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2020-11-08 12:31

お市の方「戦国一の美女」プロローグ

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ボイスドラマで学ぶ日本の歴史は、日本の歴史の一部の場面を切り出して、その時々で命を削りながらも懸命に生きてきた人物にスポットを当てて、ボイスドラマとして再現した番組です。
シーズン2は「お市の方」の生涯を描きます。戦国一の美女として織田信長の妹として生を受けたお市の方。織田家の女性でありながら、政略と女の筋を通した生き方、そして産み育てた子供たちの歴史への影響度合いなど、大変興味深い生涯を送りました。
本編のドラマを聴く前に時代背景や事の成り行きについて、このプロローグでナビゲーターが解説いたします。
ある程度時代背景をご存知のリスナー様は、第1話のドラマ部分よりお聞きいただいても十分に楽しめる作品にしております。

●プロデューサー:富山真明
●制作:PitPa(ピトパ)

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ボイスドラマで学ぶ日本の歴史。ナビゲーターを務めます熊谷陽子です。
この番組は、日本の歴史の時々で、命を削りながらも懸命に生きてきた人物にスポットを当てて、ボイスドラマとして再現いたしました。
このプロローグでは、本編をより楽しんでいただくために、物語の時代背景、登場人物、またその時に起きた事件などを簡単にご紹介するエピソードです。
歴史について詳しい方は、いきなり本編からお聞きいただいても楽しめる作品ではございますが、それも含めて簡単におさらいしたいなと思われましたら、ぜひこのプロローグから聞いてください。
それでは早速、シーズン2のエピソードをご紹介していきましょう。
今作で取り上げますテーマは、戦国時代随一の美女とも名高いオイチの方です。
オイチの方は、言わずと知れたあの戦国の風雲児、織田信長の妹として、歴史に名を残しました。
生まれは西暦1547年の室町時代末期頃。
まさに戦国の騒乱真っさ中に生を受けたと言われています。
生まれた当時の織田家は、まだ弱将も弱将、終わりの一地方大名であったわけですが、
ご存知、1560年、桶狭間の戦いによって一気に駆け上がり出した信長は、その後、天下に名を轟かせるべく、将軍のいる京への上落を目指していくんですね。
しかし、まだ階段を登り始めたばかりの信長は、武力だけで京に上落できる状況ではございません。
隣国の有力大名や武将たちと同盟や駆け引きによって、基盤を作っていかなければならない時期でした。
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この時代、血縁関係にある女性は、その駆け引きの道具として使われていたんです。
尾一の方も例外ではございませんでした。
ちょうど信長が治めていた尾有二野、今の愛知県、そして岐阜県の南部あたりですかね。
ここから京に行くためには、奥美の国、今の滋賀県あたりを通らなければならなかったんです。
その奥美の国の一部を領地としていた、阿財長政。
この阿財との同盟関係を結ぶために、尾一の方は阿財長政に届くことになります。
これ、政略結婚ではあったんですが、尾一の方との関係は非常に仲睦まじかったと言われております。
そして長政との間に三人の娘も授かっています。
そうです。
ちゃちゃ、はつ、ごうの阿財三姉妹。
しかしですね、この長政との平穏な日常は、そう長くは続かなかったんです。
尾一の方が阿財家にとついで四年目、兄小田信長は阿財家の古くからの同盟国、朝倉家に攻め入るんです。
長政は尾田家、朝倉家、両家と同盟関係にありましたので、まさに板挟みとなってしまったんです。
長政は考えに考え、そして最終的に朝倉家に味方をするという苦渋の決断を下すんです。
朝倉家に加勢する形で、阿財長政、尾田信長を攻め立てる形になります。
阿財家と尾田家の決別です。
通常ですね、こういった場合は尾一の方は阿財家によって殺されてしまうか、もしくは尾田家に返されるということになるのですが、
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なんと尾一の方は長政の下に残り続けるのです。
その後、阿財、尾田が対立し続けること三年。
ついに阿財家の居城、尾谷城を尾田信長軍に包囲され、阿財家は滅亡の日を迎えることとなります。
尾一の方は三人の娘と共に尾田家に引き取られ、阿財長政は自害することになります。
阿財家の女として七年の歳月を過ごした尾一の方。
失意の中、二十七歳で三人の娘が残る未亡人となってしまいます。
阿財家滅亡から約十年弱の間、信長は天下統一に向けて各地で勢力を拡大します。
一方、そんな信長の覇業とは裏腹に、尾一の方は三人の娘と尾有の国清洲城にて平穏な日々を過ごしていました。
しかしまたしてもその平穏な日々は唐突に崩されることになります。
天正十年、西暦千五百八十二年六月。
本能寺の変により兄信長がこの世を去ります。
天下人に最も近かった男信長の死により、阿財家は上へ下への大きな混乱が生じます。
尾一の方もその混乱の渦に巻き込まれる形で、再び政略の表舞台に立たされてしまうのです。
次の尾一の方の突着先は、尾田家に長年仕える重臣中の重臣、柴田勝家。
柴田勝家は尾一の方が生まれた頃より尾田家の家臣として活躍し、
本能寺の変で信長が亡くなった時は、尾田軍北陸方面の総大将として、
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上杉軍と戦っていたと言われています。
この時柴田勝家60歳、一方尾一の方は36歳、なんと24歳。
現代基準で言うとなかなかの年の差婚ということではありますが、
当時の結婚は政略的な意味合いが強くありますので、
この結婚には大きな政略的な意図があったに違いありません。
結婚後すぐに尾一の方は三人の娘と共に勝家の居城、越前の国北の省城に移り住みます。
ここでも尾一の方は柴田勝家と平穏に暮らしていたと言われていますが、
その生活は橋場秀吉、後の天下人豊臣秀吉によって幕を閉じることになります。
秀吉によって取り囲まれた北の省城の中で、尾一の方は三人の娘を逃し、
柴田勝家と共に自害して三十七年の生涯を閉じることになります。
戦国一の美女と言われながら、決して恋をおきましょうの女というようなイメージは全くなく、
戸継先では一途に夫を支え、そして立派に三人の娘を育て上げた良妻賢母という評価が近年なされている尾一の方。
尾一の方はなぜ、阿財長政のもとに残り続けることができたのか。
なぜ、阿財家滅亡の後、十年近くも政治の道具として使われることなく、未婚のまま過ごすことができたのか。
なぜ、柴田勝家のもとに戸継いでいったのか。
そして、なぜ勝家のもとで自ら生涯を閉じる自害という道を選んだのか。
このあたり、本作ならではの解釈も加えながら、お話が展開されていきます。
ボイスドラマで学ぶ日本の歴史、シーズン2、尾一の方、戦国一の美女、どうぞ最後までお楽しみください。
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本編の各エピソードには台本書き起こしのリンクを貼っておりますので、ぜひこちらも併せてご覧ください。
ナビゲーターの熊谷陽子でした。
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