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日替わりコメンテーターによる解説で日々のニュースを掘り下げるBrush Up。
日本製鉄の新たな挑戦:電気炉建設の意義
毎週火曜日は日経BP、日経エネルギーネクスト編集長の山根紗友希さんです。
山根さん、おはようございます。
さてさて、今日は地元でも大きく取り上げられたニュースですね。
はい、そうなんですよ。
今日は先週の水曜日に日本製鉄がですね、北九州市八幡、九州製鉄路八幡地区ですかね。
で、大型の電路建設工事の既行式を開いたので、
これがそもそもどういうものなのかっていうことをお話ししようと思います。
はい。
実は私ね、15年くらい前、エネルギーを担当する前、自動車と鉄鋼を担当していた時期があるんですよ。
あ、そうだと。自動車は知ってましたけど、鉄鋼もそうなんですね。
そうなんです。
自動車と鉄鋼ってやっぱりものすごく深い関係があって、
日本の国内の鉄の値段っていうのはチャンピオン交渉って言うんですけどね。
日本製鉄とトヨタ、この2社が今年いくらで鉄をやり取りするかっていう価格交渉をするんですよ。
この結果が日本中の鋼材の値段を決めるっていうですね。
へぇー。
はい。なので自動車を担当する時はやっぱり鉄も一緒に担当して、
日本の製造業がどうなってるかっていうのを見るということで、
私にとってもやっぱりこの日本製鉄っていうのはとても思い入れの深い会社で、
八幡にも当時取材に行きましたし、
すごいんですよ、とにかく製鉄所っていうのはもうね、
このグループの視聴者の皆さんはもうご存知だと思いますが、
あの規模、あの巨大さ。
もう自動車とか他の工場とはもう桁が違うスケールと壮大さ、ロマン。
やっぱりこの八幡って言ったら1901年に関栄八幡製鉄所ができて、
その時に伊藤博文が鉄は国家なりって言うわけじゃないですか。
製鉄所に取材に行って、あの空にそびえ立つ航路の前に立つと、
鉄は国家なりだよねと思うわけですよ。
そうですね。航路の火が北九州の象徴っていうところもね、ありますよね。
ただ今回の電路を新しく作るということで、
今八幡に最後に残っている戸端第四航路ですね。
これが2030年代の早い時に火を消すということになります。
というわけで、電路ってそもそも何なのと、
どうして日本製鉄はこの八幡の地でですね、
航路をやめて電路に切り替えるのかっていう話を今日したいと思うんですけれども、
製鉄業におけるCO2排出とグリーン鉄の必要性
これはですね、もうカーボンニュートラル、脱炭素の時代に合わせて、
どうしても製鉄業がやっていかなければいけないことということなんですよ。
製鉄っていうのは、鉄は国家なりっていう言葉が表していると思うんですけれども、
自動車だけじゃなくて建物を作ったり、
いろんなところに鉄っていうのは使うわけじゃないですか。
地球上に最もたくさんある金属で、
ものすごく使いやすくて安価で、なくてはならない。
だけど作る時にものすごい量のCO2を出すんですよ、航路で作ると。
電路に切り替えることによって、
CO2の排出量はだいたい4分の1ぐらいに抑えることができるんですね。
鉄はものすごい使っているので、
産業分野、いわゆる工場だったり企業が出しているCO2のうち、
実は4割を製鉄から出してるんですよ。
ものすごい量の、日本で出しているCO2のうちでも、
ものすごい量を製鉄から出している。
だからこれを減らしていかないと、
産業分野で出しているCO2の量を減らすことができないし、
このCO2を出さない方法で作った鉄がないと、
自動車や最終製品を作る企業の人たちが、
自分たちの製品はCO2排出量が少ない材料、
少ない生産プロセスで作りましたよっていう説明ができないんですよ。
なるほど。
はい。なので、電路でCO2が少ないグリーンテツと呼ばれる鉄を作って、
この鉄をトヨタやその他の自動車メーカーやいろんな人たちが使っていくことによって、
製鉄プロセスから出るCO2も減らすし、
自動車を売るときに、うちの車はねっていうCO2を減らすこともできる。
八幡で作る電路は、これは自動車用工班など高級工材に使うためのものです。
はい。
はい。ということなんですよ。
高炉と電気炉の製造プロセスの違い
