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毎週水曜日のこの時間は、 山根小雪のBrushUpをお送りしております。
今日の話題は、山根さん、何でしょう?
はい、今日は残念なニュースですね。
昨日、三菱重工が国産のジェット旅客機三菱スペースジェット事業から 撤退すると正式に発表しました。
今日はこの話したいなと思います。
泣いちゃうかも。
残念ですよね。
泣いちゃうかも。
泣いちゃうかもっていうぐらい、やっぱり思い出がある。
はい、そうなんですよ。
この話ですね、ちょっと過去の経緯からお話をしたいなと思うんですけれども、
そもそもですね、日本には国産の旅客機ってないんですよ。
これはですね、第二次世界大戦で負けた後に、日本は航空機の開発であったりとか研究とかですね、
それこそ自分たちで運航することも全部が禁じられてたんですよね。
その後に禁止が解けて、唯一作ったのがYS-11っていうですね、プロペラ機です。
結構最近まで飛んでたやつもあったんですね。
名機と言われる飛行機なんですけど、
でもそれがですね、初めて飛んだの50年前なんですよ。
今言ったら55年、7年前ですかね。
その後、初めて国産の飛行機で空を2015年に初飛行で飛んだのが、この三菱のですね、三菱スペースジェットなんですね。
この三菱スペースジェットっていう名前は、実は2019年に解消した名前でですね、
もともとは三菱リージョナルジェットっていう名前で、通称MRJっていうんですね。
なのでちょっと私はMRJっていう名前が慣れ親しんでるので、ここからはMRJと言わせてください。
はい、わかりました。
このMRJはもう本当に飛眼の国産旅客機で、ずっとですね、日本の航空機産業は言ってみれば下請けなわけですよ。
ボーイングのですね、中核の部品を作っているとは言いながら部品を作っているだけで、機体を自分で作っていることっていうのはもう50年やってなかった。
もうそのノウハウもなくなっちゃってたわけですよ。
20年前の2003年に経済産業省なんかがですね、国プロを立ち上げて、そこで基礎技術の研究開発を始めて、2008年から三菱重工が事業化するよと言って頑張ってやってきたわけなんです。
当初ですね、初の納入はANAに2013年って言ってたんですよ。
5年後ぐらいだったわけですね。
5年後ぐらいです。
2008年の事業化の翌年の2009年から何度も何度も延期を重ねてですね、6回の延長を経て今回撤退ということなんですよね。
どうして撤退になったのかっていう理由なんですけれども、いろんなことが言われてるんですが、中にはですね、売れないからじゃないかと、マーケットないんじゃないかとかですね、コロナで航空機業界がみたいなことを言ってるケースもあるんですが、
実際に三菱重工はですね、ANAとかJALとかSkywestとかからですね、267機受注してたんですよ。
なので売れないからとか、マーケットがないからっていう理由はちょっと違っていて、直接的な理由は形式照明っていうですね、航空機を空に飛ばすための安全基準をクリアするっていうところがですね、できなかったからだっていうふうに言われてるんですね。
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三菱重工は自衛隊の戦闘機をですね、アメリカと共同開発したりしていて、一定できるだろうみたいなですね、話もやっぱりあったわけなんです。
だけども、民間旅客機ってもうむちゃくちゃ厳しい安全基準があるんですよ。重要な部品って10億時間空を飛んで1回しか壊れちゃいけないっていう。
もう人命直結だからですね。
そしてこの基準っていうのは、アメリカと欧州が作っている基準を世界中がですね、ほとんど同じものを使ってるんですよ。
ここで一つ問題があって、日本はですね、国土交通省がこの形式認証、形式照明やるわけなんですけども、日本って50年なかったわけですよ、飛行機。
誰も作ってない。国交省にも、アメリカとか欧州の基準をクリアするためにはどういうふうになってれば飛行機ができてればいいのかっていうことをちゃんと解釈する力がないんですよね。
三菱重工も初めて、国交省も初めて。
よし、これでいけるだろうって言って国交省がおすすめ付きを出して、三菱重工はアメリカに試作機を持ち込むんですけど、はいこれダメ、飛ばせませんって言って、バッテンクラウンですよね。
こういうことがありました。そして2017年にですね、5回目の延期を決めたとき、これはもうですね、形式認定を受けることに、
あ、ごめんなさい、形式証明を受けることができないから、もう大規模な設計変更をするっていう延期だったんですよ。
今思うともう2017年、これが事業撤退への決定打になったかもしれないなっていうぐらいの大きな延期だったんですよね。
でですね、実は正直なところ、私は昨日の辞めるっていう会見、その数日前にですね、そろそろ辞めるみたいだみたいな報道が出てきたわけなんですけども、
え、まだやってたの?っていうのがですね、不思議な反応でした。え、まだ?って。
