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2026-01-22 13:05

快食ボイス709・国会議事堂とアーティゾン美術館——現場で考えた制度と仕組みの話

はじめに

連作でお届けしてきた茨城旅行の話も今回が最後になる。
締めとして取り上げるのは国会議事堂とアーティゾン美術館の二つだ。

一見するとまったく異なる場所だが、実際に足を運んでみると、どちらも「制度」や「仕組み」がよく見える場所だった。
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戦前に造られた、ほぼ国産の建築

国会議事堂が完成したのは昭和11年(1936年)で戦前だ。
驚いたのは、建物のほとんどが国産の資材で造られていること。

使われている外国製のものは、
・アメリカ製の鍵
・イギリス製のステンドグラス
この程度で、あとはほぼすべて国産だという。

案内してくれたのは、たぶん国会議事堂の職員の方だろう。
掃除機の配管の仕組みや、当時の建築思想なども丁寧に説明してくれた。

赤絨毯の上を歩く体験も含め「ここは日本の政治の中枢なのだ」と、身体で理解できる時間だった。
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議場の椅子は、やはり小さい

議場も見学したが、椅子は明らかに小さい。
これはテレビで見ていても感じていたことだが、実際に見ると納得がいく。
戦前の日本人の体格に合わせて造られているのだ。

議員の数が増減することを想定し、椅子の数は調整できる構造になっているらしい。
ただ、これから人口減少の時代に入る以上、議員定数が大幅に増えることは考えにくい。
むしろ減る可能性の方が高いだろう。

もし定数削減が本格化すれば、椅子をもっとゆったりしたものに変える余地もあるのかもしれない。
もっとも、歴史と伝統を考えれば、簡単にはいかないだろうが。
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当選回数と座席位置の話

面白かったのは、座席の配置である。
当選回数が少ない議員ほど前に座り、回数を重ねるごとに後ろへ下がっていくのだという。

一番前は、内閣総理大臣や各大臣がすぐ目の前だ。
初当選の議員ほど、ピリッとした空気の中に置かれる。

なるほど、と思った。
回数を重ねれば図太くなり、後ろでふんぞり返る。
テレビでよく見る光景にも、ちゃんと理由がある。
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中央塔の銅像と「空席」の意味

国会議事堂の象徴といえば、中央の塔である。
その内部にも入ることができ、四隅には銅像が設置されている。

確認できたのは伊藤博文。
他に、板垣退助と大隈重信の銅像がある。
しかし、四隅のうち一つは空席になっている。

職員の方によれば、正式な説明ではないものの「この三人に匹敵する政治家が今後現れることを期待して、あえて空けてある」という説が一般的とのこと。
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なぜ大久保利通はいないのか

見学中は聞かなかったが、帰ってから気になった。
なぜ大久保利通はいないのか。
調べてみて、納得した。

大久保利通は事実上の初代首相とも言える存在だが、彼の時代には、まだ「議会」が存在していなかった。
ここは国会議事堂であり、日本の議会政治において象徴的な役割を果たした人物が選ばれている。

伊藤博文は憲法を起草し、板垣退助は自由民権運動を率い、大隈重信は政党政治への道を開いた。
明治維新の三傑が入らない理由も、そこにある。
この三人は、確かに「議会」という場にふさわしい。
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現場を見ることの意味

国会議事堂の見学は、1時間強で終わる。
時間的な負担は大きくない。

思想信条はさておき、政治家たちが「この国をどうするか」を決めている場所を見ることは、やはり意味がある。
僕がよく言う、現場・現物・現実という三現主義からしても、実際に足を運ぶ価値は大きい。
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アーティゾン美術館という名前

もう一つ訪れたのが、アーティゾン美術館である。
かつてのブリヂストン美術館、と言えば分かりやすい。
国立西洋美術館、大原美術館、そしてアーティゾン美術館は、日本三大西洋美術館とも言われる。

この美術館は、ブリヂストンという会社が運営しているわけではない。
石橋家をルーツとする財団法人が運営しているが、ガバナンスの観点から考えれば、財団が特定の企業の名前を名乗ることには問題がある。

企業の売名を、別法人である財団が担うことは不適切ということで名称変更したようだ。
現代的でフェアな判断だと思う。
AIに確認してみたが、やはりその理解で正しかった。
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予約制がもたらす快適さ

アーティゾン美術館は完全予約制である。
これがとにかく良い。

混雑がなく、作品と静かに向き合える。
美術館は、こうであってほしい。
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無料オーディオガイドの仕組み

さらに感心したのが、オーディオガイドである。
専用機器の貸し出しはない。

代わりに、
・アプリをダウンロード
・自分のスマホ
・自分のイヤホン
これで完結する。

美術館側は、音声コンテンツを作るだけでいい。
機器の管理、消毒、メンテナンスが不要になる。
だから無料にできる。
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プッシュ通知という強力な武器

もう一つの狙いは、アプリの存在だ。

アプリを入れてもらえば「次はこの展示をやります」という情報をプッシュ通知で届けられる。
ウェブサイトで訪問してもらうのを待つのではなく、来館理由を能動的に作れる。
これは、非常によくできた導線設計だと思う。
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音声解説の質は大事

耳で聞きながら作品を見ると、理解は格段に深まる。
ただし、内容の質には施設によって差がある。
時々、展示説明文をそのまま読み上げるだけのものがあるのだ。

有料でそれをやられたことがあるので、僕は「説明文よりも詳しい解説が聞けますか?」と確認するようにしている。
「ほぼ同じです」と言われることがあるけれど、それならば小さな字が読めない人用に無料で貸し出すべきだろう。
有料にするなら、より深い解説が求められる。
この仕組みが広がれば、コンテンツの質も自然と競争にさらされていくはずだ。
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おわりに

実は料理の話もどぶ汁やスタミナラーメン以外にまだある。
だが、今回はこのあたりにしておこう。
またどこかを訪れたら、またその時に話をしよう。
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