日曜パーソナリティーのミドウさん、ヤギラさん、お疲れ様でした。
そして、アフターセブンをお聴きの皆様、山の日をいかがお過ごしでしょうか。
お盆休みで休日のあなたも、仕事だったというあなたも、みんなお疲れ様でございます。
本日は、あなただけのゲートも、東風天ウルフがお届けするアフターセブン、まもなくスタートでございます。
2024年8月12日月曜日、時刻は7時でございます。
毎日、多種多様なポッドキャスターが日替わりでお送りするラジオ番組、アフターセブン。
本日は、東風天ウルフがパーソナリティーを務めます。よろしくお願いいたします。
これまでのMA7では、ファイナルファンタジー14、レッドバイデイライト、ハロープロジェクト、人狼ゲーム、隣の妖怪さんというふうにですね、
サブカルをテーマに取り扱いますよというテーマのもとにやってきてるんですけれども、
割とね、マジで自分でも思うんですけど、コアな話しかしてきてないなと思ってるんですね。
僕からしたら、FF14もDVDもハロープロジェクトもかなりメジャーなコンテンツなんですけれども、
やっぱりね、なんて言うんでしょうか、普段からゲームもアイドルもアニメもあんまり興味ないですっていう方からしたら、
相当コアな話ばっかりしてると思うんですよね。
だからですね、本日のテーマはこちらでございます。
動物の森はRPGだった?
容量64分の1の衝撃と、その裏に隠された感動秘話。
アフターセブン!
アフターセブン!
アフターセブン!
アフターセブン!
もう相当メジャーなコンテンツだと思います。
サブカルの中のメインカルチャーと言っても過言ではないくらいのキラーコンテンツですね。
でも皆さん、このゲームなんとなく遊んでいるという方もいらっしゃるんじゃないでしょうか。
ちょっとコンテンツとしてはね、もう再生期は過ぎてしまってるんですけれども、
次期シリーズが出た時に知識マウント取れるくらいの内容を話していきますので、
本日もぜひご清聴くださいませ。
そもそもなんですけれども、この動物の森シリーズ第一作目となる動物の森というゲームは、
2001年4月14日に任天堂64で発売されたゲームでございます。
当時、僕は小学5年生だったわけなんですけれども、
当時のウルフ少年はこのゲームを夢中になって遊んだ記憶がございます。
さて、小学5年生のチビウルがですね、夢中になったこの動物の森というゲームなんですけれども、
俗に言う生活シミュレーションゲームというジャンルになってくるんです。
ただ、この動物の森というゲームは開発の段階では全く別のゲームとして開発をされていたということを皆さんはご存知でいらっしゃいますでしょうか。
動物の森シリーズが好きな方は、あーその話知ってるよという方も多いかもしれないんですけれども、
実はこの動物の森というゲームはそもそもがRPGゲームとして制作されてきていたんですね。
RPGゲームって何?っていう方がいらっしゃいました。
要はFFですよ。ファイナルファンタジーですよ。
第1回目のMA7でお話ししたFF14と同じようなもんですね。
ダンジョンと呼ばれるモンスターの要塞や洞窟なんかを戦いながら進む冒険シミュレーションゲームでございません。
動物の森も元々はそういったゲームとして開発されていたんでしょう。
だから初期の64の時代のね、動物の森の男の子女の子たちが、
まあ男の子はバイキングの帽子みたいなのをかぶってるんですね。
女の子の魔法使いみたいな三角帽をかぶってるんですけど、要はそういうことなんですよ。
ではなぜそのような方向転換を余儀なくされたのかは皆さんご存知でいらっしゃいますでしょうか。
そもそもこのRPGゲーム動物の森はですね、64DDというゲームでのリリースを前提に開発されていたゲームなんですよ。
この64DDって何それ?っていう方も多いと思うんですが、
64DDのDDというのはディスクドライブの略で直ディスク、いわゆるCD-ROMみたいなやつを使って、
ゲームを作ろうと任天堂も動いていたわけなんですよ。
今ではね、SSDがなんてだとかいう時代なんですけれど、
当時のDDは64MB。
もう今じゃ考えられないくらいに容量が小さかったわけなんですよね。
それでも当時の書き込み容量としてはめちゃくちゃ大きいというふうに考えられていて、
