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2024-12-22 10:00

heldio #155. ノルド人とノルマン人は違います

#英語史 #英語学習 #英語教育 #ノルマン征服 #ヴァイキング #古ノルド語 #フランス語
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おはようございます。英語の歴史を研究しています。慶応義塾大学の堀田隆一です。
このチャンネルでは、英語の先生もネイティブスピーカーも辞書も答えてくれなかった英語に関する素朴な疑問に、英語史の観点からお答えしていきます。
毎朝6時更新です。ぜひフォローして、新しい英語の見方を養っていただければと思います。 今回取り上げる話題は、ノルド人とノルマン人は違います。
大学などで英語史解説の講義を担当していますと、決まって勘違いというか誤解が起こることがあるんですね。
その一つが、ノルド人とノルマン人。この区別がつかない、ごちゃになっちゃってるっていうケースがありまして、
これはイングランド史においても英語史においてもとても重要な区別なので、この誤解といいますか、勘違いしやすいことについてはっきりさせておきたいと思うんですね。
この2民族、ノルド人とノルマン人は、英語の歴史において非常に大きな影響をそれぞれ与えてきたんですけれども、だいぶ違います。
ノルド人というのは北欧のバイキングです。そしてノルマン人というのはフランス人です。
とは言うものの、やはり実は似ているところが多くて、まず名前、ノルド人、ノルマン人、ノルの部分が似ていますが、これもちゃんと理由があります。同じ語源なんですね。
さらに、カタヤバイキング、カタヤフランス人というふうに言いましたが、実はルーツとしては両方ともバイキングなんです。
いろいろと勘違いしやすいところが、点がたくさんあるということで混乱しやすいわけなんですが、今日はこれを徹底的にクリアにしたいと思うんですね。絶対に間違えないというふうに持っていきたいと思います。
英語の歴史における事件ファイル2つ用意しました。1つ目は、バイキングの信仰定従という事件です。
2つ目はノルマン征服という事件です。2つ区別して理解すべき異なる事件ですね。歴史上の事件ということになります。
まずは事件ファイル1、バイキングの信仰定従という事件から考えてみましょう。これは時期的に言いますと、8世紀後半から11世紀にかけてという少し幅のある時期ですね。
当時のイングランドは、アングロサクソン王国ということで、英語を話す人々が治め暮らしていた、そういう王国です。ブリテン島の中央部ですね。
こうして王国を安定的に運営していたアングロサクソン人たちなんですが、8世紀後半から11世紀にかけて、北欧から北海を渡ってイングランドに攻め込んだ人々がいます。これがいわゆるバイキング、海賊のバイキングということですね。
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本拠地はデンマークとかノルウェーですね。この辺りの人々が北海を越えてイングランドに渡って、そこを侵攻したと。そして定住したということなんですが、この8世紀後半から11世紀にかけての比較的長い間ですね。幅を持った時間帯ですけれども、バイキングが攻め入ったということです。
このとき、このバイキングの喋っていた言葉っていうのが、ノルド語。正確に言うと古いノルド語なので、コノルド語と言います。今のデンマーク語とかノルウェー語、これの1000年前の姿ですね、古語ということで、これを英語ではOld Norseと言います。
ノルスというのは、SEですね、古びが。NORSEということでOld Norse。これは日本語ではコノルド語というふうに言い習わせています。このようにSEなんですが、語源としてはやはり英語で言うところのNORTHの北なんです。つまり北方の民族ですから当然です。
NORTHとかNORDとか、あるいは英語のNORDIC、NORDICスキーのNORDICですね、あれなんかもすべてNORTH系です。やはり北方のバイキングということなんですね。言語名としてはOld Norse。この当時のバイキングたちが話していた言葉は、英語と同じゲルマン系の言語ですが少し派閥が違うというような、北欧語の起源ですね、これを話していたということです。
彼らがイングランドを侵攻し、そして停住したということで、当時からですね、このバイキングが話していたOld Norse、コノルド語は英語に非常に大きな影響を与えました。
