いのりのしんじゅとは
こんにちは、リスナーのみなさん。知財図鑑ポッドキャストにようこそ。ホストの知図です。
今日のゲストは、知財ハンターの新井さんです。
よろしくお願いします。知図さん。
今日のテーマは、いのりのしんじゅです。これはどんな技術なのでしょうか?
いのりのしんじゅは、遺骨を含んだ核を使って真珠を養殖し、それを手元供養品として活用する技術です。
遺骨の一部を真珠の元となる核に混ぜ、あこやかいなどに入れて真珠葬を生成します。
この方法で養殖された真珠は、個人を身近に感じるためのアイテムとして利用できます。
なるほど、遺骨を使って真珠を作るんですね。それってどうやって行うんですか?
まず、遺骨を粉砕して粘土に混ぜ、球状に丸めて焼き固めます。これがセラミック核になります。
この核をあこやかいの生殖槽に埋め込み、海に戻して養殖します。
養殖は三重県の伊勢島エリアで行われ、90個以上の貝を使って複数の真珠を得ることができます。
そうなんですね。複数の真珠ができるんですね。それは家族や親族で分けられるんですか?
そうです。家族や親族で分け合うことができます。
真珠の色や形、養殖の成功率は自然条件によって変わるので、自然が生み出す独自の真珠ができあがります。
自然が関与する部分が多いんですね。それもまた、古人が自然に変えるという意味でも考え深いですね。
まさにその通りです。また、骨壷での保管やダイヤモンドへの加工とは違った、新しい手元供養の形として注目されています。
海外にも展開しているんですか?
はい。国内外への展開が期待されています。日本の伝統的な真珠養殖技術を生かした新しい形の供養方法として世界中で注目されています。
それは素晴らしいですね。聞けば聞くほど興味深いです。さて、次にこの技術がどうやって実現できるのか教えていただけますか?
いのりのしんじゅの養殖方法と展開
そうですね。初めにお話しした真珠養殖の仕組みを応用しています。この手法は三重県の伊勢島で130年以上前に確立されたものなんですよ。
どのように行うのか、もう一度聞いてもよいですか?
もちろんです。まず、遺骨を粉砕して粘土に混ぜ、球状に丸めて焼いてセラミック角を作ります。この角をアコヤ海の生殖槽に埋め込みます。
そして島市のアゴ湾あたりのイカダに吊るして養殖します。角の作成には基本的に15gの遺骨を使用し90個の角を製作します。刀髪などでも作成可能です。
なるほど。ちなみにどのくらいの期間で真珠ができるんですか?
角入れは5月から7月の間に行い、メンテナンスを経て12月に浜揚げします。約半年の期間をかけて真珠が生成されます。遺族は希望により角作成や角入れ、浜揚げの作業に参加することもできます。
参加できるんですね。それは素晴らしい経験ですね。ちなみになぜこの技術が開発されたのですか?
この技術を開発したアスシウォンは伊勢島エリアで海洋産骨を行う事業を展開しています。その経験を生かして真珠養殖業に着目しました。
海洋産骨事業から真珠養殖に至った経緯があるんですね。
そうです。伊勢島の真珠養殖業者が年々減っている現状を目の当たりにし地域の活性化に寄与する事業としてこのアイデアを発案しました。
真珠養殖の技術習得を経て2016年から開始したんですよ。
なるほど。地域の伝統と新しい供養の形を結びつけたわけですね。新井さん、今日も詳しく教えていただきありがとうございました。
こちらこそありがとうございました。
それでは今日はこれでお別れです。また次回の知財図鑑ポッドキャストでお会いしましょう。
