SCP-CN-590 続きを読んでいきます。
謎の生命体、宇宙人のようなものから、宣告というか、我々に従いなさい、みたいな忠告がありましたね。
カタカナでめちゃくちゃ読みにくかったはずです。
その後、059が体調を崩している様子が描かれていました。
続きを読んでいきます。
編集者による中記。
この文書は、財団内部、メールアドレスで送信されていたものであり、
MEMEは搭載されておらず、暗号化措置も施されていなかった。
また、その内容は、複数通の長大な挨拶文から抽出、整理されたもので、
全て、先生から宇宙秘書長宛に送信していたものである。
それの情報探知能力を、余分の情報を大量に追加することにより、
攪乱させるのが目的だったと思われる。
重要な意味を持つ内容の抽出、整理は、
メールの保存されるフォルダに添付されていた整理用プログラムを通じて行った。
宇宙秘書長。
文章の冒頭に、以前決めておいた方法で有効な内容を抽出しろ、と、
そのまま伝えるリスクを犯すわけにはいかなかった。
だが、冒頭のつまらない話を見れば、君ならわかると信じている。
なぜそうしたかというと、君もわかるはずだ。
今のところ、余分の情報を大量に詰め込んで、
それがいった人類に注意を向ける余裕がないことを信じるしかない。
それで計画がバレなければ万々歳だ。
なお、情報セキュリティの観点から、それの番号は今後一切言及するな。
その文明も、その指導者のことも、以後はそれ、と呼べ。
クソったれ。
下の者に余分の情報を自動で生成するプログラムの作成を命令したのに、
提出する者は誰一人としていなかった。
他のO5に人員を回して手伝ってくれ、と言ったが、
結局連絡もクソもない。
今さら対岸の舵を見るつもりか?
この私にまた抗う気か?
あいにく動こうにも動けないだろうな。
敵はすぐそこに迫ってきているのだ。
変な動きでもすると人類は滅亡するぞ。
ともあれ、道具がないことには順調に始められん。
何せ計画は超大だからな。
肝心な部分を手短に話す。
まず、できるだけ多くの予算をテレキル合金など、
プロトコルKRV、GT1に記載される精神影響とテレパシー関連のオブジェクトの研究に継ぎ込め、
我々には防護壁が必要なのだ。
次に、あらゆる手段で、それこそあらゆる手段を駆使して、
宗教機関の組織能力を向上させるのだ。
各党派の綱領も法律化させろ。
プロトコルKRV、GT2に記載されるアノマリーで、
抗議の信仰的な内容が含まれるミーム付きの宣伝材料を下級的速やかに出版させる。
それを行政的な手段で普及し、強制的に読ませる。
世界各地で生存者の境界を設立し、人類の存続を確保しろ。
人類が存続できなければ、構築された社会関係もなくなる。
私が持つ権力も持ち腐りになってしまうのだ。
最後に、天明教の経典に対する大規模な研究を開始する。
最も大事なのは、この件はあの十二人に一切知られてはならないことだ。
その中にそれと結託する人間が一人でもいれば、計画は全て台無しだからな。
機密保持の手段については、彼らの傀儡としてもてあそばれてやったあの時期に、
再起計画とその後の三脱計画で何を通信に使ったのか覚えてるか?
ベリーマン・ラングフォードだけではなかったろう?
