では、ことの始まりから整理しますね。
著者の水間さんはご自身の商業出版に向けた企画書作りを進めていました。
はい、記事を読むと最初はすごく順調だったんですよね。
そうなんです。AIとの役割分担もしっかりできていて、疑いから信頼へと関係性が変わっていたとても良い時期だったんです。
最高のパートナーシップですよね。
ただ一つ難しかったのが、その企画書の内容がメンタル系だったということです。
そこからAIのフィルターが作動し始めます。
この表現は読者を傷つける可能性がありますとか、安全配慮が必要ですと次々に指摘が入るようになったんです。
なんだか息苦しくなってきそうです。
ここで理解しておくべきなのは、AIの安全配慮の背後にある仕組みです。
現在の主要なモデルは、人間のフィードバックからの強化学習というプロセスを経て、有害なコンテンツを生成しないように厳しくトレーニングされているんです。
なるほど。わざと保守的になっているんですね。
その通りです。
特にメンタルヘルスのような機微なトピックになると、リスク回避アルゴリズムが過剰なほどのアラートを出すように設定されているんです。
あの、ちょっと待ってください。
それなら著者の特権として、ありがとう、でも今回はこの表現で行くねって警告を無視すればよかったんじゃないですか?自分の本なんだし。
論理的にはおっしゃる通りです。
しかしそこに、完璧主義の心理的な罠が存在しているんです。
非常に論理的で、牽引すら感じさせるAIから何度も警告されると、どうなると思いますか?
なんか自分が間違っているんじゃないかって不安になりそうです。
まさにそれです。真面目な人ほど、全てのリスクをゼロにしなければならないと思い込んでしまうんです。
水間さんも最初は納得して対応していたものの、AIはありとあらゆる箇所に対して再伝納く指摘を繰り返すようになりました。
記事の中で水間さんのこんな言葉がありました。こんなの私が伝えたい内容じゃないって。
誰も傷つけたくないから修正を重ねたのに、表現がどんどん丸く無難になってしまって。
自分の伝えたいはずの芯が消えていってしまうジレンマですね。
これって、例えるなら、大事な人に美しいガラス細工を送る時に、絶対に壊れないように干渉剤を何入にもぐるぐる巻きにするようなものですよね。
その干渉剤のアナロジーはこの状況の構造を見事に捉えています。
さらに言えば、その干渉剤を巻いているのが決して疲れることのない自動梱包機だとしたらどうでしょう?
うわ、それは怖いです。
人間ならもう十分安全だろうと手を止めるところ、AIはプロンプトを与えられる度に新たなリスクを見つけ出して、
無限にテープを巻き続けるんです。
箱を開けた読者が分厚いプチプチを剥がすのに疲れ果ててしまって、
肝にの中身にたどり着く頃には感動するエネルギーが残っていないですよね。
安全かもしれないけれど喜びも消えちゃうみたいな。
まさに情報発信におけるパラドックスです。
全ての人をカバーして全てのリスクをゼロにしようとすると、結果として誰の心にも刺さらないものになってしまうんです。
AIのリスク回避システムと人間の完璧主義が最悪の形で噛み合ってしまいました。
記事の後半の描写がもう壮絶で
Googleドキュメントで作った原稿をKindle用に加工していくんですが
公式ヘルプのURLをAIに読み込ませて
画面のスクショを見せながら一緒に設定を進めたんです。
一見するとすごく論理的で正しい進め方ですよね。
確かに手順としては理にかなっているように見えます。
しかしKindleの使用、特にリフロー型のフォーマットの特性を甘く見ていたことが問題でした。
え、どういうことですか?
テキストデータなんだからコピペしでアップロードすれば終わりってわけじゃないんですか?
全く違います。
Kindleのフォーマットは読者が使う端末の画面サイズや
設定によってレイアウトが動的に変わる仕様になっています。
スマホで読んだりタブレットで読んだり人によって違いますもんね。
はい。そのため裏側では複雑なコードが動いていて
Googleドキュメント上の見た目がそのまま反映されるわけではないんです。
見出しの設定やページ区切り、リンクの挙動など
システムを通した途端に想定外のレイアウト崩れを起こすことが非常に多いんです。
なるほど。だから水間さんが見出しやページ区切りを修正してアップロードし
プレビューを見ると崩れている。
そしてAIに聞いてまた修正してアップロードしてまた崩れる。
なんと半日かけてこのループを3回から4回も繰り返したそうです。
その日の作業が全て無駄になる絶望感ですね。
でもちょっと待ってください。
私も話を聞きながら気づいたんですが
これってひょっとしてテストしてないんですか?
鋭いですね。
まさにそこが俯瞰してみた時の最大のミス。
検証プロセスの欠如なんです。
やっぱり普通新しいシステムで本を作るなら
まずは数ページだけのテスト版を作って表示が崩れないか確認しますよね。
なぜあんなに論理的に作業を進めていた水間さんが
いきなり本番環境で全編の修正とアップロードを繰り返してしまったんでしょうか?
それはこの作業が息抜きという言い訳の下に行われていたからです。
本気のプロジェクトとして立ち上げていれば
当然リスクを想定してテストのフェーズを設けたはずです。
あーなるほど。
息抜きだから大丈夫って油断しちゃったんですね。
はい。好きな音楽を聴きながらただ手を動かすだけの単純作業に没頭してしまったんです。
完璧主義者が息抜きをすると
無意識のうちにそれをプロジェクト化してしまって
さらに過剰に最適化してしまう危険性があります。
頭のどこかでは休んでいるつもりだから
一番重要なプロジェクト管理のプロセスが抜け落ちてしまうんですね。
その通りです。
本当はやらなくてもいいような微細なレイアウト調整にまでこだわってしまい
結果的に手戻りのダメージを何倍にも膨れ上がらせてしまったんです。
進んでいるのに戻っている、疲労だけが残る絶望感、これはきついです。
でもここからがすごく皮肉で面白いところなんですよ。
ほう、なんでしょう?
