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昼と夜の境、黄昏時、大間が時に現れる不思議な生き物、不思議な現象、妖怪古伝。
この番組は、毎回一つの妖怪を取り上げ、語ってまいります。
さて、今日の妖怪は、
バケゾーリ。日本に伝わるツクモ神の一種で、室町時代の妖怪絵巻、百鬼夜行絵巻にも登場するゾーリの妖怪。
水木しげる氏による妖怪画では、大きなゾーリに手足が生え、鼻尾の付近に目玉が一つと、その下に口がある妖怪として描かれています。
99年使われたゾーリに魂が宿り、100年目に妖怪と化したとされます。
このバケゾーリ、仕事は主に捨てられた履物に宿った例の生理です。しかし、履物を粗末にする人間の家に懲らしめに来るとも言われています。
昔、和歌山城下のお屋敷で働いていた植木屋が、仕事の腕を褒められて、お屋敷から一足の立派な履物をいただいた。
喜んだ植木屋は早くこれを履きたいと、長年愛用していた履物を捨ててしまった。
その夜、妙に騒がしいので目を覚ますと、部屋の中をひゅんひゅん何かが飛び回っている。
それは捨てたはずのゾーリだったという、また他にも大事に扱われなかった履物が、
からりん、ころりん、かんころりん、まなぐ三つに歯二枚、目玉が三つに歯が二本、と歌いだしたという話もあります。
筑紋紙の話はいろいろありますが、長い年月を経ると、物は妖怪になると言われています。
しかしこの伝承の本質は、物は大切にしましょうということであると思われます。
少し話は変わりますが、花尾が切れると縁起が悪いという迷信があります。
これはかつて墓場への送列に参列する金針車やおかんの担ぎ手が、そのためだけのゾーリを用意して墓場に捨てていったそうですが、
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墓場の悪霊がゾーリを使って家に来ないよう、花尾を切って捨てていったという風習から来たと言われているそうです。
ある城下町に腕のいい植木職人がおりました。名前を松五郎と言いました。
今日は松五郎、日頃の仕事っぷりを褒められ、大きなお屋敷の主人に立派な履物をいただきました。
いやー、あの旦那はなんて気前のいい人なのかね。応給金だって結構いただいているのに、
お前の仕事は実に丁寧だ、ってこんな立派な履物をいただいてしまったよ。
家に帰り松五郎、今まで履いてきたゾーリをポイッとゴミ箱に捨ててしまいました。
その晩、松五郎が寝静まった頃、ゴミ箱がバタバタ暴れだし、中から古い使い古したゾーリが飛び出しました。
裏飯屋、松五郎、よくも捨ててくれたな。
な、な、なんだお前は。
なんだはないでしょう。今日まで履いていたゾーリに向かって、松五郎さんとはどこに行くにも一緒だったじゃないですか、それを。
確かにお前とはどこに行くのも一緒だった。
初詣も、お花見も、花火を見に行った時も、そうそう、箱根の温泉行った時もな。
それは私じゃない、前のゾーリ。
元カノみたいに言うなよ。しかしわかってくれよ。お屋敷の旦那から立派な履物を頂いちまったんだよ。
何立派な履物って。ジョン・ロブ?エドワード・グリーン?チャーチ?
なんでゾーリのくせにそんなに革靴詳しいんだよ。
それじゃ、ナイキ?アディダス?プーマ?
ねえ知ってる?アディダスとプーマって本当の兄弟が創業者なんだって。
なんの話だよ。
そんなのどうでもいい。私は松五郎さんと離れたくないんですよ。
わかった、そういうことなら。
後日
お館、何ですか?その腕にしている、藁で編んだみたいなのは。
これか?これはミサンガって言ってな。
なんかいいことあるらしいんだよ、つけてると。
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今日の妖怪話はいかがでしたでしょうか。
聞いたことがある妖怪にも意外な一面が垣間見えたのではないでしょうか。
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妖怪古伝、また来週の土曜日の黄昏時にお待ちしております。