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2024-05-09 14:52

41:【NEXT】次世代のものづくり人材を育てたい【科学系ポッドキャストの日】

#科学系ポッドキャストの日
5月のテーマは「NEXT」!

次世代のものづくり人材を育てるには、我々おじさん世代は何をすればいいのかついて話してみました。

■参考リンク

■プロフィール
つねぞう
ものづくりが好き。工作機械メーカーで設計をしている。猫を飼っている。

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こんにちは、常蔵です。
デザインレビューFM第41回目始めていきます。
このデザインレビューFMは、世の中の様々なもの、
主に工業製品やそれに関わる出来事について、
私の主観で勝手にデザインレビューをしていこうという番組です。
前回まではですね、技術士ハンドブックを読むということで、
4回ほど配信してきましたが、今回はそちら一旦お休みしまして、
5月の【科学系ポッドキャストの日】に参加します。
今月5月のテーマは【NEXT】に沿った話をしていきたいと思います。
この【科学系ポッドキャストの日】というのは、
毎月科学系のポッドキャスターが共通のテーマについて、
それぞれの専門分野でお話ししましょうというものです。
この企画はですね、毎月テーマを決めてくれるホストがいまして、
今月のホストは【生物をざっくり紹介するラジオ】仏作さんですね。
10番組以上でこのテーマ【NEXT】でお話しされていますので、
ぜひそちらも聞いてみてください。
では本編をどうぞ。
はい、本編です。
【NEXT】ということで、
今日はですね、次世代の技術者、設計者、
ものづくり人材をどう育てていきましょうかという、
そういう話をですね、
雑句バランにしてみようかなと思います。
私はですね、工作機械という金属を工具で加工する、
平らにしたり、ドリルで穴を開けたり、
そういう部品をですね、金属の部品を作る機械というのを
製造する会社で働いています。
その中で工作機械を設計する仕事を私はしているんですけれども、
毎年新入社員が入ってきますので、
そういった新人のですね、教育をすることもあります。
基本的には工学系の大学だったり大学院、
あとは高専ですね、を卒業した人が配属されますので、
そういう工学的な、機械的な、
処方的な知識はあるはずです。
そしてですね、弊社ではですね、1年目は研修で、
製造の部門にしばらく、どれくらいなのかな、1ヶ月とか、
製造の部門で、体験というわけではないですけど、
組み立てとか加工の現場に行ったり、
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あとはですね、設計の各部門、メカ設計があったり、
電気設計があったり、ソフト設計があったり、
そういう各部門、部署の基本的な内容ですね、
デスクワークで学んで、
2年目になってようやく本配属となる形です。
ただ1年研修したからといって、
配属されたらすぐに設計がビシバシできるかというと、
当然そんなのは無理ですね。
なので配属されたらですね、先輩の下について、
簡単な図面の修正だったり、部品表の変更だったり、
そういうところから経験を積んでいくということになります。
いわゆるOJTですね、オン・ザ・ジョブ・トレーニング。
このOJTがメインとなるのは、
どの企業も同様だと思います。
なぜかというと、やっぱり効率がいいんですね。
工作機械に限らず、製品というのは様々な要素がありますね。
私が作っている工作機械を例にすると、
加工するための工具を加える主軸、
その主軸を動かすための送り軸、
それらを載せている構造物、
工具を交換するATCと呼ばれる自動工具交換装置、
またそういう動作に必要な圧縮空気だったり、
油圧を供給する装置、
冷却が必要なところに冷却油を供給する装置、
切削油を供給する装置、
またそのメカ設計、電気設計、
フォーカーとかポンプとかありますかね、
ポンプの電源とか電線とか、
またそれらを制御するソフト設計というのが必要になります。
それらを全て研修で学んで、
自分で設計ができるレベルまで持っていってから、
配属となるととても多くの時間がかかるし、
配属されたチーム部門によっては、
その知識というのもあると思います。
なのですごい効率が悪いんですよね。
そもそもそれら全てを教えられる人もいないと思います。
例えば私は設計の仕事について15年ぐらい経つんですけれども、
専門はメカ設計なので、
電気だったりソフトというのは設計できるほど分かりません、
知識がありません。そしてメカ設計でも、
研究を上げた様々な要素の全てを設計したことはありません。
15年ぐらいやってても8割ぐらいですかね、あの中で。
もちろん配属されたチームの状況によって変わってきていて、
例えばチームによっては、
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なかなか新機種を作らない、出荷された機械の対応だったり、
トラブル対応、改造、特殊仕様の対応というのが、
多いチームの人は、
もうちょっと経験するユニットは少ないかもしれませんね。
新人の話に戻ると、
配属されたばかりの頃は先ほど話したように、
図面の修正だったり、部品表の変更という、
何をすればいいか、明確な、
作業の内容がはっきり分かっている仕事を
割り当てられますね。
しばらくそういった仕事をすることで、
3D CADだったり、
