紹介SCP/Taleタイトル: SCP-CN-590 - 既生仍生、將死未死? 原語版タイトル: SCP-CN-590 - 既生仍生,将死未死? 訳者: BenjaminChong 原語版作者: AIeditor059 ソース: http://scp-jp.wikidot.com/scp-cn-590 原語版ソース: http://scp-wiki-cn.wikidot.com/scp-cn-590 作成年: 2019 原語版作成年: 2018 ライセンス: CC BY-SA 3.0SCP財団とは: https://ja.wikipedia.org/wiki/SCP%E8%B2%A1%E5%9B%A3©️SCP財団 http://ja.scp-wiki.net/ 1・3・6・9・12・15・1821・24・27・30日更新予定#SCP #SCP財団 #podcast
BGMタイトル: Night Light 作者: Blue Dot Sessions 楽曲リンク: https://freemusicarchive.org/music/Blue_Dot_Sessions/Nursury/Night_Light ライセンス: CC BY-SA 4.0
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00:05
SCP-CN-590 保衣5 過去非表示の中のファイル5 未だ死なずや
世界政府連合病院 特別医療部門 SCP-CN財団 特診断書CN 007784359
神が言う 病人を救えと
氏名059の本名 性別男 年齢500歳
聖談 聖なることわり 上記のものについて書きの通り診断する
21世紀初頭より8日前まで権力臨界症状態に罹患 症状として長期にわたって集中的な権力を有し、かつ最高決定権を持たない場合、後者に対する非合理的な欲求や最高決定権を持つ場合、それを保持しようとする非常に強い執着が現れる。
最高決定権異常以降 精神は回復しつつある ただし精神疾患の早期症状を伴う
世界政府連合病院 特別医療部門 観察 四星協営観察部 2284年8月13日
ウージュ君 セキュリティクリアランス検知ミームが作動中です。予期せぬ被害を防ぐためにアクセス権限のない閲覧者は10秒以内に当ページを離れてください。
注意!当コピーはミームを除去しています。 ウージュ君 この10年間の休養に対して後悔はしていない。
ここの景色は美しい。10年経っても磨きはしないものだ。 戦後、たかだか十数年放置されているに過ぎない街並みはすでに自然の息吹に覆われている。
これが大自然の力というものか。 連絡は10年ぶりだが君と残りの12人がうまくやっているのかい?
混乱は収まったかい? アノマリーはちゃんと収容されているかい?
人々の暮らしは安定しているかい? ぜひ知りたいものだ。本心から。
別の話をしよう。去年それが一度私と接触してきた。 無論それが設定しておいた自動メッセージで、だ。
それ自体はまだ修行中だからな。 もしかするとああいった情報伝達の形は人の言う宗教的体験なのかもしれない。
03:03
無意識の体験は本来言葉で言い表すことができないはずだが、その感覚が脳裏に焼き付いて離れない。
叙述的な体験なのにそれをどうやって表現するかは半年もかけて思案したものだ。 私は見た。
人々が畑を焼いて耕す光景を。 硝煙が止まず立ち昇る光景を。
画紙写が原野に満ちる光景を。 血を血で洗い攻めき合う光景を。
攻めき合うであってます?あってますね。 私は見た。
真っ白のローブを着た存在と一匹の動物の姿を。 思考にして史上の存在の数ある威嚇の一つを。
私は見た。蒸気の時代に踏みとどまる技術水準を。 ただ発展を求めないその様子を。
極めて高い生活水準と物質的境地を。 ただ活気をなくしたその様子を。
複雑な設備、絡み合う配管、精密な生命維持装置を。 それが決して科学にもたらされたものではないということを。
私は見た。真を、愛を。 私は見た。熱狂を。
私は見た。経験を。 本心が込められているかどうかは定かではない。
最初にそれは白だった。 そしてゆっくりと一本の弧線が中へと滲み込む。
