1. Good News for Cities〜都市に関する炉辺談話
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2021-04-20 22:04

【#48】都市と保存:まとめ編 記憶を記録する

「都市と保存」シリーズ最終回。ゲストトークからの学びを振り返りながら、もっと深掘りたいトピックやまだ話せていなかった事例についておしゃべりします。

◉おしゃべり中に紹介したトピックのリンクなど

・緑の保全、開発の規制、市街地における緑化の推進に関する分かりやすいレポート:https://is.gd/4nRJng

・石垣技術の保存について書かれた論文「歴史的構造物の保全に関する研究」:https://is.gd/XYxaUl

・ワルシャワの旧市街地「旧市街市場広場(Rynek Starego Miasta)」:https://is.gd/5C46ed

・不動産投資型のクラウドファンディング:https://is.gd/BF2lMI

・NPO remo / 記録と表現とメディアのための組織:https://is.gd/F78ukM

・建築家ピーター・アイゼンマン設計の「ベルリン・ユダヤ博物館」:https://www.10plus1.jp/monthly/2018/08/issue-02.php

・ポートランドの「McMenamins」:https://www.mcmenamins.com/ 


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皆さん、こんにちは。リサーチャー・ストーリーテラーの杉田麻里子と
エクスペリエンス・デザイナーの石川佳子です。
この番組は、都市というテーマが好きで好きでしょうがない2人が、
都市に関する様々なグッドニュースをザック・バランに話す場所です。
今回は、都市と保存でシリーズでやってきたんですけど、今回が最後になります。
まとめ編ということで、
ゲストトークを通じて見えてきたことの振り返りだったりとか、
あとまだ話せていない、なんか世界の面白事例みたいなのも、
ちょっとね、ゆるーく話す機会にしたいなと思います。
はい、今回保存っていうテーマではあったんだけど、
2名のゲストを通して、なんかその都市の中での、
ちょうどいい新陳代謝って何なんだろうねっていう話だったり、
そういうのではなく、面で都市が生まれ変わっていくやり方、
手法っていうものがもっとあるんじゃないかっていうことだったり、
2人とも違うベクトルの視点で面白かったなと思いました。
そうだね、面白かったね。
なんか、またやるとしたら深掘りたい、もうちょっとやりたいなと思ったのが、
なんか全く年齢が違う、なんかおじいちゃんとか連れてきたりとか、
バブル期にむっちゃ活躍してたデベロッパーとか、
わかんないけど、なんかさ、ゲストのお2人、
同じぐらいの大体年齢っていうのは、私たちと似通ったような、
価値観みたいなのがある中でお話をお伺いしたので、
例えば東京以外の、北海道みたいな文明とか、
違う世代の人の話、聞いてみたいなと思う。
なんかさ、例えば町屋の改修とかもいろんな例を見るけど、
なんかすごいピシッと綺麗に作り上げるのが好きな世代の人たちと、
なんかたぶん私たちの世代ってシャビーがかっこいいみたいなさ、
ちょっとブルックリースタイル的な、なんだろう、今私が住んでる家も、
なんか土壁の剥がした結構ボロボロのやつを、いい感じだねって作ってるんだけど、
たぶん上の世代の人から聞いたら、こんな汚いところにみたいなのもあるから、
そこらへんも聞いてみたいなと思った。
あと、もうちょっと深掘りたいなと思ったのが、
なんか自然、河川とか山とか、自然の保存みたいなところも話せるかなと思った。
なんか建物とか都市の人工物の保存みたいな話がやっぱ多かったけど、
なんか開発の規制で、なんか緑を保存するとか、
あとなんか在来種の保存とか、いろんなさ、
木々にもいろんな種類が、桜とか在来種がすごい多いみたいな話も聞いたけど、
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なんかそれこの前、ニューヨークのストリートツリー、なんていうの、これは、
公共空間にある木々の、なんか種類がマッピングされたデータビジュアリゼーションみたいなのを見てて、
結構いろんな種類があるなと思ったけど、
それがなんかあんまりない町とかもあるらしくて、ここら辺のね。
でもそれ面白いね、そういう生態系のバランスを見て、ここはカットしないでおこうとかね、
この木を増やしましょうとか、なんかそういうの考えられたら、もっと面白い町になりそうだよね。
そうだよね、なんか渋谷川の、私たちが渋谷で働いているときに近くにあった渋谷川の、
最初のオリンピックで閉じて、暗巨って言うんだけど、また開けられたみたいな、
それもこういった保存の文脈の中で考えられると面白い。