あの時の感覚を取り戻すのだ。
はぁ、この一ヶ月間は徹夜続きだった。
一分たりとも寝やしなかった。
我々にまだできることをずっと考えていたのだ。
アノマリーを使ってまで、体を奮い立たせていた。
なるべく短期間で、再起と復習の計画と比べて遜色ない計画を編み出すために。
そしてそれをやり切ったのだ。すまない。
一ヶ月前、全ての管理を君に任せた時に何も言わなかったことはお詫びする。
無論、この全てはそれが面会でもたらした情報が確実である前提の下で成り立っている。
だが、それの情報がたとえ出まかせであってもかまわん。
ことは未然に防ぐに越したことはない。
何事も万全を着さなければならない。
編集者による中記、太字は原文まま。
あの日の感覚は信じている。
だが、私はこの座を、このサイトCN01を譲るつもりはない。
すべてを支配する者が誰であるべきかを知っているのだ。
さて、返信はここまでにしよう。
あとには似たようなファイルが様々なものから届くだろう。
その者たちが誰なのか、君ならわかるはずだ。
我々はまず手配を済まさなければならない。
君も財団の仕事に勤めていた頃の感覚を思い出すがいい。
機会は一回だけ。だが、勝つのは私だ。
今回のオペレーションは、君が想像できないほど緻密で複雑だと言っていただろう。
私が使い慣れたあらゆる手を駆使しているのだ。
その自信、君なら共感できると思うぞ。
これがメールメッセージっぽいテキストボックスなんですが、
以降は緑色の角が丸いLINEみたいな、メッセージアプリみたいなものの中に文字が書かれてますね。
ウージュ 2284年8月4日
先生、もう8月4日です。予定日より7日超過しています。
それ方面からは動きがありません。
もしかすると、この件はもう解決できたかもしれません。
それはただデマカセで我々を脅かしているに過ぎなかったかもしれません。
今夜はどうかごゆっくりとお休みください。いつもの店の出前を手配してあります。
正直申しますと、先生、あなたが自信を持って必ず成功すると言っていた時点で、私はすでに自信を喪失していました。
しかし、これまでと同様に、あなたの策がまたも勝ったのです。
意外には思いますが、想定通りと言える部分も多いでしょう。
防護壁の運用は安定しています。
新人が弱いものの振興も順調に深められています。
火星での設備配置も完了しています。
現時点で想定外の事案は発生していません。
そろそろ肩の力を抜いたらいかがです?
今日はごゆっくりと休むべきと存じます。
今夜は打ち上げにしましょうか。
まだ気を抜くわけにはいかないと思うのだが、
まあいいだろう。今夜は自宅に戻る。君も来い。
正直なところ、たかがミームで塗り固められた振興が、
それにとって果たして振興深いと言えるのだろうかと懸念していたが、
まさかそれに及ばず、防護壁だけでそれを
いともたやすく隔絶してしまうとは思わなかった。
もしかするとその001とやらがO5の誰かが
アドリブででっち上げた偽造文書のひとつだったかもしれん。
こんなものとは思いもよらず、
無駄に一か月も徹夜して精神を病ませてしまったものだ。
緻密で複雑な計画も役に立てやしなかった。
まあともあれ、やりがいはあった。
財団の作業効率の記録も破ったし、
恐れるに足りる敵が存在しないこともわかったものだ。
唯一残念なのは、自分の衰えを感じてしまったことだろうか。
これで肩の力を抜くことができる。
こんな話はやめよう。
ところで、
儀式が予定より6日も長引いたに過ぎなかったものを、
第4条以外は何一つ達成できなかったが、
ありがたいことに彼の権力乱用状態は保たれた。
これと比べて他の事項は些細なことだ。
最も懸念していたことをやり遂げてくれた。
感謝する。
ウージュ及びSCP・CN財団職員一同よ。
我が神の再来の日にご褒美を授かるだろう。
059の振りをしていたんですね、それが。
なのか、この059のメッセージの中に介入してきたかのどちらかかな。
メッセージボックスのスタイルが変わっているところから察するに、
それと通信してるっぽいような印象がありますね。
ここから今までの真四角のメールボックス、送信ボックスになっています。
送信日時、2284年8月4日16時35分14秒。
送信元、聖ハト、聖なるの聖でカタカナのハト。
情報部、重要度、優先度、事務区分、すべて未記入。
事務分析値、エラー、重み付き条件、再試行してください。
事務内容。
1つ、誤信運動について。
