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2021-10-10 12:55

今日の10分de1テーマ「圓生の録音室」を読んで①

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本職は編集者のエイドリアン太郎が1日1テーマを決めて10分話すpodcastです。 ※ご意見、ご感想、質問や話のお題などありましたら eidoriantarou@gmail.com へお便りください。

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はい、というわけで始まりました。
本日はですね、楽王館の参入展演奏のスタジオ録音のですね、
演奏100席っていうCDがありまして、当時はレコードなんですけど、
そのレコードの録音の裏側を描いた演奏の録音室という本を読んで、
そのですね、描かれている様が、ものすごく自分の仕事にも関係しているというか、
あるよな、こういうことという連続だったので、その話をしたいなというふうに思います。
その参入展演奏、1900年生まれの楽王館なんですけど、
その人がですね、演奏100席というですね、100個自分の持ちネタをですね、
しかもスタジオ録音でやったというCDがあるんですよね。
で、僕10年くらい前に楽王にすごいハマってた時に、
近所の図書館でですね、レンタルできるんで、やったーっつってですね、
結構レンタルして聴いてて、多分20席30席くらい聴いたのかなという感じなんですけど、
普通ですね、楽王って割と女性とかのね、独演会とかの録音をCDとかで発売するってことはあるんですけど、
スタジオ録音ってあんまないですよね。
やっぱりですね、お客さんの空気感とか、その空気感見ながら話しかの人も話すわけで、
そういうのがセットになってる方が聴いてて正直面白さも伝わりやすいんですよね。
なんかその場の空気みたいなのが伝わってきて、ここ笑うとこだよね、フフフってなりやすいんですけど、
それをですね、スタジオ録音でやっているっていう楽王のCDなんですよね。
しかも100個もやってると。
それを僕聴いてた時にですね、聴く時のモチベーションっていうかなんですけど、
僕その、結構ですね、癖の強い楽王家の人が好きで、
たてかわ男子とか、新生とかですね、後子さんとか、そういう結構癖の強い人が好きでですね、
一番癖の強いの言ったらたてかわ男性って男子の弟子の人とかですね。
その人のネタを聴いてると、すごいですね、
元の古典楽王からですね、その人なりの解釈・アレンジが強いんですよね。
たてかわ男子の柴浜とかめちゃくちゃ得意なネタとして知られてるわけですけど、
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柴浜っていう話もたてかわ男子以前以後で全然、ストーリーは一緒なんですけど解釈がすごく違ってて、
なんだったら、たてかわ男子以前の柴浜ってそんな好きな話じゃなくて、
たてかわ男子の柴浜はもうめちゃ泣けるみたいな感じなんですけど、
それくらいですね、やっぱ違うんですよね。
ってなると、やっぱですね、その楽を聴いてて、スタンダードってどんな感じなんだろうみたいな感じのことをちょっと思うんですよね。
スタンダードなんてものがあるのかっていうのはあるんですけど、
でもなんかこう、すごい強いくせにアレンジされていない気の感じっていうので一回聴いてみたいなみたいな風に思うときに、
この演唱100席ってすごい良かったんですよね。
まずですね、スタジオ録音で音が綺麗だと。
演唱の声も綺麗でですね。
すごいバランス感覚が良いんですよね。
客観性と主観性というかなんていうかアレなんですけど、
芸のバランス感覚が良くてですね。
なんだか自分だからスタンダードみたいな感じなんですよね。
そういう意味で言うと、めっちゃ笑える、めっちゃ泣けるということもないんですけど、
ただ、すごい聴きやすくて面白いみたいな感じなんですよね。
だからこの話ってどんな話なんだろうっていうのは、
とりあえず演唱100席を一つメルクマークというかランドマークみたいにして、
他の楽を楽しむみたいな感じだったんですよね。
その演唱100席をですね、
企画をして演唱に会いに行って、
録音に携わったキョウストモミツさんという人がいて、
その人が書いた演唱の録音室の本を読んだんですよね。
それが面白かったんですけど、
それがなんで面白かったかというと、
言ってみればサニュテンションはアーティストなわけで、
クリエイターみたいなもんですよね。
そのキョウストモミツさんという人は、
企画をしてクリエイターに会いに行くという意味で言うと、
やっぱり編集者に立ち位置が近いんですよね。
だからそのですね、
制作の過程で起こる苦労だったりとか面白さとかみたいなこととかがですね、
エピソードがいちいち編集者あるあるみたいな感じでですね、
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あれなこんなこと?みたいな感じですごく面白かったんですけど、
まずですね、最初にこのキョウストさんという人が、
30歳の時に72歳の演唱に会いに行ってですね、
ちょっとこのスタジオ録音でCD撮らないかっていう話をしに行くんですよね。
だから形としてはですね、
駆け出しの編集者がベテラン作家に企画を持っていくみたいな感じなわけですよね。
その空気感がですね、すごいなんか、
あーわかるわかるみたいな感じで読んでたんですけど、
ちょっとその歌詞を読んでみるとですね、
神経質で気難しく、
プライドが高いと評判の昭和の名人三友田演唱と、
うまくやっていくことができるものかどうか、
その段階ではかりも見当がついていなかった。
