田中 愼一
基本的に文化ってすごく重要だと思うんですね。どんな組織であれ。
日本の自動車産業を代表する3社はもちろんトヨタがトップで、
あとホンダと日産があるわけですけども、
トヨタや日産はそれなりに歴史がある日本の自動車産業を作ってきた人たちで、
ホンダはどっちかというと新種というか外来で、いわゆるオートバイから入って、
それから四輪に入ってっていう企業で、そのカルチャーは全然違うんですが、
どっちかというとホンダのカルチャーに似てるっていうか、
ある程度共通性があるなっていうのはトヨタですね。
トヨタとホンダって案外そこのものの発想が現場主義的で、
現場で何が起こってるかを中心に物事を考えてやっていくっていう現場主義的な発想がすごく強い。
だから何か問題あると現場どうなってるってこういう感じになってくる。
だからある意味似たもの同士で、不思議なもんで似たもの同士って結構うまくいかないっていうのがある。
だから間違いなくトヨタとホンダが統合したらうまくいくはずがないね。
というふうに僕は今偏見を持って言ってるんです。
でももう一方、じゃあ日産とホンダってどうかっていうと、これは似て非なるもの同士なんですね。
もうまるっきり違う発想で、どっちがいいか悪いかって別です。発想が違うんですよ。
やっぱりホンダが現場でもっと泥臭いところに関して、向こうはどっちかっていうとかっこよさというか、
スマートというか、なんかそういうところがあって。
トヨタが持ってる泥臭さとはホンダの泥臭さはちょっと違うんだけども、
でもいずれにしても泥臭いっていうところと、向こうはハイカラっていう感じ。古い言葉だけど。
だから通常パッと見たときに、ホンダと日産は水と油で絶対合わないよなっていう。
これが昨日からずっと、いやそうじゃないんだ、これはちょっと別次元の視点から見なきゃいけないんだって言うんだけど、
一生懸命昨日から努力してるんですよ、これ。なるべく客観的にこの事実を捉えようとして。
やっぱり人間は主観の動物ですね。
要するにね、特に主観っていうのはロジックとは違う。客観っていうのはロジックでことするんですよ。
ロジカルじゃないと客観にならないし、普遍性が出てこないから。
でも主観っていうのは実はロジックでは片がつかない。落とし前がつかない。
そういうのがあるんで、今まさに年末を控えてね、振り返りをゆっくりしようと思っていたんだけど、
昨日そういう事件が起こってですね、心が動揺して、この心の動揺というものをどう落とし前をつければいいかっていうのがですね、
なかなか手がない。だから僕はもう、会う人会う人この話をしてる。
その中で、やっぱり前からも言ったようにコミュニケーションっていうのは受信、発想、発信っていうね、この輪をどんどん回していく。
そうすると人間は元気になっていくんですよ。
だから今一生懸命皆さんとそのね、プロセス受信、発想、発信でどんどん発信して、どんどん受信して、どんどん発想して、発信して、
これを今やって少しでも元気って言うんですけど、なかなかねボルテージ上がらないんですよね。
中川 浩孝
逆に言うとどういう反応が返ってくるんですか?その話をした時に多くの人からこういう反応があるとかって。
田中 愼一
みんなびっくりするんですよ、やっぱり。
大体僕と同じ気持ちはシェアしますね。だって違うよね、あそこと二人でシェアと思うっていう。
だからこの違うもの同士を混ぜるっていうのはまずうまくいかないと思いますね。
昨日いくつかの報道全て見たんだけど、
報道はホールディンカンパニーをどう構築するかで決まってくるかなと。
少し今ね自分の心を客観的に見つめるようにしてるんですけども、
そういう目から見るとですね、まだ本人は確信してないんだけど、
やっぱりホールディンカンパニーで絶対混ぜない仕掛けを作ることでしょうね。
それからあと、それがまず一つ、混ぜないっていう。
それから二つ目のホールディンカンパニーの機能っていうのは、変なトップダウンをやらないこと。
つまり現場で判断し、現場で責任を持ち、現場で覚悟するっていう、
つまりホンダはホンダ、日産は日産っていうことをクリアにし、
そこにあんまりホールディンカンパニーとして口出ししない。
する分野としちゃいけない分野を明確に分けないと、
