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2024-03-27 36:07

#3-2 ツメ:ネットワーク効果をまわすリクルートの秘術

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食べログよりホットペッパーがもうかるシンプルな理由は?

リクルート収益性が高い秘密が「ツメ」の発明です。

あまり語られない「ツメ」実は生成AIと相性最高。

ネットワーク効果の秘術でもあります。

ふかぼっていくよ


▼「s03 リクルート編」再生リスト:

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▼MC: 尾原和啓(IT批評家) https://twitter.com/kazobara 京都大学院で人工知能を研究。マッキンゼー、Google、iモード、楽天執行役員、2回のリクルートなど事業立上げ・投資を専門とし、内閣府新AI戦略検討、産総研人工知能研究センターアドバイザー、現在13職目 、近著「アフターデジタル」は11万部、元 経産大臣 世耕氏より推挙。「プロセスエコノミー」はビジネス書グランプリ イノベーション部門受賞 ▼サブMC: けんすう(アル株式会社代表取締役) https://twitter.com/kensuu アル株式会社代表取締役。学生時代からインターネットサービスに携わり、2006年株式会社リクルートに入社。新規事業担当を経て、2009年に株式会社nanapiを創業。2014年にKDDIグループにジョインし、2018年から現職。 ▼番組への感想、MCへのメッセージは以下までお寄せください。 https://forms.gle/bHQjcgjCCQkFEFDg9 ▼音声編集:株式会社BOOK ▼アドバイザー:株式会社BOOK代表取締役 樋口聖典

00:05
スピーカー 2
はい、というわけで第2回目ですが、前回おっしゃったツメの話だと思うんですけど、そもそもツメって何ですか?僕、聞いたこともないんですけれども。
スピーカー 1
そうなんです。ツメって、もう多分ケンスがリクルートに来た頃には、言葉がなくなっていたんだけれども、実はむちゃくちゃ大事な技術なんですね。
で、そもそもツメに入る前に2つ確認しなきゃいけないことがあって、1つはリクルートの大事な転換点っていうのは、ユーザーを仕入れるっていうふうに逆転したよねっていう話と、
スピーカー 2
もう1個がリボンズと呼ばれる、ユーザー側も広告主側も集めて動くようにするっていう、両方やったからだよねっていう話をしたわけなんですけれども、ユーザーがいるから広告主が来て、広告主側からいるからユーザーがいるって、これ何だっけ?
ネットワーク効果。
スピーカー 1
そうですね。僕ら大好き、ネットワーク効果ですよね。でも、ネットワーク効果が回るのって、やっぱり今回の話の肝で言うと、江添さんがもう新潟大学工学部っていうぐらいの流度で、新潟大学の工学部の人に来てもらいたい企業に広告を打つし、
ユーザー側からすると、うちの大学に来てくれほしい人たちが広告を出してくれてるから、広告がそこに行く確率が高い情報なんだなっていうふうに、ユーザーと広告主がただ集まってもネットワーク効果って起こらなくて、マッチングが起こるから動くって話じゃないですか。
じゃあ、このマッチングが起こるってむちゃくちゃ大事なんですけど、最後言ったように、素人のうちはユーザーさんが情報を教えてあげることで動いていくけど、だんだんユーザーさんが情報を自分で探せるようになってきたら、直接応募しちゃうよね、普通に考えたら。
スピーカー 2
まあ、そうですよね、確かに。
スピーカー 1
確率ってホットペッパーの方が利益率も利益額も高いんですよ。
スピーカー 2
そうなんですね。
スピーカー 1
なぜなんでしょうか?という質問に答えられるか答えられないかで、この儲かるマッチングが作れる人と作れない人の差がわかるんです。
03:02
スピーカー 2
え?
スピーカー 1
なんでしょう?
