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この時間は日替わりコメンテーターによる解説で日々のニュースを掘り下げるブラッシュアップ。毎週火曜日は日経BP、日経エネルギーネクスト編集長の山根小雪さんです。
山根さん、おはようございます。 おはようございます。
さてさて、今日は? 今日は、新年なのに。
なのに? なのに、とても前向きな気持ちにはなれない残念なニュースを解説しにスタジオにやってまいりました。
どれだろう、なんだろう? そんなにたくさんありましたっけ?
いや今日はですね、結構シリアスな話なんですけども、中部電力浜岡原発であった不正なんですよ。
ちょうど再稼働の審査中だったんですけどね。 311で地震が起きて、東電の福島第一原子力発電所事故で全国の原発が止まって、今まで実はいろんな不正だったりとか不適切なことってあったんですよね。
例えば、この間再稼働が決まった東京電力の柏崎刈羽原発でもいろんなことありましたしね。
でもね、今回明らかになったこの浜岡原発の不正は、ワーストナンバーワンじゃないかなと。
極めて悪質。 極めて悪質だし、我々の命を脅かすような本当に深刻なところで不正をやってしまったと。
やってしまったというか、意図してやったということですね。
これはちょっとなかなか厳しいなと思っていたら、原子力規制委員会の山中委員長が1月6日の定例会議に出るときに、
山中さんってどっちかっていうと、私のイメージでは以前までの従来までの規制委員会の委員長よりは原子力を動かしていこうという気持ちを持って就任された方だったんじゃないかなと思うんですけれども、
その山中委員長が明らかに捏造、安全規制に対する暴挙だって言ったりとか、安全確保という最大の責任を中部電力自ら放棄した前代未聞の事案だと言ったり、審査は全てやり直しだということまでその会見で明言されたと。
白紙ってことですもんね。 白紙ですね。
怒り浸透って感じでしたよね。 怒り浸透でしたね。
もう本当に規制委員会にとってみると、これ不正があったのは2018年なんですよ。
7年前ですよ。
規制委員会この7年間、やる意味のない不正なデータに基づく審査に膨大な酵素を割いてきた。
しかもやり直し。全く意味がない。
その安全を守って原発を動かすっていうこの理念に全くもって排出することをやっていたっていう。
いやこんなことあるんだというようなことなので、これはですね、浜岡原発っていう場所の特性も非常に大きく関係するので、
まず浜岡原発ってどういうところにあってどんなものなのかっていうのをお話ししたいと思うんですけれども、
中部電力にとっては唯一の原子力発電所なんですね。
場所は駿河湾に面した静岡県尾前崎市。
もう駿河湾のくりっとへこんだ立場にありますね。
5機あって、1,2号廃炉で3,4号機が可動に向けた審査中という状況だったんですよ。
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浜岡原発っていうのは東海地震の震源域の真上にあります。
東海地震っていうのは最近言葉としては聞かれなくなったなと思うんですけれども、南海トラフ地震の一部ですね。
震災の前までは東海地震って言ってましたからね。
南海トラフ地震は南海トラフを震源とする地震で、発生する場所によって昔から使ってた名称があって、
浜岡原発の場合は東海地震ですね。
これ規範島とかのあたりだと東南海地震だったりとか、四国だったら南海地震って言われたりとかします。
大きく3つの地震の総称が南海トラフ地震。
東日本大震災の時は津波発生が、地震が起きたから30分後なんですよ。
ただこの東海地震の場合は震源域が陸地にすごく近いので、地震発生から5分から10分で大津波が来る可能性があるというふうに言われています。
これ世界で一番危険な原発だというふうに海外のメディアが報道したりするぐらい、やっぱり地震と切っても切り離せないのが浜岡原発なんですよ。
ということはそれだけ地震に対する規制としてしっかりしとかなきゃいけないということですね。
そうおっしゃる通りです。
日本で一番厳しく地震と向き合うべき原発です。
この原発っていうのは3.11の後、当時の民主党政権で海江田万里さんが経済産業大臣だった時に、こんなに危ない原発はとにかく一旦止めるべきだということを言って、