両者のいいところっていうのがどんどん、
だって日産がホンダになったって、まあなれるわけないんだけど、
日産がホンダになったって全然1たす1は3にはなりませんし、
ホンダが日産になったって1たす1は3には全然ならない。
両方とも2にさえもならない、そういうことをやったら。
そうするともう1たす1がゼロって話になっちゃうんで。
だから混ぜるっていうのが1番、混ぜるっていうことと、
それからそのコントロールしようという発想がホールディンカンパニーにあると、
うまくいかないケースが多いんじゃないかなっていうのが、
やっとここまで客観的な視点を、
あれをもう少し客観的に理解しようとはしてるんですけどもね。
田中 愼一
今売れてるのはハイブリッドなんで、基本的には別に今は心配する必要はないんだけど、
実は他の地域見てる、例えばタイのマーケットっていうのは実はほとんど日本勢が抑えてたところから、
今や全部がほぼ中国勢になってた。
しかもEVの中国の持ってる強さはコスト競争力ですね。
高木 恵子
なるほど。
田中 愼一
だからEVに限らず、あと自動運転。
それからAIが入ってくる中で、いろいろな形をコネクテッド・モビリティっていうか、
その中で言い方を簡単にすると、いわゆる携帯化するんですよ、車が。
車っていうのは携帯と違って、携帯は自分の手を持ってるぐらいの接触度しかないけど、
車って体全体がすっぽり入っちゃうんですね。
それと何が起こるかというと、一つのデータ発生源になるんですよ、車が。
だから車の動いているデータ、さらにはその中に乗っている人間のデータっていうのが、
全部データ化して共有されて、それが新たなサービスにつながっていくっていう。
自動化もそうだし、いろいろな技術がこれから、いわゆる従来の車の産業の構図っていうのが、
この要素技術がガラっと変わっちゃうわけですよ、電気になると。
高木 恵子
なるほど。
田中 愼一
いわゆる自動車のAI化って呼んでもいいし、スマホ化って呼んでもいいし、
今まで孤立空間だった車、つながる空間になっちゃったんだよね。
そうするととてつもない基礎投資、基礎技術に対する投資が需要になってきて、
一社じゃもうできないですね。
しかもこれはEVだけにシフトすればいいかって言うとそうでもなくて、
これから水素エンジンとか、いわゆるクリーンエネルギーって呼ばれている、
もしかしたら従来のエンジン技術を使ってエミッションゼロを達成するような燃料、新たな燃料、
っていうの開発も一歩進んでますから、
だから基本的には360度であらゆる技術革新っていうものを抑えていくっていうか、
フォローしていかなきゃいけないとなると、これは今日本の企業ではトヨタしかできないでしょうね。
トヨタはそれをやってるんですよ、実際に。
ただトヨタでさえも今や大手外資と提携しようという動きがあるんで、
だからもうこれは一つの流れだから、
多分日本の中で言うとトヨタはまだ単独でいけるとは言っても、
ホンダと日産はやっぱり、日産の方が今弱ってるから非常に、
しかも日産というのはEVっていうのを一番初めに進めたのに、
結局主導権取れずに持っていかれちゃったわけですよね。
だから彼らは、ゴーンさんのときなんだけども、
ハイブリッドへの投資を怠ったんですよ。
全部EVにシフトしちゃって。
だからハイブリッドがないって言ってもいい状況で、
それが今の苦境を招いてるっていうことで、
だからEVだけに今シフトするっていうのもまた危険な話で。
だからそういうことを考えると、
これからの自動車産業って本当に激変っていうか、
100年に一度じゃなくて、
500年に一度か1000年に一度ぐらいになったとおかしくないぐらいの激変です。
それの第一発が日本の中で言うと、
やっぱりホンダと日産の統合っていう激変ですね。
テレビもすごい取り上げてたんですよね。
高木 恵子
そうですよ。
田中 愼一
こんな感じでしょうね。
中川 浩孝
なるほどね。
田中 愼一
だから本当に変わりますね。
中川 浩孝
そうか。でもトヨタとホンダの差ってそんなにやっぱり大きかったんですね。
田中 愼一
大きいですね。
やっぱり日本が圧倒的にでかいんですよね。
アメリカでは互角にやってても、
基本的には日本で差がついちゃうんですね。
