よすみの様子見というわけで、漫画研究者の富山由紀子です。
よすみ編集部のポッドキャスト、よすみの様子見第5回目始まりました。
この番組は、よすみ編集部編集長のわらやさんと、私、漫画研究者の富山由紀子が、日々生まれ続けるコンテンツに飲み込まれる前に、一度立ち止まって、
すみの方からじっくり様子を伺いながら、次の一手を考えるという番組でございます。
さあ、今回も一緒に様子見していくのは、よすみ編集長、わらやさんです。今回もよろしくお願いします。
よろしくお願いします。
はい。
なんか、実は今日は収録2本目ということで、先ほどの収録、なんかいい感じに喋れたなと思うんですけど、どうですか?
2人して自画自賛ですね。
なんか、いい評価になったなっていう感じですよね。
怖くない批評ができたっていうのはね。
なんかちょっともう5回目なんで、かなりなんか僕らも、話し方が分かってきたと言いますね。
はい。
なんか、様子見の仕方が分かってきたということで。
今回もやっていきますよ。
はい。
なんだっけ、今日のテーマは。
今回はいじめっ子キャラクター。
ああ、そうだ。
ちょっとヒヤッとする。
燃えそうだ。
いじめっ子キャラクター、確かにね。
でもまあ、いますよねっていう、ありとあらゆるフィクションの中には、そのいじめっ子の機能をね、持っているキャラクターっていうのがいると思うんですけど、
どうします?一応定義とかしてみます?この放送の中で。
いじめっ子キャラクターとは、主人公に対して、特に主人公に対してですかね。
ある意味、敵みたいな感じで立ち上がったりとか、非常にストレスを与えるようなことをするキャラクターとして、機能して。
具体で言うと、ドラえもんのジャイアンとかは、いじめっ子キャラクターの代表になるのかもしれないですね。
ただ最近は本当なんか、本当にマジで犯罪だろうみたいないじめをするキャラクターとかいたりとかして、
そのキャラクターをいじめっ子を制配していくみたいな物語とかも最近流行ってますよね。復讐者と呼ばれるんですけど。
なるほどね。明らかに悪いですよ、いじめっ子ですよって人を出しておいて、さあこの人にどうやって復讐するのか。
古典で言うとあれですね、モンテクリスト博みたいな。
エドモン・ダンテスはもう本当なんかいい奴だったのに、3人の悪い奴の策略にハマって盗獄させられる。
でもなんかそこで修行して3人にめちゃくちゃ最高の復讐をするみたいな、あれがもう土定番ですよね。
あれをこう漫画にしていくみたいな、そういういじめっ子キャラクターとは何かとか。
あとはなんか最終的に仲間になるけど最初はこうすごいいじめ的なことをする。
ドラゴンボールのベジータとかもちょっと該当するのかな。
ちょっと敵なんであれなんですけど。
そういう何ていうか加害するキャラクターでございますね。
わかりました。じゃあ今回はそのようないじめっ子キャラクターの
良し悪しを語るというよりはフィクションの中でどのように機能をしているかっていう。
だってそういう配役なわけじゃん。
そうですね。
そういう俳優さんがいるみたいなことじゃない。
せっかくその配役が決まっているなら思いっきり嫌な奴は嫌な感じで動いてもらった方がいいわけで。
そうですね。
なんかそのあたりの機能性の話みたいなのができたらいいかなと。
そうですね。
思うんですが。
特にやっぱ学園モノとかはこういうキャラクターがいないとやっぱりこう主人公が窮地に立ったりとか。
そういうこうなんか物語的な起伏が出てこなくなったりとかするんで。
やっぱ必要なのかなっていう気もしますよね。
我優さんはまあ長々と少女漫画の編集をやっていたキャリアがあるじゃないですか。
やっぱその少女漫画的ないじめっ子は数々ご覧になってきたでしょう。
でも僕がいた本当に2029年か20年あんまりやっぱそのいじめっ子を描くっていう時流はちょっとなりを潜めてたかもしれないですね。
面白い。
はい。
なんかやっぱいじめっ子の話を読むのがもうストレスって感じ。読者さん的に。
そうですねストレスもあったと思うしそのなんかやっぱりなんだろう例えばこういきなり顔にこう水をパシャーってかけるみたいな。
