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音声広告実験隊、今回もロボットスタートの中の人2名と外の人1名でお送りします。
さてさて、今回の内容について教えてもらってもいいですか?
はい。今回は7月最終週ということで、ここ1ヶ月の音声広告に関わる動きを10分で伝えられるかに挑戦してみたいと思います。
先月も行ったやつですね。
そうですね。引き続き弊社では、オーディオスタートニュースというメディアを通じて、1日2本から4本、月間で約40本から80本、音声領域に関わる記事を作成しておりまして、本日もその編集長である中橋を中心に進めたいと思います。
先月は話したりずに不完全燃焼に終わってしまったので、今回はできる限りコンパクトにお伝えできればと思います。
確かに今回も音声広告への思いがあふれすぎて、話が長くならないこともポイントになりそうですね。
日ごろの反省も含めて頑張ります。
さてさて早速ですけれども、以前の回でSpotifyさんの動きについて改めて取り上げますって話があったかと思いますけれども、この点からお伺いしてもいいですか?
Spotifyの動き
はい。ここ1ヶ月間のSpotifyさんの動きを取り上げた際に、ポッドキャスト部門の人材を2%程度削減しており、少しポッドキャスト戦略の立て直しを図られているんじゃないかというお話をさせていただきました。
最近のお話なので覚えております。
合わせて2019年に5000万ユーロ、これは日本円で約62億円になるんですけど、その金額で買収したポッドキャストスタジオのパーキャストという会社があって、そこの創業者であり、
Spotifyのトーククリエイターコンテンツおよびパートナーシップの副社長を務められていたマックス・カトラー氏という方が、2023年に入ってからSpotifyを退社されたということも、大きな方向転換を進められているのではないかというふうに考えています。
ちょっと待ってください。62億円という買収金額が気になって、その先の話が頭に入ってこなかったんですけれども、
世界的に見ると、ポッドキャスト領域はそういう規模感で動いているんですか?
アメリカの別事例になりますが、ポッドキャスト配信ネットワークのポッドキャストワンという会社があるんですけど、そこが若干スケジュールは延期になったものの、NASDAQの市場へ上場を近々予定しているという動きもあります。
NASDAQですか。確かにデジタル音声広告市場の市場規模を見ると、当然というのは当然なのかもしれませんけれども、上場企業が生まれるような状態なんですね。
ちなみに国を変えてイギリスにおいては、ビデオポッドキャスト製作会社のThe FedEx Studioというところが150万ポンド、日本円にして約2.7億円の資金調達をしたという動きもあります。
アメリカ以外も動きがあると。
イギリスのポッドキャストスタジオのSTAQというところもあるんですけど、こちらも累計ダウンロード数が3億回を達成したというニュースもありましたから、イギリスにはそれなりの勢いで拡大しているのかなというふうに思います。
少なくとも日本よりも先行していそうな感じですね。
ちなみに先ほどのビデオポッドキャスト製作会社のThe FedEx Studioの出資者は、VCではなくて、KSIもしくはザ・サイドメン、ウィリアム・レニーといった人気のYouTuberが名を連ねているようです。
これ、日本のYouTuberさんも、例えばTikTokですとか、インスタグラム、ツイッターといった、SNSですとか、その他の情報発信手段も併用しながら、ユーザーとの接点を深める動きがあるかと思いますけれども、今のお話をお聞きすると、そこにポッドキャストを絡める動きがあるがゆえの流れということですかね。
はい。ポッドキャスト等の音声による情報発信というのは、動画と比較すると編集等の作業負担も少なく即時性もあって、また何よりエンゲージメントも高めやすいということで、今後日本でもインフルエンサーや芸能人の方が活用していく可能性は高いんじゃないかなというふうに思っています。
また、この流れが来た際は、ポッドキャストをはじめとするインターネットを経由した音声発信手段というのは一般公にも認知されて、それをきっかけに大きく普及するということになるんじゃないかなというふうに推測をしています。
確かにその流れはイメージできますけれども、逆に言うと現状そのような使い方をされていないのはなぜなんでしょうか。
これは日本では聴取者がまだ15%と少ないという点も影響しているかと思いますが、一番の理由はポッドキャストのマネタイズの手段が確立されていないためだというふうに考えています。
しかし事例で言うと、YouTubeも最初否定的だった芸能人が最近では参入するケースも増えてきていますが、これも動画広告という市場が確立されたためだというふうに考えています。
確かにそうですね。
言い換えると、デジタル音声領域も広告市場さえ立ち上がれば発信手段として利用される方も増えて、コンテンツも充実するのかと思います。