それがやがて回り出し、金色へと、 七色へと。七彩ですね。七つの彩り。
金色が滲み込む。 心を綻ばせる七彩が滲み込む。
やがてそれは史上の輝きを放った。 光彩は眩くなりながらも暗くなっていく。
光彩は極地へと至る。 光彩は消えた。
くらみきったそれに残ったのは白だけだった。 まるで筆のように神はそれを用いて御意志を伝える。
白は生まれながらにして淡い真っ黒を抱くものだ。 その淡い黒は派生ではなく、白と対となる存在である。
白の中にくっきりと黒の点が現れた。 黒は拡散していく。
06:05
白と黒は混ざり合う。しかしそれは決して灰色になるという意味ではない。 それは曖昧な状態に留まった。
それが経験。
私は見た。信仰。 真心が込められているかどうかは定かではない。
最初にそれは機体だった。 そしてゆっくりと凝固し、ますます濃くなっていく。
それは透明で、純潔で、素朴なものだ。 それは光っている。
それ自体が発光しているのではなく、光を反射しているにすぎない。 その光は、
至上から、至高から、無限から、本体の地から差し込むもの。 その光は、至上であり、至高であり、無限であり、本体の地そのものである。
光は存在だ。 至上より来たる光、まばよし。
その光でそれが見えるようになり、彼らもまたそれを見ることができるようになった。 それが、プラトンの太陽だ。
反射される光を通じて、彼らはそれを見、ありとあらゆるものを見た。 そしてそれを通じて、光そのものを見た。
彼らはそれを愛した。 本心が込められているかどうかは定かではなかった。
彼らは光を愛した。 真心が込められているかどうかは定かではなかった。
見ることができることに、光が見えることに、体験することに、 彼らはやがて満足することができなくなった。
故にそれが変わった。 あるいは変わったのではなく、それがそれ自身に秘められていた、
生まれながらにしてあるものを抽出しただけだったかもしれない。 それの反射は散乱していく。
それの反射は動揺していく。 彼らは貪欲だった。
彼らは平静に光を浴びることを願った。 だが、彼らはやはり敬意を抱き、それを言うのをはばかった。
そしてそれが、それの散乱した反射の中で唯一動かなかったものだ。 それは依然として濃く、ただ不純物が混ざるようになった。
その不純物もまた派生ではなく、純粋と対となる存在のようだった。 それはもはや透明でなくなり、純粋でなくなり、不潔な反転が散りばめられるようになった。
09:04
反転はますます多くなっていく。 しかしそれがますます強固になった。
それは回り出し、この状態にとどまった。 それが信仰。
私は見た。罪よ。 それは群舞。それは作種。それは集権。それは優越。
それらは四つの曲材。 彼らは群舞の上に立った。人は集権の上に立った。
不明の生物が優越の上に立った。 作種の上には誰もいない。集権の上に立った人は私だった。
それは暗かったはず、黒かったはず、 散乱したはず、動揺したはず、不潔だったはずだ。
それは確かにそうだった。 ただそれを確認するのが難しかった。
けれど同時にそれは光っていた。 それの光と色は本物の光に限りなく近かった。
それの背後には古い本があった。 それの偽物の光は道しるべとなった。
彼らが経緯する無限へと。 それのために彼らは活気を捨て熱狂を握った。
それのために彼らは技術を捨て自身を技術たらしめた。 それは永生に光を浴びることを可能にした。
それが罪。 さて私の体験や天明教教徒によって改ざんされた記事
聖英親戚五神恩大理人様及びそれの今までの発言を基にして私はそれの文明はどのようなものだったかを以下のように推測してみたのだ。
それの文明はもともと野蛮で高齢としたものだった。 知力が劣っているわけではないが知識が開けているというほどでもなかった。
こんな文明に神の威慨の一つが神の威嚇の一つがまさに神の子イエスがごとく降臨したらしい。
しかし神が罪を背負うためにいらしたわけではなかった。 神は超然としたもので理解できる存在ではなかったはずだ。
しかしあいにくこの威嚇の神はあまりにも慈悲深かった。 神は血に染まる意義の海を屍に満ちる天国の原野を良しとしなかった。