実はこの壮絶な手戻り地獄の中で完成したのが
自滅の解像度、優秀な知能が陥る合理的な人生の積ませ方
笑える自滅パターン50戦という本なんです。
なるほど、著者がまさに自滅のド漫画家にいるときに書かれたなんて最高のブラックユーモアですね。
そうなんです。笑えちゃいますよね。
しかも今ならこの本が期間限定で100円で読めるそうです。
さらにKindle Unlimitedの代償者なら読み放題なんですよ。
この自滅のメカニズム気になる方は今のうちに試してみるのがおすすめですね。
はい。気軽に手に取れる価格ですからね。
さて、半日を無駄にして心が完全に折れてしまった水間さんですが
最後にAIに向かってある分析を求めます。
ほう、どんな分析ですか?
Kindleの仕組みを完璧に理解していなかった私の責任だけど、どうすればよかったのか教えてと聞いたんです。
感情的になってツールに初当たりするのではなく、システムとして何が間違っていたのかを冷静に問いかける。
このメタ認知の高さは素晴らしいですね。
はい。そしてAIが提示した分析が3つありました。
1つ目、早い段階で表示テストを行わなかったこと。
2つ目、作業の順番が間違っていたこと。
そして3つ目が不必要なまでの完璧主義です。
先ほど私たちが議論した検証プロセスの欠落と過剰最適化をAI自身も冷徹に言語化してきたわけですね。
ええ。でも一番残酷なのは次のやり取りなんです。
水間さんはAIにこう聞きます。
途中で失敗する可能性がないか調べてほしいって聞いたら防げたの?
それに対してAIはどう答えたんですか?
はい。間違いなく防げましたと淡々と事実だけを突きつけてきたんです。
それは通列ですね。
もし事前にリスクを聞いてくれていればプレブーでの確認を提案できたのにって
これ言われた瞬間膝から崩れ落ちそうになりませんか?
確かにショックは大きいでしょうね。
しかしここで私たちはAIとの共同における非常に重量な概念について考える必要があります。
重量な概念ですか?
はい。従来の人間だけの作業ならレイアウトを手作業で直すのに数時間かかるとすれば
その労力の重さ自体が一回テストしようというストッパーになります。
確かに面倒くさいから先に確認しようってなりますよね。
しかしAIは数秒で行動を書き直し修正案を出してくれます。
この恐ろしいほどのスピードと手軽さが
私たちが本来持っている検証のためのアラートを麻痺させてしまうんです。
なるほど。AIにお願いすれば一瞬で治るから次こそうまくいくはずって思い込んで
気づけば検証もせずに同じ場所をぐるぐる回ってしまうんですね。
前進しているという錯覚ですね。便利なツールに自分の手綱を丸投げすぎた結果です。
水間さんも深い後悔をされていました。
でもそんな絶望的な状況で水間さんの頭にある言葉がよぎったそうです。
それが大いなる力には大いなる責任が伴うというフレーズです。
映画のセリフとしても有名ですがこの文脈においてこれほど適応えた言葉はありませんね。
そうですよね。
強大な力を使う側が検証や判断の責任を放棄した瞬間に自滅するという構造を見事に表しています。
そして水間さんはその言葉が頭に浮かんだ瞬間笑いがこみ上げてきたそうです。
状況を不観視なして笑いながらそっとパソコンを落としたと。
この状況で笑ってパソコンを閉じられるその極観視する力に感心します。
この失敗をただの自己嫌悪で終わらせない強さがありますね。
はい。この記事の最大の教訓は息抜きすら完璧を目指してしまうならそれは息抜きじゃないということです。
その通りですね。
疲労と後悔を抱えつつも完璧主義を否定するのではなくポジティブに設計し直そうとする前向きな姿勢が素晴らしいなと思いました。
完璧主義は高いクオリティを生み出す武器でもありますからそれをどこで発揮するかの見極めが大事ですね。
リスナーの皆さんも自分をアップデートするヒントがリアルな失敗談と共に詰まったこのノート記事ぜひ全文をチェックしてみてください。
はい。強くお勧めします。
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完璧主義でつい頑張りすぎちゃうあなたはぜひ手に取ってみてくださいね。
ではリスナーのあなたに向けて最後に一つ問いを投げかけたいと思います。
何でしょうか。
あなたが次にちょっと息抜きにといってデスクの整理や小さな副業あるいは新しいツールの設定を始めようとしたとき少し立ち止まって考えてみてください。
ドキッとしますね。
あなたは今本当に休もうとしているのでしょうか。
それとも無意識のうちに完璧にデザインされた新しい檻を自らの手で作り上げようとしているだけなのでしょうか。
深いですね。
息抜きのはずが分厚い干渉剤で自分をぐるぐる巻きにしてしまわないようにしっかり自分の手綱を握っておきたいですね。
それでは次回の深掘りでお会いしましょう。
息抜きすら完璧を目指してしまうならそれはもう息抜きではありません。
AIの圧倒的なスピードは便利ですが、検証や判断の責任まで丸投げしてしまうとあっという間に自滅の罠にはまってしまいます。
自分の手綱はしっかりと握りながら、完璧主義という動きをポジティブに生かせる場所を見極めていきたいですね。
ちなみに今回ご紹介した手戻り、僕のど真ん中で私が自滅しながら完成させたヒンドルゴン。
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完璧主義の罠にはまりそうなあなたは、ぜひ私の屍を越えていてくださいね。
このラジオは無賛成のまま。また次回お会いしましょう。
水間香里でした。