なんかもう古典的なやつはやっぱ古いってなっちゃうのかなっていう風なのと。
今その現代を照らし合った時にやっぱそのなんか例えばライングループに入れないとか。
要はこう裏で仲間合わせにするとかちょっと描きにくいみたいな。
物語としてはちょっとつまらないというかそれを描いたとこで。
まあそうですねまあつまらないもあるしやっぱ描きにくい。
なんか多分その複雑化してると思うんですよ。現代のそのいじめみたいなもの。
リアルワールドの方のいじめがね。
例えばそのドラえもんの時代のジャイアンとかってあの殴ったり蹴ったりとか仲間外れとかにするんですけどいわゆるなんていうかその伸びたの尊厳を傷つけるまではいかないじゃないですか。
まあそうね結局ご近所さんとしてまた付き合っていくからね付き合っていけるレベルでのいじわるしかしてないといえばしてない。
自分の野球の誘いを断ってつまんねえからお仕置きしようみたいな。
そういう感じじゃないですかいじめっ子っていうのは。
でまあ乱暴者だからなんか気に食わないことあったら殴ったりとかするみたいなのがまあ昔のいじめっ子像だと思うんですよね。
それがやっぱだんだんちょっとなんていうかこう多様化したっていうか多層化したみたいな感じがある気がして。
レイヤーがいろいろあると。
ゆえになんかあんまりそうなんていうかこうシンプルな暴力をするっていう描写にリアリティがなくなってきちゃったっていうのがまあやっぱ最近は結構あるのかなっていう。
ゆえになんかそこをこうもっとそこにフォーカスして当てるっていうことでいじめ復習系漫画みたいなのが出てきたと思うんですよね。
そのあんまりこうなんていうかがっつりいじめられてそれを強い主人公が強いパワーとかを手に入れて復習していくみたいな。
いじめをちゃんと描写するみたいなドラえもんみたいないじめっ子キャラがいてみたいなデフォルト化されたいじめっ子はちょっと今出しにくいんじゃないかなっていう。
感じは少女漫画やりながらも思ってた。
ヒロインをいびるキャラクターって現代物においてもなんかちょっと難しい。
なんか嘘っぽくなっちゃうんですよね。そんなやついるかよみたいな。
逆にそのファンタジーになるとめっちゃ出しやすいです。
まさに悪役例上系とかそうですよね。
もう悪役っていうのがいることで成り立つんでファンタジーって。
確かに。
要はファンタジーって古典世界なわけですよ。
だから古典的な行動をやってもらった方のがその作品の説得力が増すっていうのがファンタジーで。
確かに。
現代はやっぱりリアリティに近づいていくっていうのがいいっていう。
結構少女漫画でもファンタジーとやっぱり現代物だと力学が違うし。キャラクターを作る力学とか。
なんでいわゆるザいじめっ子みたいなのはやっぱりファンタジーで作りやすい。
あー面白いなぁ。
ですね。やっぱり少女漫画編集者としての肌感としては。
なんで結構キャラクターを作るってなった時にはファンタジーを選びがちかなぁとは思いますね。
了解です。
ファンタジーの話が出たのって、最近僕はウィキッドやってますよね。
元々ミュージカルで、今映画をパート2最終章やってるんですけど。
僕はウィキッドを非常に大号泣しているわけなんですが。
この前その会社で最新のウィキッドパート2が上映されるんで。
去年、ちょうど1年前にパート1を見直そうという会をですね。会社のオフィスでやりまして。
いい会社ですね。
いい会社ですよね。みんなで見たんですけど。
なんかやっぱ初めて見る人もいて。
グリンダっていう良い魔女。
ウィキッドを簡単に説明すると。
してほしい。私1秒も見てないから。なんか2人いるなっていう。
なんか2人います。
なんか2人いるなっていうレベル。
ウィキッドっていう。まずウィキッドは悪い魔女って意味なんですね。
オズの魔法使いの二次創作的な感じの話なんですよ。
オズの魔法使いだとカンタスから来たドロシーが
オズの国で仲間たちと一緒に悪い魔女を成敗するっていう話なんですけど。
その悪い魔女がウィキッドで。今回のウィキッドっていう作品の主人公なんですね。
西の悪い魔女と
オズの魔法使いだと南かな?南の良い魔女がメインかな?