神は理解できる形で神の化身として人の体をまとい道を解き学問を教え人々を啓発した。
12:08
神はたどるべき歴史を鑑賞したのだ。 そしてそれの文明は早くも知識の開けた文明となった。
神はそれらによって愛され、敬われ、経験に信仰された。 しかし神はやるべきことを終えるとどこかへ行ってしまい
二度と戻らなくなった。 ただ一つの解明を残して
善にこそなれ、我を思うな、と。 そしてそれらに残されたのはその超越的な境地と超自然的な神聖のみだった。
だがそれらが感激に浸るのは最初だけだった。 その後それらは信じなくなり、愛さなくなり、余計に欲深くなっていってしまった。
それらは経験さに満ちる宗教的体験を求めるだけに留まらず、神と再び会いたいと思い始めたのだ。
たとえ神の御意志に背いても。 そのためにそれらは手段を選ばなかった。
ある日それらは意外にも発見した。 大量の神徒による信仰をある一つの対象に向けて収束させると、なぜかは知らないが、
神が去った際に残した力の残しによるものか。 その信仰はなんとすべてを変化させ、支配できることを。
それらは法則をすり替えられる。 改変ではなく、痴漢であるところに留意されたい。
によってそれらの意志にもたらされたのは現実改変ではなく、現実そのものだ。
これも羊鞭がずっと一だった原因である。 現時点で見ると、それらはまさに全能といえよう。
それらは法則をある特定の対象に限定すると、特異的にある結果をもたらすことができる。 ように見えるが、そうではない。
それらのしたことは本質的には、特異化した偏在、つまり禅術の表現を、偏在の法則を特定の対象に限定する、と修正する必要がある。
そうすることによって、それらには操れないものはない。 そしてそれらが見せかけるいわゆる禅事。
例えば、面会の時に君の心を読んだのも、仕組みは同じだ。 偏在した法則を特定の対象に限定し、局所的な法則を情報伝達のために再構築したのだ。
それらはこの法則を改変できるだけの信仰を信仰力と呼ぶ。 とはいえ、発見当時、それらはまだこれほどのことをやってのけるというわけではなかった。
15:10
私の見込みだと、せいぜい国家の統一を宣言したときにのみ、申し訳程度の改変ができるだけだ。
余談だが、今のそれらがどうやってあれほど高効率に信仰を収束させることができたのかは、できるのかは未だに不思議に思っている。
そして発見当時、それらの技術水準は人類の歴史で言う蒸気の時代に相当するものだった。
しかし、力を発現させたそれらは技術の研究なんて目もくれず、ずるをするようになった。
それらは局所的な法則を改変し、生活と技術の水準をそれらの意のままにした。
しかし、世界中の信仰をかき集めて何度にも渡って祈っても、それらは果たして神を呼び戻せなかった。
成す術もなくなったそれらは、やがて自身の信仰力で作った天国での生活に明け暮れるしかなかった。
だがある時、それらはどこからか一冊の転積を発見した。これがことの発端だったのだ。
転積を開いたその時、目に飛び込んだ最初の言葉は、あるいは神卸だったのかもしれない。
それが本当かどうかはどうでもよかった。 それらは最初のような熱狂を取り戻せた。何しろ神を呼び戻せるかもしれないのだ。
思うに転積にはおそらく神を呼び戻す儀式のための手順が記載されている。 その中で現時点では推察できる要素がいくつかある。
まず一つ、儀式を取り行う過程で信仰力の使用は不可という点だ。
観測から征服まで、それらが堅くなり信仰力を使用しようとしなかった理由でもある。
実際のところ、私の考察では、それが地球で顕現させたすべての神石も、服従宣言第3条を完成させたのも、すべて我々に収容されていたアノマリー、あるいはその組み合わせによるものに過ぎなかった。
神徒たちがまだ不死身という真っ赤な嘘に騙されていた頃、それの仕掛けはすでに発動済みだったということだ。
もっともそれは仕掛けを使ったつもりなどなかったと思うが、もちろん不審な点もある。
ごく一部の箇所で、それはわずかながら信仰力を使っていたのだ。
例えば、南極事変の時に幼虫医団体からアノマリーを脱出した時や、面会の際に君と私の考えを読んだ時に。
18:03
