明治5年、石鐵県で絞首刑に処された農民・田中藤作。ところが遺体を親族へ引き渡した後、わずかに脈が戻り、藤作は蘇生した。
死刑はすでに執行済み。しかし本人は生きている。明治政府は「もう一度処刑するのか」という、法律に答えのない問題に直面する。
久米騒動、新律綱領、明治初期の絞首刑制度、政府がくだした決定までのプロセスを公文書から追う。これは「死人が生き返ったオカルト話」ではなく、近代国家が「刑死」をどう扱ったのか、そのルールを作り始めた時代の物語である。
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