渋谷川みたいなものはテーマとしても面白いかもね、
こういろいろ人間の都合によって閉じたり開いたり多分してるような気が。
そうだよね、面白いよね。
あとはあれかな、技術の継承みたいなところを話したいなと思いました。
もっと知りたいなと思いました。
今あるさ、例えば素材がそもそもないとか、これを直せる大工さんがもういないとか、
京都でも宮大工さんの数が足りてなくて、すごい何ヶ月待ちとかもあるらしいんだけどさ、
歴史的な建物だったり、街並みを保存するにあたっては、そもそも技術がなければ、ノウハウみたいなところ、
それの教育とかって今どういうふうになってるのかなとか。
確かに、なんかさ、ちょうど神社行ってきたって言ったじゃん、山の上の。
それが青森の山の上の神社なんですけど、
そこに泊りがけでちょっと祈祷みたいな感じで行ってみたんだけど、
ちょうどそこの鳥居を何百本も作り変えている最中で、
茨城から職人さんたちが20人ぐらい泊りがけで1ヶ月、その鳥居を直してるんだけど、
ちょっと残念なことに木造の鳥居だったものが老朽化してって、
メンテナンスが大変ということで、プラスチックなのかな、
そういったちょっとメンテナンスしやすい素材に全部作り変えるって言って、
かつなんかちょっと前回の鳥居よりもサイズアップして大きくなってて、
確かに綺麗にはなるんだけど、この木の良さとか、
なんかこの情緒みたいなものなくなっちゃうなとか、
それはそれで多分その鳥居とかの新しい技術としては、
茨城からさ、わざわざ連れてきてやってもらってるっていうところでは特別な技術なんだろうけど、
なんかやっぱりそういう神社仏閣とかそういうところの技術伝承もなかなか、
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どんどんそれがプラスチックとかそういう素材になっていくと寂しいなとか思いながら。
そうだよね、確かに。
なんか木とかも扱いが難しいからさ、きっとね、職人の技術が必要なはずで、
それが施工されないと、そもそも大工さんがそれを扱えなくなってしまうみたいなのあるよね。
最近読んだ記事で、石垣の技術の保存とかもあった。
なんかさ、お城とか建物保存されるけど、
お城の建物だけじゃなくて、なんかなんていうの、定格石垣みたいな。
昔はコンクリートとか使わずに組み立てていて、
それが400年とかずっと持っている、その技術って、
なんか今ね、今も使えるんじゃないかって、
でもそれを作れる人がほとんど残っていないみたいな感じなので、
そこら辺の、なんだろうね、伝統技術スクールみたいなのがあってもいいんじゃないかなと思ったりしました。
あとそうだね、最近だと技術の伝承とか、やっぱりそういうのって後継者不足みたいな問題でさ、
技術として受け継がれないみたいなところの課題もあると思うんだけど、
やっぱりそういうなんかものづくり、長く残るものづくりの姿勢みたいなのって、
そういう伝統的なこうやり方から学ぶところあるなと思って、
もちろんそれをそのまま技術として伝承できなくても、
なんかそのものづくりの姿勢みたいなものって、
なんかもっと私たちはこうリスペクトするというか、
そこから学べることまだまだありそうだなっていうのをすごく最近思いました。
そうだよね、しかもなんか日本に閉じている必要もないなと思って、
なんか宮大区の友達で京都に住んでる人って、ベルギー人、何人だっけ、ハンガリー人ぐらいなんだけど、
なんかそのね、今日本でも少子高齢化が進んでいるので、
後継者問題とかある中でどんどん海外の人とかにも、
日本の技術を伝達してもらうっていうのもありなんじゃないかなと思いました。
あとさっきさ、鳥居のプラスチックみたいな素材みたいな話してたけど、
なんかサーキュラーエコノミーの中での保存と遺産と新築を考えるみたいなのも、
もうちょっとやっても面白いなと思って、
なんか壊されるときにゴミにしかならない建築を作るんじゃなくて、
なんか有言かもしれないけど、それが例えば土に変えたりとか、
昔の家とかさ、もうなんかボウボウに木とかに生えて、
森に変えてるみたいな古い古民家とかあるけど、
なんかそういう親鎮対象のあり方もいいなと思う。
なんかね、前話してた、行ったことないけど、
アクロス福岡とかも森を作り、それを100年後、森に返すっていうとこまで想定して、
09:00
建造物を作って、植栽も植えているっていうところにすごく面白いなと思って、
なんか帰っていくためのね、デザインとか、帰っていく、自然に帰ることを想定した、
それ言ってたみたいな、壊すことを想定した建て方みたいなのもね、
もっとなんか更新していいと思うし、もっとそういう技術を私たちも知りたいね。
そうだね、その通りだと思いました。
最後の回なので、なんか言いそびれた、これだけは言っておきたい面白事例とか、
なんかこの話しときたかった、みたいなのがあったら紹介していこうか。