儀式の具体的な制限条件はまだわからない。もしかすると、場合によっては生かさまが可能だったかもしれない。
そしてもう一つ、我々がこの不運な状況に置かれてしまった理由についてだ。
儀式は極罪と呼ばれる要素を含む4つの文明を必要とする。
これらの文明の罪は、供物として儀式に供されるらしい。
私の知るところでは、周見は我々のことで、優越はそれらによって発見された別の文明だ。
なお、その文明はすでに儀式の取り決めにより、優越を維持されることで滅亡したと思われる。
グマイの文明については、どうもそれら自身らしいが、詳しい話がわかったわけじゃない。
作種に至ってはまだ発見されていない。
我々は幸運だったかもしれない。
なぜならば、人類の周見の力はあの時、私一人に集約されていたのだ。
それは私からその力を抽出しただけでことが済んだ。
今の状況からして、人類はあるいはまだ存続できるかもしれない。
だが、それが人類の世界にこれほどまでに手を加えているということは、目的が別にある可能性も捨てきれないだろう。
したがって、早急に対策を取るべきだと考える。
ああ、そうだ。これは、こんなことは望んでいなかったが、私は向き合わなければならない。
添付ファイル 権力臨界症診断書 pdf 9x
最初に読んだやつですかね。
臨界症のけが見られますよっていうやつかな。
はあ、ウージュ君、君はとっくに知っていただろう。
君の性格はよく知っている。君のせいではない。
自分を責めないでくれ。すべては私個人の問題だったのだ。
君がいなくても別の誰かが私をここまでにしていた。
すでに起こった出来事はもう誰にも変えられない。
いくら記憶が失われても、いくら傷跡が癒えても、名もない場所で、それらはただ叫ぶのだ。
かつてここにあった。かつてここにいた。と。
私は、今思えば過去のことは鮮明に脳裏に浮かぶ。
まさかあんなことに手を染めただなんて、未だに信じられないし、とても受け止められないものだ。
SCP財団監督者評議会のメンバーとして、私は人類の利益のためだけに、確保、収容、保護を全うすべきはずだった。
21:00
それが私の本職であり、神聖にして栄光ある勤めで、誇らしい仕事のはずだった。
しかしある意味では、権力臨界症の支配下にあった私は、ああなるのは必然だった。
つまりすべてが私のしたことである。
私のしたことであると同時に、私のしたことではなかったとも言える。
過ぎたことを悔やんでもしようがない。
だが人類がこの数百年間にたまわった啓蒙の申、ですね。
こうむるだ。難しい言葉が多いですね。
だが人類がこの数百年間にこうむった苦難の原因は、間違いなく私であり、私しかいない。
つまるところ、すべてが私のしたことになる。
私がしたことである以上、責任をもって償わなければならない。
理性は私に語りかける。前を向け、後悔は無意味だと。
後悔ばかりしていると、未知なる未来に誇りがかぶると。
だが感性にひらがえば、今の私にとって実質、必ずしも背負う必要のない責任を一心に担うことになる。
権力臨界症に罹患する前から、財団の業務で常に保つ必要があった理性に、私はずっと吐き気を覚えていたものだ。
しかし今は、
ははは、ようやくだ。
今からやるべきことに、それを指導する原則に、そしてその目的と意義に、完全にクソったれな理性の存在を排除することができる。
理性とは何ぞや、それの言い分はこうだ。
私は、私のしたことの責任を負う必要はない。
なぜならば、責任を負わなくても咎められない地位についているのだ。
それは時間の浪費であり、骨折り損にしかならない。
そして、それの圧倒的な力による圧勢の下、政局が安定さえすれば、人類文明は未曾有の高度成長期へ突入するだろう。
それの助力をもって、我々は財団がすべてを懸けて収容してきた、人類の存続を脅かすアノマリーを完全に排除することができる。
理性的に考えれば、それを支持するのが筋だろう。
だが、権力委員会省が去った今、私は人なのだ。
健常な倫理観を持つ人間なのだ。
これが私、059の責任だと両親が囁いている。
ハハハハ、リペイなんてクソくらいだ。
私はもう自由なのだ。
自分の気のままに、自分の責任を取ることができる。
24:03
