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こんにちは、東京でゲストハウスをやっているジュリーです。
GH開業H建築編⑦、今回7回目。
併用住宅を建てるにあたって、お手本にしたお店について話したいと思います。
お手本にしたお店ということなんですが、そのお店だけではなくて、
そのお店を経営されているご夫妻、この方々が大好きで、
この方々とはですね、もうかれこれ出会ってから20年以上経つんですけれども、
その話をしたいと思います。
そのお店は世田谷にありまして、東南アジア料理、カレーを出すお店で、
知る人ぞ知る名店、食べログ100名店にも選ばれていて、
現在そのお店を経営されているのは、84歳と81歳のご夫妻です。
マレーシアが大好きなご夫妻で、ご自宅の1階を飲食店に変えて、
バクテイとチャイのお店をオープンしたのが25年前。
私と直さんがそのお店に行き始めたのもちょうど、
そのお店を開店した頃だったんだなと、振り返っております。
夫の直さんが30歳になった頃でしょうかね、
陶芸を始めまして、すぐに夢中になりました。
通っていたその陶芸の教室は、当時住んでいたマンションから自転車で15分ぐらいのところだったんでしょうか。
彼は土曜日のクラスに通っていて、作品をどんどんどんどん作っていたんです。
その教室で作品を作ることに夢中になる傍らですね、
一緒に教室に参加している人で、とても気になる人が現れます。
その人の話をたまにしてくれるようになるんです。
とにかくすごいかっこいい作品を作っている人がいると言うんですね。
その作品から滲み出るセンスとか感性とか、その人にオーラみたいなものを感じると言っていて、
大変なおさんが興味を持ったんです、その人に。
初めはその人を遠目で見ているだけで話したりはしてなかったみたいなんですが、
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とにかくすごい存在感の人がいるということは聞いていました。
何かのきっかけでその方に教室が終わった後に、よく行っているお店があるから一緒に行っていうことで連れて行ってもらったのが、
そのバクテイとチャイのお店でした。
夫は酒を飲むのが大好きなんですけれども、その方、Aさんと言うんですけれども、
その方も相当お酒が好きで、すぐに意気投合したんですよね。
なおさんはもともとそのAさんの作る作品とそのAさんが放つオーラに魅了されていたので、
しかもそのお酒が好きで話もあったみたいなんですよね。
ちょうどなぜか誕生日がたまたま偶然にも一緒で、なおさんよりも一回り年上の男性でした。
はっきり言って性格がひねくれているというか、めちゃくちゃ変わり者で面白い方なんですけれども、
変わり者を引き寄せる法則がここでも発動していたんですよね。
陶芸を作ることに夢中になったなおさんは、土曜日の教室のある日だけじゃなく、
その陶棒がですね、日曜日が開放デーと言って、使ってもいいですよっていうことでそこにも行ってたんです。
だから土曜日と日曜日はそこに通い詰め、入り浸り。
そのAさんと陶芸を作った後はお疲れさんって言ってイエーイって言って飲んでるわけです。
なのでもう週末は陶芸とそのAさんとの飲みで時間を費やしていた。
陶芸もですね、とにかくボンボンボンボンですね、いろんな器だったり作品を彼が量産するので、
その陶棒のですね、買い費はもちろん必要で払うんですけれども、
さらにそれとは買い費とは別にですね、自分の作った作品を焼くんですよね、その教室で。
で、作品の体積によってその生成費、焼き代っていうのがかかるんです。
なのでその作品が多くなれば焼くためのお金、生成費がかかるし、作品が大きくなれば生成費がかかるということで、
もうですね、毎月その生成費がいくらになるんだかっていうのは私、とってもヒヤヒヤしてたんですよね。
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毎月毎月何万ってかかるんですよ。
で、当時ですね、私と直さんはお財布が一緒だったんで、なんかこの人一体毎月何万使ってるのこの焼き代にっていう感じで、
本当にですね、ヒヤヒヤしておりました。
で、そのAさんに連れて行ってもらった、バクテイとチャイのお店がとってもいいお店だよということで、
割とすぐに直さんが私を誘ってくれて二人で行ったんです。
そしたらですね、そのお店がめちゃくちゃ素敵で、何が素敵ってですね、まずあの住宅街にあるんです。
普通の住宅街の中にあって、隠れ家っていうかもう外観はですね、本当にただの住宅というとなんか失礼なんですけれども、住宅にしか見えないんですね。
ただその1階の玄関がお店の方の玄関ですね。
その玄関にAさんご夫妻っていうのがオーナーなんですけれども、Aさんご夫妻がお好きな花とか植物でわーっとこうですね、装飾されてるんですね。
で、そのお店の中に入るとお店の中もですね、植物がもういっぱいなんですね。
