新企画の紹介とDwilerのビジネス
BOOTUP RADIO、エンデル投資家改め、オアシスファンドの橋田です。
BOOTUP RADIOは、スタートアップを立ち上げる上での疑問や企業に関するトピックを取り上げ、
SEED企業家や企業家予備軍に役立つ情報をお届けする番組です。
はい、ということで、本日は新企画のオンライン2分エレベーターピッチと題しまして、
スライドなしの2分間のエレベーターピッチをしていただき、
企業について僕が質問したりフィードバックしたりするようなコーナーになっております。
はい、ということでですね、今回のゲストはDwilerの中村さんです。
はい、それではよろしくお願いします。スタート。
はい、Dwilerの代表の中村と申します。
現在、アメリカで日本円建てのローンを外国人に貸すという授業に取り組んでいます。
現在、日本の円建てのローンの金利というのは、世界で最も安い水準にありまして、
アメリカの不動産ローンなんかと比べても約10分の1の金利で提供することが可能です。
実際にすでにウォーレンバフェットさんなどごく一部の投資家の方々は、
そういった円建てのローンというのを借りてきて、実際に投資をするということに使っていたりもするんですが、
本当にエクスクルーシブなごくごく限られたお客様向けにしか提供されていないサービスなので、
それをより一般的な方々に使ってもらえるように提供していくということに現在我々は取り組んでいます。
すでにプレオーダーベースで約30億円分のオーダーをいただいておりまして、
主に日本の不動産などに投資をされている投資家の方々からオーダーをいただき、
今現在そのバックファイナンスを充てるということに取り組んでいます。
少しずつこの後、営業範囲というのを広げていって、
これから新しく日本の不動産を買われる方々、
日本だけに地域とどまらずアメリカだとかヨーロッパだとか他の地域に不動産を買われる方々にも
この同じローンというのを提供していけるように今後頑張っていけたらというふうに思っています。
私自身は元々有志ばっかりのMBAを取得しておりまして、
その際にアメリカに来て今このままこちらで授業をしています。
うちの父が40年ほど銀行業をしていたので、
その父とタッグを組んでお仕事に取り組んでいるというのがちょっとユニークな部分でございます。
今日はこのブートラップで参加するのをすごく楽しみにしてきました。
どうぞよろしくお願いいたします。
アメリカでのビジネスの背景
はい、ありがとうございました。
ということでですね、なかなかユニークな授業出てきたんですけど、
中村さんは今はUSというかアメリカでやられている、アメリカ在住ということですかね。
はい、現在アメリカに住んでいます。
ありがとうございます。アメリカで。
そもそもなんでアメリカで授業をやろうと思ったのかというのと、
あと今の授業につながったエピソードとかあれば教えてください。
はい、MBAに進学するときにちょうどそれまでずっと勤めていたP&Gという会社を辞めまして、
こちらに来るということになりまして、
このとき西海岸の大学に進学したということもあって、
そこには帰らずしっかり授業をこちらでやって成功してから帰りたいなというふうに思ったというのが、
こちらで授業を起こそうというふうに思ったきっかけだったように思います。
その中でも特にちょっと割合として大きかったのは、
うちの父も、すみません、うちの祖父が和菓子屋さんをしている家だったんですけれども、
家を継がないという話をしたときに、
じゃあお前もし本当に海外で成功しようと思って頑張るんだったら、
結果出してくるまでは帰ってくるなよという半ば脅迫のようなコメントをいただいたというところが、
ちょっと帰るに帰れなくなっている理由の一つではあるのかなというふうには思っています。
この授業に取り組み始めたきっかけというところは、
もちろん父がずっと銀行の審査部の方にいてそういうお仕事をしていたというのも、
私自身が不動産系のファイナンスの仕事をしていたことも関係してくるところではあるんですけれども、
何より一番は私自身のMBAの学費を借りるときにですね、
アメリカでローンを組もうと思ったら、外国人で学生ローンですってなったときに、
金利たしか15%だったかな、くらい払わないと、
はい、15、ローン借りれませんって。
そうなんですよ、もうほぼ消費者金利みたいな。
ちょっとそれはなかなかって思ったんですけど、周りを見ていると結構本当にその金利で、
ローンを組んで学校に来ているという友達がたくさんいてですね、