私が人であると同時に、05の一員でもある。
財団が収容を行う目的は他でもなく、人類が陽光を浴びながら、自由に万物の起源を追求し、存在の意義を質問し、
内なる信仰を追い求めることを可能にすることだ。
詰まるところ、財団は人類の尊厳ある生活のためにある。
アノマリーの脅威が去っても、財団は存続する。
なぜならば、人類の尊厳を踏みにじるものがまだ存在しているからだ。
人類は無益に生きるべきではない。
人類には自由を求める権利があるのだ。
これこそ人類の精神。
そして財団はこの全てを守るべきであり、力を尽くしてでも守らなければならない。
これこそ財団の初心。
この命を捨て去って、全てから逃げることも考えたものだ。
だが、心は再び正しい方向に向かおうとしている。
ハハハハ、個人の働きではなく集団の働きを考え、最善策を編み出すことこそ私の務めなのだ。
オンファイブとして、何より一人間として、
個人主義を選択するかしないかの自由を持つ人間として、
責任を背負うか背負わないかを決められる人間として、
私は必ずや全てを償う。
随分な大言壮語を吐いたものだが、別に権力臨界症にかかった時のようにうぬぼれているわけではない。
私の自身には劣跡とした証拠がついているのだ。
まだ覚えているか。それはあくまで些細なことだった。
だが、我々の運命を変えられるだけの可能性を秘めている。
もう8月4日です。予定日より7日超過しています。
以前、ウージュ博士から来たメッセージですね。
儀式が予定より6日も長引いたに過ぎなかったもの。
カタカナなので、それらの発言でしょう。
私の体験における言葉では言い表せない微妙な部分と合わせて、私ははっきりと断言できる。
我々はあの時、それを妨げていた。
防げていた、ですね。
アノマリーに頼ってこしらえた装置は1日限りだったとはいえ、
それに通用して、その感知能力を1日だけ遅らせたのだ。
残念ながら、その装置が実際どのようにして通用できたのかはわからない。
だが、少なくともそれは希望となる。
全てを償えるだけの希望に。
そして、私もまた気づかされた。
人類に見出された法則、そのすべてが必ずしも虚構ではないということ。
27:05
真の意味で現実を操作するアノマリーに対しても、誇らしく存在感を示すことができるということ。
長々と綴ってしまったが、すべてを償うには生きることが必要だ。
だが約束しよう、すべての償いを終えたら、私は死をもって謝罪する。
今はまだ私のわがままを許してくれ。
それの宣言通りならば、2000年の修行期間中にこちらを帰り見る余裕はないはずだ。
しかし、だからといって油断をしてはならない。
最後に君に伝えたいことがある。
この10年の間、私はいろいろなものを捨て去り、そしてまたいろいろなものを取り戻せた。
これからは、なるべくたっかんに、恩和に、楽観的に生きていくつもりだ。
たとえそれが不本意だとしても、たっかんの仮面はつけてみることにする。
過去の自分と決別するためだけではなく、何より私の中にはすでに希望があったのだ。
その希望とは、この後すぐに君が見ることになるだろうファイルだ。
これがすべての始まりになる。
2294年10月28日059
はい、じゃあそのファイルを読み上げて今回終わりにしましょうか。ちょっと長いので。
編集者による中期。この文書はファイル4のメールと同様の措置が取られている。
これが計画。これが計画だ。なんと素晴らしい。なんと心を踊らせることか。
編集者は私だったはずですね。
ベアトリス計画実施要項。実施要項。前半期。
計画発案059計画総算簿。マザー・ウージュ。計画総算簿。チャイルド・アゼクラ。
チャイルド生歴2016年4月17日追加。
あ、やっぱりマザーとチャイルドで年が違うんだな多分。
059による中期。これはあの10年の後半の6年間に策定したものだ。
これがすべての始まりになるともいった。そう、我々は新生を迎える。
新しい生まれる。準備段階。時間順。
1、それによってもたらされた進行力を内包する道具。以下は単に道具という。
2、進行力について研究を行う。同時に一部のターミエルクラスオブジェクトについてさらなる研究を行う。
