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2025-04-01 23:53

#382【依談/怖】Tale-JP - ドアノブ【リクエスト/BGM変更】

spotify apple_podcasts youtube

【月初め定期】

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(ApplePodcast・AmazonMusicにてエピソードの前後に短いCMが入ることがあります)


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また、今回よりBGMが変更となります。

2024年7月のアップデートにより、Spotify for Podcasters内での収録・BGM付与ができなくなったためです。

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紹介SCP/Tale


タイトル: ドアノブ

作者: izhaya

ソース: http://scp-jp.wikidot.com/door-knob

作成年: 2021

ライセンス: CC BY-SA 3.0


SCP財団とは: https://ja.wikipedia.org/wiki/SCP%E8%B2%A1%E5%9B%A3


©️SCP財団 http://ja.scp-wiki.net/


BGMタイトル: Farewell

作者: H.Lang

作者ページ: https://dova-s.jp/_mobile/_contents/author/profile459.html

DOVA - SYNDROME楽曲リンク: https://dova-s.jp/_mobile/bgm/play19024.html


1・5・9・13・17・21・25・29日更新予定


#SCP #SCP財団 #podcast


【活動まとめ】 https://lit.link/azekura

【SCP関連商品】 https://amzn.to/4ieAPpb

サマリー

このエピソードでは、開かずの部屋と呼ばれるブルーシートの家についての恐怖体験が語られています。特に、後藤が扉を開けたことによって引き起こされる不思議な出来事や、その後の影響に焦点が当てられています。また、ブルーシートに覆われた窓と不気味なドアノブの音が聞こえる閉じ込められた部屋での恐怖が描かれています。物語が進むにつれて、登場人物たちは自身の恐怖に直面し、見えない存在に立ち向かう様子が迫力を増していきます。

