製機械ってのがあるんですけど、それをその縫製機械を作ってる、縫製機械を縫製して部品を加工してるのは工作機械なんで。
やっぱり工作機械いますよねと。で、あとはマッサージチェアの中に入ってるこのコロコロと転がるボールあるじゃないですか。あれ樹脂なんですけど。
樹脂は摄出成形器っていうプラスチックを溶かしたものをビュッと押し付けてですね。型に流し込む、ああいうので作ってるんですけど。
その型自体も工作機械削ってますし、その機械自体も工作機械削ってるんですね。
えー、ということは。
もう安便なく。
支部長さんのおかげで僕は気持ちよくなってるって思っててもいいわけですね、マッサージチェアになってて。
そうですね、僕がタツさんをマッサージしてるって言っても過言ではないと思いますよ。
マジですか。じゃあ例えば携帯電話はどうですか。
携帯電話なんてiPhoneに限っては削り出しでこう前、アルミの削り出しでフレーム作ってたりしますから、そもそももうダイレクトに作ってるって部分もありますし、中のその半導体とか色々入ってると思うんですけど。
ああいうものも結局半導体製造装置っていうのがあってですね、それもその機械も工作機械の加工した部品からなってると。
あと基板にチップマウンターって言って、基板の中に半導体のチップとかバーっと実装する機械もあるんですけど、そういうのも結局工作機械が加工した部品からですね、作られているんで。
ってことはもうほとんど例えばマスチャージチェアにしてもiPhoneにしてもなんかほぼ工作機械でできているっていうことですね、それを言われると。
そうですね、あの工作機械って別名がありまして、マザーマシンって呼ばれてるんですね。母なる機械っていう意味でマザーマシン。
お母さんだったんですね。マザーさんですね。
そう、全ての機械のマザーなんですよ。だからまず工作機械がなければ何も始まらないよと。
そんな一番大事なものじゃないですか。
一番大事なんですよ。もう工作機械の影響なしで生きていけって言われたらですね、全裸でジャングルを駆け回るぐらいしかないんですよ。
知らなかった。知らなかった。
実はもうそんだけこう生活の基盤を支えてるのが工作機械っていう機械で、これでこんだけ言われるとすごいじゃん、工作機械ってなるじゃないですか。
でも知らないですよね。大人になっても知らない人いっぱいいるんですね。そんだけ認知が低いんですよ。
マザーマシンか。
知らなきゃいけないですよ、マザーマシン。しかもこれ日本の製造業って強い強いって言われるじゃないですか。
言われますね。
で、日本の製造業で何を思い浮かべますかって言ったら、大体皆さん自動車って言うんですよね。
実は世界に日本が誇る分野の一つとして、工作機械産業っていうのがあるんですよ。
で、まあ工作機械日本すごく技術的に強くてですね、世界をリードする分野になってます、日本が。
自動車日本強いよって言ってますけど、実は工作機械も日本めちゃくちゃ強いんですね。
なるほど。なんかランキングみたいなのあるんですか。
そうですね。
シェア率ですかね。
生産額っていうので結構見るんですけど、最近ちょっと1位じゃなくなっちゃったんですけど、
もともとですね、いつだったかな、1982年か、82年ぐらいにはですね、もともとそれまではアメリカが工作機械大国って呼ばれてたんですね。
アメリカにはもうみんな勝てないと。他の工作機械も世界一だってなってたんですけど、
日本がですね、ちょっといろいろ技術を吸収しながらですね、独自に発展させて、1982年に実はね、工作機械の生産額でアメリカを追い抜いて、日本が世界一になりました。
遺伝子みたいなもんですね。
遺伝子に近いから。
生物で言ったら結局ここの核にいつかは戻るよみたいな。
そうそうそう、そういうイメージと近いかもしれないですね。
僕らの体を調節してるのはタンパク質だったりするけども、
タンパク質を作るためにはDNAとかRNAのあたりで一個一個作っていかないと、その部品を作っていかないといけないから。
って感じですね。
まさにその通りだと思います。
DNAの良し悪しって言うとちょっと違うかもしれないですけど、
工作機械のレベルの高さが作れるもののレベルを決めちゃうので。
レベルの高い工作機械がないと良いものが作れないんですよ、逆に言ったら。
なるほどね。
それを工作機械の母性原理って呼ぶんですけど、
レベルの高い工作機械があるか否かがその国の製造業のレベルそのものを表すんです。
技術力を決めてるんだ。
レベルの低い工作機械しかないと、それを作った部品で機械を作るので、レベルの低い機械しかできないですよ。
なるほど。土台中の土台ですね。
そうなんですよね。
そのめちゃくちゃ大事で、そんな産業のものづくりの基盤を支える機械が日本、それを日本がリードしてるっていうことなので、
すごく誇れる分野なんですね、実は世界に対して。
誇れると思いました。
なので僕もそういう機械に携わっている技術者として、誇り高き技術者としていろいろ工作機械を知ってもらおうということで発信をしたりしてます。
嬉しい。
このね、僕本当にね、菅部長さんに来ていただいて、今日この話聞けてちょっと嬉しくなりました。
日本の科学技術、僕たちは生物とか様々な科学者といろいろイノベーションイノベーション言ってますけど、
そのイノベーションで浮かんだアイディアを支えるためには、工作機械が作るレベルの高い部品がなければ、
そのどんな良いアイディアも実現しないと。
実現のキーを握っているのは、歴史的に日本が伝統的に作ってきたレベルの高い工作機械のおかげで、
デジタルイノベーションとか僕らがね、例えば血圧とか体温とかを常に測って病気の予測とかをそこからしていくとか、
様々なビッグデータを駆使して、そのわずかな血液からいろんなものを発見していくとか、
そうやって病気を治していこうみたいなイノベーションの話をしているけれども、
最後その技術を応用の時に行った時に、結局ちゃんとした良い工作機械がないと、それは実現できないよということが分かりました。
そうです、その通りです。
いろんなところで支え合っているというか、大事な分野があるんだなということを知りました。
ありがとうございます。今日のコラボの僕の個人的な目標としてですね、
工作機械の素晴らしさをタッサに伝えるというところがある意味、自分の宿題としてきたところがあったので、
それが伝わって良かったです、本当に。これを知って欲しいんですね、本当に。
嬉しいです。ありがとうございます。
ポートキャストをスタートするところ、ブログをスタートするところ、そしてその原点にあった熱意みたいなのも伝わってきて本当に良かったんですけど、