で、ちょっとですね、ギャラリーみたいな感じになっていて、マレーシアが好きすぎてマレーシアにいっぱい通ってるうちに、マレーシアのソウルフードであるバクティ、これに魅了されたそのAさんご夫妻がマレーシアのですね、240箇所ぐらいのバクティのお店を食べて食べて食べ歩いて、
で、たどり着いた自分たちのそのバクティの一番おいしいっていう味、そのバクティをそのお店で出してくれてたわけですね。
なのでバクティもめちゃくちゃおいしいし、お店も素敵だし、何よりそのAさんご夫妻がですね、当時すでにですね、60歳ぐらいだったんですよね。
うん、なんですが、なんかですね、雰囲気がとっても優しくて、ちょっと頑固な面もあってですね、その辺もちょっと面白くてすごく好きだったんですけれども。
なおさんをそこに連れてってくれた陶芸教室のお仲間のAさんっていうのは、そのチャイとバクティのお店の飲食部門のアドバイザーみたいな感じ、そういう立場でそこに通っていたんですよね。
アドバイザーといってもお酒が好きで、食痛なので、いろんなアドバイスをしていたということだったんですね。
オーナーのAさんご夫妻はお酒は基本的に飲まないんですが、メニューにはお酒を出していたと。
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そこに夫のなおさんとAさんコンビがですね、もう毎週毎週定期で来るようになります。
陶芸教室が終わると、もうそこから夕方からですね、もうほんと23時とかずーっと入り浸って飲んでるわけですね。
もう常連というか顔なじみというか、もう勝手にやってくださいなみたいな感じで、そのAさんとなおさんはそこのお客さん、週末のお客さんみたいな感じでよく行っていましたし、私も連れて行ってもらっていました。
はじめはなので、夫はそのAさんと2人でですね、教室の後に、もう行くのが当然、飲みに行くのが当然みたいな感じになっていて、飲んでたんですが、そのうちですね、突然夫がその陶芸教室の中でメルマガを発行し始めるんです。
そのメルマガの名前がイラボ通信って言うんですね。
イラボっていうのは陶芸の釉薬の名前なんですよね。
当時はですね、SNSももちろんなかったですし、ミクシーもまだない時代だったので、その陶芸教室のメンバーのメールアドレスを聞いて、イラボ通信欲しい奴は言えよみたいな感じで、めちゃくちゃ上から目線でそのメルマガを発行していたんです。
なおさんが。勝手に発行したメルマガがめちゃくちゃ陶芸教室の中で人気になっちゃって、イラボ通信まだですか?みたいな感じで、イラボ通信を楽しみにする人たちも増えてきちゃって。
なんでかというとですね、陶芸のメンバーの人たちの、結構上級者の人たちはですね、ご自身で個展とかもやったりするんですね。自分の作品を出す個展。
もちろんその陶芸教室の先生ですね。先生方ですね、4、5人いたんだと思うんですけれども、結構ですね、皆さんすごい方ばっかりで、ほとんどの先生が芸大出身で、そういった先生の個展の情報ももちろん載せるし、あとはですね、メインは飲み会の案内だったんです。
そのAさんだけじゃなく、その陶芸教室ですね、結構飲むのが好きな方が多くて、若い人からですね、5年配の方まで、結構ですね、飲み会を企画するとわーって集まってきたんですよね。それもあって、イラボ通信というのは大人気ミルマガになりました。
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私もですね、飲み会は参加させてもらったりしていて、そのチャイット、バクテイのお店、マレーシア料理のお店でもよく飲み会をしていたんです。
そのうちですね、夫なおさんが作る柿ですね、花用の器と言えばいいんでしょうか、柿を作って、そこに植物を愛してやまない愛さんがですね、ときわしのぶっていう植物、ちょっとですね、ご興味ある方はググってもらいたいんですけれども、
ときわしのぶってですね、根っこをですね、こう入れて安定させるんですよね。それで、そこからですね、なんかヒゲみたいなですね、根っこなのか、なんかその葉っぱなのか、ちょっとあのわからないんですけども、特徴的なですね、もじゃもじゃっとした植物がこうね、生えてきていて、とってもかわいい感じになるんですね。
その愛さんとなおさんの柿とのコラボレーションの作品ができて、それがですね、とっても素敵で、実際今もですね、私たちのゲストハウスの玄関にそれ飾ってあるんですけれども、そんなコラボなんかもして、その愛さんご夫妻とはとってもですね、親しくさせていただくようになります。
もともとですね、食にとっても関心の高かったその愛さんご夫妻が、メニューもどんどん開発していってですね、そのバクテイっていう、バクテイはスープ料理なんですけれども、骨付きの豚肉のボンと入ったですね、スープ料理ですね、そのバクテイも美味しいんですが、カレーもですね、すごく美味しいんですね。
その中でもですね、野菜がゴロッと入っているですね、イスパハーニーっていうカレーがあって、これがですね、もう本当に、見た目もすごい鮮やかで美味しそうだし、味も美味しいんですよね。