やっぱり日本はもう圧倒的にトヨタですからね、今。
だからそこで大きく差がつくのと、
あと中国は3社とも苦戦してるんであんまり差がつかない。
ヨーロッパも似たようにあそこはメーカーが多いんで、
なかなか日本社は入っていけない。
そうすると結局主要となると、
基本的にはアメリカがカナダっていう北米市場が最大のマーケットになるわけですよね。
そこでは基本的にはトヨタ、ホンダが双璧みたいな形でやっていて、
日産が出遅れてるっていう感じで。
日産は北米がダメなんです、今ね。
だからそういうのを考えていくとそうなんですね。
トヨタはやっぱりさすがにでかい。
高木 恵子
そうか。
中川 浩孝
そうですね。
田中 愼一
こうやって今自分を慰めてるんですよ。
客観的に思いして。
ただ自分の主観からはまだ許せないみたいです。
これで年越すのがね、本当にって感じですね。
高木 恵子
でももう別に年末で決定的に大きく動けることはなかなかなさそうだからね。
やっぱり年明けで一気に進みそうですよね。
田中 愼一
そうですね。
わかりませんけどね、交渉ごとっていうのは。
ホンダもGMとずっと電気自動車のEVのをやってたのに、
今の社長、ホンダの社長の三部っていうのがやってたのに、
交渉やってそこが成功してたと思ってたら解消したっていう形で。
だから結構こういう企業統合っていうのはなかなかうまくいかないです。
今回はね、日本の企業同士なんで。
でもこれもね、いろいろあって、日本の企業同士だからこそ割れるっていうのもあるわけですよ。
中川 浩孝
そうですね。
田中 愼一
さっき言ったそのまるっきり違う考え方とか、あるいは似た者同士とかね。
逆に日本語でやるからツーカーというか阿吽というか、
これはいい意味で今使ったんだけど、逆に言うと不確実性とか誤解とか曲解とかが起こるのがあるんで。
甘えがあるからね、お互い日本人だと思って。
だからどっちに転ぶかわかんないですよね。
高木 恵子
銀行がそうじゃないですか、日本って。
結局今大手、三菱UFJと、みずほと住友で、
結局あそこも全部みんなくっついてくっついて大きくなって、今残ってる感じですよね。
田中 愼一
大体日本の経済規模に合ったっていうのは別にね、だって自動車って7社くらいあるんじゃないですか。
系列は作ってるけども、基本的にはそこが2つか3つか2つ。
政府としては2つっていうのを昔掲げてた。あ、3つか。
いずれにしても、やっぱり多すぎるんですよね、日本ってね。企業数がね。
自動車は本当にすごい数ありますよね。
中川 浩孝
そうですね。
田中 愼一
トラックメーカーまで入れたら本当に。
高木 恵子
おお、そうなんだ。
田中 愼一
いずれ集約されることはわかるけども、
技術革新に追いついていくための投資をどれだけ早く回収できていけるかっていう、
サイクルをどれだけ早く回していけるかっていうのが重要で、
それには絶対的に台数が必要だっていうのが今の時代なんでしょうね。
中川 浩孝
それは間違いないですよね。
田中 愼一
全然ね、自動車にとって変わるような、
例えば空中自動車、要するに空飛ぶ自動車とかね、
そこあたりはたぶんホンダとか、トヨタやってるかどうか知らないけど、ホンダはやってますよね。
それから、ホンダはジェットをやってますからね。
そう、ホンダジェットがありますもんね。
ジェットをやったり、だからそういう意味で車とは違ったところのトランスポテーションとかモビリティっていうか、
ロボットなんかもモビリティになるんですよ。
例えば介護、ロボットなんかは、動けない人を動かしてあげるとかね。
だからモビリティっていうのは車だけじゃなくて、もともと本田宗一郎さんがそう言ってたんですけど、
要はAからBまでにどれだけ人間を運ぶっていう。
効率的に、効果的に。
人間っていうのは鍵なんですね。
だからホンダは昔、タクシーとかああいうとこには車売ってなかったんですね。
なぜかというと、ドライバーのための車を作ってる。
今から思うとちょっとね、頑ななんだけど、昔はそんな感じで、
田中 愼一
あんまりレンタカーとかそういうところにホンダの車出さなかったんだけども、
ドライバーのための車っていう発想が当時強かったんだよね。
今はそういうことないですけどね。
だから人間を運ぶっていうことがすごく重要なポイント。