その最大64MBの大容量セーブデータを使って、今までにないゲームを作りたいという開発者の思いから、
動物の森かっこ狩りというゲームのアイデアが生まれていったそうなんです。
当時、動物の森シリーズのプロデューサーを担当していた方がテーマとして考えたのが、
他の人と一緒に遊ぶということだったそうです。
当時2001年というと、インターネットが少しずつ普及し始めたくらいの時代で、
これからはネットワークゲームの時代だ、なんて声がぼちぼち聞こえ始めていた時代なんですね。
それこそFF14とかの走りになるようなゲームがこれから出てくるかも、なんていう時代だったわけなんですけれども、
動物の森の開発プロデューサーさんが考えていたことっていうのは、少し違う考え方をされていたんですね。
それが、複数の人が時間をずらして一つのゲームを遊ぶ遊び方、というものだったんでしょう。
今の言い方だとちょっと伝わりづらいところがあるかと思うんですけれども、
そもそも動物の森開発プロデューサーさんは、当時ご自身の仕事はめちゃくちゃ忙しくて、
家族と一緒にゲームを遊ぶという時間が取れなかったそうなんですね。
仕事を終えて家に帰っても子供は先に寝てしまっている、なんていうのはザラで、
納期が近づいてくると子供と一緒に遊ぶなんてとてもじゃないけど無理っていう状態がザラだったそうです。
この辺はもうエンジニアのお仕事とかされている方なんかはもう分かり身しかないのではないでしょうか。
子供と一緒にゲームをすれば楽しいと分かっているんやけども、その時間がどうしても取られへん。
仕事やから仕方ないとはいえ、寂しいと感じていたお父さんの発想からこの動物の森というゲームは生まれてきたんですね。
つまり昼間はお子さんがこのRPGゲーム動物の森かっこ狩りを遊ぶじゃないですか。
そこでお子さんには少し難しいところや、何らかの事情で足止めをくらってお子さん一人では進めないような場所を作っておくんです。
お子さんもそこで自分が詰まっているよ、進めなくなっているよということを何らかの手がかりや痕跡を残しておくんですね。
ほんでお子さんが寝てる間にお父さんがお子さんの手がかりや痕跡を頼りに進まれへんかった場所の先へと進んでおいてあげる。
そうすることでお子さんもその先へと進めるようになるみたいなゲームを作ろうとしてたそうなんです。
これが複数の人が時間をずらして一つのゲームを遊ぶ遊び方というものになるそうです。
同時に遊ぶことはできへんくっても、お父さんとお子さんの間でこのゲームの中でのコミュニケーションが取れるじゃないですか。
これが動物の森というゲームの原点、始まりやったわけなんですね。
おいおい、これじゃ動物の様子はどこから生まれてきたねと思われる方いらっしゃるかと思うんですけれども、まあまあそう慌てなさんだと。
FFなんかはまさしくプレイヤー自身が勇者として遊ぶRPGゲームなんですけれども、
このRPGゲーム動物の森かっこ狩りというゲームはプレイヤーが非力なものにしたいと開発チームは考えていたそうです。
魔法も使えないし、力持つというわけでもない。
我々と同じごくごく凡人なわけです。
そんな主人公がどうやってダンジョンを進んでいくのか。
そこで動物の出番。
主人公の力でどうにもならないことというのは動物の力を借りて解決しよう。
そういったRPGゲームにする予定だったそうです。
動物に対してはあくまで簡単な指示出しをするだけで、
プレイヤーの手となり足となり働いてもらうためだけに動物は用意されていたんですね。
でもってこのプレイヤーが連れて歩く動物もみんな同じというわけではなくてですね、
自分とそれ以外の人で連れて行ける動物が違うようにしていく。
そうすることで自分が連れて歩いている動物の力だけではどうしても先に進めない場所というのが発生してくるわけですよ。
そうなって初めて他のプレイヤー、
つまりはお父さんや家族に助けてもらうというシステムになるように作っていたそうです。
ねえお父さんあそこ何とかしてよ。僕の動物だけやったら進まれへんねん。
っていうような具合ですね。
こうやってコミュニケーションを生ませることを目的としていたそうです。
こうやって開発が進められていったRPGゲーム動物の森かっこ狩りなんですけども、
なんとですねこの後64DDでは出せなくなるんですね。
超きつくない?
超きつくない?