なんでこんなにCO2排出量の差があるかっていうことをね、
ちょっとだけ説明しようと思うんですけれども、
鉄って鉄鉱石から作るんですよ。
鉄鉱石をドロドロに溶かして、そこから成形していって、
いろんな形の鉄にしていくわけなんですけれども、
このときにコークスっていう石炭から作る燃料を使うんですよ。
で、このコークスを燃やすと2000年度以上の高温になるんで、
この熱を使って鉄鉱石を溶かすんですね。
鉄鉱石の中に入っている酸素をこのコークスを使って取り除く。
その過程の中でものすごいCO2が出てくるんですよ。
で、一方の電路っていうのはどういうものなのかっていうと、
電路っていうのは鉄のリサイクル技術なんですよ。
原料は鉄スクラップです。
鉄スクラップって、例えば自動車廃車にしたりとか、
建物を壊したときとかの廃材、こういう1回使った鉄を鉄スクラップって言います。
この鉄スクラップを集めてきて、電極を差し込んで、
電気を流して1600℃の熱で鉄を溶かすんですよね。
つまり、鉄を最初に作る工程でCO2出しまくって作ったっていうプロセスはもう終わったものなんですよ。
2度目、3度目の鉄です。鉄はリサイクルすれば何度でも使えるっていう。
なので、この電気を何の発電所で作るかによってCO2の排出量って変わるんですけれども、
今4分の1ぐらいって言われてるのは日本で使っている平均的な電気。
だから原子力も再生可能エネルギーも少しあるけど、
火力発電による電気がいっぱい入ってるような電気を使うと、だいたい4分の1ぐらい。
だからこの先、原子力発電所と再エネのCO2を出さない電気で電路を使って鉄を作ったら、
もっともっとCO2排出量の少ない電気を作ることができます。
しかも鉄鉱石っていうのは、掘り返して新しく取ってくる資源ですよね。
でも鉄スクラップっていうのは、もうこの支柱にある鉄をもう1回集めてきて使うわけですよ。
だからそういうリサイクルという観点でも環境性能がとても高いわけなんです。
鉄スクラップ調達の課題と八幡地区の優位性
だって日本はもう成人国だから、ビルとか建てるだけ建ててるわけじゃないですか。
これ以上たくさん新しい鉄鉱石で作った鉄がなければいけないっていうわけじゃなくて、
この街中にある既に使ってる鉄をどうして使わなくなるものが出てくるわけだから、
車だってぐるぐる廃車して新しいものを買ってって繰り返してるわけなので、
これを使うことによってリサイクルも進まっていいよねっていう話なんですけど、
でも鉄スクラップって集めるのも大変じゃないですか。あっちこっちにあるし。
大変そうなイメージありますね。
ありますよね。だってコウロでね、あの巨大なところで海外から鉄鉱石をタンカーでね、
鉱山から掘り起こしてドカーンって持ってきた方が簡単じゃないですか。
だから今までやっぱり電路っていうのはすごく規模が小さくて、
いろんなところにちょこちょこあってっていうような使い方をしてきたものなんですよ。
それから鉄スクラップって建築廃材だったり自動車潰したやつだったりするから、
いろんなものが混ざってるじゃないですか。
その中から不純物を取り出してもう1回新車の車に使う鉄を作るっていうことは、
やっぱりこの元の鉄スクラップの品質があまりにぐっちゃぐちゃだったり、
あまりにいろんなもの混ぜ混ぜだったら厳しいわけですよ。
なので、それをどうやって集めてくるかっていうのもとっても大事なポイントで、
やっぱり北九州の八幡でものすごく大きな電路を作るっていうふうに日本製鉄が決めた背景には、
やっぱり産業の街だから、一定この工場なんかで生産プロセスの中で出てくる、
切りカスみたいなものも含めて、いろんなリサイクルのプロセスなんかも地元の企業がたくさん持っているから、
この地だったらたくさんの鉄スクラップをスムーズに集めることができるし、
比較的クオリティの高い鉄スクラップを集めることができるんじゃないかっていうようなことも、
日本製鉄は説明しているわけなんですよね。
グリーン鉄のコストと市場の動向
今回八幡に作るのは、
トバタダイオン航路の半分の規模で200万トン年間作ります。
今までの半分になるので、足りなくなった分については大分に残っている航路で生産をして補っていくということになります。
さっきの私が冒頭でお話しした日本製鉄トヨタチャンピオン交渉って覚えてます?