スピーカー 2
顧客獲得の単価が安いとか、掲載量の単価が高いとか、ユーザー獲得のコストが安いとか、なんかその辺ですかね。
スピーカー 1
そう、なんで掲載量がホットペッパー高く取れるんだろうねって話なんですけど、これも同じようにある役員の方に、小原がタバコ吸わないんだけれども、小原って役員フロアの喫煙室にずっといるっていうことで有名な人間だったんですけど。
スピーカー 2
本当に有名でしたね、それ。
スピーカー 1
ある役員の方に、「丸々さん、タベログめちゃめちゃ伸びてきてますけど、ホットペッパーってタベログに負けないんですか?」って質問したんでしょう。
そしたら、「バカ、タベログは人気がある店に行くことを手助けするだろう。だけどホットペッパーっていうのは、お客さんを集めるのに困ってるところに行きたくなるようにすることでしょ?」
スピーカー 2
なるほど。口コミが高いところはどんどんお客さんが集まっていくけど、口コミが低かったり、新しい店舗さんってタベログ経由では全然お客さん来ないよねみたいな話ですよね。
スピーカー 1
つまり何かっていうと、タベログっていうのは、もともとホットペッパーって人気があるところに予約しに行くから、ソリューションにしかならんわけですよ。
予約代行だから手数料ビジネスにしかならないから、言うたって取れるパーセンテージ、これが次回に続くテイクレートってやつになってくるんですけど、いわゆる予約代行の手数料だけだったら3%取れていいってことなわけですよね。
スピーカー 2
まあそうですよね。そんなに多く払えないですよね、そこに。
スピーカー 1
でもホットペッパーってお客様の単価に対して3割ぐらい取るし、ホットペッパービューティーっていう美容室ビジネスに至ってはお客様の売り上げの45%いただくんですよ。
ひどい。
ひどいって言うな。お客様が喜んで払ってるんだよ。喜んで払ってるかどうかは別としてリーズナブルだと思うから払ってるんだよ。
スピーカー 2
そうですね。払った方が得だと思ってるからやってるわけですもんね。
スピーカー 1
じゃあなんでお客様は集客に困ってるところなんだけど行くんですかね、ホットペッパーを通じて。だからお金取れるわけですけど、普段だったら集客に困ってるのになぜホットペッパーを経由すると行くんですか?
スピーカー 2
お店探しをしている人にちゃんと届いてるから。
スピーカー 1
お店探しをしている人っていうのはどういうことを探している人ですか?
06:01
スピーカー 2
どういうことを探している。おいしい料理か単価いくらかどんぐらい大人数でも入れるかとかそういうところを聞くか。
スピーカー 1
そういうふうに普通だったらお店にたどり着かない人たちをお店にたどり着かせるようなサポートをしているから、お客様が集まらないお店でも行くわけですよね。
つまり、食べログっていうのは基本的においしさを求めていく人たちがおいしさの中でレビューを見ていくから、もともとお客さんに困らないところに行くわけです。
でもホットペッパーっていうのはリーズナブルなお値段の中で、そこそこの品質でみんながワイワイできる時とかに行きますよね。
わかる。
そうするとお店っていうのはおいしさというレビューではなくて、やっぱり10人で個室でみんなで騒げますよみたいなことだったりとか。
このお店だと飲み放題が2時間で2000円なんだけれども、この最初にはスパークリングワインが付きますよとか。
そういうふうに、要は味で選ぶとおいしさ勝負になっちゃって、おいしさ勝負のところは人が来ることに困らないから、単なる予約代行の3%手数料のビジネスになっちゃうけれども。
人って別においしさだけじゃなくてみんなでワイワイすることだったりとか、何か一定の値段で気にせず飯を食えることだったりとか、いろんな選択軸があるわけですよね。
このいろんな選択軸を提案することによって、普段来ないお店に人が来るようになるからむちゃくちゃ儲かる。
これがリクルートのビジネスの本質であって、この普段行かない人が行くようになる手助けをするための検索のフラグのことを詰めっていうんです。
スピーカー 2
なるほど。結構シンプルに考えるとお客さんっておいしい店に行きたいよねとかやりがちですけど、僕もそうですがそこはあんまり重要じゃなかったりするんですよね。
15人が入れるとか、値段がちゃんと予算以内に収まるかとか、駅から近いかとか。
もっとマニアックになってくると、駅から近いとか、あと子連れの個室があるとか、誕生日会の時にプレートに名前変えてあげますよみたいなこと。
そうですよね。重要ですよね。持ち込みが可能かとかもそうですよね。
スピーカー 1
そういうふうにお客さんって味以外の特徴でも探してるから、味以外の特徴っていうものをしっかりそれで探せるようにフラグを立ててあげるから人が行くし。
09:06
スピーカー 1
ネットの時代は検索フラグでチェックボックスをオンにすれば探せるじゃないですか。
だけど紙の時代ってどうやって探してたかっていうと、辞書で横にABCDとか、こっからここがAですよとか、こっからここが書きくけこの句が書かれてますよみたいなふうに線が引っ張られてたのって覚えてます?