とにかくまず演唱宅の玄関のドアを開けて中へ入ることをしなければならない。
だが私はなんとなく楽観的だった。
特別の興奮も緊張感もない。
この日に備えて演唱さんの録音を聞いたり、
葉書を紐解いたり、話題を取り揃えたり準備したり、
何からどう聞き出そうかと頭を悩ませたりもしなかった。
っていうのがあってですね、
まあ、
イタズラに想像を巡らし、清ったところで始まらない。
しかし話はどう展開するにせよ、
この仕事はきっとものになる、そしてうまくいく。
私ならそうとしか思えなかった。
その根拠は何もない。
自分にも説明できない。
つまり勘のようなものだけで私はことの情状を信じていた。
時々こういうことがあるものだ。
厄介なお仕事でも遠くまで見通すことができて、
いけると思えることがある。
ところがそれほど大事ではなく、条件が整っている場合でも
不安を拭いきれないこともある。
結果は必ずしもその勘が適中するというわけではないのだが、
事前に自信が持てるのかどうかの差は大きい。
と言っててですね、
これなんかすごい面白いなと思ったんですよね。
こういうことあるなというか、
なんていうんですかね、
まずですね、
今だと結構自分より年下の人が相手ってことも増えているというか、
そっちも多いんですけど、
昔はね、本当にみんな年上の人ばっかりでですね、
自分なんてね、
その業界に入ってまだ数年とか、
数年も経ってないぐらいのタイミングでですね、
そこでもう10年、20年もっとやってますみたいなですね、
人に会いに行ってですね、
なんかそれっぽいことをちゃんと提案しなきゃいけないみたいな場面があったわけですよね。
でですね、
あーっていろいろ考えるんですけど、
もうしょうがねえなってなってですね、
やるしかねえなって、
なんかしなくて、
いける気がするぞ、みたいな。
大丈夫じゃない、もう。
行っちゃえばいいんじゃね、みたいなですね、
気持ちに慣れることもあればですね。
全然その緊張感と比べるとですね、
そうでもないのに、
なんか大丈夫かな、
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なんか大丈夫かな、みたいなときもあってですね。
別にそれがことの成就と関係しているのかというとですね、
そうわけでもないんですけど、
なんかそういうことってあるなという感じでですね、
まあでもなんかこう、
一応自分はこういう考えを持って、
信念を持っていっているんだから、
そのままぶち当たればいいか、
みたいに思えているとか、
やっぱなんかすごい強いな、みたいなですね。
こういうのをすごい思い出すなと思って読んでたんですけど、
その後にですね、
その企画の説明をした後にですね、
なんかこう、
まあ自分もいろいろレコードを出したことはあるんだけど、
例えば長い人情話とかっていうのはどうも、
売上がいまいち立たないからやめとけましょうとか、
前のレコード会社に言われたんですよね。
でも逆にこうやってレコード会社のほうからやりたいっていうのは、
初めてなんですけど、
売れますか?って突然聞かれたんですよね。
で、それに対してですね、
まあこの著者の教授ともみさんはすごい悩むんですよね。
こんな場合の答えはそう簡単ではない。
おっしゃる通りです。
売りにくいと思っております。
という答えはもちろんしない。
それでは何をしにここまで来たのかわからない。
大丈夫です。
ご心配ご無用。絶対売れます。
私でもなら売ってみせます。
と軽く受け合えば、
古典芸能という一筋縄でいかない分野に対して、
いかにもチャランポランに見える。
というですね、これもすげえわかるなと思うんですよね。
たまにこういうですね、
試されるようなことを聞かれることがあるわけですよね。
で、こんな感じですね。
イエス・ノーで答えるような質問でもですね、
イエスでもダメだしノーでもダメみたいなこともあるんですよね。
でですね、なんか本当にこういうことあるなと思ってですね、
結局この人はですね、売れないことはないと思います。
と、歯切れの良くない切り出しで私は話し始めた。
で、この企画の特色、値打ちについてはお話ししました。
このレコードを買うのは師匠のファンです。
師匠の芸をよく知り、敬っています。
で、師匠は人情話の第一人者であることもファンは知っています。
だからそういう人情話というのをちゃんとレコードをまとめれば、
ファンは買ってくれるんじゃないかみたいなことを言って、
一応それくらいの計算を立っているよみたいな話をするわけですよね。
でですね、なんかこれがですね、
めちゃくちゃそのじゃあ、
なんていうんですかね、なるほど、それなら商売的にやる価値あるね。
売れますか売れませんかということに対して一定の回答を出してますね。
というほどの切れ味のある回答というわけでもないと思うんですよね。
なんですけど、僕は回答としてはかなり、
かなり点数高い回答だと思っていて、
というのがですね、この売れますかって聞くときにですね、
いくつかの意味があるんですけど、
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大きいところで言うと、左右点印象目線で言うと、
自分がこれをやるためのストーリーが欲しいんですよね。
で、これを俺はこういう理由で、
こういう流れの中で引き受けるんだっていうストーリーが欲しくて、
なるほど、それならば私が行きましょうみたいな感じですね。
腰を上げる理由が多分欲しいんですよね。
で、その腰を上げる理由っていうのを、
としては成立しているかなっていうような回答だなというふうには思ったんですよね。
ということですね、ここまで話したら10分経ったんで、
また続きは明日話します。よろしくお願いします。
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