何かできることないかなというところで、
この日本からローンを引っ張ってくるという授業に取り組み始めました。
ありがとうございます。
日本円建てローンの利点
日本円建てのローンって多分皆様、聞いてるニッサンの皆さんも、
僕も多分中野さんの授業を聞いて初めて知ったんですけど、
あまり耳なじみがないと思うので、もうちょっと詳しく何か誰がターゲットで、
どういう用途で借りる可能性があるのかみたいなところも含めて教えていただけますか。
はい、今我々が直近でターゲットにしているところは、不動産を購入されるような方々です。
なので不動産を買うときに住宅ローンを日本でも普通に借りられると思うんですけれども、
その時にアメリカの方がアメリカの銀行じゃなくて、
代わりに日本の金融機関さんから借りてくるということを可能にしようとしています。
これができるようになると、先ほどみたいな10何%のローンを借りる代わりに、
我々が普段接しているのと同じような数%で借りてくれるようなローンというのが引けるようになるというところが大きなメリットです。
さっきの学生ローンの話とリンクする部分でいうと、
じゃあUSの人が日本の金融機関から借りるってなったら、
逆にめちゃくちゃ高い金利取られるんじゃないかなっていう風な印象を持ってしまうんですけど、
なぜその数%で借りれるようになるんですか?
そもそもアメリカの金融機関から借りてくるアメリカ人向けの金利がそもそもまずすごく高いんですね。
アメリカ人向けのローンでも大体8%から9%くらい不動産ローンで、
教育ローンであればおそらく10%前後くらいになってくるんですね。
そこに我々みたいな余心のない人たちが借りようとするとプラス5%も買ってくるというような設定になっています。
日本からローンを引っ張ってくる場合、おっしゃっていただいた通り、
確かに日本人が日本で借りるよりかはプラスアルファのプレミアムが発生してしまうんですが、
もともとの金利がせいぜい1%から2%ですので、そこにプレミアムが仮に1、2%乗っかってきたとしても、
なので日本人の倍金利を払わなきゃいけないとなったとしても、せいぜい3、4%。
アメリカ国内でアメリカ人が組んでいるものに比べると、半分から3分の1程度も金利で済みますよということでございます。
そう考えるとめちゃくちゃお得というか、いわゆる金利格差を利用した、アメリカ人からしたら超低金利ローンなわけなんですけど、
今までそういうのってなかったのかとか、競合優位性とかそういうのってどう考えてるんですか。
はい、すでにある事業というところですと、実はアメリカの金融機関はアメリカ以外の国でドルだてのローンを提供するという事業をいろいろやっていたりします。
最近流行っているのはインドの方にアメリカの金融機関が出て行って、ドルだてでお金を貸し出すという事業です。
インドはアメリカ以上に経済成長率が高いので、どうしてもローンの金利もすごく高く、聞いてるとそれこそ10%台後半のローンみたいなのを組まなきゃいけないような時もあったりするそうで、
それに比べればドルのものの方がまだ安いと、お金が稼いでして、ドルで借りたりするそうなんですが、
そのロジックでいくと、わざわざドルのものを借りずとも、日本のもので事足りるのであれば、日本のものを使いませんかというのが我々の提案です。
ちなみに類似したところで、ヨーロッパの方だとスイスフラン建てのローンというのが比較的一般に使われておりまして、特に東欧の地域ですと、
過半数の方々が住宅ローンを買う時には、現地の自分たちの通貨ではなくスイスフランを使って住宅ローンを組むというようなことをされているそうです。
地域ごとに使われている通貨だとか、それが実際にできてくる金融機関というのは限定されるんですが、既に構造自体はあって、
同じようなことを日本からもチャレンジしてみませんかということに取り組んでいます。
今まで日本円だてのローンがなかった理由って何かありますか。
実際には、それこそウォーレン・バフェットさんとかが直近で2800億円くらい借り入れていたりするので、ないというわけではなくて、
ごくごく限られた超富裕層の方々向けに個別案件として対応されていたというところなのだというふうに思っています。
特に日本の金融機関さんのアメリカ進出というところですと、法人向けのビジネスをされているところがほとんど、
多分その延長線上でそういったごく一部の個人の方が多分ご対応されているのだろうというふうに思うのですが、
まだそこまで領域が広がりきっていないのかなというふうに思っています。
何で日本の金融機関は個人向けまで立ち上げきれないんですかね。