そうだね、事例としては、いろいろあるのかなと思うんだけど、
1個、建築の保存みたいな話をずっとしてたんだけど、
その中でもやっぱ、亡くなっちゃうことのショックって、
私たちの記憶とか個人的なことだよね、みたいな話があったと思うんだけど、
そういう視点からいくと、やっぱその記憶を記録するっていうことも、
都市を保存していく、新陳代謝させていく上で1個の重要なことなのかなと思ったときに、
なんかこの間ちょっとね、私たちがフォーシティっていうプラットフォームの方でインタビューした、
韓国のアーバニストの方の事例とかも面白かったなと思ったけど、
韓国の全州っていう、ちょっとソウルとはまた違う、ちょっと地方都市みたいなところで、
都市づくりを活動させている女性なんだけれども、
彼女たちがやっているプロジェクトの1つに、
特定の土地って、その土地に銀行ができたり、家ができたり、
年々いろんな建物が生まれ変わるみたいなところに注目して、
そこの土地に紐づく記憶をアーカイブするプロジェクトをやっていたりするっていう話を聞いて、
そういうの面白いなと思ったり、
あとはNPOの大阪を中心に活動しているレモっていうチームも、
結構映像とかから当時の人の暮らしを記録するだったり、
今だと福島で主婦の人の生活の記録っていうものを、
仙台メモリアル交流館みたいなところで展示してたりとか、
記録のアーカイブっていうことは1個すごく大事な活動なんだろうなと思って。
そうだね、記憶を記録するみたいな文脈で言うと、
やっぱドイツうまいなと思うことがすごいあって、
有名な事例だけど、ベルリンの建築家ピーター・アイゼンマンが作った、
ベルリンユダヤ博物館っていうのは、
すごいこういった保存みたいな事例の中で、
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よく出てくるものだと思うんだけど、
私も実際に行ってみて、面白いなと思ったのが、
アイゼンマンがホロコーストの早期っていうのが、
ノスタルジーであってはいけないみたいな話をしていて、
この博物館だけに関わらず、
ドイツ結構空爆でさ、
全部街ごとがれきになった街とかたくさんある中で、
いろんな再生だったりとか、記録の保存の仕組みみたいなのがある中で、
それをノスタルジーで終わらせないみたいなのは、
すごい大切なポイントだなと思って、
博物館に実際に訪れて、
メモリアルパークみたいなのがあるんだよね、
ブロックがたくさんあるところ。
あれだけ、あそこだけ時間軸違うよね。
違うよね。そこに入って、体験できるみたいな、
生の体験がそこにあるっていうのは、
すごい大切なことだなと思って、
それは別に、全くレプリカを再生して、
遊園地的に楽しむっていうよりも、
そこ側にデザインをどう入れるかって話だと思うんだけど、
昔のものを昔のものとして、
ではなく、日常生活の一直線上にある生の体験として、
そういったものを作るっていうのは、いいなと思った。
その話でいくと、戦争の記録、記憶みたいなところで、
ワルシャワの旧市街地の歴史地区の保存みたいな話も、
この保存の話をしたとき思い浮かんだんだけど、
これは基本的に復元と言われていて、
第二次世界大戦のときに、
ドイツ軍によって破壊された町の旧市街地を、
かなり完璧な形というか、以前の形に元通りに復元、
市民の力で復元しているっていう事例なんだけれども、
ここもまたその記憶の残し方として、
ベルリンとまた違うアプローチだなと思って、
ここはかなり、本当に以前の残っているレンガとか、
残っている素材をそのまま使って壁を作ったりとか、
実際に行った人に話を聞くと、
本当に欠けた後まで全部再現しているっていうのかな、
復元しているっていう状態にあるみたいで、
これをなぜこういう風にしたかって、
いろんな論文とかも出てるんだけど、
やっぱり一つは市民の人のアイデンティティー、
自分はここに住んでいたというか、
ここに属しているというアイデンティティーを取り戻すための活動だったんじゃないか、
みたいなところで、
日本だと全部壊した後、
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それを復元させるんじゃなくて、
新しい土地を一から作るっていうようなアプローチにしたけど、
マルシャワの人たちはある意味、
再現、復元することがそのアイデンティティーの確立につながったっていうのが、
面白いなと思ったのがありました。
あとなんか一個怖って思ったのが、
ドイツ軍の計画としては空間を破壊するってことが、
精神的な攻撃になるっていう考えのもとを、
メインとなるような旧市街地を狙って壊したみたいな説もあって、
空間の破壊ってやっぱりそれだけ内面に来るものなんだよなっていうのを改めて、
ちょっとこのマルシャワの事例とかを見ながら思いました。
なるほどね、空間ね、確かに。
なんか戦争の、確かにそういった記憶を残すみたいなところでいくと、