開かずの部屋の紹介
テイル、JP 依談
ドアノブ その部屋に入って待っていてください
ああ、そうでした。失礼、開けますね。
愛想笑いを浮かべたスーツの男が、普段着の青年と入れ替わるように木製の扉の前に立ってドアノブを回す
古いドアノブはガチャガチャと音を立てるが、扉は開かない
あれ、立て付けが悪いのかな。あんまりこの部屋使ってなかったから
ちょっと待ってくださいね。よっと
おかしいなぁ
男が少し力を入れると
バキンと何かが壊れたような音がして
木製の扉はあっけなく開いた
久しぶりに客人を入れたであろう狭苦しい部屋は、ため息のようにカビ臭い空気を吐き出した
よし、開いた。飲み物は?
いや、大丈夫です
では、このまま始めてしまいましょうか
そちらにおかけになってください
促しながら男はレコーダーを机の真ん中に置く
扉を閉めようとして男が目線を送ると、青年は大丈夫というようにうなずいた
自分も椅子に腰掛けながら男はその座りの悪さにため息をつく
ガタガタとバランスが悪い
椅子がゴミか何かを踏んでいるようだ
男はゴミを取るか一瞬迷ったが、それより早く仕事を始めようと面倒臭さを正当化する言い訳をして
再び椅子に座り直した
もう大丈夫ですか?
えぇ、あの白沼さん、後藤はどうなったんですか?
それについてはお答えしかねます
ですが柏木さんの話が彼を助けるかもしれない
神妙にうなずく柏木青年に微笑んで
男、白沼エージェントはレコーダーに手を伸ばしスイッチを入れる
では始めましょう
聞かせてください
あの部屋で何があったのか
あの日、後藤は日が暮れてからサークル部室に来ました
ずいぶん興奮してて
開かずの部屋を開けたぞって言うんです
ブルーシートの家っていう
あー大学の裏です、すぐわかりますよ
大きめの一軒家なんですけど誰も住んでなくて
2階の角の部屋をすっぽり包むみたいに
外側から青い大きなブルーシートが貼ってあるんです
だからブルーシートの家
ここらへんじゃあ有名なお化け屋敷って言ってもいいのかな
まあ誰か死んだとか何があったってわけじゃないんですけど
2階のそのブルーシートで覆ってある部屋が
開かずの部屋なんですよ
空き家なのにその部屋だけ鍵がかかってるのか
誰も開けたことがない
外からビニールをめくって中を見てみようって話もあったんですが
人通りもあるしそこまでやんちゃじゃなかったんで
部屋に押し入るのもおかしいですしね
まあ家に入るのももちろんダメなんですけど
1学期の終わりにその年の1回生がブルーシートの家に行って
開かずの部屋を見て帰ってくる
そういうサークルの儀式みたいなのがあったんですよ
先輩も先輩の先輩も
ブルーシートの家で肝試ししてたらしいです
俺らも1回生の前期終わりの打ち上げの後
儀式儀式っつってみんなで行ったんです
もちろん開かずの部屋の前まで
夜ですからそれなりにビビってましたけど
後藤はこんなもんかよって強がってましたね
でもやっぱり部屋の扉は開かない
後藤の恐怖体験
こんな場所があるんだなーって
みんなで感心してました
文字通り古典的な開かずの部屋だったんですよ
そんな開かずの部屋を開けたって言うんで
男どもですごく盛り上がって
後藤も開かずの部屋の中の画像を
サークルラインに貼り付けて見せびらかしていました
あの家の壁と同じ色の古い木の窓枠の外に
青いブルーシートがべったり貼り付いてて
あ、あの部屋の中だってすぐ分かりました
どうやったんだよって聞いたら
普通にドアノブをひねったらガチャって開いたって
後藤は偉そうに
お前らがビビリであの部屋を開けようとしない
情けないからこの前夕方に一人で行った
その時にちょっと強く押したら開いたって言うんです
後藤はそういうところあるやつで
ちょっと空気読めないというか
お山の大将になりたがるタイプなんですよ
やっちゃいけないことも強がるためなら
やっちゃう感じというか
開くわけないんですよ
開くかどうか俺らも当然試してますし
全然開かなかったし
ちょっと強くじゃなくて
こいつなら蹴破るぐらいしたんだろうなって
みんな呆れてました
まあでも後藤がすげーことやったのは本当なんで
俺らも麻雀切り上げて見に行ったんですよ
ブルーシートの家に
徹夜麻雀のつもりだったんで
もう終電がないぐらいの時間だったかな
儀式2回目だっつって
1回目よりもみんな余裕がありました
懐中電灯は持ってなかったけど
スマホライトだけでも結構見えるんですよね
最近の機種だと
まあそれで開かずの部屋の前まで来て
開けるぞーっつってドアノブをひねるんですけど
やっぱり開かないんですよ
あれ?ってなって
後藤本当に開けたのかよってなって
いや開けたよ
中から画像撮ってるだろ
おかしいなーって
しばらくガチャガチャやって
押しても引いてもやっぱり開かない
勢いをつけても開かない
