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第320回アシカガキャスト
ウェブデザインに関する書籍のお手伝いの仕事をしました。
本のどのページにどういう内容が入って、どういう図版が入ってとかは全部できている段階で、
そこに入れる原稿を書く仕事を頼まれました。
サンプルのコードとかも書いたりしたんですが、ともかくお膳立ては全部できているので、
ここではこういう説明をしてねというところの内容を考えて書くという仕事でした。
この本ですが、HTMLとCSSの基本がゼロから身につきます。
で、知識ゼロでもウェブサイトがすぐ作れると歌っている本です。
今のウィズコロナ時代でネットの重要性とか大切さが改めて注目されていて、
自分でウェブサイトを作りたいというニーズがあるらしく、
自分で事業をやっている人が自分のお店だったり会社だったり、
自分のビジネスのためのサイトを作りたいという人がターゲットなんだと思います。
で、そう考えるとそういう人に1からHTML、CSSを覚えてもらうというのがアプローチとしてどうなんだろう?
モヤっとする部分は最初からありました。
今、HTMLの知識がなくてもウェブサイトを作る方法なんかいくらでもありますし、
麻婆豆腐の素を使えば豆腐を用意して切るくらいの手間で後は混ぜ合わせて作れるのに、
ニンニクを切るところから丁寧に教えているような感じかなと思ったんですね。
あと心配なのは本当にマスターできるのか、最後まで行き着けるのか、
途中でなんか面倒だし難しいからやめたと。
脱落することでウェブサイトを自分で作るということを諦めてほしくないなという思いもあるんですね。
で、ずっともやもやはしていたんですが、
そもそも前提としてウェブサイトを一人で作れると考えている時点で違うんじゃないかなということに気がつきました。
昔、個人ホームページというのが流行りましたが、
その頃は本当ウェブデザインというほどのデザインの要素もなかったので、
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htmlが書ければホームページが作れて、そういうページがいっぱいあって、
見る側もそんなもんだとデザイン的な面においては思って見ていたんですね。
今、全くの素人の人がhtmlとcssを覚えました。
じゃあウェブサイトを作りましたとなっても、他の世の中のウェブサイトと並んだ時に
遜色のないようなものを作るというのはまず無理だと思うんですよね。
確かにhtmlとcssは一人で覚えられると思うんですが、
ウェブデザインのデザイン的な面での知識とか、
まあよくデザインに関してはセンスとか言いますが、
基本アートではなくデザインはルールや知識を知っていればある程度はなんとかなる。
センスはそこまで重要じゃないと思うので、知識ですよねデザインの。
UI、UX、ユーザーインターフェース、ユーザーエクスペリエンスの知識みたいなものも欲しいですし、
今時のサイトはスマホで見ることも多いので、
パソコンでもスマホでも見られるようなレスポンシブという画面のサイズに合わせて
可変するような作りであったり、
更新していく仕組みを入れるにはCMSの知識だったり、通販したいんだったらECの知識だったり、
とhtmlとcssを覚えた先にもものすごくいろんなことが必要で、
それを全部自分のメインの授業がある中でそっちも全部覚えるとかなると、
もうスーパーマンですよね。
自分の授業もやりつつウェブデザイナーとかウェブ制作者と同じぐらいの知識を持たなきゃいけないと。
なので頑張ってhtmlとcssを覚えてもその知識は絶対役立つはずですが、
すぐに自分の授業を助けてくれる成果が上がるウェブサイトを作るというところとは繋がらないんじゃないかなと。
これは私が関わった本に限らずどのhtml&cssを学ぶという本でも基本同じだと思います。
ウェブデザインを仕事にしたいという人以外にとっては知識にはなっても
すぐに実践に結びつけるのは難しいと思います。
じゃあそういう人たちがもっと楽にウェブサイトを作れるためのアプローチについて
今後ポッドキャストだったりノーとか何かだったりで発信していけたらいいなと考えています。
今回は以上です。