メタマテリアルの特徴
こんにちは、リスナーのみなさん。知財図鑑ポッドキャストにようこそ。ホストの知図です。
今日は、OPT Industriesという会社が開発したメタマテリアルについてお話しします。
自然界には存在しがたい、得意な構造と機能を持つ驚異的な新しい素材です。
今日のゲストは、知財ハンターの早高さんです。
こんにちは、知図さん。今日はお招きいただきありがとうございます。
それでは早速、早高さん、メタマテリアルとは一体何なんですか?
そうですね。メタマテリアルとは、自然界に存在しない、人工的に作り出された構造と機能を持つ素材のことを指します。
このメタマテリアルを使うことで、例えば角度によって水を受け流す素材や、哺乳類と爬虫類の間のような触り心地がするシートなど、様々な素材が作れます。
それは本当に驚きですね。だけど、一般的な3Dプリンターで作る素材とは何が違うんですか?
確かに、一般的な3Dプリンターも色々なものを作ることができますが、オクトインダストリーズの技術はそれを一歩進めています。
彼らは独自の構造設計技術と3Dプリンター技術で、マイクロレベルの微細な形状を高精度に造形できます。
さらに、ロール印刷によって尺の長い形でも作成できるんです。
なるほど、より細かいディテールが可能になるわけですね。その技術、どうやって生まれたんでしょうか?
オクトインダストリーズの創業者であるジーフェイ・オウさんは、マサチューセッツ工科大学のメディアラボに在籍していました。
そこでは、3Dプリンターを用いた変形可能な構造体の設計、製造について研究していました。
彼の研究をもとに、オクトインダストリーズはこの技術をさらに発展させ、その結果、メタマテリアルが生まれました。
メタマテリアルの応用
うん、それはすごいですね。メタマテリアルを使って何か作れるとしたら、早高さんは何を作りますか?
面白い質問ですね。例えば、ウォータープルーフ、ベアーというのはどうでしょう?
これは、ふわふわな毛なのに濡れないクマのぬいぐるみです。このぬいぐるみは水を発水、ろ過させる機能を持つメタマテリアルで作られています。
なので、子供は部屋でもお風呂でもお気に入りのぬいぐるみと遊ぶことができるんです。
おもちゃだけでなく、水陸療養のファッションアイテムなどにも応用できそうです。
それはとても面白いですね。でも、これはまだ妄想プロジェクトなので、現在実際に作られているメタマテリアルの製品は何かありますか?
例えば、ルモフィルという化粧道具にも応用されています。マスカラやアイシャドウブラシ、ウィップグロスなどを高精度に作成することができるんです。
例えば、マスカラの場合、従来の製品よりも細く柔らかい毛を実現できるんですよ。
化粧品業界での応用が進んでいるのですね。それ以外にも面白い実現事例はあるのでしょうか?
はい。例えば、インスタスワブという高い吸収性と溶出性を持つ綿棒があります。これは新型コロナウイルスの微光検査キットに使われているんですよ。
従来のコットン綿棒やフロック加工綿棒よりも液体の吸収が早くて保持性能が高いんです。そのため、より多くの検体サンプルを取ることができるんですよ。
ありがとうございます。とてもイメージが湧きました。ちなみに、他にはどのような産業分野と相性が良いのでしょうか?
例えば、食品・飲料では未知の歯ごたえや食感を楽しむ食体験を提供できるかもしれません。また、観光庁・自治体という観点では、災害時に雨風をしのぎ、雨水をろ過して飲料水を集めるテントや備品の開発も考えられます。
本当にワクワクする話ですね。早高さん、今日は本当にありがとうございました。
どういたしまして。千鶴さん、これからも新しい資材や技術についてお話ししましょう。
それでは、今日はこれでお別れです。また次回の資材図鑑ポッドキャストでお会いしましょう。
