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2026-01-03 15:14

快食ボイス694・箱根は、ついに世界への入口になったのか

はじめに

正月のさんがにちが終わった。
1日はニューイヤー駅伝、2日と3日は箱根駅伝。
これを見ないと正月が始まらない、そう感じている人も多いのではないか。
僕もその一人だ。

今年も例外なく、画面の前で多くの時間を過ごした。
そして見終わったあと、強く残った感覚がある。
それは「長距離の世界が、明らかに次の段階へ進んだ」という実感である。
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箱根駅伝は、異常な速度領域に入った

ここ数年の箱根駅伝は、明らかに高速化している。
今年の優勝タイムは10時間37分台。
過去の優勝タイムから約3分短縮された。

200km以上を走っての3分と思うかもしれないが、3分あれば彼らは1km以上走ってしまう。
これは「少し速くなった」などという話ではない。

さらに象徴的だったのが、区間賞ではなく「区間新」が5区間もあったことだ。
つまり、その区間を歴代走ったすべての選手の中で最速、という意味である。
これは異常であり、同時に時代の変化を示している。
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「不滅」と呼ばれた記録が、次々と塗り替えられる

かつて「不滅」とまで言われた記録が、今や更新され続けている。
2区、3区、4区の記録を持つイエゴン・ヴィンセントさんですら、すでにエース区間の2区では何度も塗り替えられた。

大迫傑さんの記録もそうだ。
長距離ファンからすれば、日本記録保持者かつ伝説のランナーである。
その箱根時代の記録が更新されるという現実は、率直に言って衝撃的だ。

記録が破られるということは、敬意が失われたという意味ではない。
むしろ逆である。
その時代の頂点が、次の世代への踏み台になったということなのだ。
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黒田朝日さんという「異次元」

今年、最も記憶に残った選手を一人挙げるなら、黒田朝日さんだろう。
4年生で初めて5区を走り、まるでエンジンでも積んでいるかのような走りだった。

山の神、柏原竜二さんが「化け物すぎる」と表現したのも頷ける。
もちろん彼は特別だが、特別な選手が一人だけ、という大会ではなかった。

全体が底上げされている。
それが今年の箱根だった。
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ケニア人ランナーと人類史の話

ニューイヤー駅伝でも、外国人選手が走る区間がある。
実際、そのほぼ全員がケニア人であり、さらに言えばカレンジン族やキクユ族に集中している。

これは偶然ではない。
人類の起源がアフリカにあり、遺伝的多様性の約85%がアフリカ大陸内に存在している、という事実と関係している。

つまり、人類で最も足の速い人も、最も遅い人も、アフリカ大陸にいる。
その中で、長距離に最適化された遺伝的特性を持つ集団が、結果としてケニアに集中している。

環境やトレーニングも重要だが、最大の要因は遺伝子である。
これは感情論ではなく、科学的な話だ。
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それでも、日本人は追いつき始めている

重要なのは、そこだ。
ニューイヤー駅伝では、ケニア人選手に負けない日本人ランナーが明確に増えてきた。

さらに注目すべきは、
トヨタやJRといった伝統的強豪だけでなく、
GMOインターネットグループ、サンベルクス、ロジスティードといった比較的新しい企業チームが台頭している点である。
彼らは若い選手を積極的に起用し、結果を出している。

つまり――
箱根駅伝のレベルが、ついに社会人トップレベルに追いつき、追い越し始めたのだ。
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「速い選手」ではなく「強い選手」へ

マラソンはトラック競技とは違う。
ロードには、天候、起伏、風といった不確定要素がある。
だから必要なのは、速さよりも強さだ。

山を走っても速い。
条件が悪くても崩れない。
そういう選手が、今の箱根から育ち始めている。
元ランナーとして、これは本当に嬉しい変化だ。
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箱根から、世界へ――夢を見てもいい時代

金栗四三が掲げた「箱根から世界へ」。
それは長らく理念であり、理想論でもあった。

だが今は違う。
もしかすると、箱根を経由して世界で戦う日本人長距離ランナーが、僕が生きている間に現れるかもしれない。
応援するだけの立場ではあるが、夢を見るには十分な現実が、今ここにある。
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おわりに

2026年の正月。
今年の箱根駅伝は、本当に素晴らしかった。
多くの物語があり、何度も涙が出た。
僕らの役割は、しっかり応援することだ。

長距離という競技は、静かで、過酷で、そしてとても美しい。
その静けさと精神性は、日本人のマインドに馴染みやすいと思う。
来年も、また楽しみにしたい。
そしてできるなら、皆さんも一緒に応援してほしい。
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