例えば銃痕をそのままくくさずに残しているところとか、
例えば神戸だったら空襲ですごい焼けた時に橋が焼けた黒焦げがまだそのまま洗わずに残されていたりとか、
そういうのをあえて残すみたいなところがあると思うんだけど、
確かにそうだよね、空間の中でそれを感じたりとか、
やっぱ空間がね、アイデンティティにとって大切だからこそ、
そういった残し方っていうのはすごい大切なんだなっていうのを思った。
だから空間の保全とか、空間を作ることはアイデンティティの形成にもなるし、
空間を破壊することは攻撃にもなるっていう。
そうだね。
精神的な攻撃にもなる。
そうだよね、戦争の文脈だけじゃなくてもさ、
今の都市改革発展もそうだよね、結構だってグサッとくるもんね。
やっぱそこはそうなんだなって改めてちょっと思ったかな。
なるほど、今ちょっと思い出したけど、
ベインに住んでた時に近くの公園にナチスが占領時代に作られたナチスの建物があって、
すっごいアグリーな建物なの。
ナチスの建物だからさ、みんな大っ嫌いなんだけど、壊さずに、それはあえて残しているみたいで、
アグリーなものを日常生活の中で見ることで、歴史を感じるみたいなね、そういうのも。
ね、面白いよね。
ちょっと悲しい事例、悲しい歴史ではあるけどね。
あとは何かある?
あとは、あんまり今回使わなかったけど、アダプティブリユーズっていう言葉はやっぱキーワードだなと思ってて、直訳すると適応型再利用みたいなところで、
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リノベーションともコンセプトはすごい近いと思うんだけど、文化財とかの建物を用途変更したりとか移築したりとかして、
全く今の文脈の中で、メイクセンスな使われ方をする。昔の使われ方とは違う方法で、みたいな。
例えばポートランドに行った時に、廃校、古い学校とか使われなくなった工場を使って、
バーとかパブにしている、えっとね、なんて読むんだっけ、マクメジアン、マクメラミンズっていう家族経営のバー会社みたいなのがあって、
いくつか町中に古い物件があるのを買い取って、それをホテルにしたりとか、バーとかにしたりとかしてて、
私もそこのケネディスクールって一つあるやつに行ってきたんだけどさ、昔の体育館がそのまま映画館になってたりとか、
なんかピカピカのリノベっていうよりもそのまま使ってます。当時の椅子とか普通に置いてあるみたいな感じで、
なんかパブとかカフェとかだったらさ、自由に誰でも入れるじゃない?
お金を払って歴史的建造物に見学に行きますっていうよりも、ビール一杯のみにそういう空間に行くっていうのは、
さっき話してた生の体験じゃないけど、日常生活の延長の中で歴史を感じる、自分の日常の中で体験できるみたいなのがすごいいいなと思った。
なんかやっぱり、何でそもそも保存するんですか?みたいな、いろんなゲストの人とかに話をしてたと思うんだけど、
私はなんかやっぱり色々調べた上でも、アダプティブリーズ的な、やっぱ残せるものは残して使いたいなっていう派の人だなと改めて思って、
で、何でアダプティブリーズが大切なのか?みたいな、3つの理由みたいなところで色々記事を読んでたんだけど、
1つが材料で、材料って今手に入らない材料があったりとか、材料が有限だったりとか、あとサステイナブルな材料だったりとか、
そういうのを保存する方がメイクセンスだなっていうのと、さっきサーキュラーエコノミーの話してたけど、持続可能性みたいなところで、
なんかあれだよね、去年人間が作った人工物の量が地球の生物量の量を超えてしまったみたいなケースがあったけど、
なんかもう時代的に新しいものを作るんじゃなくて、今あるアセット使いましょうっていうのはメイクセンスだなと思うし、
あと3つ目がさっき記憶の話をしてたけど、文化だから空間とかそういった建物とか色々なものには文化が付随しているものだから、
それを残すっていうのは教育の意味でもすごい大切だなと思うので、私は残したい派なんだなっていうのを改めて思いました。
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でもそうやって素材を、今あるものをもっとクリエイティブに使うみたいな工夫でデザインは全然更新できると思うし、
そこと経済がちゃんと結びついて回っていく仕組みみたいなものが絶対これから求められてくだろうなと思ったかな。
そうだね、経済とさっき話してた技術と、なんかもっともっと深掘れそうな感じですが、
一旦4回でやってみたので、でもなんかまだこういうのあるよとか聞いてみたいなと思いました。
今後もこの番組では都市をテーマに様々なおしゃべりを繰り広げる予定です。
毎週木曜日にニュースレターも配信しています。ぜひこちらもご登録お願いします。
次回もお楽しみに。
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