2回言いましたよ。
結構システム要件とかフィールドとかいろいろこのゲームの土台となる部分の要件定義は進めていたそうなんですけど、
この64DDが出せなくなったということで最終的にRPGゲーム動物の森かっこ狩りは
任天堂64のカセットで出せないかという話へと方向転換をせなければならなくなっていたんですね。
この64DDで出せなくなった理由も結構ゲーマー界隈で有名な事件が絡んでいる話で、
なかなか面白い歴史がございますので近日中にアフセブ内でお話できればいいなと思っておりますので今回は割愛させていただきます。
しばらくお待ちください。
本当で申し上げましたが64DDというのは当時64MBという大容量が扱える拡張機器だったわけですよ。
でもそれでの販売ができなくなる。これまでと同じ任天堂64のカセットでリリースが必要ということは、
ゲームの内容に大幅な削減が必要となってくるわけですよね。
エンジニアさんのお仕事されている方とかプログラマーの方、ウェブデザインのお仕事なんかされている方からしたら、
この辺の苦悩の話って剥げる勢いでわかってくれるんじゃないでしょうか。
めちゃくちゃショックだと思います。
そこで開発チームはこのRPGゲーム動物の森のどの部分を残せるか、
残していきたい軸は何かと考えた時にですね、
プレイヤー同士が相互に絡める、互いに干渉することのできる構造だけは何とか残そうと考えたそうなんですね。
予定よりも大幅にゲームの容量が小さくなった任天堂64のカセットに、
どうやって収めることができるかと考え始めたそうです。
ちなみにですね、どのくらいの削減が求められたかというとですね、64分の1でございます。
64DDが64MB扱えるのに対して、任天堂64で扱える最大の容量というのは1MBですよ。
iPhoneとかの容量よりもはるかに小さいわけですよ。
えぐいですね、これ泣けますね。
そもそもこの64DDでリリースする予定のゲームというのは、
4つの広大なフィールドを用意していたそうです。
春、夏、秋、冬を表す4つの島があって、
その中に細かいダンジョンがあり、そこを冒険するという作りであったそうです。
ただ、いかんせんも64分の1に削減せないかんので、
そんな4つの島なんて入るわけないんですよ。
ほんならもう1個にしてしまおうと。
深いダンジョンもなし、広大なフィールドもなし、ギュッギュッと狭めていきましょうということになりました。
こうしてプレイヤーが暮らす村という概念が生まれてきたんですね。
しかし次の課題ですよ。
広大なフィールドやダンジョンを自由に駆け回るのが楽しいはずのゲームがこんなにも小さくなってしまった。
これじゃ冒険はちょっとでいいへんなぁとなってくるわけですよね。
ほな、いっそ冒険はやめましょうとなっていくわけです。
そこでね、またこのゲームが生まれた軸へと回帰していくわけです。
このゲームの目的、実現したいことというのはプレイヤー同士が一緒に遊ぶ。
時間をずらして一緒に遊べる環境の構築が目的でしたよね。
つまりこの軸だけを残してゲームを作ろうというふうに開発チームは決めていったそうです。
当初の予定よりもコンパクトになったフィールドでプレイヤーが何をするのか考えたとき、
動物の森シリーズのプロデューサーさんが思いついたのは自分の部屋を持つこと。
その自分の部屋をそれぞれ思い思いに飾って飾る材料もどこからか手に入れてくる。
その自分の部屋をプレイヤー同士で見せ合うのはどうかというふうに考えたそうなんですね。
ゲームの中に自分の部屋を持ってそれを飾るという行為自体はとても単純なんですけど、
プレイヤー同士がそれを見せ合ったり感想を言い合ったりすることで長く遊べるように作られているのがわかりますでしょうか。
一人で飾ってもそのうち飽きはくるんですけれども、家族や友達で見せ合ったりすることでお互いに刺激を得て、
次はこんな部屋を作ってみてはどうかとか、どんどんどんどんアレンジしていくわけですね。
この部屋を飾るというアイディアからどんどんどんどん派生をしていってですね、
動物の森シリーズではおなじみの通貨、ベルといった概念や家具を仕入れるための供給元である
たぬき商店などのアイディアがどんどんどんどん生まれていくわけですよ。
しかしですね、このままのシステムでは当初の目的であった遊ぶ時間差でのコミュニケーションは生まれてこないんですよね。
たとえ遊ぶ時間帯に差があったとしても、たぬき商店が24時間営業で購入した家具も即時補充という具合であれば、
自分の部屋のレイアウトも全く同じものを再現したりすることっていうのが容易ですよね。
だから誰かが購入した家具は即時売り切れとなるわけですよ。