スピーカー 2
僕多分もう完全にインターネット世代なんで。
スピーカー 1
これもそうか。思いつかない世代になってんのか。要は分厚い本があると、どのページから何が書かれてるかが探しにくいから、そのページの領域だけ線が濃くついてたんですよ。
スピーカー 2
なるほど。ここの色はこの項目だみたいにわかるように。
スピーカー 1
見になっていて、そこの部分に色が違うから、そこに爪をぶっ刺して開けるとすぐにそのページが開けますよっていう、こういうやつなのよ。
スピーカー 2
ちょっとこれ。
そうか、爪で検索すれば出てくるかな。本の横から見たとき。
スピーカー 1
タウンページっていうので検索していただくと、昔は相手の電話番号を探すときにネットがなかったから超分厚い本で探してて。
例えば配管口を探すみたいなところだと、その配管口周りのページのところだけに線が引っ張ってあるから、そこの線のところに爪をぶっ刺してガサッと開ければそのページが開くということから爪っていう。
面白い。
まさか爪にこんなに時間をかけて説明すると思った。
スピーカー 2
たぶんね、聞いてる人はほとんど見たことないかもしれないですね。
スピーカー 1
でも大事なことは、結局お客様はおいしさというレーティングという一軸だけでものを選ぶわけじゃないので、お客様がこういう選び方もできるんだ、こういう選び方もできるんだっていう風になると、
お客様が今まで探せなかった人が探せるようになるから動くようになるっていうのが大事なことなんですね。
ちょっと爪って想像しにくいんですけど、結局ギュッとまとめて言えば、ユーザーが自分でも気づいていないような検索の仕方っていうものに気づかせてあげると、普段行かないお店に行くようになるので、
そうすると、お店側からすると困っているところに集客が来てくれるようになるから、喜んでお金を払うっていう構造が生まれるわけですね。
12:07
スピーカー 1
これって実は爪だけじゃなくて、今までの話の中には普段来ないお客さんが来てくれるから喜んでお金を払ってくださる構造って、第1話の中にもむちゃくちゃエッセンス入ってるんですよ。
例えばわかりやすい話で、江添さん自体は東大の新聞から始めているから、東大だったらめちゃめちゃ人気学校だから、そもそもどっちかっていうと集客に困らない大学なんだけれども、お金を出してでも早くリーチしたい。
そこにお金を払うって構造なわけなんだけれども、やっぱり先ほど出たように新潟大学工学部みたいな形で、むちゃくちゃピンポイントにグルーピングをしていくと、勝手に大学生が自分はそこまでいい学校じゃないからとかって言って諦める人たちも出てきちゃうわけだよね。
そういう人たちが、実は私ってこういう会社からも望まれてるんだって言うと、その会社にチャレンジしていこうっていう風になるから、普段動かない人が動くからそこはお金が動くし。
スピーカー 2
なるほど。学歴フィルターみたいなのがある程度本で届いている時点で、この大学の人をウェルカムだよっていうメッセージになっててっていうことですね。
スピーカー 1
一方で企業は企業で、このメッセージって東大の工学部の方にだけ行くんだっていうことが最初からわかってれば、普通に考えたらうちの会社に東大の工学部生が来てくれるわけないよって思ってたかもしれない。
リクルートの営業はそんなことないですよ。実はリクルートの東大の工学部では、今こういう研究が盛んでいて、その研究の最先端って御社がやってらっしゃるじゃないですか。
だからその研究においてむちゃくちゃ進んでるってことをアピールしてみたり、何しろ大きい会社のメーカーに入ったら最初は営業からやらされるけど、うちだったら最初からこの最先端の研究を裁量権任せてやってあげることができますよみたいなことをアピールすれば来てくれるかもしれないじゃないですかっていうふうに、
普通だったらうちの会社には来てくれないような工学歴の人が来てくれるかもしれない。こういうことが起こるわけですね。
つまり、絞るということは、絞った相手に対して魅力なことを引き出せば、普段動かない人が動いてくれる。
スピーカー 2
なるほど。普段動かない人を動かしてるっていうところがリクルートのビジネスのすごく根幹にあるってことですね。
15:06
スピーカー 1
そう。そこが儲かりの一番大事なことなんですね。
スピーカー 2