ちょっと来たか忘れちゃったんですけど。いるんですよ。
で実はこの2人は
良い魔女と悪い魔女は昔学友で
強い友情で結ばれてたんじゃないかっていう二次創作なんですね。
同じ学校に通ってた時期があると。
そのドロシーが成敗した悪い魔女は実は本当はいい奴だったのに
いろんなNTUで悪い魔女に仕立て上げられちゃったんだっていう
家庭の話になるんですよ。
面白いね。なるほど。
なのでパート1はまずウィキッドという
エルファバっていう緑色の肌の魔女がいるんですけど
彼女とグリンダ。当時は本名はガリンダなんですけど
ガリンダの2人の大学時代の友情を描いたのがパート1なんですね。
パート2はパート1で
エルファバは強い魔力を持ってるんですよ。
その強い魔力をオズの偉い人たちに利用されようとしてたの。
やだ政治利用じゃん。
政治利用されるのはやだって言って
反抗したらめちゃくちゃ悪い奴に仕立て上げられて
最悪。
こいつらを殺そうみたいなムーブメントが起きたのがパート1なんですよ。
悪い魔女になっちゃいましたまでは描くのがパート1。
パート2は
グリンダ逆に
良い魔女として崇められる
アイドルになっていくんですね。
彼女は魔法を使えないんですよ。
だから完全にプロパガンダ的に使われていくわけですよね。
みんな国民たちは良い魔女を崇め
悪い魔女を倒そうみたいな。
あまりにもわかりやすすぎる
二項対立みたいなのがあることを
本人たちは知っててちょっと嫌だなみたいに思ってるってことですね。
最終的にパート2は公開中なんで差し控えるんですけど
同盟局があったりとかして
二人の友情はどうなっていくのかっていうのがパート2なんですけど
パート1は
二人の友情で大学で出会うんですけど
このガリンダは
いわゆるパリピ妖怪みたいな感じですね。
セレブお嬢様みたいなキャラクターなんですよ。
みんながガリンダを慕って大好きみたいな。
入学した時に下っ端がたくさんいるみたいな感じの
そういうお嬢様キャラなんですよ。
魔女になりたくてみたいな野望も持ったりとかしてる。
一方のエルファバは
緑色の肌だから周りから気味が悪い。
お父さんからもめちゃくちゃ意味嫌われてるんですよ。
超かわいそうじゃん。
それこそ前回話した
イグアナの娘みたいな感じで
とにかくもう
愛されない。
妹がいるんですけど
妹は緑色の肌とかじゃないんですけど
生まれつき足が悪くて
妹の世話もさせられてるんですよね。
何かあったら
めっちゃ萩本っぽいじゃん。
妹のことは出来合いしてるんですよね。
お母さんは妹を産んだ時に亡くなってしまったんですけど
お父さんはその事情をとにかく出来合いしてて
長女は
何かあったらお前のせいだぞと。
出来て当然みたいな感じでしょ。
その大学ももともと妹だけが入学するはずだったんですよ。
なんですけど
エルファバにはその生まれつきものすごい魔力が秘められてる。
のでそれに目をつけた
静大学の学長が
入学させたいみたいな。
あなたとレッスンしたいみたいな感じで
特別入学するんですよね。
特待生だ。
なんですけどもともと
入るつもりがなかったんで
ガリンダは親の金持ちの特権で
個室だったんですけど
相部屋になっちゃうんですよね。
でも2人ともすごい反発して
憎しみを持ってるっていう
デュエットソングがあるくらい大嫌いだみたいな感じで
その後ガリンダはちょっと嫌なやつなんですよ最初。
いわゆるいじめっ子。
ちょっとジャイアンっぽいいじめっ子で
エルファバに嫌なことをする。
出てって欲しいから個室をね。
すごいダサい黒い帽子みたいなのがあって
彼女にエルファバに渡すんですよ。
あなたにとても似合ってる
これはもう素晴らしい帽子で
これでパーティーに行ったらめっちゃモテるよみたいな感じで
渡したんですよ。
エルファバはすごくパーティーに行くのも初めてだから
めっちゃ喜ぶんですよ。
ありがとうみたいな感じで
いがみ合ってるのに
エルファバは心が純粋なんで
シンプルに喜ぶんですよ。
疑わないわけです。
疑わないんですね。
でもガリンダは仲間の人とひっそりして
ギャー笑ってんすよ。
うわ嫌だ。
あいつ恥かくぜみたいな感じで。
なんですけど
ガリンダから優しくされて
エルファバは心をちょっと変えるんですよ。
彼女はいい人なのかもしれない。
それで学長に頼んで
彼女は魔法使いになりたがってるから
一緒にレッスン受けさせてください。
それを受諾しなければ
私はこのレッスンから降りますまで言うんですよね。
マジ?めっちゃ友達思いじゃん。
めっちゃ友達思いになるんですよ。
で、実際パーティーに行ったら
めちゃくちゃ笑い者にされちゃうわけですよ。
最悪だよ。
黒い帽子をかぶって
ザ・魔女みたいになって
みんなから何やあいつ
クスクスみたいな感じで笑われて
すごい辛い気持ちになるんですけど
みんなの笑い者を無視して
一人で踊りだすんですよね。
え、かっこいい。
何やあいつみたいな
変な踊りみたいな感じ
みんなからいじめられてて
でもガリンダもその話も聞くんですよ。
学長から
実はエルファバから
強い要請があったから
仕方ないけど
あなたもレッスンに来なさいみたいな
でも私はあなたのこと嫌いです
みたいなことを言われるんですけど
それでちょっとはっ!みたいな
私はいじめたのに
彼女はそれを好意として受け取って
こんなことまでしてくれたみたいな感じで
でも笑われてるんですよ。
で、ガリンダも一緒に
変なダンスを踊って
周りからやめろみたいな
なんで同調して一緒に踊るんだ
みたいな感じでやられるんですけど
構わずに踊って
そこから2人は親友になるんですね。
そこから2人の
厚い友情の話が展開されていくんですけど
これを見終わった後に
何人かの人は
いや、わかるけど
私はグリンダを許せないです
って言った人でした
すごく面白いなと思いまして
確かに
嫌な奴なんだよね
嫌だったじゃん!