おそらく一番難しいのはアンチマネーロンダリング対応のところだと思いますね。
あとは予診判定のところなのだと思います。
アンチマネーロンダリングは日本からそれこそ海外の方にお金を貸し出すというようなことをしようと思ったときに、
世界で一番規制の厳しいアメリカという国でそのルールをクリアしていかなきゃいけないというのは、
今の日本国内でカバーしている規制領域よりももう一段上のものを求められてくるのでハードルが高い。
逆にスイスとかアメリカとかというのは世界最高水準の規制のある国ですので、
そこから他の国に行く分にはナレージがある状態で進出できるというところなのかなと。
加えて個人向けの用紙事業というのを大きな範囲でアメリカ等の国で展開していない場合、
個人の用紙を判定するためのノウハウというのが必ずしもたまってきませんので、
そういったところも個人向けの論貸し出しというところまでビジネスが進展していかなかったところなんじゃないかなというふうに思っています。
なるほど。淡々と説明されるので、仲間さんのすごいキャラというか、ここまですごくやってきたんだなというふうに思うんですけど。
だから聞いてて思うのが、ここまで聞くとスタートアップ向けの事業じゃんって思うんですよ、まさに。
日本の金融機関が入れない、でも海外、インドの話もありましたけど、金利差を利用した多国間ローンみたいなのってそもそも存在していて、インドやスイスではありますと。
よって、インドtoアメリカか、それから東欧toスイスフランっていうのはあるんだけど、日本はそこまでできなかったと。すごいチャンスあるんじゃないかなと思いますと。
金融機関との連携の重要性
で、多分なんですけど、でもそれスタートアップの資本力の少ないスタートアップをやるのは一方で大変なところもあるんじゃないかなって思うんですけど、今の立ち上げるにあたっての事業課題ってどういうところにありますか。
はい、まさにおっしゃっていただいた通りだというふうに思っていて、我々基本的には金融機関さんとご一緒させていただいて、金融機関さんがそういうところに手を出していくことのサポートをしていくというような立ち位置を取るということになるんですけれども、やはりある程度のトラクションがないと、まずそもそもパートナーシップのところまでいかない。
トラクションがないと、それこそアンチマネーローナリング対応用で作っているシステムも、それこそ予診判定用のシステムのデータも十分に蓄積しないというところで、ニワトリ卵の話がどうしても出てきてしまって、そこがすごく難しいところです。
ただありがたいことに、少しやっと価値が提供できるようになってきたかなというふうに思っているのは、僕直近のところでアメリカのGPモルガンさんが提供されているスタートアップ向けの支援プログラムに採択させていただいたり、今バークレースカイデックというUCバークレーが持っているアクセラレーションのプログラムの方に参加させていただいて、
そこでアメリカの金融機関系の方々でアンチマネーロンダリングをご専門にされているような方々にアドバイザーについていただいて開発を進めていたりするんですが、これができるようになったことで、日本側から見るとちょっと中身が見えにくかった、アメリカ国内の方向けにやらなきゃいけないアンチマネーロンダリングだとか予診判定というところに、少し我々が価値を付与できるようになってきたのかなというふうに思っています。
ありがとうございます。
着実に前に進める感じはしますが、なかなかまだまだそういった部分、大変なところはあるんじゃないかなというふうに思っていて、
とはいえ、JPMorganさんが提供しているスタートアッププログラム、アクセラプログラム、そういったものに参加すると確かに金融機関との接続みたいなもしかしたらできるかもしれないですし、
ネロンのアドバイザー、バークレスタスカイレックに入っているか、そういったネロンのアドバイザーにも入ってもらえて、事業に必要なリソース、広く言うとリソースだと思うんですけど、がちょっとずつ集まってきているのかなというふうに思いました。
ありがとうございます。
そうですね、あとは、気になるところで言うと、あ、そうだ、ユニークなポイントとして父とやっていますっていうのは結構面白かったんですけど、
僕、スタートアップのピッチを多分400社500社ぐらい聞いているんですけど、父とやっていますっていうスタートアップは見たことないですね。
ありがとうございます。
これすごく面白いポイントだと思います。
お父さん、どういうふうに関わられているんですか?