じゃあ、例えば本当に食べログさんみたいなレビューサイトはおいしい店を探すよっていうお客さんに向けてはすごくいいけれども、普段動かしてる人を動かしてるかというとちょっと違うわけですね。リクルートとは。
スピーカー 1
だから、たまにおいしいところに行ってみようよってお客さんは行くかもしれないけど、来てくれるお店側からすると、どっちかっていうと、いつも予約の電話が鳴りっぱなしで辛いんだよ、断るのかと。
俺は料理を作ることに専念したいんだ。だったら、食べログさんが予約代行のソリューションをやってくれるんだったら、それは難いけどねっていうぐらいの話になるわけですよ。
スピーカー 2
あー、でもすげー面白いですね。だから、食べログが予約の代行というか予約ツールを提供するってめちゃくちゃ合理的で、なぜなら食べログのお客さんって人気店、おいしくて人気店になるので、その人たちの困りごとって予約の電話を受けるところにコストがかかっちゃうってところだから、そこを解決してるっていう。
そうです。
あー、なるほど。
スピーカー 1
だから一言で言ってしまうと、人気があるところに人を動かすのは単なるソリューション。
だけど人気がないところに動かすっていうのは、プロモーションであり、どっちかっていうとエディトリアルの力なわけですよね。編集の力なわけですよね。
その編集の力を一社一社やってると大変だから、そこを構造化していこうというインデックスがツメなわけです。
スピーカー 2
なるほどなー、面白い。どういうツメだったらどう人が動くかみたいなところがノウハウとしてあるってことですね。
スピーカー 1
そうです。だからリクルートの江添さんの遺伝子に戻っていくんですけれども、もともとリクルートが求人誌をやる前って給料、遺債面談って書かれてたんですね。
はいはいはい。
つまり給料は会ってからじゃないと離さないよなんですよ。
スピーカー 2
うんうん。
スピーカー 1
これって会って交渉できるっていうふうによく取れる言い方でもあるけど、わざわざ時間をかけさせて、わざわざ応募に来させといて、
うん、君いいんだけど、給料はここから始まるけどいいかなみたいな。
どっちかっていうとやっぱり選ぶ側に有利なものだったんですよね。
それをリクルートは給料を明示してくださいということをスタンダードにすることによって最初からマッチングがずれないってことをするっていうことをやったんですよね。
スピーカー 2
だから昔は情報の格差がすごかったわけですね。
18:00
スピーカー 1
はい。だし、もっと言うと1976年に住宅情報という求人に次いで賃貸とか家の売買っていう情報にリクルートは参入するんですけれども、その時に彼らがやったことは何かっていうと、駅徒歩何分っていう広告が溢れていて、
まあよくある話で駅徒歩10分超えると急に売れなくなるんだよね。やっぱり近い方がいいから。
だけどこれって広告の不動産会社によってはめっちゃ早歩きで徒歩10分みたいなこととかで基準がバラバラだったんだよ。
これをリクルートは、うちの住宅情報では徒歩1分を1分で80メートルとします。ということを決めたことによって初めて徒歩何分を信じられるものにしたんですよ。
スピーカー 2
それまで信じられなかったんですね。
スピーカー 1
そう。だからもう1回自分でいちいち歩いて確かめないといけなかったわけよ。
そうすることによってマッチングっていうものをスムーズにするっていうことをやるわけですよ。
でもここから先が大事で、一方でそうすると徒歩10分以上かかる、例えば徒歩15分っていう物件って売れなくなりますよね。
スピーカー 2
そうですね、確かに。
スピーカー 1
じゃあ今度は徒歩15分をどうやれば勝ち出しできるかっていうのが爪の技量になるわけです。
そうすると例えばニクルートでは、駅に駐輪所完備で自転車で快適に通勤できる賃貸物件特集みたいなことをやるわけですね。
スピーカー 2
なるほど。
スピーカー 1
そうすると徒歩10分以上の案件って割安なことが多いですから。
でも自転車で通るんだったら全然OKじゃんっていう人たちからするとお得になるから、普段動かない人が動くようになるし。
スピーカー 2
そうですね、値段が、家賃が低くて自転車で行けばいいやってなってればそれは対象になるけれども、
そういう要は爪がないとその創造とかが全然お客さんにないので、やっぱ近いところがいいよねって探しちゃうみたいな。
スピーカー 1
つまりお客様ってさっき言ったように素人だから、何をすればおいしい選択ができるかってのがわからないわけですよね。