なんでかっていうと、2020年に事業のですね、開発、事実上の開発凍結を発表してるんですよ。
そのとき、泉沢さんって今の社長と同じ社長がオンラインで記者会見をしてですね、一旦立ち止まりますって説明したんですよ。
開発やめないけどスローダウンするからちょっと先のことは考えられませんみたいなんですね。
実にのらりくらりとした記者会見をしました。
もうあの、周囲の人、メディアも含めて航空業界、いろんな関わってる人たちはこれだけ延期をしてですね。
しかもこのときの三菱重工の発表は、事業に投資する資金を5%まで圧縮するって言ったんです。
5%ですよ。航空機開発で5%までお金を減らしますってことは、もうやめるってことじゃないですか。
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もうこれでMRJが再び空を飛んで事業をやっていくっていう姿は見れなくなるんだなっていうふうに思ったんです。
ただですよ、やっぱりこのときに思ったことは、決断できないのねっていうことですよ。
やめるっていうことを決断できない。それからですね、やっぱり昨日の記者会見もそうだったんですけども、
一体どうしてこうなったのかっていう責任の所在は非常に不明確です。
頑張りましたってもちろん、頑張った、確かに頑張ってここまで来たけれど、
でもやっぱりこれだけ新しい難しいプロジェクトを完遂していくためには、プロジェクトマネジメント能力が必要です。
もちろん現場のプロジェクトを遂行してまとめていく力も必要だし、
これだけ大きな会社の屋台を揺るがすみたいな大きな事業をやる場合には、
経営者のリーダーシップっていうのは絶対に必要。
だけども、やっぱりちょっとそれが残念なことに、もう泣いちゃうって言ったのはそこなんですけど、
技術はあるし、ボーイングに収めてきた部品の歴史もあるし、
例えば東海地方を中心に航空機産業ってやっぱり裾野も広いし、
だけどもトップの企業が完遂できないっていうこともこの悲しさみたいですね。
どうしてそのマネジメントの話を今申し上げたかというと、
航空機って成功例があるんですよ。
いい例がある。
ある。ホンダジェットって聞いたことありますか。
小型の飛行機ですよね。
そうです。小型の飛行機です。
ホンダが作って、この飛行機はMRJと時期を同じくして開発してきたものなんですけれども、
アメリカで開発をして、アメリカで製造をして、形式証明もちゃんと取って、
2017年からこの小型ジェットのカテゴリーで4年連続で納入数世界一なんですよ。
すごい。
大成功。
このMRJとホンダジェットには取材をしていると大きな違いがあって、
ホンダジェットは藤野さんっていう名物リーダーがいたんですよ。
つい最近までいらっしゃった方なんですけれども、
藤野さん自分で設計をして開発の過程に関わって、
事業をどうやって事業化していくかっていうところまで完全にやりきったリーダーなんですよ。
長い時間がかかってます、航空機の開発だから。
ホンダは自動車の会社じゃないですか、
飛行機を作るなんて口頭無敬に思えるかもしれないし、
もう無理だって言われた時代も長かったけれど、
それでも歴代のホンダの経営者はずっとやるんだって。
やられずに。
強い意思を持って藤野さんに任せ続けたんですよね。
これやっぱりマネジメントがそこに存在してた。
プロジェクトマネジメント、そして経営者の覚悟。
こういうものがやっぱりホンダジェットの成功につながったと思うんです。
やっぱり三菱重工が技術力がなかったとか、
日本の国交省に形式照明を取るためのノウハウがなかったとか言われるけれど、
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それはでも50年ぶりにやるんだから当たり前じゃないですか。
それでもやっぱりやるっていうのが50年ぶりっていうことの意味だと思うんですけれども、
ここがやっぱりできなかったっていうことが、
日本の製造業がやっぱり衰退してるとかって言われるところの中に、
技術力じゃない部分、その経営力というかですね、
マネジメントの力、責任の所在明確にして腰据えてやるんだっていうですね。
やっぱりそこの部分が足りないんじゃなかったのかなっていうことを思って、
涙を濡らした夜でした。
雨蔵を濡らした夜でした、涙ね。
費やし高く1兆円っていうのはあまりにも高いレッスン料になっちゃいましたね。
国の補助金500億円です。
エンジニアの方々が関わって3900時間、飛行時間そこまで行ったんですよね。
だからこの1兆円、無駄にしないように。
なんとか空飛行機とかこの先の新しいところに活かしてほしいなって。
だってやっぱりものづくり、日本の強みだからって思いました。
リーダーも現れてほしいですよね。
現れてほしいですね、本当にですね。
いかに大事かっていうのもよく分かりました。
山根さんありがとうございました。
ありがとうございました。
日経エネルギーネクスト編集長の山根紗友希さんでした。
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