そうですね、父はまさにそれこそ審査部の中で、ある種の予診判定もそうですし、ネロンナリング対応とかもそうですし、どういう人に融資ができますかというのを確認する部署におりましたので、
その領域をどうしても経験則によってくる部分というのが多々ある中で、それをまず言語化をして、パートタイムで今手伝ってくれているエンジニアの方々とこれをシステムにするにはどうしたらいいかなとか、
これを実際にアメリカで課すのに、日本で日本人に課す分にはもちろんそれで問題ないんですけど、アメリカ人に課すのにどこの部分が穴でどういうアドバイスをもらわなければいけなくて、
っていうのを明確化言語化していくところっていうのに多いに役立ってくれているかなというふうに思います。
めちゃくちゃ面白いですね。なんかでも身内とスタートアップやるってすごいストレスとかありそうな気がするんですけど、なんか今までそういうの感じませんでした。
やっぱり親子っていう関係がついていると、どうしても何て言うんですかね、やっぱお父さんの方が何かいろいろ言いたくなっちゃうっていうのはあると思うんですけど、そのあたりってどううまくやってるんでしょうか。
そうですね、そこは本当にすごく難しいところで、何が一番今のところ難しいかというと、父が本当にごくごく初歩レベルの英語もしゃべらないものですから、他のメンバーとのコミュニケーションというのは基本取れないというような状況におりまして、
僕が原則伝書バトルを務める必要があるというところがなかなかちょっとハードルがあるかなというところで、逆に言うとどうしてもこの領域は本当にある種父の独断状になりがちな領域ではあるので、僕が介在する価値が残っているということも喜ばしいことではあるのかなというふうには思っていたりはします。
それでもやっぱりよく知っているし、歴も長いだけあって、父はやっぱりこれはできないとかあれはできないというのがどうしても先に浮かんじゃうようなんですけど、そこをそれってどうやったらできるかねというところまで一緒に噛み砕いて考えるということが私がやるべきところであり、
一緒にこれからちょっと父の頭を柔らかくしつつ、僕の側もちょっとちゃんと勉強しつつ進めていかなきゃいけないところなのかなと思っています。
ありがとうございます。いい感じにまとまったところで、今日はこれで終わろうと思うんですけれども、
すいません、最後に実際に出ていただいて何か感想などあれば少し教えてください。
人生で初めてのラジオ出演だったので、今口の中がパッサパサに乾いてます。
お水をご用意くださいというのを忘れておりました。
ありがとうございます。でもすごくいい経験をさせていただいたなというのと、今回本当にアメリカからリモートで参加というところで、
どこの国とか地域にいてもこうやって参加できるんだなというのは全然知らなかったというか、こういうシステムがあるんだなというのが大きな学びでした。
よかったです。ちなみにですね、僕今日のスケジュールこの後ずっとポッドキャストの収録なんですよ。
なのであと3時間ぐらいポッドキャストを撮ってるんですけど、直後の収録も実はアメリカの企業とつないでやる形になっています。
レギュラー出演してもらっている佐藤さんとの収録がこの後あったりとか。
そんな感じで距離関係なく収録できるのですごくいいなと思っているのと、
あとですねもう一個朗報はですね、このポッドキャストをVCの人とか、特にVCの若手とかの視聴率がそこそこ高いということが分かったので、
これはもしかして資金調達のときに役に立つかもしれないですし。
日本のVCからもお金集めようと思っているんでしたっけ?
そうですね。日本のVCさんともぜひお話したいなと思っているので、
普段日本にいれない分こういう機会が本当にすごく助かります。
じゃあこれを聞いているVCの方はぜひ興味のある方は連絡してみてください。
はい、ということで、
Boot Up! Radioではこのように企業化予備群向けの内容をどんどん配信しておりますので、
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そして今日の中村さんの話が今日のピッチすごい良かったよという方はぜひSNSでシェアの方もお願いします。
ということで本日のゲストはTwitterの中村さんでした。
ありがとうございました。
ありがとうございました。