この各種カレーが大人気になってしまって、そのお店はですね、初めそのAさんのアドバイスを受けていたような、小さな小さな小さなお店だったんですが、そのうちですね、めちゃめちゃ人気店になってしまって、ちょっとですね、フラッと言っても絶対入れないような人気店になってしまいました。
それでもですね、このAさんご夫妻の素敵なところはですね、変にですね、お店を拡大しようなんてことは絶対考えないですし、忙しくてももうご高齢、もう60代、70代、今もうすでに80代なんですけれども、年をとってもですね、2人っきりでバイトも雇わないし、家族にも手伝ってもらわずに2人っきりでやる物事をですね、シンプルにやることができるんですね。
シンプルにやろうという信念を持っていて、その生き方もですね、私はとても好きだったんですね。
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30代前半はですね、そんな感じで、なおさんはお酒ばっかり飲んでましたし、メタボ気味だったんです。
そうこうしているうちに、私がランニングを始めまして、2005年からランニングを始めまして、ブログをやってたんですね、当時。
そのブログをAさんご夫妻がいつも楽しみに読んでいてくださっていて、私がですね、マラソンとかに出場しているのを知って、そのAさんがですね、めちゃくちゃですね、私のブログのマラソン記事とかにも興味を持ってもらって、
何でかというとですね、そのAさんご自身も、当時も60代半ば過ぎてて、ドクターにですね、痩せないと死ぬよって言われたことをきっかけにですね、ご自身もですね、歩きオタク、ステッパーオタクみたいな感じで運動系になったんですね。
なので私が行くと、あ、ジュリーちゃんよく来たねとか言って、マラソンの話をですね、いつも聞きたがるんですよね。
そのうち私の影響で、なおさんもランニングを始めて、なおさんはランニングからさらにトライアスロンとかやっていくんですけれども、そうするとですね、そのAさんのご主人の方は全く信じられないと。
あんなにね、グダグダに飲んでね、飲んだくれていて、ただのメタボだったのにね、いつの間にかね、そんな走ったりしてね、本当に信じられないとか言ってね、いつもなおさんはからかわれています。
そのAさんご夫妻がさらにすごいのが、運動オタクになった上にですね、富士山はもちろんなんですけれども、海外の山にもですね、登り始めるんですね。
マレーシアがお好きなんで、キナバル山っていう山があるんですが、ボルネオ島にあるんですね。
これ世界遺産で、標高は4000メートル以上あるらしいんです。
これマレーシア最高峰で、富士山より高いですよね。
ここに2010年に初登場するんです。
2010年ってこのAさんご夫妻ですね、もう70歳、奥さんの方は67歳だったんですよね。
そんなご高齢なのに、そんな海外の登山までしちゃって、えー、なんかこの人たちすごいって感じだったんですよね。
で、その時の感動が忘れられなかったと言って、さらにですね、その後も3回、計4回もですね、そのキナバル山には登っていて、
なんかこの人たち70歳を超えても、どんな感じ?っていう感じで、本当にびっくりしちゃうんですけれども。
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そういうですね、なんかいつまでもチャレンジをしている、あのですね、年齢とかっていうのは、
まあいわゆる、あのね、ただの年齢に過ぎないというか、70にしろ80にしろですね、
気持ちが、まあやっぱり、えーと、新しいことを何かするっていう好奇心とかに満ち溢れた方々なんですよね。
それで2017年に、まあ私たちがそのね、ゲストハウスと日本酒バーのある家を建てますっていう時に、
そのAさんご夫妻にですね、相談に行ったんですよね。
で、まあお店を作りたいんですって言ったらですね、なんかものすごく喜んでくれて、そりゃあいいねと。
で、お店なんていうのはね、あの保健所に相談をして、必要な設備とかね、まあ要件があるから、
まあ狭いなら狭いなりにその要件を満たせばいいし、とにかく保健所でね、許可が出る範囲で作ればいいから、
建築プランをする上で、その保健所に相談すればね、もう何とでもなるよと、頑張ってねということで、
もう本当にね、背中を押してもらって、大好きなAさんご夫妻からもお墨付きをもらって、
なおさも私も本当に心強く思いました。
で、今ですね、そのマレーシア料理、Aさんご夫妻のお店はオープンして25周年らしいんですけれども、
残念ながらですね、コロナを経てテイクアウトオンリーのお店にはなってしまったようなんです。
ただですね、生涯元気って言って、ますます元気でお店を切り盛りされているお二人なので、
もう私たちもいつもですね、会うと元気をもらっているし、励まされています。
そのお店とですね、Aさんご夫妻との出会いがなかったら、
こういうかっこいい併用住宅のイメージ、具体的なイメージも持てなかったと思いますし、
年齢に関係なく好奇心を信じてというか、自分たちの気持ちを信じて突き進むような生き方みたいなものも、
私たちも気づけなかったかも分かりません。
なので、Aさんご夫妻とのご縁には感謝しております。
今回も聞いてくださりありがとうございました。ではまた。