覚えてます。
この両社が日本の鉄の値段を決めるというわけなんですが、
このグリーン鉄っていうのはやっぱり高いんですよ。
通常の鉄よりも高くなる。
日経新聞の報道では大体4割ぐらい高いって書いてあります。
めちゃくちゃ高い。
日本製鉄自身も、ただビジネスでやるだけではコストが合わないぐらい高い。
でも社会の要請はすごく強い。
カーボンニュートラルを日本として達成しなければいけない。
自動車メーカーはグリーン鉄が欲しい。
実は私、何年か前、八幡のこの話がオープンになる。
検討してるっていう段階の時に、ある関係者の方に取材をした時ですよね。
その時にはね、電路を作るかどうかは、トヨタが高いグリーン鉄を買うって判断するかどうか。
それを決めてくれるんだったら僕らは作るけど、
トヨタが買ってくれないなら作りようがない。
作ったって売れないんだから。
買い手がないとそりゃそうですよね。
そういうことなんですよ。
実は日産とかは2022年ぐらいからちょこちょこグリーン鉄を使い始めているんですけれども、
トヨタはやっぱりそこはちょっと遅くてですね。
今年になってからグリーン鉄の購入を少しずつ始めるということになってるんですよ。
この話、歩みが揃ってるねと思いますし、
国もすごく支援をしていて、今回の総工費は6300億円なんですけれども、
1800億円ぐらいは国が設備費を補助します。
それからグリーン鉄を使った車、電動車ですね。
プラグインハイブリッドや電気自動車でグリーン鉄を使ったものについては、
1台について5万円の補助をするという制度もできているんですよね。
こういうことをやりながら国を挙げて、
なんとかこの新しい鉄のプロセスをやっていこうということなんです。
最初はすごく大変だけれども、
いろんな世界中の企業がグリーン鉄を求めるようになれば、
その時に先に作って、いろんな経験やノウハウを持って、
しかも今回の八幡のように規模が大きいものを持っている日本製鉄の強さっていうのが、
再びグローバルに輝いていくんじゃないかなというふうに思います。
雇用への影響と今後の展望
厚労がなくなること、そしてコークスを使う労がなくなることで、
雇用を失う部分っていうのもあるんですよ。
千人ぐらいの方々のお仕事がなくなるというふうに言われていて、
これはとても胸が痛いことだし大変なことだけれども、
産業が転換していくっていうことは、
どういったビジネスにおいても起き得ることなので、
これは何かこの方々が持っている技術やノウハウや、
今までの経験っていうのを別の場所で一緒に活かしていきながら、
この産業の街を盛り上げていけるような何かお手伝いがね、
メディア側でもできないかなって思いますし、
日本製鉄もきっとそこはしっかり考えているだろうと思いますので、
そこはちょっと何かやっぱり、
環境のために雇用が失われるっていうふうに考えると、
何かちょっとね、簡単じゃないなって思うんだけれども、
でもこういう新しい転換っていうのをね、
このH901航路ができた、野畑で始まることっていうのは、
やっぱり私たちとしては応援していきたいし、
これはやっぱりここからまた次の鉄の時代が始まるっていうのはね、
非常に魅力的なことなので、この先も見ていきたいなと思っています。
時代を作った野畑の地がまた新たな時代を作ろうとしているっていうことですよね。
おっしゃる通りですね。
山根さんありがとうございました。
ありがとうございました。
この時間は日経BP、日経エネルギーネクスト編集長の山根紗友希さんでした。
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