守護する神ですね、守護神の誤信。
神が言う偶像崇拝に寄せよと、
30分前に世界人口の20億のうちの99.8%、
元天明教教と含むが悟りを開き、
全身全霊で神霊なる事業に身を投じました。
神聖なる事業に身を投じました。
神聖の御庇護の下、天明教貢天玉。
あ?貢天かこれ。
皇天、天明教皇天玉。
天明教皇天玉皇上帝の皆において、
めっちゃ偉い人ってことでしょうね、おそらく。
の皆において、異教異端、義神の神跡の取り壊しが実施され、
誤信音の誤従事のために、
製造、製帳、製電の建設が秩序正しく行われました。
また、元ある神跡に対しては、
信仰の名において保護・拡張がなされました。
注目すべき点として、北極天や南極天に滞在する研究者たちも、
材料を掻き集めて、聖聖・聖なる星の模型を作っています。
本部門においても、財団ネットワークの利便性を借りて、
競売に参加し、部門経費を使用することで、
公営にも8000花開聖冠断片を授かることができました。
財団に神の栄光あれ。
関数字の8、仙人の仙、過去のか、海、聖なる、漫画の第何巻とかですね。巻物の巻。
8000花開聖冠。
2つ。
SCP-CN001の番号廃止について。
30分前にほぼすべての財団職員の万丈一致で、
001提言の編集者の諸行もあって、
現在、SCP-CN001の番号及びその不敬極まりない内容の廃止が決定されました。
現在、原文のタイトルは、
聖英親戚御神恩代理人様に変更され、内容は賛美化に変更されました。
なんか、一つ二つを見ている以上、見ている限り、
めちゃくちゃ偉い何者か神的存在のみを信じるようになったって感じですね。
他の宗教はすべて廃止とされた。
3つ。
御神恩代理人様より感謝のお言葉。
30分前に御神恩代理人様よりあなた宛ての感謝のお言葉を授かりました。
新人が弱い者へのミーム適用が神の御意思を伝える助けとなったとのことです。
もともと信仰の強制、特定宗派への信仰の強制というプロセスをたどるべきところを、
宗派のみの変更で完了することができ、
より簡潔で完璧な形で信仰力による支配が成功したともおっしゃっています。
4つ。
御神恩代理人様が99.8%の人類の過激な要求を…
え?
女子?かな?
許し?
許す?
って読むのこれ?
女、口、心。
如くという字に心。
思いやりの心。
パッと見怒るとか恨むみたいな字に近いですけどね。
4つ。
御神恩代理人様が99.8%の人類の過激な要求を許し、慈愛をお得になりました。
30分前の御神運動の開始とほぼ同時に、世界人口の99.8%を占める人類は、
人生で正確な天命教を信仰しなかった人間に対する異端狩りを開始しました。
元の信仰に熱狂的だったことで、天命教に経営しなかった異教徒及び異端者172名長、異端組織の指導者を務めるO513を含むが、
教友に処刑され死亡したところ、御神恩代理人様より、
信仰儀式の取決めにより、神の御意志の伝達の妨げにならない限り、異端者を多く殺めてはならない、とのお言葉を授かりました。
神の御再来への願望で、皆はこの恥じるべき行為を即座にやめ、そして反省をしました。
御神恩代理人様は、間違った行動をとった人類をお許しになり、
信仰力ではなく地球のアノマリーを御使用になって、恩美で死亡した異教徒を復活させました。
信仰力を御使用にならなかったのは、信仰葬儀式の取決めによるものだと推測されます。
信じるの信仰と、神様をおろすお信仰と読んでいるので、ややこしいですね。
あなたは我々の最高支配者であり、最高統制者であらせられます。
果たして真実とは何ぞや。
奴らは去った。俺はここを隠れ家にしている。
先ほどこの廃棄された端末を修復したところだ。
調査部調査員、情報部調査員CN1883が報告する。
これは先ほどの内容であった異端者異教徒を
謝めていたところを
主、神の代理人が直してくれたの描写でしょうね。
40分ほど前から奴らはいける屍と化した。
目の届くところ、死んだような眼差しをする奴しかいない。
だが、十数分前に複数の財団職員との連絡が取れた。
部署も職務もセキュリティクリアランスもバラバラだが、
ムスリムもいればユダヤ人も無神論者の高級研究員もいる。
自然科学、数学、哲学、社会科学、心学など様々な分野の専門家が勢ぞろいだ。
軽く情報共有をしておいたところ、彼らは俺、
CN支部の情報部調査員を代表として情報をまとめてお前に報告することを決めた。
何クラスの世界終焉、何クラスの世界終焉シナリオかもわからなければ、