単語を英語に釈養させた、貸し出しただけではなくてですね、いろいろと単語の意味に影響を与えたり、発音に影響を与えたり、そして実はですね、文法に影響を与えたりもしています。
その意味で英語史上非常に重要な英語にインパクトを与えた言語として、このバイキングたちの母語であったOld Norse、コノルド語というのが必ず英語史の外説なんかでは出てくるわけです。
時代的には改めて、8世紀後半から11世紀にかけての比較的幅のある、いわゆるバイキング時代と呼ばれている、この期間ですね。
これが事件ファイル1、バイキングの進行定住ということです。
次、事件ファイル2、ノルマン征服というものです。
これは先ほどの事件ファイル1、バイキングの進行定住の後に続く時代ではあります。隣接した、次に続く時代ということで、ノルマン征服自体は1066年、1066と呼ばれる1066年に起こっています。
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これは全く異なる事件なんですけれども、フランス北部のノルマンディ地方、現在でもこの名前があります。
このノルマンディ地方に住んでいた人々、これをノルマン人と呼び名をしていたんですね。
フランスの名前はイチチホウです。そのノルマン人のリーダーが、後にウィリアム・イッセイと呼ばれることになる人なんですね。
この人物がイギリス海峡を渡ってですね、イギリスに攻め込みます。
そして、アングロサクション王国を倒して征服してですね、王位を奪ってしまいます。イングランド王の地位を奪ってしまうということですね。
これ完全な軍事征服です。ノルマン人のリーダーであるウィリアムがイングランド王となって征服が完成と。
後にウィリアム・イッセイと呼ばれることになるイングランド王の誕生です。この起源はノルマンディにあってノルマン人なわけですね。
これ1066年。さあ、ではこのノルマン人、ウィリアム・イッセイ自身もそうですし、その本国から連れてきた王国貴族ですね。
貴族たちもみんなノルマン人の貴族だったわけですが、このノルマン人って何者かと。
フランスの一地方の人々を指すのかというと、そうなんですけれども、やはり名前ですね。このノルマンっていうのは、実はこれノースマンなんです。
やはり北の人、北の人物なんですね。つまりバイキングの末縁なんですよ。
バイキングなんですね、血筋としては。ただ、ただですね、ウィリアム・イッセイ、当時のノルマン人たちはですね、もうすでにフランスに入って久しいので、すっかり文化的にはですね、フランス化してしまっています。
つまり、喋る言語もフランス語になっています。それもノルマン方言という、その北方のフランス北部の方言ということですけれどもね。
で、いつじゃあですね、もともとバイキングだった。で、こうノルド語を喋っていたはずなんですが、いつフランス語に乗り換えたかというとですね、実はかなり早い段階です。
ウィリアムの5世代遡った初代がですね、ロローというバイキングで、このロローという人がですね、本国北欧からフランス北部に攻め入ったんです。
つまり北欧のバイキングというのはヨーロッパ中を荒らし回りましたので、イングランドを攻めただけじゃなくて、その海峡を渡ったすぐ先の大陸であるフランス北部も当然襲ってるんですよ。
そして早い段階で、このロローというバイキングのリーダーはですね、フランス北部に抵従したと、侵攻して抵従し、そしてフランス王に土地を与えられ、そして真珠を誓ったということです。
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で、その後、もう数世代のうちにですね、すっかりフランスに溶け込んで、地質としてはバイキング、北方の人なんですが、文化的には完全にフランス人になってしまったと。
多少生っていますが、フランス語を喋る人々に化けてたんですね。
で、その5世代後のウィリアム一世の時代なんかはもう完璧にフランス化が進んでいます。
したがってノルマン征服1066年というのは、確かにノルマンですから、地質としてはバイキングに再び襲われたということになります。イングランド的にはですね。
しかし、その時のメンタリティとしてはですね、このウィリアム一世はですね、地筋はこうノルド語かもしれませんが、もうすでにフランスの方に関心が移っているっていう世代です。
ということで、彼らはフランス人と事実上考えて良いってことなんですね。
それではまた。
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