でもリクルート側がさっき言ったように駐輪所完備で、平地で自転車で快適に行ける街特集みたいなことをやると、そこで初めてお得じゃんこの選択っていうことがわかるようになるわけです。
これが爪の開発なんですね。
スピーカー 2
面白い。
スピーカー 1
こういうのが広まってくると、例えばアルバイトにおいては、まかない飯ありっていう爪がむちゃくちゃ有効だったりすることもあるわけですよ。
21:05
スピーカー 2
なるほど。時給が低くてもお昼ご飯がただだったらいいかみたいな。
スピーカー 1
そう。だから時給が1000円のところが、今ちょっと基準法であれだけど800円で、5時間働くと4000円で1000円変わっちゃうんだけれども、1500円とか2000円ぐらいする価値のご飯が食べれるんだったら時給800円でいいや。
でも一方で、まかない飯を提供する側からすると、ご飯って余り物から作るし、ましてや飲食店って飲食原価って30%じゃないですか。
だからアルバイトしてる人からすると2000円ぐらいの価値のものを食べたって思ってるかもしれないけれども、提供する側からすると原価って普通にやっても30%で600円だし。
思ってると、余って廃棄しなきゃいけないものを中心においしく作ってくれるから、場合によっては原価ゼロとも言えるわけだよね。
そうすると普通だったら時給が安いところにアルバイトが来ないんだけれども、アルバイトが来てくれるようになる。
しかもユーザーは喜んで、自分にとってはトータルのメリットがでかいから、まかない飯、時給が低くてもまかない飯があるところに行くようになる。
これが爪の開発の素晴らしさなわけ。
スピーカー 2
なるほど。今ホットペッパーのサイトを見てみると確かに早い時間遅い時間がお得なお店とか、月曜日から木曜日がお得なお店みたいなのがあって、
この観点なかったけど、水曜日の5時に行くんだから安くなってほしいなみたいなところを思いついて探すと、
食べログとかでは上位に来ないかもしれないけど、水曜日の5時だからめっちゃ安いみたいなところを探せるようになって、お店としては集客ができると。
スピーカー 1
かつユーザーも普段ちょっと食っちゃべりたいなって思った時に、火曜日にやるよりも水曜日にやった方が安いんだったら水曜日にやろっかみたいな話になるかもしれないし、
あまして実は結構なサラリーパーソンの方がさせて、5時から仕事終わってるからなんとなく6時集合って言ってたけど、実は5時に集合でもOKじゃんみたいなことが生まれる。
そういうユーザー側も含めて新しい需要を喚起する。
しかもお店側からすると、普段は埋まってない時間だから、そこに稼働してくれるんだったらめちゃめちゃ嬉しいから、もちろん喜んで割引するよ。
こういうような新しい、両方が嬉しくなる工夫を作っていくっていうことがツメの開発の妙であり、そこを作ると普段動かないところにお客さんが動いてくれるから喜んでリクルートにパーセンテージを渡ししますよという風になるわけですね。
24:13
スピーカー 2
これ普通にユーザーを第一に考えましょうみたいなところから単純に考えると、おいしい店から探せるようにしようとかになりがちだと思うんですけど、ビジネスまで含めると全然違う解決法になるんだなっていうのを改めて思ってびっくりしましたね。
スピーカー 1
そうなんです。つまり、ビジネス側の観点から考えて、安く売らざるを得ないところだったり、お客さんが来なくて困ってるから儲からない。だったら多少安くしたり、多少お金かけて工夫してでもお客様が呼びたいというエリアを探し出して、そこの部分に関してユーザーにとって価値があるものとしてどう転換するかっていう価値出しをする。
そうすることによって新しい需要が動くし、そこは新しい需要だから喜んでお店側がお金を払うよっていうのがこのツメの魔法であり、それの究極が女子会だったんだよね。例えばルキュルートの中で言うと。
スピーカー 2
今でもね、ホットペッパーの特集でよく女子会特集やってますよね。
スピーカー 1
で、あの女子会という言葉自体はいろんな調査があるんだけど、多分オズマガジンが女子会って最初に言い出したと思うんだ。なんだけれども、あの女子会っていうものを定着させたのはもう明らかにリクルートで。
それは何をやったかっていうと、このツメの対して対になる概念がプチコンサルっていう概念なんだけれども、今日はお店側にこれをこのツメに対応するようなことの工夫をしたら、安い工夫でお客様が来ない時に来るようになりますよっていうことをちょっとだけコンサルしてあげるっていうのがプチコンサルなんですよ。