何のSCPでこの状況になったのかもわからない。
だが、現時点で知っている情報は下記の通りだ。
1.正規を保っている人間はまだ400万人ほどいる。
連中に統計的な共通点は見られない。
年齢構造はやや中高年寄りだが、
影響を受けていない年歯もいかない信者もいる。
ほとんどが何かしらの宗教を信仰する人間だが、
その他に学者や政治家、続刻級以上の指導者が多い。
各党派の構成員などが存在する。
不思議なことに、新人深い者が影響を受けないという予想に反し、
統計の結果として、
健常者に無心論者も少なくないことが判明した。
連中を除くと影響を受けていないものは、
お前を含む監督者評議会の会員13名と、
世界政府秘書長など上層部の人間しかいない。
特に被害がひどいのはほとんどの無心論者。
ちなみに影響を受けていない無心論者は、
前に言った学者の連中以外、無名の人間もちらほらいる、
と一部宗教の教徒と言ったところだ。
2.天明教経典の内容は改ざんされている。
しかも改ざんされている部分にそれらしき痕跡すらない、
という手の込みようだ。
この件に対して厄介になるはずの天明教の熱狂的な教徒たちは、
なぜか誰一人として口を出さなかった。
天明教の上層部に職を持つ財団職員にもたらされた情報だが、
話によると彼は天明教の元上層部として、
謎の声による洗脳に似たプロセスを施されたにもかかわらず、
影響を受けていないどころか、四星教会と名乗る組織に誘われ、
現在はVIP扱いされている。
3.5.7事件の時と同じ、大量のアノマリーが非活性化状態に陥った。
極一部の生物、聖なるもの及び343などに大きな腫瘤地変動が観測されたが、
その他はすべて腫瘤地1に固定されている。
健常者は主にインド、中東地域、イスラエル含む、
ヨーロッパの一部地域、主に当地の大学や教会に、
北米の一部地域、主に当地の大学、
中国大陸の一部地域、アフリカ大陸の一部地域、
南米の一部地域と中央アジアの一部地域に集中している。
5.他の生存者の報告によると、
お前が対応策として建造した非常施設はほとんど無事だ。
だがこれといって役に立ったわけでもない。
この件の影響をもろに受け、そして潰された施設は、
主にこの半月間、世界中に設立された隠れ家的な生存者の教会だ。
全部で3134箇所のところ、2982箇所が既に破壊されている。
以上、これは財団職員として財団のために行った最後の報告だ。
情報をお前によこしたのは別にお前のためなどではない。
数少ない健常者と生涯勤めてきたSCP財団のためさ。
悪いが俺は原理主義者だ。
SCP、CN財団などふざけた名前を使うつもりは微塵もない。
SCP財団、これが我が家族のありのままの名前さ。
今使わせてもらっている隠れ家はちょうど弾薬庫だった。
ただ人知れず爆死するのは無意味さ。
道連れになってもらう。
誤信などとほざく熱狂者も、成長と静電も、製造とやらの一かけらでも。
さあ、今まさに大火が再びローマにはびこり、我らはまたもや処刑台に立たされる。
この度の告発人は暴君ならぬ、暴民なのさ。
なんか聖歌っぽい。
オーボットって書いてますね。
ああ神よ、変え得ぬ者を受け入れる声音を与えたまえ。
変え得る者を変える勇気を与えたまえ。
その両者を見分ける知恵を与えたまえ。
いかなる日々をも生き、いかなる瞬間をも喜ぶ。
苦痛を平和への道と授養させたまう。
この世、かく罪深けれど、恩美のごとく授養させたまう。
恩美の意思に委ねれば、すべてがあるべき姿に着せると信ず。
現世にかくなる幸福を、来世にとはなる幸福を。
恩美と共に荒れかし。
エイメン。
時が来たようだ。足音が聞こえる。奴らがやってくる。
神よ、願わくばあなたの国へと。
システム。その後、対象者の声量が増大した。
聖ペトロよ、聖アンドレよ、聖パウロよ、
この俺を張り付けにできる異端者はいないのか。
銃声。システム。以下は対象者でない音声である。
は?なんだって?こんな異端者、殺してなんぼだろう。
神のご意思に従い、我が信仰を脅か…
爆弾だ!気をつけろ!聖像を守れ!聖像…
爆発音。はい、まともだった方が追い詰められ、爆死したというとこですね。
またLINEみたいな緑色のメッセージになっています。
059 2284年8月4日
おそらくだが、もう、どうにもならないだろう。
だが、我が生涯を懸けて得られたすべてが、そのまま水の泡に化すのは我慢ならない。
どうにか隠し通路で脱出した。
