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2024-11-12 02:54

【朗読】『バスに乗ってしまう習性』早起き書房のひと

早起き書房さんのエッセイより
『バスに乗ってしまう習性』
https://note.com/hayaokishobo/n/n957b2be6851b
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バスに乗ってしまう習性
通勤通学に始まり、ショッピングや会食などの用事のために、
人はバスに乗って町から町へ移動する。
電車やタクシーと同じで、バスも交通手段のひとつとして、人々をいろんな町へと運んでくれる。
今読んでいる本、『すばらしきバス』の著者、平田敏子さんにとってのバスは、ちょっと様子が違う。
居酒屋の赤帳賃に誘われるように、空き箱を見つけた猫がくるくると箱の中に収まるように、
あの大きくて四角い乗り物を見ると、平田さんの足はバスのステップを登る。
そこには目的地など必要ない。
なぜなら彼女にとってバスは、乗ること自体が目的なのだから。
僕も同じ性癖、バスを見たら乗ってしまうという習性を持つ者として、
この本を手に取り、共感の雨あられの中、何度も読み返している。
中野、高円寺、阿佐ヶ谷、吉祥寺、関七、青梅街道、五日市街道、早稲田通り、
中央西沿線の街に8年間住んでいた僕は、これらの文字を見るだけで興奮してしまう。
東京はバスの街である。
僕ら、平田さんと僕には、片つむりが歩いた後のように、
東京の地図の上にあるバスの足跡がキラキラと光って見えている。
そういう意味で東京は、バスのテーマパークのようなものなのだ。
今日は、立川での読書会議参加するため僕は、中央線に乗って西へ西へと向かっている。
読書会の後には、高畑不動にある床屋で髪の毛を男前に仕上げてもらって、
舞梅瓦の本屋さんに行く予定だ。
立川駅、高畑不動駅、舞梅瓦駅、どの駅にもバス乗り場がある。
大きくて四角い乗り物がドアを開けて待っていたらどうしよう。
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