当時の菅直人首相が政府として運転停止を要請した唯一の原発なんですよ。
3.11の後っていうのは前期停止したっていうやっぱりあるじゃないですか。
そのきっかけがやっぱり浜岡で、浜岡は命令じゃなくて要請だったんだけれども止めました。
もう止めざるを得なかったあの時の国内の状況を考えたら。
その後、次々とその定期点検、期日を迎え定期点検に入った原発が新しい審査に合格しないと再稼働できないっていう今のルール運用になっていって全部止まった。
言い換えると前期停止、要はその地震が起きたエリアと関係ないエリアの原発まで全部止めたきっかけがこの浜岡の地震に対してのリスクの高すぎる状況だったって言えるぐらい、
やっぱり日本の中ではすごく、地震といったら切り離せない存在なんですよ。
今はね、防波壁、防ぐ波の壁って書いてるやつが1.6キロ沿岸部にあるんですよ。
これ、どれぐらいすごいかって言ったら、私ね当時これ取材した時に、これ何百年か経ったら世界遺産になっちゃうんじゃないかなって。
現代の万里の頂上みたいな感じです。22メートルの壁が1.6キロ沿岸部にずらーっと繋がってるんですよ。
異様な光景ですね、ある意味ね。
作ってた時はコンクリートを運ぶローリーが敷地内に入るために何キロもずっと道路を埋め尽くしたって。
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それぐらい凄まじい工事をやった。
これもやっぱり震災の後に、浜岡に来る地震、津波の高さは今まで10メートル、15メートルって言ったけど、20メートルぐらいまで来る可能性があるから壁を作ろうと。
10メートル、15メートルは対策してあった。
で、これは今は28メートルまでかさ上げするということになってます。今の審査の中ですね。
要は非常にコストをかけて、ものすごい時間とお金を、中部電力をかけまくって、ここの最下道に向けた審査をやってた。
で、今回の不正は何だったのかっていうことなんですけれども、基準地震動って言われるものを不正に定めたっていうことなんですよね。
基準地震動っていうのは、耐震設計するときに一番基準となる揺れのことなんですよ。
つまり基準地震動ってのを決めたら、この基準地震動は決めているぐらいの地震の揺れの強さだったり長さだったり揺れ方に耐えられるように原発を作りましょうっていうことです。
これを自分たちの都合のいいように決めた。
つまり本来だったら、東海地震の震源地の真上で来る最大の揺れや最大のその強さ、長さの地震に対して、耐えられないものを設計上OKとした可能性があるんですよ。
で、報道では過小評価したっていう風に言われてますよね。
地震関連の専門家とかが、まだ審査の中身はわかってないから、過小評価なのかどうかわかんないみたいなことを言ったけども、相当やばいことやってるのは間違いないって言われてます。
だから、どういう風に基準地震動っていうのを決めたのかっていう決め方の中身はこれから明らかになっていくんだけれども、少なくとも自社都合の基準地震動にしたということは間違いない。
たとえば、それを過小評価したんだとしたら、それだけそれに備えるコストは抑えられるとか、そういうメリットなんですか、企業側からすると。
もちろんですよ。だって、さっきの防波壁、28メーター必要だっていうのは、津波が25メーターまで来る、これだけ大きい地震が来たら津波が25メーターまで来るから、壁を28メーターにしてくださいって話ですよね。
25メーターまで来るっていう、この基準となっているものが基準地震動なので、本当は25メーターじゃなくて30メーター来るっていうものを25メーターに見せてたかもしれない。それはわかんないですよ。
なので、ここまでも少なくともめちゃくちゃコストかかってます。それだけの浜岡原発を犯すためのコストはもうすでにむちゃくちゃかかってるんだけども、本当に厳しいデータだとすると、もっともっと対策工事のお金がかかるし、時間がかかるし、動かない。
しかも中部電力にとって唯一の原発なので、これが動かない限りは中部電力は原子力がない状態がずっと続くっていうことですね。給電とかが限界があったり船台があったりするのとは全然状況が違います。形状のですね。そんなこんなですね。これはもうなんでこんなことをやったんかなって感じですよ。
