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毎週水曜日のこの時間は、山根小雪のBrush Up。
さあ、山根さん、今日はどんなテーマでしょうか。
今日は、昨日発表された今年のノーベル経済学賞を取り上げたいと思います。
今年は、ハーバード大学のクラウディア・ゴールディン教授が受賞しました。
経済史と労働経済の専門で、男女の賃金格差の要因だったりとか、労働市場における女性の役割を研究している研究者なんですよね。
ノーベル賞の先行委員長は、労働における女性の役割を理解することは、社会にとってとても重要だと。
ゴールディンの革新的な研究で、どうして女性の今の状況があるのかという要因だったりとか、今後どういうふうにこれに対応していくべきかということを知ることができましたというふうに、受賞理由を説明しています。
すごく有名な経営者なんですよ。アメリカの経済学会の学長なんかをずっとやっていて、IMF国際通貨基金が経済学者を紹介している期間史で、2018年に経済における女性の役割を研究した第一人者というふうに称えているんですね。
ノーベル経済学者は女性受賞者3人目です。3人目なんですけどね、単独受賞はゴールディン教授が初めてなんですよ。
多様性が訴えられている今のこの時代。労働史上の男女格差は依然として残っているよね。これって何でなの?ということを突き止めたこの教授が受賞したって、やっぱりノーベル賞って時代を反映してるなって思いますね。
今日はですね、このゴールディン教授の研究ってどんなものなのかっていうのを、ちょっと昨日発表されたばっかりなんで、ざざっとですけど解説をしたいなというふうに思います。
すごくタイムリーなんですけど、今年3月にですね、なぜ男女の賃金に格差があるのかというですね、彼女の研究をまとめた本が翻訳版出てるんですよ。
ちょっと450ページあってですね、3点ぐらいする本なのでややハードル高めなんですけど、私昨日大急ぎで買ってパパッと見ました。すごく読みやすそう。めちゃくちゃ面白い事例が山のように書いてあるなっていう感じなので、この週末ですね、ビール片手で改めて読もうかなと思ってるんですけども、今日はですね、ざざっとショートノーティスで彼女の研究についてご紹介したいなというふうに思います。
まず前提条件として、過去100年の間にですね、高所得国、いわゆる先進国ですね、所得が水準が高い国だと、働く女性の割合はこの100年で3倍に増えているけれども、依然として経済格差は結構大きく残ってますと、世界で有給で働いている女性の割合は全体の半分なんだけれども、男性は80%、そもそも給料をもらって働いている人の差が結構ありますよねと、
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しかも収入が女性の方が男性よりも低い。どうしてこういうことが起きているのかということを解明していこうという研究なんですね。
彼女の専門が経済史、経済の歴史と労働経済だというふうに冒頭申し上げたんですけれども、どういう手法を使ったかというと、1800年代から200年分のアメリカのいろんなデータを集めて、労働市場でどうして男女差が生じているのかという原因を解き明かしたというのがまず一つ大きな功績なんですよ。
女性の就業率って経済が発展していくのとともに右肩上がりで増えてきたっていうふうなイメージをみんな持っていたわけですよ。
私もそんな気がします。現代に近づくにつれてどんどん増えてきたのかなーみたいな。でも実はそうじゃない。経済発展と女性の就業率は実はUの字のカーブを描いている構造になっていたということを初めて彼女は明らかにしています。
Uの字ってどういうことかというと、ざっくり言ったら農業をやってた時代は在宅だったから女性はめちゃめちゃ働いてたんだけども、産業革命が起きて工業が主体になると工場に働きに行くわけですよ。
そしたら在宅勤務できなくなっちゃったから家庭と仕事の両立ができなくなって、女性はどんどん働けなくなっていったと。
その後サービス業が増えてきてまた女子が徐々に働けるようになってきてUの字になったということなんですよね。
Uの字の底になっているのが20年代の初頭ぐらい。この頃に少しずつ女性の労働参加が増えてくるんですけども、
ここまでの間相当な偏見だったり差別だったり法律による障壁があったということをいろんな要因を解き明かしています。
ちょっとびっくりしたのがマリッジバーという法律知ってます?私初めて聞いたんですけど、大教皇の頃1930年頃にあった法律なんですけど、
マリッジバーというのは結婚した瞬間に仕事はできませんという法律。
アメリカにそういうのがあったらしいんですよ。
詰まるところは日本でもよく言われているように子育てだったり家庭のことは女性がやるんだという社会的通認が法律になっていて、
労働史上から排除されちゃってた時代があった。だから結婚する前の数年間は働くんだけども、結婚したと同時に労働史上からは退出。
これを社会が求めていた。アメリカの昔もなかなか壮絶ですよね。
20世紀後半になると女性は働く人が増えてくるんですけれども、ただまだまだこの時っていうのは、
かつて女性は結婚したら仕事をやめなさいって言われてた時代の名残を受けて、そういうのは当たり前だよねと思った時に、
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キャリアのことを考えたり教育を受けたりしていた女性が働いているので、なかなかキャリアアップしていくとか収入格差を埋めていくって話にはならない。
これもまた私、えーって思ったことがあって、1960年代末に静かなる革命が起きたって言ってるんですよ。
静かなる革命?