でとうとう後藤が扉に体重をかけ出したんですね
押し破るみたいな体勢で
さすがにそれはまずいだろってなったんですけど
そしたら扉がゆっくり開いていく
おお開くって時に
開けんなって声がしたんです
えー部屋の中から
夏だったのに一瞬で寒くなったのを覚えてます
あーダメだ鳥肌
ほらあれダメでした
後藤の声だったんですよ
明らかに部屋の中から
開けんなって
でももう止まらなくて
バキンって何か割れるような音と一緒に扉が開いて
中には誰もいなかったんです
後藤が見せてくれた画像と同じような
木の窓枠の外にブルーシートが見える
すっからかんの部屋で
俺らは立ち尽くしてました
聞こえたよなって
山内かな
山内が確認して
それであれが聞こえたのは
俺だけじゃなかったんだって思いました
多分みんな後藤の声が聞こえたって思ったんです
後藤も顔面蒼白になってて
とにかくフラフラになりながら家から出ました
その場では後藤の声じゃなくて
何か声したよなって話で合わせて
部屋が消えた謎
あれ本当にヤバい場所だったんじゃんって
盛り上がろうとしたんですけど
まあ本気で怖がってたんで
絡まってしらけちゃって
でも一人には絶対なりたくなかったから
その日は後藤の家にみんな行って
盛り上がらない麻雀やって寝ました
財団はドアノブを暫定アノマラスで収容したと聞いていた
異常である可能性があるという状態ではあるが
実際に柏木と一緒にいた山内、笹原、田辺の3人は
心身喪失に近い状態で実害が出ている
そして後藤という人物はまだ見つかっていない
唯一柏木は比較的話せる状態だったため
財団は彼にインタビューを行うことを決定した
そして今彼が喋っている
柏木には後藤を保護したという情報を与え
医療機関として偽装接触をしていた
だが柏木の話はまとまっているが
異常の手がかりとしては弱い
それがエージェント白沼の感想だった
無駄働きかもしれないと思うと
ガタガタ揺れる椅子への腹立ちが募る
いい加減治すかと状態を追って
目は向けずに手だけで椅子の足付近をまさぐる
指が何か硬い滑らかなプラスチックの棒のようなものに触れた
何かその物体につい最近触った覚えがあるような気がした
が指先はツルツル滑って
なかなかそれを椅子の下から抜き取れない
白沼の怠惰さは
しばらくその体勢でゴミを抜き取ろうとすることを選択した
まあその日は何もなくて
みんな朝に解散したんですけど
それから後頭がおかしくなっちゃって
扉に触れないというかドアノブを避けるんですよね
何かを開けるのを怖がっちゃう
いつも偉そうだったのにちょっとかわいそうで
明らかにブルーシートの家の開かずの部屋を開けたのが理由だと思いました
あの時部屋の中に誰かいたんじゃないか
後頭がもう一人部屋の中にいたんじゃないか
そういう想像がみんな止められなくて
で先輩に相談したんですけど
そしたら先輩は変な顔して
開かずの部屋はなくなったよって言うんです
いや俺らも忘年会の後行ってめっちゃびっくりしたんだけど
あそこ部屋じゃなくなってたじゃん
廊下に面した壁とドアが全部なくなってて
外にブルーシートの張ってある窓だけバッチリ見えててさ
俺らガチでビビって逃げてきたわ
って
でも俺ら全員があの夜部屋があるのを見てるんですよ
家の2階の壁とドアだけあったりなかったりするとか
おかしいじゃないですか
そこまで聞いたらもう一度確かめるしかなくなっちゃって
後頭もあの日のメンツ全員集めました
怖いから明るいうちにもう一度ブルーシートの家に行ったんです
でも先輩が言うようにそこに部屋なんてなかった
壁と扉の痕跡はあったんですけど
それらは綺麗さっぱりなくなってて
廊下からブルーシートの部屋にそのまま繋がってる感じ
シートのせいで暗い西日が
木の窓枠をゆらゆら照らしてたのを覚えてます
とにかくあの夜に俺らが開けた扉はその場所にはなかったんです
もう参っちゃって
あの日俺らが見たの開けたの何だったんだって
後頭が特にやばくて
恐怖の始まり
とても一人にさせられないぐらいパニックになってて
だからなんとか後頭を一緒に家まで送って
そのまま夜になっちゃったんですけどね
みんな黙ってるからいろいろいらないことを考えちゃうんです
笹原が気づいちゃって
今俺らがいる後頭の部屋の広さが
あの亡くなってた2階の部屋と同じぐらいだって
で後頭の家結構古くて窓枠が木なんですよ
後頭が送ってきたブルーシートを張った窓の画像
あれよく見たら後頭の家の窓じゃないのかって言うんです
確かにLINEに貼られた窓の画像と見比べても
後頭の家の窓枠はよく似てました
俺らを騙してたのかって後頭に問いただしたんですけど
そしたら後頭はいやいやするように首を振りながら
あれって震える指で俺らの後ろの窓を指差すんです
窓の方からガサガサ音が聞こえました
振り向きたくなかったけどそうするしかなかった
