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おはようございます。英語の歴史を研究しています。慶応義塾大学の堀田隆一です。
このチャンネルでは、英語の先生もネイティブスピーカーも、辞書も答えてくれなかった英語に関する素朴な疑問に、英語史の観点からお答えしていきます。
毎朝6時更新です。ぜひフォローして、新しい英語の見方を養っていただければと思います。
今回の話題は、be surprised by が流行ってきていますヨ、という話題です。
さあ、何らに驚いたという表現はですね、I'm surprised atという風に、まず最初に習うわけですよね。
これは受動体とか受け身という文法を習うよりも前にですね、
そもそもフレーズとしてbe surprised atと習うようなものなんではないでしょうか。
むしろ受動体として文法で習うとですね、
好意者はbyという前置で表現するという風に習うので、
be surprised atと符号しないことになるので都合が悪いわけですよね。
なのでこれは一つのフレーズとして覚えちゃう。
受け身の好意者のbyとは別個に扱うということが一般的には英語教育で行われていることだと思うんですね。
ということでまずbe surprised atというのがフレーズだという風に覚えるんですが、
これがちょっと都合の悪いことにですね、最近はbe surprised byというのが普通になってきているんですね。
これはアメリカ英語のコーパスなんかで調べますと、純粋に数だけで言いますと、
実はbe surprised byの方が近差でですね、多くなってきているんです。
イギリス英語ですとまだatなんですが、ただこれは時間の問題という可能性はあります。
つまりbe surprised byっていうのが、こっちの方が数的に多くなってきているということなんですね。
これはどういうことかという問題なんですね。
これは英語教育であるとか予備校業界ではですね、
at驚くサプライズなんて言ってですね、全市はatだよという風に覚えさせるんですが、
これが効かなくなりつつあるという状況なんですね。
これ現代まさに21世紀に起こっていることなんですが、
過去200年ぐらいの流れを振り返ってみたいと思うんですね。
しかるべきコーパスで調べてみますと、やはりですね、伝統的な英語教育で教えられてきた
surprised at、be surprised atっていうのがやはり多数派なんですね。
18世紀にはですね、だいたい4対1ぐらいの関係で、
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surprised atとsurprised byっていうのがあります。
つまりこの頃からですね、少数派ではありますが、byも一応あるんです。
そして19世紀ぐらいに入ると、少しずつsurprised byの方がですね、増えてきたりするんですが、
後半から20世紀にかけてはちょっと減ったりしてですね、
コーパスでは簡単に傾向が明確には見られないんですけれども、
少なくとも20世紀に入ってからですね、このbyというのがどんどん増えてきている。
そしてそれ現在ですね、21世紀の現在では、アメリカ英語なんかを見ますと、
実はsurprised byもsurprised atと同じぐらい多い。
50-50か、ちょっと数値上は超えてるぐらいになってきてるんですね。
この流れで言えばですね、今後surprised byの方が主流となっていくという可能性は十分にあるのではないかと思われるわけです。
これは散々be surprised atを覚えなさいというふうに習ってきた我々にとっては衝撃的ではあるんですけれども、
冷静に考えてみると、受け身というのはですね、基本的に後遺症はですね、
be surprisedによる過去分子の後はbyが普通なわけです。
なので例外的にatであるとかですね、例えばMount Fuji is covered with snowみたいな典型的な例文がありますが、
これはcovered withだったりするというふうに、
むしろですね、byが基本なだけに、そうじゃないものはイディオムとしてatだったりwithだったりというふうに、
ちょっと例外的なんで覚えましょうねというのが、えごきおきの流れだったと思うんですね。
そういう意味ではやはりbyが普通なんです。
なので今回のbe surprised byになってきているのも、ある意味普通というか正常化してきている証拠というふうに議論することだってできるわけですよね。
この受動体という項目は実は、小英語からある非常に古い文法なんですね。
ところがこのbe surprisedのように、beたす過去分子、その後に来る後遺症を表す前置詞が何になるかっていうのは、
小英語以来ですね、現代までずっと揺れてきたんです。
なので現代のbe surprised at byの問題も、ある意味こうしてずっと千年以上にわたってですね、前置詞が揺れてきていたその問題のある意味一環ですね、
氷山の一角というふうに捉えることすらできるんですね。
例えばですね、中英語の状況を見てみたいと思うんですけれども、
これありとあらゆる前置詞が実は後遺症の前置詞として使われてきました。
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byっていうのもありましたけれども、例えばfromっていうんですね。
これは実は小英語から中英語の前期ぐらいまではかなり普通に使われていたのがfromなんですね。
そして同じようにですね、よく使われていたのがofで、
これなどはですね、小英語後期から中英語、そして近代英語にかけてですね、実は一番よく使われた後遺症の前置詞なんです。
byよりももっと使われました。
だからshakespeareなんていうのはだいたいofなんですね。
で、その後1400年ぐらいから割と使われ出すようになったのが現代につながるbyです。
これはつまり遅咲きなんですね。
中英語後期から現れて、そして当時主流だとofをゆっくりと置き換えていって、近代英語期、後期までにはもうほぼこれがですね、ofではなくてbyが主流になってきたと。
それから中英語期の一時期にwithとかですね、あとwithに相当する今は無き前置詞なんですがmidなんていうのも使われたりしました。
さらには場合によっては本当はatとかthroughとか、つまりほぼ何でもありっていうような状況でですね、後遺症の前置詞っていうのは色々な前置詞が役割を果たしてきたっていうことなんですね。
主要なものを歴史的に挙げればfromだったものがofによって置き換えられ、そして近代英語期になってそれがbyによって置き換えられたっていうことなんです。
ただ個々のbe過去分詞、前置詞というですね、個々の動詞be surprisedなりbe coveredなりによってはですね、その狂気する前置詞に相性みたいなのがありまして、
全体的にofとかbyが主流になった時代でもですね、それぞれ独自の前置詞を取るっていうような、まあイデオマティックな表現っていうのは続きました。
そのまあある意味一つがbe surprised atだったわけなんですね。
byも決して近代大きいからなかったわけではない。
3対1とか4対1ぐらいの割合で少数派ではあったけれどもbyがあった。
ところがそれがですね、20世紀、そして現代21世紀になってどんどん伸びてきたっていうことなんですね。
これはまあ他のbeほにゃらら過去分詞、前置詞っていう表現でもある意味同じことで、個々に振る舞いはですね、歴史的に違かったんですけれども、たまたまですね、be surprisedあったものが今はbe surprised by。
この表現に関しては、atからbyへの乗り換えがこの20世紀、21世紀に進んでいるということだと思うんですね。
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他の動詞の過去分詞ではまた別のタイミングで前置詞が変わってきたっていうような、個々の事情がですね、積み重なって結果的にこういった表現になってきてるっていうことです。
非常に英語詞といっても一言で、ルールでAがBになったんだみたいに説明できることっていうのは、実はそれほど多くなくてですね、このようにイディオム、個々の動詞なり単語によって連れ合いって言いますかね、コロケーション、表記する前置なり表現が変わるっていうのは非常によくある話だと思うんですね。
ただ、まさに今起こっているという意味で、我々が関心を持つべきは、be surprised at、at驚くサプライズではなくて、be surprised byになりつつあるということなんですね。
それではまた。