3、皇帝教皇主義に最適化した形に政府の構造改革を行う。同時に独立した宗教の最高機関の設立は禁止とする。
30:09
4、指定された空間における時間の流れの速さを制御可能な装置の研究開発を行う。
ただし太陽系規模の空間に適用できることを最低限の要件とする。
基準宇宙の1500年が指定空間の55から70億年となるという理論上の極限値に極力近づけることを目安とする。
同装置の名を時間分岐器とする。
5、真のランダム辞書の傾向を恣意的に操作可能な装置の研究開発を行う。
ただし文明におけるあらゆるランダム辞書の操作ができ、かつ前期により歴史を決定できることを最低限の要件とする。
同装置の名を歴史分岐器とする。同プロジェクトは宇宙史の担当とする。
実行段階、時間順、重要事項は赤字表記、突起事項は太字表記。
1、準備段階の成果物の検査を行う。
2、赤字、道具及び一部のターミエルクラスオブジェクトを使用し、ここから太字、太陽系の初期状態と完全に同一な物理パラメータを有する系統を新たに構築する。
太字がなくなります。
同時に、歴史分岐器及び時間分岐器を設置する。
以後、同系統に従属する地球をチャイルド、現存する地球をマザーとする。
3、歴史分岐器を使用し、上記系統の歴史を太陽系と完全に同一なものに設定する。
4、時間分岐器を使用し、上記系統における時間の流れを早める。
それの修行期間の開始時から1500から1800年以内に、チャイルドにおける人類文明の技術水準を比較的に高度なものにしなければならない。
前期の条件に達したら、チャイルドにおけるO5-9、当時、権力臨界症による影響を受けなかった数少ない一人だった。
チャイルドにおけるO5-9が、当異常現象を発見し、SCP-001としてナンバリングするよう歴史分岐器を設定する。
その際、少なくともチャイルドの指導的位置につくものが、元文明の存在と置かれる状況について認識しなければならない。
比較的に高度なものについての定義は現時点では未定とする。
ただし、元文明の計画案、計画発案年度のマザー西暦2294年からの計算とし、1000年程度、1000年先程度の技術水準を有することを最低限の要件とする。
前期の誤差を200年以内とする。
33:02
5.チャイルドにおける人類文明が公正観光光を可能にする技術を手にする前に、歴史分岐器の歴史分岐、制御機能が損なわれないように、同系統周辺の天体の位置を偽装しなければならない。
前期に掲げる天体の位置は、過去の同時期にマザーから観測されたものに準ずる。
チャイルドにおける人類文明の技術水準がマザーを超過した際に、前期の偽装を解除するものとする。
同時に、天体位置の変動という異常現象がチャイルドの財団に収容されるよう歴史分岐器を設定する。
このほか、所定の日時よりも前にマザーがチャイルドによって観測されないことを保証しなければならない。
前期について、チャイルド系統をその地軸方向にマザーが位置するような配置が望ましい。
6.赤文字です。それによる儀式的な要求を完了し、ふと時、マザーのアノマリーをすべてチャイルドに転移させる。移転させる。
ふと時終了。同時に、チャイルドが過去のマザーと同時期に各アノマリーと同様な接触を行うよう設定する。
物理的な移転が不可能なアノマリーに対しては、道具によって破壊した上、チャイルドで同様なアノマリーを製造する。
それなど特殊なアノマリーに対しては特別扱いとし、状況に応じて対応を改めるとする。
歴史分岐器によって制御されないアノマリーに対しては、道具の使用を過とする。
ふと時、前期に掲げる事項は50年以内に完了しなければならない。
6.アスタリスクついてますね。
赤字です。チャイルドにおける人類文明の技術水準が比較的高度なものに達すれば、彼らはマザー人類の反撃の唯一の希望となる。
それは我々の千年先、あるいはもっと先か、を行く技術を持っているからだけではない。それはただの前提条件だ。
ふと時、彼らはアノマリーを保有している。そして儀式をおもんじ、取決めにより信仰力による観測を放棄して人類をないがしろにするそれらに発見されることもない。
加えて、今までのそれのアノマリーに対する態度と1日分だけの価値も、すべてを取り戻す自信を裏付ける証拠となる。