人間を運ぶっていう。
そのモビリティに特化するっていうことは、
オートバイがまさにスタートポイントで、
そこから車に発展し、それから今度ジェットに発展するっていう。
ある意味一つの進化法則っていうのがあって、
すべてモビリティ。人間のモビリティ。
そうなると介護ロボットとか、そういう人間のモビリティをサポートするっていう範疇で、
自動車で捉えずに、そういうふうに大きなビジネスドメインで捉えるっていうね。
こういうのっていうのがすごく重要で、
特にジェットって開発するまで30年かかった。
一人きちがいがいて、
もうひたすらジェットだジェットだって生きて、
30年間研究所で孤立しながらバカバカと呼ばれるながらも耐えてやったと。
ただそれを許したカルチャーがあるわけですよ。
でも今回統合したときに、ホールディングカンパニーがそういうものを許さなくなるっていうのは、
あらゆる事例で出てるんですね。ホールディングカンパニーの。
個別企業と参加にある企業とホールディングカンパニーの圧力っていうんですか。
やっぱりホールディングカンパニーになると、
制御、コントロールしたがる。現場にいないだけに。
参加にある企業は現場でも回してるから、
ある程度いろいろ将来見ながら、たとえば30年かかってもお前やっとけというぐらいの判断はするんだけど、
ホールディングカンパニーからすると、いやそれは違うだろうとかね。
しかもホールディングカンパニーがホンダ出身じゃない人間がなったときっていうのは、
たぶんそういうところの、現場での雰囲気っていうか。
ジェットは今成功してて、あのクラスでマーケットシェアもうナンバーワン取っちゃってるんだけども。
あれはその30年間やらせてたイノベーションが今日に生きてるっていうケースだから、
ある程度基礎技術の開発っていうのは、
広い目で、長い目で、広く長い目で見ていかなきゃいけないっていう応用さっていうのを、
どこでキープするかっていうのはトップマネジメントの重要なところだと思うんですよね。
高木 恵子
なるほど。
田中 愼一
それカルチャーに一番関係してくるんですよね。
高木 恵子
まあそうですね。
中川 浩孝
確かにそんな気がしますよね。
田中 愼一
イエスマンのカルチャーって絶対イノベーションって起こってこないんですよ。
あるいはトップダウンだけでやってるような組織って絶対ダメです。
僕がいた頃はもうアップトップ。
もう下からどんどん突き上げていくっていう感じで。
とにかく上は動かすものっていうんで。
とにかく口八丁、手八丁、なんでもいいからいって乗せて動いてもらうっていうね。
そういうことで僕は嫌われてたのかな、上司に。
高木 恵子
でも田中さんがよく言うピンチはチャンスっていう言葉通りに行くのであれば、
結局今そういう意味で言うと日産もホンダもピンチとするのであれば。
田中 愼一
ピンチとして考える。
トヨタも含めてピンチだと思います。
高木 恵子
そうですよね。
田中 愼一
日本の自動車産業そのものが今ピンチなんですよ。
今言いながらなるほどって。
高木 恵子
そうですよね。ピンチをチャンスっていう風に。
そうですよ。
ってなればお互いやっぱりピンチなんだから何とかしようっていうので、
新しいものがね生まれてきたらそれはそれで日本のそれこそ自動車産業ももう一度息を吹き返すというか。
田中 愼一
これをチャンスにできるかどうかですよね。
ここは真剣勝負なんで勝ち負けは出てくると思うんだけども、
でも依然してもピンチをチャンスにするっていうことを追求していくっていうことが重要だと思います。
高木 恵子
そうですよね。
中川 浩孝
私は三洋とパナソニックの合併の時のことをすごい考えちゃったんですけど、
やっぱりあれってその三洋のブランドをうまくパナソニックに移せたものもあるんですけれども、
ほとんどのものは消えてしまって三洋のブランドは消えてしまって、
結局三洋のブランド自体は中国の会社にある意味売るみたいな形だったっていうことを考えると、
これってやっぱり会社数が多すぎるって先ほど田中さんがおっしゃってたのは、
いつも私もそれは日本の問題だなと思っていて、
その日本のマーケットがそれなりに大きかったためにそれなりにたくさんの会社があってうまくやってきたんだけれど、