私以外、事務等にいた者は全員やられてしまった。
今はサウジアラビアのポータルへ転送した後に、途中で出会ったイマームと行動を共にしている。
かつて、賊国の地方軍に勤めた経験があるというので、用心棒として連れてきた。
心配は無用だ。何せ、元信者だからな。
あと、他の十二人のことも心配せんでいい。
どうせ、彼らなりの方法で脱出しているに違いない。
今、太平洋の洋上にいる。詳しい位置は後で送る。
通常の方法で見つからないように対策しておいた。まだ動かせるアノマリーを使ってな。
ほとんどの地域が陥落している今、対策をしないとすぐ所在地を特定されてしまう。
目的地は南極だ。南極に何があるか、まだ覚えているか。
通常大規模破壊兵器の保管庫だ。保管基地だ。
これあれですね、たぶんウージュ博士との特別会戦というか、他に見えない秘匿会戦みたいな表示なんでしょうね。
ってことはさっきのカタカナ、それが介入してきたことですね。
ウージュ…ウージュじゃない。もうめちゃくちゃだ。
059のフリをしていたわけじゃなく。
ウージュ、2284年8月4日。
先生、こちらは短期でどうにも包囲網を突破できません。
しかも相手は撃っても死なない体になっています。話によると代理人とやらに授かった厚き信仰のご褒美だとか。
半陰麻酔か催眠で何とかしてみます。
ただいま脱出しました。行方をくらませる手段がないので、追跡を撒くには全速力で走るしかありません。
あなたの所在地を暴露するわけには参りませんので、回り道をしているところです。
現在、大西洋の洋上にいます。
この方法で連絡を取るのはややこしすぎます。
表議会直轄の両子通信衛星はまだ使えるはずです。乗っ取られることもないし、盗聴される心配もありません。それを使いましょう。
なんかやりにくい通信方法なんだ。ウージュさんから見ても。
ここからテキスト、ログなんですが、ボックスの形がなんか破線になってますね。
点々になっているのは何か違うメールじゃない。
編集者による中期、以下は音声ファイルのテキスト転写であり、元の音声データを紛失している。
あ、音声ファイルのテキスト、データですね。
ウージュ博士、先生、まもなく基地に到着します。どうやら基地付近には正規軍や機動部隊が集まっているようです。
あ、一般人も大勢いる模様です。情報を聞いて駆けつけてきた健常者たちでしょうか。
059、今はまだ養生にいる。南極に行くことはまだ誰にも話していない。
おそらく世界政府上層部の連中が知らせたのだろう。あの12人に会ったらすぐに。
ドンキによるオーダー音。
ウージュ博士、先生、先生?
不明、059側からアラビア語。
我が教友たちよ、こいつをすぐそちらに連行する。
まだ観念していないということは、権力濫用の力をまだその身にまとっているということだ。
聖なる儀式に使えるぞ。期限はすぐそこにある。
0時を過ぎればこいつはもう用済みだ。儀式が成し遂げられしその時、御神音が御降臨するだろう。
ウージュ博士側から銃声、爆発音と遠くの喝采が聞こえる。
不明、ウージュ博士側。複数の言語による喝采や祈祷。
我が教友よ、来たれ、来たれ。
汝にも神の祝福あれ。我らと同じ誰にも侵されぬ肉体よ。
異端指導者の支持者たるウージュはすでに捉えられている。
異端指導者たる059がここに連行されれば、
御神音代理人様への最大の脅威たる二人は処刑されるだろう。
拍手、喝采、太鼓や爆竹の音。
教友よ、教友よ、これは傑作だ。ぜひ君にも聞いて欲しいぞ。
たかが人間ごときが捏造した自然法則なんて、
善能なる御神音代理人様にとって取るに足らないだろう。
こいつら、まさか漁師通信なら盗聴されないと勘違いしたのさ。
ハハハハ、偉大なる儀式に御中心で取決めを守らざるを得ない代理人様は
信仰力を使うまでもなく地球のアノマリーの一かけらだけで
こいつらの陰謀を破ったのだ。
ハハハハ。
大笑い。
2284年8月5日。南極基地。
アンタークティック082974000411F監視カメラ映像記録抜粋。
テキスト転写済み。
0時18分22秒。
ウージュ博士及びO5-9が拘束される。
59秒。周囲の天明教教徒は自称し、
一列に並び一本の翡翠の剣に各々の血液を滴らせる。
0時57分24秒。
血を滴らせる作業が完了。全員が不明の祈りを開始する。
1時3分19秒。
列先頭の一名が翡翠の剣を取りO5-9に切りかかる。
1時3分20秒。
剣がO5-9と約20センチメートル離れるところで止まり動かなくなる。
22秒。