ふと時終了。反撃への参加を拒否する事態を防ぐために、チャイルドの文明を十分に発展させたなら、あらゆる手段を駆使してマザーとの連帯性を訴えかける必要がある。
7.部分的に赤文字ですね。今は黒文字です。
権力配分構造を徹底的に改める。
強権、一部の行政権、及び司法権は同一人物に集約する。立法権も残時、全時、同一人物に属するものとする。
36:00
当該人物を世界政府大統領とし、宗教上、終始改ざん後の天明教では総裁氏と呼称するものとする。
赤字。強調するが、大統領と総裁氏はあくまで名義上の区分で、実際は同一人物が担当しなければならない。
黒字。私は第一代の大統領兼総裁氏を務める。しばらくの間、政務を取り。
赤字。計画の前半期を完了し、状況に応じて計画の後半期を策定する。
黒字。その後、新たな大統領の選抜方法を確立した上で辞任する。
8.権力臨界症状態下に、保身の策として、悟積氏に秘密裏での製造を命じた意識復活装置を計画に流用する。
ただし、元の仕様では私にのみ効果を発揮するため、改造する必要がある。
改造時に必要があれば、道具の仕様を可とする。追加すべき機能は下記に掲載する。
1.すべての基地人物の意識を検索・召喚し復活させる機能。
2.意識が検索不能である場合に備え、歴史的な情報入力により意識を製造する機能。
3.原材料を提供した上で意識を基に肉体を製造する機能、およびその肉体の漏水を阻止する機能。
4.意識を転送し、転送先で適合した肉体を製造する機能。
9.チャイルドの生成が完了次第、その内部に歴史分岐器および時間分岐器の効果が及ぼさない安全区域を設け、
所定の日時よりも前にチャイルドにおける人類文明に発見されないよう歴史分岐器を設定する。
マザーの技術またはアノマリーを用いて、当区域内における生活環境を確保する。
10.道具を用いて物理法則を無視し、情報・物質を瞬時に転送することができる行政解禁令を作成する。
使用回数は1回のみとし、限定的に発行し、世界政府関係者に限り利用可能とする。
それの文明との内通者が政府内部に潜入する可能性を踏まえ、使用者の生命は闘争時と紐づけされた方が望ましい。
11.全て赤字です。
以上すべての作業が完了次第、指導者議会を成立する。
初期において、同議会の議員に評価された歴史上の優秀な指導者を指定する。
技術水準の落差を考えて、指導者は主に20世紀以降の人物とする。
指定された指導者は意識復活装置により復活される。
フライルド文明が相当の技術水準に達した際に、議員らがすぐに関連事務に取り掛かれるよう、議会は上記9条に掲げる安全区域に設けるものとする。
議会の成立後、立法権、一部の司法権及び行政権は指導者議会に移譲される。
39:04
同時に、マザーに議会事務局を設け、指導者議会関連事務の管理・観察を行うものとする。
指導者議会とマザー間の連絡、人員の移転はすべて行政解禁令を通じて行うものとする。
指導者議会の施設展開が完了次第、60年間の期限がまだ終了しておらず、議会が実質権力を持たない場合でも十分な準備期間を設ける観点から、復活者議員の投入を可能とする。
最後12、黒字です。
以上すべての作業が完了次第、私はそれを確認し、実際の状況に応じて後半期の計画を策定する。
後半期の計画内容は前半期の実行状況及び人類文明の発展状況により変動する。
人類精神のために。
2294年10月28日。
今回はここまでにしておきましょう。
マザー側の目的、意図が少し分かってきたような感じがしますね。
ベアトリス計画。
マザーはマザーで何かと戦おうとしているのかな。
そのためにチャイルドを作ったのかな。
これマザーがオリジナルになるのかな。
ちょっと一気に読み上げた。ただもう文字を読み上げている状態なので、
あんまり読んでる間は実は文章って頭に入ってきてないんですよね私。
なので一通り読み終わってからまた再度考察していければと思います。
ではまた次回。また次回。
ちょっともう喉がカスカスですが。
続きから読んでいこうと思います。
お疲れ様でした。
40:55
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