全然何のこと?って思いました。
これね、ピルの誕生なんですよ。
ゴールデン教授はピルによって女性が結婚や出産を遅らせることができるっていうのを発見したんだと。
それによって経済学とか法律とか医学を学び始める女性の割合が増加した。
それだけやっぱり不意に子供ができることによってキャリアが中断するっていうのが当たり前だった時代っていうのは将来の設計ができなかったから、
教育やキャリアに対してのモチベーションが上がらなかったっていうことを言ってるんですよね。
これで静かなる革命が起きて収入格差がだんだん縮小していくんだけどそれでもなくなりませんねってどうしてって言ったら、やっぱり長時間労働ですよ。
子育てが始まった瞬間に女性の収入が下がってしまって、その下がった分が戻らないと。
どうしても個人に依存した働き方。
例えばこの顧客はあなたが担当してねって言ったら、この顧客が何かを求めたら急に休日出勤になったりしなきゃいけないとか、代わりがいないからって長時間勤務が当たり前になる。
そういうことが続くとどうしてもなかなか男女の収入格差ってのは埋まっていかないよねって。
でも同じ教育を受けているのにすごくもったいないよねっていうことが指摘されてるんですよね。
やっぱり男女の同じ教育を受けるだけではこういう所得格差は埋まらないよって。
出産後にどうやって労働力として復帰させるか。
その時にはやっぱり考えるべきはどうやって柔軟に働く機会を用意するかっていうことなんじゃないかっていうのをゴルディン教授の研究を見たノーベル財団は今回の受賞の時に指摘してるんですよね。
昨日受賞会見があってですね、その時に日本のメディアがこんな質問してます。
日本での男女間の賃金格差を是正するにはどうしたらいいと思いますか教授。
その時に何ていう答えだったかっていうと、日本は女性の労働参加率は上がってる。
働く人は増えてるんだけれども、労働時間が短い傾向にありますね。
まさにそのね、130万円の壁みたいな話ですよね。パートタイマーがすごく多い。
政治家員じゃないケースもとても多い。だから労働参加するだけでは不十分なんだよっていうことですよってことを言ってるんですよね。
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それともう一つ、結構ネットで話題になってる言葉がですね、現役世代の考え方を支配している年配の人の教育をする必要がある。
私ちょっと一つここでですね、就職したばかりの頃にですね、かなり年配の女性の医師に言われた言葉をね、不意に思い出しました。
何て言われたかっていうとね、当時の私にはすごくセンセーショナルだったんですよ。
もしあなたがね、この先ずっと働き続けたいと思うなら、私新人記者の時代です。
もしそうしたいんだったら、お母さんが働いている男性を選びなさい。
専業主婦のお母さんに育ててもらった息子はどこまで行っても、お母さんの姿を理想に思っているのよ。
だからどんなにあなたが働くことを応援すると言ったとしても、心の底で理解するのは難しいから。
ということですよ。当時30歳以上年上でずっと働いてきた女性の医師の先輩に言われて、
えっ!?と20代前半の私は思いました。
ちょっとこのゴルディン教授の研究内容について、日本での話っていうのはこれからきっと各メディアがどんどんいろんな切り口で分析してくると思います。
研究者も含めてですね。なのでまた続報は改めてやりたいと思いますが、ちょっと今日はまずはどんな人なのかっていうのを紹介したいなと思いました。
ありがとうございました。
日経エネルギーネクスト編集長の山根紗友希さんでした。
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