スピーカー 2
なるほど。なんか女子会向けのこういう部屋を作りましょうとか、こういうメニューを作りましょうみたいなことを言う。
スピーカー 1
だから当時居酒屋に女性が行くってなかなかなかったんだよね。でも一方で女性からしてみると、友達とペチャクチャ喋りたいからそこまで味を求めてるわけじゃないし、女性もアルコールを飲んでいいっていう雰囲気にどんどんなっていってたので、女性同士でお酒を飲みたい場もあるよねっていうふうに。
ユーザー側の女子会ニーズって溜まってたんだけど、それを受け入れてくれるお店がなかったから、リクルートが営業マンを使って各居酒屋さんにトイレをとにかく綺麗にしましょう。トイレに化粧パフとかちょっとしたものを置いてあげるだけで女性って嬉しいですよとか。
あとやっぱり女性ってプライベート感の中でワイワイお話をしたいから、じゃあIKEAでこのタレ膜の水を買ってくれば、あなたのお店でも2000円プラスするだけで個室感出せますよとか。
27:10
スピーカー 1
デザートに一品こういうものをお出ししてあげると女性は喜びますよみたいな形で、お店側でもできるちょっとした工夫によって新しいお客様を呼び込めるようにする。こういうようなノウハウを貯めてお店側に回る。
成功事例が出たら、あのお店はこうやってちょっと変えただけでこんなにお客様増えましたよってことをお伝えする。こういうことをやることによってユーザー側も企業側も普段動かなかった人が動くようになるからハッピーになって儲かるっていう構図を作ったりするんですよ。
スピーカー 2
面白いですね。なんか女性がそれまで居酒屋に行ってなかったんだという発見が今あったんですけど、確かに昔の90年代とかの居酒屋とかだと男性向けオンリーで、揚げ物とか中心でビールを飲む店みたいになってたのが主流だったけれども、
女子会っていう概念が出始めてホットペッパーがツメとしてそういうのをやると新しいお客さんどんどん来ますよっていうのをやった結果居酒屋もどんどんこう変わっていって新しいお客さんの市場ができてっていうのが成り立ってるっていう。
スピーカー 1
そうなんです。それの究極がトラバー油やゼクシーであって、そのトラバー油っていうジャンルそのものが新しいツメを作ったんですよね。
1980年にトラバー油ができた時って、実は男女雇用均等法って1985年だから5年前に創刊をしていて、女性の社会品質ってまだどちらかというと派遣さんっていうふうに、派遣という職業を選んでる人って結婚前の腰掛けでしょとか、
もっと言うとうちの会社の優秀な男性社員と結婚したいんでしょみたいな感覚で扱われていたものをそのトラバー油が、女性も自分で仕事を選べるんだというコンセプトを提示し、かつ確か2代目編集長だったかな。
私の24時間だからっていうコンセプトを出したんですよね。9時から5時まではきっちり働きますよ。でも5時から先は私の時間だから私は私を充実させたいのっていうふうに、その仕事も5時まできっちりやって、5時からはプライベートを楽しむ、人生を謳歌するための選択肢としての派遣っていうふうに再定義することで、
後ろめたく派遣を選んでいた方から、自分から積極的に派遣という生き方をしたいんだっていうふうに言葉を定義を変えたので、世の中でトラバー油するっていう言葉がもてはやされるように、私あえてトラバー油してるんだっていうふうにみんなが後ろめたくなく表立って動けるようにするっていうのがリクルートの最も大きな爪なんですよね。
30:10
スピーカー 2
今だと信じられないと思いますけど、学生さんが企業を探して自分の好きな会社を見つけて就職するとか、転職するとか、女性も会社選びをこんな感じでやっていいっていう概念、昔全部なかったんですよね。
スピーカー 1
はい、そうです。もちろんさっき言ったように、1985年にトラバー油の創刊後5年後に男女雇用均等法ができるので、もちろんリクルートがなかったとしても時代はそう動いたかもしれないんだけれども、やっぱりリクルートが時代に先立てて時代の空気を後押しするから、そこに新しい概念が生まれて、
その概念に共感する企業や共感するユーザーが集まってくるから、そこにお金が動くわけですね。
スピーカー 2
