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2024-11-09 10:04

heldio #112. 英語史って何のため?

#英語史 #英語学習 #英語教育 #英語に関する素朴な疑問 #hel活
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おはようございます。英語の歴史を研究しています、慶応義塾大学の堀田隆一です。
このチャンネルでは、英語の先生もネイティブスピーカーも辞書も答えてくれなかった英語に関する素朴な疑問に、英語史の観点からお答えしていきます。
毎朝6時更新です。ぜひフォローして、新しい英語の見方を養っていただければと思います。
今回取り上げる話題は、英語史って何のため?という、なかなか本質的な話題です。
この番組ではですね、色々と英語の語源ですね、結局英語の歴史なんですけれども、これにフォーカスしてですね、色々な話題をお届けしているんですけれども、
扱っている分野としてはですね、学術的には英語史、英語の歴史という分野なんですね。
これは確かに色々な知見を与えてくれる。ただ、それはただの雑学ではないか、というようなことですね。
これは実際ですね、私がこれまで100回ぐらいですね、この番組を行ってきましたけれども、話しているのはですね、確かに英語の単語であるとか、その由来であるとかに関する雑学的なものが多いと思うんですね。
ですが私は雑学のために英語の歴史を勉強し、研究しているというわけではないんですね。
もちろんそれも面白いんです。一つ一つの単語の歴史であるとか、語源であるとか、これが面白いことを言うまでもないんですね。
これを伝えたいということはもちろんあって、このラジオ番組を提供しているわけなんですけれども、一方でですね、これだけでは物足りないということも思っていたりします。
これ秋になってですね、9月、10月に新しい学期が大学なんかで始まるということもあってですね、改めてそもそも英語史って何なの?何のためにあるの?ということをちょっと考えてみたいと思っています。
英語の実用的な能力が求められる昨今ですね、英語の歴史というのは非常に間接的で、しかもですね、なかなか実用には結びつきにくいというようなイメージがあると思うんですよね。
それでもじゃあ英語の歴史っていうのを勉強する意味がどこにあるのかということで言うとですね、私は5つぐらいポイントがあると思ってるんですね。
それをちょっとお話したいと思うんですけれども、1つはですね、この番組でもかなりこの文法であるとか語彙であるとか、その歴史を通じてですね、なぜそうなのかということを話してきているということなんで、まず1つ目にですね、現代英語の文法や語彙が学びやすくなる。
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なぜこうなのかなという、例えば不規則形なんかが典型ですけれども、これがですね、なぜそうなのかっていうことが歴史的な理由があるんだと、ただなんとなくランダムにこうなってるわけじゃないんだっていうことが多くわかるっていうのが英語史なんですよね。
2つ目です。英語の過去を見るっていうのが英語史なわけなんですが、そうするとですね、これが現代に通じてるのかと。じゃあ未来はどうなるのかっていうふうに、通時的にって言いますかね、時間軸を意識することがとってもですね、身近になってくるんですね。
この英語史に親しんでくるとかですね。そうすると、昔はこうだった。じゃあ今はこうである。とすると、今のこれがそのままであるはずはないなっていうような感覚が芽生えてくるんですね。つまり10年後、20年後にもおそらく変わるだろう。
じゃあ未来はどうなるんだろうかっていうのは非常に動的なって言いますかね、ダイナミックな英語の見方ができるようになるんじゃないかと思うんですね。能動的、戦略的に英語を学ぶ姿勢が身につけられるっていうことです。つまりこれだからこう覚えるんだよって言われるんではなくて、10年後にこれ変わってるかもしれないんですよね。
そのあたりの批判意識って言いますかね。今当たり前のことも10年後当たり前じゃないかもしれないっていうことですね。歴史を学ぶとわかってくる。こんな感じですね。
3つ目。同じことなんですけれども、言語が変わるっていうことがとってもよくわかる。そして多様なものっていうことがよくわかる。そうすると言語感が許容的になるんですね。ある意味言葉なんていうのは本当に絶対的に正しいものなんてないんだと。
今日正しいかもしれないけれども、10年前はこれ正しくなかったし、10年後はまた正しくないかもしれないっていうふうに、ある意味絶対的なものがないということがわかるんですね。これ一つには頼りない、頼れるものがないっていうことでなかなか不安なんですけれども、一方で大らかに英語を学べる。
あるいは先生であれば教えられる。つまり本当に絶対的なものなんてないんだよということがちょっとわかってくるということはあると思うんですね。
それから4つ目。英語の歴史って古英語ですね。さらにその昔からですが、現代までずっと物語として歴史として読んでいくと非常に面白いんです。本当にダイナミックなんです。もちろん日本語の歴史だって他の何々英語の歴史だってそれぞれダイナミックなんですけれども、英語はかなり変わりましたね。
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言語的に変わっただけではなく、言語の位置づけもヨーロッパの一角の地方言語に過ぎなかったものが、今では近現代では世界的な言語になっているっていう意味では、これある意味成長物語っていうことですね。
お話として面白いんですよ。英語史っていう。特に英語っていうのはちょっと特別な言語で、これほど世界的な言語になったわけなんですが、昔はどうだったかというと全く世界的でもなくて、本当にヨーロッパの一角の言語に過ぎなかったっていう、この辺りからの成長ぶりっていうんですかね。この物語が面白いっていうのが1つ英語史の魅力です。
5つ目。まず、研究分野として英語史っていうわけですから、研究分野っていうのはその筋の人にとってはとにかく面白いんです。私もその一人なんですけれども、学問研究っていうのは英語ができるようになるから楽しいということとはちょっと別軸でですね、それ自体が面白いっていうのはあると思いますね。
これはなかなか多くの人には共有されないことかもしれませんので、最後の5番目に挙げましたが、4つあるいは5つぐらい理屈を挙げてみました。
英語の歴史っていうのは、ただですね、単語の語源を学んで覚えやすくするっていうこと以上にですね、英語の歴史自体に意義がある。少なくとも意義を感じている人がいると。私のようにですね、少ないかもしれませんが。ということを1つ申し上げておきたいなと思いました。
ここまでのところはですね、5点英語史の魅力って言いますか、英語史を学ぶ意義みたいなことを新しい学期の初めにですね、述べましたが、これは実は私にとっては非常に公的な理由。
公的な理由であって、実はもう一つ私的なと言いますか、本当はこれが一番訴えかけたいというような理由があって、私は英語史を勉強しているんですね。
それはですね、私の英語人生って言いますか、英語を勉強してきました。それから英語史という専門分野を勉強してきたわけなんですけれども、その過程で分かったことはですね、英語も本当に一つの言語に過ぎないんだっていうことなんですよね。
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世界にはですね、7000ぐらいの言語があります。そのうち英語は一つです。日本語も一つです。7000分の1に過ぎません。ただ、社会的に非常に重要な言語っていうことは間違いありませんね。
この社会的な意向って言いますか、オーラみたいのがあるっていうことは、これは間違いないです。現代世界でも圧倒的に強い言語っていうことがありますが、それを言語的に解体すると、やっぱり普通の言語に過ぎないんですね。
それが分かったときに、すっと楽になるということがありますね。肩の荷が下りるって言いますか、英語も大した言語ではないと言い方も変ですけれども、それぐらいの言語なんだっていうのが分かるのが英語史なんですね。
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