部品表を作るソフトだったり、
そういうところの操作に慣れてきたら、
簡単な設計の仕事を与えられます。
簡単なというのは、
ある程度参考となる要素、部品があって、
伸ばすとか縮めるとか、
穴を増やすとか、そういうレベルの設計ということです。
しかし、新人にとっては、
簡単な設計でも失敗してしまうことがあります。
例えば、今回新人さんに設計してもらうのは、
板金をL字に曲げた、
ブラケットという部品だとしましょう。
このブラケットに新たなパーツを取り付けるための
穴を追加してくださいという指示を上司から受けました。
新人のあなたは、
現状のブラケットに追加するパーツを
3D CAD上で重ねてみて、
スペース的に入れそうだな、
ここら辺に置けそうだなと思って場所を決めて、
追加するパーツの穴に合わせて、
ブラケット側にもタップを追加しましょう。
できたと思って、上司にデザインレビューを
お願いすると、
上司に指摘されてしまいました。
何がダメだったのでしょうか。
追加した穴がブラケットの曲げに近すぎた。
曲げに近いと、
穴が変形してしまうので、
板金の板厚によって、
曲げる面から穴まで何ミリ以上離さないといけない。
もしくは、穴が変形しないように
切り欠きを入れましょう。
こういった知識を知っていれば、
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ネットや社内にも資料があります。
これは一例ですが、
設計上、知らなければ気をつけようのない、
経験しないとわからないことがたくさんあって、
これは設計上の暗黙値と言っていいでしょうね。
暗黙値とは、
個人的な経験や感などに基づいており、
他人に説明することが難しい知識のこと。
経験や感、ノウハウや思いなどがありますが、
職人技や職人気質などに象徴されるように、
極めて個人的な要素が強いため、
他人に説明して理解を得るのは難しいでしょう。
この説明からすると、今のものは説明ができますので、
暗黙値と言えないかもしれないですけれども、
なかなか知らなければ気をつけようがない、
どこにもマニュアルには書いてないじゃないか、
というところで暗黙値の一種と言っていいんじゃないかなと。
業務上、特に設計という業務では、
この暗黙値になっている部分が多いと感じています。
設計されたもの、図面だったり、設計されたアウトプットですね、
図面だったりキャドモデルというのはありますし、
形というのは目で見えるものではあるんですけれども、
なぜこんな形をしているのか、なぜこんな構造をしているのかというのは、
特に新人さんでは、見ただけではなかなか理解できないじゃないでしょうか。
この暗黙値に対となる言葉として、
形式値というものがあります。
形式値とは言語化された知識、客観的な知識のことで、
可能な限り文章、計算式、
図表などで説明できるものでなければなりません。
個人的な体験や知識間でも、
それらをマニュアル化することが可能です。
マニュアル化すると、個人的な体験に限定されていたこと柄が、
他人でも理解できるように言語化され、客観的な知識として共有されます。
この形式値ですね、
マニュアル化されていなくても、
どういう経緯で今の形状、構造になったかというのを
設計資料として残しておくことがとても大事になってきます。
形式値として残しておくことですね。
そしてもう一つ大事なのは、
そうやって作った設計資料を誰でも見られる、
探せる状態にしておくことですね。
サーバー上のフォルダ回想の深いところに置いてあると、なかなか探せません。
みながアクセスできるように、
データベース上に設計標準として保存しておくことで、
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新人だったり、ベテランでも経験のない要素の設計をするときに参照することで、
ある程度のレベルの設計ができるようになると思います。
理想的にはですけどね、
データベースがあっても、
それを見なければ意味がないので、
そういう教育が必要だと思いますね。
あるユニット、ある要素の設計をするときには、
必ずデータベース上の設計標準を確認しましょうと。
そういう教育が必要だと思います。
ちょっとリスクもあって、
リスクとしては、データベースの内容が古くなってしまう、
進歩化してしまう可能性があるので、
そのあたりは適時にその内容を見直す必要がありますね。
またそのデータベースの内容も、
完全ではない場合があるので、
必ずデザインレビューをして、
インプット通りのアウトプットになっているか、
設計審査をしたり、妥当性確認をしたり、
そういうところで確認することが必要となってきます。
データベースの内容をどれだけ形式値に変えられるか、
形式値として残せるか、
それが次世代の技術者、設計者を育てるために
大事なことだなと思っています。
少子高齢化で働き手も少なくなっていますので、
昔のように見て盗めと、背中を見て学べと、
そういう時代ではなくて、
働く余裕もないので、
なるべく早く戦力となってもらうための努力というのを、
我々おじさんもしていく必要があると思います。
クロージングです。
今回は科学系ポッドキャストの日、
5月のテーマ、ネクストということで、
次世代の技術者を育てるには、
この辺りまでです。
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ウェザーレ・FMでお待ちしております。
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