そう、なんかアルバイト情報雑誌とか、フロムAっていうのが昔リクルートにありましたけど、あれが出る前はアルバイト探しをするって、もう近所のお店とかの張り紙を見る以外になかったっていう話を聞いて、えーっと思ったんですけど、それもそうですよね。
スピーカー 1
たとえばゼクシーも、ゼクシーが送還される前は結婚式ってどっちかっていうとその結婚式場の玉姫伝とか、いろんなところにあるパッケージを選ぶっていうぐらいに選択肢がなかったところが、ゼクシーが送還されることによって式場のバリエーションも増えたし、
式場の中で他からドレスを選んできてやるっていうこともできるようになったし、返礼品とかも他から選ぶようになったし、そうやって選択肢そのものを開発し選択肢を選んでいいんだっていうふうに自愛を後押ししていくっていうことが改めて大事になっていて、
こういうことを聞いてる皆さんの中に、いやもうみんな自由になってるから、そんなのないよって思うかもしれませんけど、いまだにやっぱりマイノリティの方の中で選択肢を奪われてる方々ってたくさんいらっしゃいますし、
ましてやB2Bの中では、なんとなく日本はやっぱり財閥という近いところから選ぶところが強かったっていう時代だったから、あえて選択肢がないことが重要だったんだけれども、今や自動車がEVに変わっていくみたいな形で、
もういろんな体系の中でイノベーションが進んでいくっていうことになってくると、B2CもB2Bも実は新しい選択肢を提供する、新しい爪を開発することで今まで動かなかった人が動く。だから喜んでお金を払ってくださるっていうマーケットがあるっていうことが、やっぱりこのリクルートの歴史の中から皆さんもヒントにしてほしいところなんですよね。
33:04
スピーカー 2
おもしろい。爪の概念。
なるほどな。ユーザーのフックになるところを企画と編集でやっていくみたいなイメージを今お聞きしてて思ったんですけれども、それがすごく重要であり、インターネット系のサービスには結構まだ抜け落ちている観点かもしれないですね。
スピーカー 1
そうですね。要は本当の価値っていうものを引き出してあげるということが一番大事であって、それをするとやっぱり人生が豊かになっていくから、僕はやっぱりロマンにもつながっていくし、でも普段行わないことを行ってくれるからお金が儲かるから、やっぱりロマンとソロバンが成り立っているエリアなんだなっていうふうに僕は思うんですよね。
スピーカー 2
最後に僕、ホットペッパーのデータを使ってサグルメっていうサービスをリクルートでやってて、来てるお客さんのIP情報、発信者情報を見て、どの会社の人が見てるかっていうのを見て、電通の人はこのお店よく見てるから多分よく行ってると思うから、電通の人を接待するのはこのお店だよみたいな感じで、企業とか年齢から絞り込めるっていう。
画期的なサービスを作ってめちゃくちゃヒットしなかったですね。全然ニーズなかったです。でも爪の概念なかったなと思って。要はこの人と一緒に行きたいから、その人にとって一番いい店を選ぼうみたいなのって、そんなに多分強くなかったんだろうなっていうのを今改めて気づきました。
スピーカー 1
そうですね。だからそこは価値を出すという部分と、その価値を感じてる人にそのサービスが伝わるかっていう話と、その価値があるものが伝わったときに掛け算として量としてビジネスインパクトがあるかっていう話でいうと、2番目と3番目がリクルートでやるには希望感が足りなかったって話だとは思いますけどね。
スピーカー 2
いや、そもそもアクセスなかったですね。ニーズがなかった。
スピーカー 1
ただね、そうやってお客様がこういう価値があれば動くのになんてことを探求していくってことって、どっかでニーズがあれば話しますけど、正々堂々とめちゃめちゃ相性がいいので、そういったものももう一回考えていくことが大事なんじゃないかなと思いますし。
じゃあこの儲かりっていうものが、動かないユーザーを動かすような上手い編集の力だから儲かるんでしょっていうだけではないっていう奥深さの記述がテイクレートの価格なので、次回テイクレートの価格を話していきたいなというふうに思います。
スピーカー 2
はい、ありがとうございます。非常に勉強になりました。
はい、じゃあ今回はそんな感じでありがとうございます。
36:03
スピーカー 1
はいどうも、ありがとうございます。
36:07

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