「おっぱいって、揉まれて本当に気持ちいいの?」
番組に届く質問のなかでも、男性からいちばん多い形のひとつです。答えは、気持ちいいときと、そうでないときがあります。では、その分かれ目はどこにあるのか。
パートナーの手による刺激について、速さや強さを数値化して快感と結びつけた査読研究は、性器への刺激についても見当たらず、胸だけを対象にしたものはなおさら見あたりません。ところが「胸への刺激」そのものは、まったく別の分野で真面目に研究されてきました。お産の分野(産科)です。研究の外側で言えることを、夢野カナエの言葉と、記事に残っている一次の記述からたどります。
- ✅ 手で触れる速さ・強さを数値化して快感と結びつけた査読研究は、今回の調査範囲では見当たらないこと(確認できているのは性器への刺激について。胸だけを対象にした研究は、さらに見あたりません)
- ✅ 胸への刺激そのものは、医療の場で真面目に研究されてきたこと——お産のときの分娩誘発です。ただしそれは医療の場の話で、真似をする話ではないこと
- ✅ 強く揉まない——前戯のあいだはとくに。「上手な人ほど、なかなか乳首まで来ない」「服やブラの上から始める人も好き」(夢野カナエ)
- ✅ 触らない時間が、触られたい気持ちを作ることがあること(乳輪で焦らされる、という記事の記述)
- ✅ 左右で感じ方が違うのは「本人の体の話」——ブラは片方に合わせている、という生活の実感(全員がそうだという話ではありません)
- ✅ 痛くて言えないときの逃がし方(相手の手を下へ導く/「下、触って」)。ただし我慢の技術としてはおすすめしません
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参考文献・関連リンク
今回のエピソードで参考にした研究です。海外のもので、日本の数字ではありません。
- Breast stimulation for cervical ripening and induction of labour (Cochrane Database of Systematic Reviews, 2005) — 6試験・719名を対象にしたコクランの系統的レビュー。満期妊婦の子宮頸管熟化・分娩誘発を目的とした乳頭刺激の研究であり、快感・愛撫・バストケアの研究ではありません。72時間の時点で陣痛が始まっていなかった割合は62.7%(乳頭刺激群)と93.6%(介入なし群)、相対危険度0.67(95%信頼区間0.60〜0.74)。ただし頸管が未熟な女性では有意ではありませんでした。また周産期死亡が3例(およびオキシトシンとの比較で4例)報告されており、レビュー自身が「安全性が十分に評価されるまで、ハイリスクの女性には使用すべきではない」と結論しています。2005年版が最新で、2009年に検索を更新した際も新規試験はありませんでした。試験の実施国はナイジェリア・インド・米国・シンガポールです。
また、パートナーの手による刺激について、速さ・強さ・圧を数値化し、快感や満足度と結びつけた査読研究は、今回の調査範囲では見当たりませんでした(確認できているのは性器への刺激についてで、胸だけを対象にした研究は、さらに見あたりません)。「正解が分かっていない」ことと「何をしてもいい」ことは別なので、本編では分かっている範囲だけをお話ししています。
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夢野アートは、夢野カナエの体験と、性科学・セクシャルウェルネスの知識をもとに、性のお悩みや快感の仕組みを明るくわかりやすく発信するブログ・ポッドキャストです。
「快感を科学する」をテーマに、あなたの毎日が少し楽しくなるヒントをお届けします。
【ご注意】
本エピソードは、性に関する一般的な情報提供を目的としたもので、医学的診断や治療を目的としたものではありません。エピソード内で触れた体験は個人のもので、感じ方には大きな個人差があります。左右の感じ方の違いも、あくまで本人の体の話です。
紹介した研究は、妊娠満期の方の分娩誘発を目的とした医療の場の研究です。陣痛を促す目的で乳頭刺激を行うことは、レビュー自身がハイリスクの方には推奨していません。妊娠中の方は自己判断で行わず、必ずかかりつけの医療機関にご相談ください。
胸のまわりに、しこり・痛み・皮膚の変化など、気になる状態が続くときは、ひとりで判断せず、医療機関にご相談ください。
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