いい話に丸めてんだ!
みたいな風に思ってて
そうだね!とは思ったんですよ
エルファバ側で見たら
マジで嫌な奴なんだよね
だし、傍聴渡瀬っていうのも
グリンダサイドからしたら
すごくいじわるというか
いじめでやってることだもんね
積極的な介入およびいじめだからね
でもグリンダも
エルファバのことが気に食わない
みたいな感情はありつつも
なんていうか
ちょっと遊びのつもりでやったみたいな
よく言うやつ
よく言うやつを
やるわけですよね
それなんですけど
それは自分の中の行いとしては
良いわけではなかった
っていうところに気づくのと
なんていうか
エルファバの孤独みたいなものに
触れてしまうんですよね
グリンダは
自分は今まで孤独を感じたことが
なかったから
究極の陽気なわけだもんね
何をしても喜んでくれる
みんな愛されて育ってるんですよ
だからその
愛されてなさすぎて
自分がいじわるであげた帽子さえも
彼女はありがたがる
それにちょっとハッとするわけですよ
みたいなところでちょっと
グリンダの戒心が始まってきて
パート1終わった段階だと
やっぱりまだ
とは言えこいつやなやつなんで終わるんですよね
やっぱ馬鹿なやつだな
みたいな
パート2はそこがより
今度パート2は彼女の成長になるんですよ
グリンダの成長に
フォーカスされていくんですよね
彼女は良い魔女であるということと
自分が本当に良いことを
したいっていうことの
葛藤がすごく行われて
婚約したフィエロっていう王子がいるんですけど
彼はあろうこと
エルファバと駆け落ちしてしまうんですよ
マジ?
少女漫画みたいな展開もあるんですね
なんで駆け落ちしたんだろう
みたいなところから
彼女は自分はいい
魔女になりたかったんだけど
思ってたのと違うけど
魔女にはなれたわけだから
思ってたと違うけど
この現実を受け入れようみたいな
歌とか歌うんですよ
思ってたのと違うという感覚があるんですよ
私はこんな形で
良い魔女になりたいわけではなかったけど
でもみんなから良い魔女と言われるなら
その役割を全うしよう
みたいな感じのことを言うわけですよね
そういうことをしてたら
恋人駆け落ちしちゃうんですよ
親友と
なんなんだろうこれみたいな感じになるんで
自分の持ってた加害性だったり
とか自分が持っていた
能力性に
ちょっとパート2は自覚的になっていくんですよね
軽い気持ちでやってた
あれとかこれとかそれとか
マジでダメだったんや
なぜダメだったのか
それは良いことではないから
良くなるにはどうすればいいんだろう
この作品は
良いこと悪いことっていう
二項対立
みたいなものが
一つすごく大きいテーマになってるんですよね
だから最後パート2の
すごく良い名曲の
原題がFor Goodなんですよ
良くなるためにはっていうことなんですよね
良くなるためにお互い
頑張ってきたけどっていう話なんですよね
だからこう最初
グリンダは本当に良くなかったんだけど
それがこういろんなことを踏まえて
本当に良い魔女になるとは
みたいなことを学んでいく話でもあるんですよね
だからパート1を
見終わった後に
このいじめっ子は許せない
と思うのはすごく分かるんですけど
通してみると
自分の中である意味
意識的にする加害性と
意識的にできない加害性があると思って
その両方に気づく
みたいな物語ではあるんですよね
っていうのがすごく
いわゆるTheいじめっ子
みたいな感じのキャラクターを
付与されてたグリンダという
キャラクターがやっぱり
物語を通して
本当に良い人になるためには
みたいなことをやっていく
っていう物語なんですよね
だからいじめっ子はやっぱり