窓の外にブルーシートがべったり貼り付いてました
あ、ここ後頭の家じゃない
開かずの部屋の中だって直感しました
ブルーシートの家の亡くなったはずの部屋に
俺らは閉じ込められていたんです
でガチャガチャ聞こえてきたんです
ちょうどその時ガタタという音がして
知らぬ間はびっくりと肩を震わせた
話が過境に入ってきて
かしわぎが身を乗り出した音ではない
この部屋のドアノブを誰かが握ったような音
そういえばこの部屋の扉って閉じたっけ
開けてたっけ
そう考えながらも嫌な想像が頭の中にこびりついて
振り向くことができない
金属と木の擦れる小さな音が断続する
風のせいだろうか
そして知らぬ間は話の途中で椅子が踏んでいた物体を拾い上げていた
それは机の上にあるものと全く同じような
いや全く同じ知らぬ間のレコーダーだった
ガチャガチャガチャガチャ聞こえてきたんです
誰かが俺たちのいる部屋に
ブルーシートの家の開かずの部屋に入ろうとしてきてるんです
あの夜開けてしまった部屋に何が入っていたのか
俺たちはようやく分かりました
多分俺たちが入っていたんです
そして俺たちがまた入ってこようとしてるんです
後藤が口を開いて何かを叫びそうでした
言わせちゃダメだってみんな分かってたけど
止められなかった
開けんな
後藤はそう言ったんです
あの時開かずの部屋が開いた時
中から聞こえた声そのままで
ガサガサ窓を覆うブルーシートが耳障りな音を立てて
ガチャガチャ外からドアノブを回され続けて
ガチャガチャガチャガチャしてて
絶対に扉を開けられちゃダメだって思ったら
体が勝手に動いていました
俺は玄関までダッシュして
開かないように扉を押さえたんです
そうして気づいたんです
ガチャガチャ音がしていたのは
この扉じゃないってこと
窓の外のブルーシートもいつの間にか消えてました
あんなに大きく響いていた
ドアを開けようとするガチャガチャ音は
もう小さくなっていました
ガチャガチャ音は後藤からしていました
後藤はみんなの後ろでガタガタ震えながら
どこに持ってたのか
ドアノブだけを必死にガチャガチャ回してたんです
ドアノブにはあの夜見た扉と同じ質感の
古い木の破片がくっついていました
みんなが黙って見てる中
後藤は開けるな開けるなとつぶやきながら
ドアノブを回し続けました
でなんというか
突然すごく上手なパントマイムみたいに
後藤はそのドアノブを持って
扉を開けるようなジェスチャーをしたんです
開いちゃった
バキンって音がして
俺が覚えてるのはここまでで
気づいたらドアノブだけが残ってて
後藤はいなくなってました
衝撃の真実
異常には途中から気づいていた
机の上にある白沼のレコーダーと
椅子の下に落ちていた白沼のレコーダー
2個買った覚えはない
そして今や白沼の耳にもガチャガチャと
ドアノブを回す音が聞こえていた
背後の扉が誰かに開けられようとしている
後ろを振り向けない
その扉の外に自分と柏木が立っているような
想像を止められない
ガチャガチャ
やっぱりおかしいですよね
さっきからガチャガチャ聞こえてますよね
柏木が場違いな笑顔を引き連らせて聞く
ガチャガチャ
ガチャガチャ
あれ?立てつけが悪いのかな
あんまりこの部屋使ってなかったから
外から声が聞こえる
自分の声が
ガチャガチャ
うるさい
ガチャガチャ
この音はまさかどうして
そういえばこの部屋は何だ
財団の設備にこんなカビ臭い部屋があったか
どうして俺はこの部屋でインタビューを
どうして窓の外にブルーシートが貼られた
こんな部屋で
し、白沼さん
これなんで僕これ持ってるんですか
柏木が信じられないような顔をしながら
机の下に入れていた手を出した
彼が持っていたのは
古い家の扉からもぎ取られたようなドアノブだった
彼はそのドアノブを両手で持って
激しくガチャガチャと回しながら聞く
なんで僕これ
あれ持ってきてないのにドアノブが
知るかよ
それは財団がすでに収容したはずじゃないのか
なんでお前が持っている
どうしてこの部屋に
あ、あ、あ、開いちゃう
これどうしよう白沼さん
これ開いちゃいます
やめろ
まさかお前やめろ
開けるな
柏木のドアノブを持つ腕が
まるでそこに扉があるかのように
綺麗な甲を描いた
開いちゃった
バキン
背後から開かずの部屋が開く音がした
よし開いた
飲み物は
いや大丈夫です
ではこのまま始めてしまいましょうか
そちらにおかけになってください
促しながら男はレコーダーを机の真ん中に置こうとし
すでに同じレコーダーが机の上に置かれていることに気づいて
眉をしかめた
あ、ドアは閉めても大丈夫です
じゃあそうしましょうか
柏木の声に白沼は急いで愛想笑いを浮かべて
部屋の扉を閉じた
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