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しかもこれよくないことによくないことにっていうか、出ている報道を見る限り私は組織ぐるみだというふうに思います。というのは、2025年2月ですね。去年の2月に内部通報ですよね。規制委員会に情報提供があって、規制委員会が調査を始めました。
その後、規制委員会は中部電力に面談をしたりとか資料を出しなさい。社内調べてきなさいということを言って、中部電力の社内調査で関与した社員が意図的な選定や過小評価を認めているということなんですね。これに中部電力のその社内調査で明らかになったもう一つのことは、社内でこのやり方はこういうことをやっていることに対して問題する声は上がっていたと。だけどもその後も不正声が続いていたということですね。
関係者は20人30人いたというふうに、この基準自信度を決めるところに関わっていた人たちは数十人いらっしゃったので、しかもこのやり方はまずいんじゃないかという声も上がっていたけれど、そのまま続いていたということは、これは誰か単独で一人でやったとかそういうことではなくて、組織が関わっていた。
組織は少なくともその状況を複数人が知っていたけれど、それを是正することはできなかったということですね。年末に中部電力が規制委員会に不正があったということを報告して、その時点で審査は中断ですね。
今年1月5日になってから中部電力は記者会見をして、その後のさっきの山中委員長の厳しい言葉のあった会見だったりとか、報告聴取という春までに何があったのか全部報告しなさいということを言っています。なのでこの過程の中で明らかになってくるかなと思います。
まあこれ。
まあでもいずれにせよそういったデータに不正があったとして、やっぱりコストがかかるとか、企業側の都合を優先して安全を後ろ回しにしたというかね。
もう田畑さんの言う通りだと思いますね。
そういうことですもんね。
それってやっぱり原子力においては絶対ダメじゃないですか。
一番やってはいけないことですよね。
一番やってはいけないことだと思います。本当に。これやっぱり福島第一原発の事故が起きたときにどういうことが起きたのかっていうことを思い出してみたら、あそこの周りに暮らしていた何万という人たちが自分たちの大事なふるさとを失っているわけですよね。
まだ帰れてない人がね。
まだ帰れてない方がいらっしゃる。
もう全く福島の沿岸部の人たちの生活ってのが変わってしまった。それだけ大きな影響がある。
しかももしかしたらもっと早くに津波が来てしまうかもしれないというリスクもあるということが言われている場所でこういうことを何十人もの人がもしかしたら知っていたかもしれない中でやっていて、何年もその間違ったデータに基づいた審査をやらせていた規制委員会ですね。
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あまりに罪深くてですね。
これやっぱり最近になってやっぱり原子力って、例えばAIがねこれだけ普及してきたら電力が必要だからとか電気料金を下げるためにとかいろんなことを言いながら高市政権もすごく後押しをしながらやっとの思いで東京電力の柏崎刈輪が動くとか北海道電力の止まりが動くっていうこういうちょっとなんとなく地震から東日本大震災から15年が経って原子力もうちょっと使っていこうかみたいな機運が国内にあるわけですよね。
完全に冷や水ですよね。
これね、中部電力は去年の秋にも安全対策工事の手続きの不正発覚してるんですよ。
カルテルなんかの話もあります。
なのでですね、やっぱりこの電力会社のガバナンスの問題っていうのはかねて指摘されているけどやっぱりまだまだ根深くあるし改善していかなきゃいけないしこの浜岡についてはやっぱり再稼働はちょっとかなり遠くなってしまったと思いますけれども、襟正して全部つまびらかにしてもらってもう1回取り組んでもらわない限りはとても動かせない状況だなと思います。
信頼の壁の方が積み上げるのは相当大変なんだっていうことを再認識をしようと思いますね。
ということでこの時間は山田沙耶紀のブラッシュアップをお送りしました。
山田さんありがとうございました。
ありがとうございました。
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