だからその捕食者と非捕食者、食べる食べられるっていう生態系のバランスがとても取れていて、素晴らしいところだと思います。
7000年もそのバランスが続いていると。
ここを世界遺産の登録にあたって評価されている。
で、こういう素晴らしいものを評価してくれる世界遺産の仕組みっていうこと自体、私、素晴らしいと思った。
それが2点目ね。
で、3点目。これはね、もう本当に素晴らしい。
ここ、2016年に一回イコモスもIUCNも登録にふさわしいですよ、OKですよって言ってるんだけど、
カナダ政府が一回ね、ちょっと取り下げてる。
それは、なぜかというと、この複合遺産という考え方をみなさん今思い出してください。
自然遺産と文化遺産っていう2つの考え方。
1個の条約で保護はしていくんだけど、2つの考え方があるんですよ。
登録基準が文化遺産は1から6、で自然遺産は7から10っていうのを分けられてるんですよね。
で、それをなぜ分けるんだと言ったわけです。
確かにですね。
なんで複合遺産って考え方があるのに、なんで分けて考えるの?
彼らは自然と動物たちと自分たちの営みと調和しながら生きてきたのに、なんで分けられるの?
しかも、分けられることで、世界遺産っていうのは代表性っていうのが大事なんですけど、
例えば世界一の、世界で一つの、世界で唯一のみたいなところ。
世界一のとか、世界で高いとかそういうことなんですけど、
このピマチオイヨキの先住民の暮らしとウルルの、例えばアボリジンの人たちの暮らしの優劣をつけなきゃいけない。
その違いを分けなきゃいけないっていうこと自体がおかしいんじゃないの?っていうことで疑問を呈したこと。
なんていうんですか、だから今までの世界遺産の価値観とか考え方とか、
そういう基準とか評価とかっていうのを全てこれから考え直さなきゃいけないよねっていうことを言ってくれた世界遺産でもある。
確かにそうですね。
だから私は素晴らしいなって思ったところで、今の以上の3つが私の大好きなポイントなんです。
しかもあれですよね、2016年の時に登録決議が出てるのに一回コミュニティに確認するっていうことで取り下げてるんですよね。
先住民の人たちと会話をしながら、彼らもちょっとおかしいねっていうことで。
すごいですよね、普通というか登録って決議が出たんだったら、
じゃあもう登録でいいじゃないかって思いがちなんですけど、
でもちゃんとそこはコミュニティとの確認が大事だよねっていうことで、
そうなの?
あえてそこを。
あえて。
やっぱりカナダの民度の高さというか、国の考え方、価値観の高さというか、そういうのに感じますし、
多分ね、文化的景観って登録基準5が認められるケースが多いじゃないですか、
ここは3と6と9なんですよ。
そうですね。
文明の証拠といろんな文化とかに反映したことと、あと生態系があるっていうことなんですけど、
5がないっていうのは、もしかして5っていうのは集落とか、
例えばチラカーゴみたいな場所ですよね、
ああいうこういろんな人たちが暮らした場所っていうのが認められることが多いんですけど、
この5がないってことは、おそらくこの評価をされたくないっていうことの表れなんじゃないかと。
そういうことなんですね。
確かにそう思ってたんですよ。
伝統的な民族とか、暮らしは絡むものって、もちろん文化的景観っていうのもあるし、
伝統的集落の価値は認められなかったのって、ちょっと勉強してるときからもやもやしてたんで、
あえて推薦書の段階から入れてなかったのかもしれない。
可能性もあるよね。
ここまでフィマチオウインアキに関しては、本当に写真とか皆さん調べてみてほしいんだけど、
何にも出てこないの。
本当に自然の中に調和しながら生きてきている証だから、
森とか川とか湿地とかのその写真しかないと思うんですよ。
でもそれが素晴らしいんですけど、
だから資料とかもほとんどないんですよ。
なぜそうなったのかとか、そういうことも必ず政府も発表していないし、
資料を拾うことが難しいというか。
でもなんか、結構そういうのが世界遺産の真骨頂って思いますよね。
有名なものリストじゃないんですよね、世界遺産って。
そうなんですよ。
世界遺産っていうのは、世界遺産リストに上げて土地の人たちが守っていきますって約束をすることなので、
全てではないけど、観光地であるとか有名な文化財であるとか、
そういうことではないっていうのを知ってほしいなっていうことも含めてピマチオン焼きを選んだっていう。
でも聞いてて、そうですね。
なんか本当に世界遺産の目的に直結する遺産なんだなって思いますね。
僕もちょっと調べてきたんですけど、
実は世界遺産委員会が終わった後にSOCっていうレポートが書かれるんですよね。
保全状況だったりとか新規案件の評価だったりとかをまとめた議事録みたいなものが出てて、
日本だと文化庁のホームページで見ることができるんですけど、