お父さんが先に買った家具を家に飾ったりすることで、お父さんが買ったあの家具私も欲しいというようなコミュニケーションが生まれてくる可能性を残したんですよ。
さらにですね、昆虫採集や釣りといったものも深夜にだけ釣れる大物の魚や虫を用意しておくことで、
たぬき商店が閉まっていたとしてもレアな魚や虫をお父さんが捕まえてくることで、
お父さんすごいね!なんていうやりとりなんかが生まれてくるようにできてるんですよね。
全部さらっと紹介してしまってますけど、開発チームがどういう風に遊ぶ時間帯の差を利用すれば、
ゲーム内での差が生まれるのかというのを探して工夫していった結果なんですよ。
ゲームのカセット、つまりはセーブデータごとに地形や村の住民が違うのもこういうコミュニケーションを生むための秘策だったわけなんですよ。
それぞれのソフトごとに差別化をしていくことで、友達と遊んだときに初めて自分のゲームとの違いに気付く。
これね、当時相当画期的やったんですよ。
当時僕が小学5年生のときに遊んでいた最初期の村にはゼリーというネズミの女の子が住んでいたんですけれども、
その子に挨拶しに行きたいのに僕は見つけられなかったんですね。
で、近所の友達に電話して聞いたんですよ。
ゼリーが見つけられへん、どこおんの?ってしたらキョトンとされたんですよね。
当たり前なんですよ。
その子のカセットの村にはゼリーなんていうキャラクターは住んでないんですからキョトンとして当たり前なんですよ。
それまでセーブデータごとに地形や出てくるキャラクターが違うゲームなんていうものは僕は知らなかったんですよね。
だからめちゃくちゃ衝撃でした。
この動物の森というゲームは当時開発チームに所属していた人たちの苦悩を解決するために生まれてきたゲームと言えるんですね。
手紙や掲示板といったシステムもこの開発チームのお父さん方がお子さんとのやり取りを目的に生まれてきたシステムなんですよ。
お父さん方はお子さんとのコミュニケーションを取りたい。
そこで手紙の出番ですよね。
お父さん、今日はこんなことをして遊んだよ。だとか、お父さんの部屋に飾ってるあの家具欲しいな。とかね。
直接顔を見て声を発するコミュニケーション以外のコミュニケーションをゲームの中で取ろうとしたお父さんたちの工夫が手紙や掲示板といったものに結びついてるんですよ。
お父さんもなかなか一緒に遊べなくてごめんねなんていう手紙や掲示板の書き込みとともにですね、お子さんが欲しがっていたゲーム内アイテムをプレゼントして送ったりするんですよ。
動物の森の中での手紙や掲示板といったシステムは当時の開発チームがお子さんと一緒に遊んであげることのできない寂しい思いをしているお子さんへの罪滅ぼしの気持ちから生まれたシステムなんですよ。
そして実際に同じようなお父さんやお母さんがそういうやり取りをするのに使われたというケースが相次いだそうです。
この動物の森シリーズが大ヒットするキラータイトルになったのは最初からこういう遊び方を提供したいという軸がブレずに開発を続けられたからなのではないでしょうか。
そういうわけでですね、本日もそろそろエンディングのお時間となりました。
本日のアフターセブンはお楽しみいただけましたでしょうか。
動物の森シリーズは僕11歳の頃から漏れなくずっと遊んでるゲームなのでプレイ歴で言うともう23年ですか。
これはすごいことですよ。なかなかすごいですよ。大好きなゲームです。
この大好きなゲームのことをたくさん話せて皆さんに知っていただくことができて僕は今とても満足しております。
さて今回は感想のお便りをいただいておりますのでさらさらっと紹介いたします。
ラジオネームまだないさんからのお便りです。いつもありがとうございます。
東風邸ウルフ様、ウルフチューンのアフターセブン初回からプレ配信も毎週楽しみに拝聴しています。
7月27日はスミネコサポイズレディさんのアフターセブンでディズニー推しのゲストコールで絶対ウルフさん登場でしょうと思ったらやっぱり近藤月と連続でウルフチューンの声と語りが聞けて最高でした。
シャープ23人狼ゲームの序盤の立ち回り解説会を聞いて東風邸一問イベントにちょっとだけオブザーバー参加しただけでなんとなく雰囲気がわかった気がすると思ったのを撤回します。
騙し合い心理戦が複雑でポッカーンとしているうちに即処刑されそうとのことでございます。
嬉しいですね。さすがよね。ディズニー推しのゲストコールで気づいたのは多分まだないちゃんだけちゃうかなと僕は思っています。
サブカルについてはあんまり知らないと以前お便りをくださっていたので知らない世界の話ばっかりやろうに毎回楽しみに待っててくれるのはめちゃくちゃ嬉しい。