やっぱり開発投資とかにどんどんお金がかかるようになってきて、
日本だけではダメだと。
世界を見るとなるとやっぱりちょっと会社の力が足りないと。
で、やっぱり一緒になっていかないと。
っていうところでパナソニックと三洋というのもまさにそれが起こったんだと思ってるんですけど、
ついにそれが車に来たかって思ったのと同時に、
やっぱり三洋の時みたいなその日産のおいしいところだけを、
というかホンダの欲しいところだけをうまく拾って、
あとはどっかに売っちゃうのかな、
そういうのがあったらすごい嫌だなって思って、
一応私は今のところ見ているんですけど、
うまくいくというか、あれもうまくいったと言えるのかどうかちょっと今の段階ではまだわからないですけど。
田中 愼一
それはね、お互い両二つの会社ともやっぱり違いはちゃんとあるんでね。
それは技術的な違いもあるけど商品ラインナップの違いもあるんでね。
田中 愼一
と今なかなか自分の主観を抑えながら言ったんですけど。
できるというふうに今自己暗示かけてるんですけど、できる。
だからそういうふうに見ると、やっぱりホールディングカンパニーを
どう構築していくのかっていうのは鍵じゃないですかね。
成功のね。
高木 恵子
頑張ってもらわないと、日本のためにも。
田中 愼一
で、でかいことがいいことだっていう一方で、
世の中でもなくなってきてるんですよね。
自動車はさっき言った巨額投資があるんで、
大きくないとダメだっていうことで、今そっちにシフトしてるんですけども。
だから逆に言うと、でかくないほうがいいことだっていう世界もあるわけで、
それを個別の会社にやらせることでしょうね。
だからホンダはホンダらしく、もともとナンバーワンになろうとかそういう野心じゃなくて、
とにかく独自のものを、とにかく人より早く出していくっていう、
その精神でやってるから、それはそれで、
それなりのマーケットをしっかりと作っていけばいいんだと思うんですよね。
だからまあ。
高木 恵子
温かく、ポジティブに見守りましょうよ、田中さん。
田中 愼一
あのね、こうやって皆さんと話してるときはね、いいんですよ、なんとなくこう。
ところがこれで終わるでしょ。
で、ずっと一人になると話さなくなるでしょ。
ちょっとまたこう、主観が黙々と出てきて。
高木 恵子
しばらくコナンを見てください、コナンを。
コナンを見ながら浄化をさせて。
田中 愼一
現実逃避ですね。現実逃避ね。
いやでもね、コナン見てると車が出てくるでしょ。
高木 恵子
あ、そうか。
思い出しちゃうんだ、がーっと。
田中 愼一
ちょっとしばらくは自分の主観をどう落とし前につけるかで苦労するしかない。
これもピンチとチャンスって考えなきゃいけない。
高木 恵子
そう、何か新たな自分のリカバリー方法を見つけるかもしれない、田中さん。
田中 愼一
でもね、昨日から思ったけど、自動車とは関係ないけど、
主観と客観っていう、これはね、ある意味コミュニケーションの本質だなと思ったのは、
コミュニケーションってまずは客観から入るんですよ。
つまり、周りからどう見られているか。
クライアントにアレするときも、まずどう世間から見られてるかってとこから出発するから、
自分のコミュニケーションでまず自分今どう見られてるかなっていうとこから客観から入るんですよ。
客観から入っていくと徐々に穏やかじゃない主観が出てくるんですよ。
そこの主観が動揺するんですよね。
極端に言うと、相手の視点に立てば立つほど、自己視点が動揺するんですよ。
そうすると心が穏やかじゃなくなってきて、
結局主観が勝つと相手の視点に立つってことを忘れるんですね。
客観が勝つと相手の視点に立つってことができる。
そこあたりからコミュニケーションの本質っていうのは、だんだんコミュニケーションの深いところに引きずり込まれていくっていうね。
結構コミュニケーションの本質ってドロドロしてますよね。
自分との葛藤ですよね。
今はその葛藤を僕は味わってるんで、自分が日頃から語ってることを今また自分で経験してるのかって、嫌になっちゃいます。
すいません、大変助かりました。
高木 恵子
良かったです、良かったです。
中川 浩孝
年末もこんな押し迫ってきた時にこんなニュースがあるとはね。