この際、影響力のある方が活用すれば、ファンの方もポッドキャスト等に触れられる機会が増えると思うので、音声業界が大きく加速することにつながると推測をしています。
言われてみると、ブログ等のテキストメディアですとか、動画領域、SNS等もほぼ同じ流れでしたよね。
ですね。私もYahoo!時代を含めると25年近くになりますかね。
あっ、年齢バレちゃいますよね。
いやいやいや、いいじゃん。なんかこだわりますね、そこ。
音声広告のマネタイズとビデオポッドキャストの動向
インターネット、黎明期からこの流れを見てきてるんですが、この構造は大きく変わらないんじゃないかなというふうに思っています。
ちなみに少し話を戻しまして、今回イギリスで資金調達されたのは、音声のポッドキャストではなく、ビデオポッドキャスト制作に力を入れられてる会社ですよね。
そうなんですね。その会社のCEOのコメントとして、古いポッドキャストはやや飽きられている。
タレントと番組を中心にブランドを構築する上で、ポッドキャストのビデオは必須のものというふうにコメントしていて、そういう考え方なんだなというふうにちょっと驚きました。
ブランドっていうことを考えると、少しビデオもってことなのかもしれませんけれども、そもそもビデオポッドキャストに関しては、YouTubeが簡単に取り込める仕組みを作ったりですとか、
あと先日Spotifyさんも番組数が10万を超えたという発表されてましたよね。
この音声だけのポッドキャストと、ビデオポッドキャストの戦いと言いますか、どちらが市場を取るかっていう展開についてはどうなると予測されてますか。
これは結構難しい話になるんですが、今の時点では発信者の特性であったり、聴取者さんの思考によって使い分けがされていくのではないかなというふうに推測をしています。
また、GoogleさんであったりSpotifyさん等のプラットフォーマー側の事情というのも一部あるかと思いますので、ビデオポッドキャストが本当に聴取者に音のポッドキャスト以上に浸透するのかどうかは、まだまだ見守る必要があるのではないかなというふうに思っています。
プラットフォーマー側の事情もあるんですね。
はい、あると思います。
ちなみに弊社はポッドキャストのアドネットワーク運営という立場上、時代の流れを読み、ポッドキャスターさんとコープニッサーをつなげることがミッションになりますので、日々情報収集をしていますが、どちらの方向に進むかという点について、まだですね、会社としての予測は持ち合わせていないといった状況になっております。
おお、なんかちょっとだけかっこいいですね。
一方で、オーストラリアのオーディオ配信会社、ARNさんの研究機関であるニューロラボというところがあるんですが、神経科学を活用したポッドキャストの広告効果に関するレポートというのを発表したんですね。
これ、オーディオだけのコンテンツとオーディオビジュアルコンテンツに触れたオーディエンスが、どうコンテンツを受け取っているのかというのを神経科学の視点で比較した調査になっています。
まさに今の両者の比較ですね。
ちなみにどのような結果になりましたか。
とある有名な演説をサンプルに調査が行われたんですが、映像がある場合はビジュアルに気を取られてしまい、メッセージへの注意が減る傾向があった。
一方、音声だけの場合はメッセージに集中してより伝わることがわかったということなんですね。
人によって異なる気もしますけれども、全体感としてはわかる気もします。
ちなみにこの調査では、FacebookやInstagramなどのソーシャルメディア、動画のYouTube、そしてPodcastというこの3つのメディアの報告効果の比較も行っておりまして、
Podcast広告が態度変容に関する項目全てにおいて他のメディアは上回ったということが報告されています。
これは背景として広告がより親密に感じられるという要素が大きいようです。
確かに以前のホストリード広告の回ですとか、地下アイドルの回でも出てきましたけれども、
情報発信者との親密性と広告効果には深い関係があるんですね。
地下アイドルの回なんていうのはなくて、メジャーポッドキャストとロングテーブルのポッドキャストにおける広告効果の比較なんですけど、
大体言うとしてはそのとおりかと思います。
またこの調査の中でも、リスナーが声の主を知っているかどうかでエンゲリメントに大きな差異が出るということもわかっていたので、
エンゲリメントを重視する場合はホストリード広告が有効であると考えられます。
なるほど。いろいろお話してきましたが、そろそろ10分経ちましたかね。
もう10分経ちました?もっともっと語りたいことがあるんですけど。
番組外ならいくらでもお付き合いするので我慢してください。
ということで今日はこのあたりにしましょうか。
本日もお聞きいただきありがとうございました。
ありがとうございました。
音声広告に興味のある方、音声広告についてもっと知りたい方、こんな検証をお願いしたいという方がいれば、概要欄にあるリンクよりお気軽にご連絡ください。
それではまた。