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2021-10-16 21:52

375. 【宇宙医療】コワイ!宇宙での体への悪影響【ABLab】

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はい、始まりました。佐々木亮の宇宙話。このチャンネルでは、1日10分宇宙時間をテーマに、毎日誰でも最新の宇宙が学べる話題を、ドクター佐々木がお届けしております。
ということですね、最近は恒例の土日ゲスト回というところで、今回は【ABLab】という宇宙コミュニティから、宇宙コミュニティの中のプロジェクトですね、
宇宙医療プロジェクトの代表、後藤雅幸さんに来ていただいております。後藤さん、よろしくお願いいたします。
後藤さん「こんばんは、よろしくお願いします。」
はい、今日はですね、宇宙医療っていう、またちょっと皆さん聞きなじみのない言葉になるかもしれないんですが、実は結構身の回りのことと関連していることが、宇宙で発展してとか、そういう話とかをしていっていただこうかなと思ってますので、よろしくお願いいたします。
後藤さん「はい、よろしくお願いします。」
はい、じゃあ簡単になんですが、自己紹介いただいてもいいですか。
後藤雅幸さん「はい、初めまして、AVラボ宇宙医療プロジェクトのリーダーをしています、後藤雅幸と申します。
普段私は地方の病院で外科医として働いてまして、臨床の傍ら2年ほど前からですね、医療者として新たな宇宙ビジネスを生み出すということを目標に、AVラボに入って活動を始めています。
今日はそのあたり、これまでの経緯も含めてですね、いろいろお話しできればと思いますので、どうぞよろしくお願いします。」
後藤雅幸さん「はい、よろしくお願いいたします。で、これ早速なんですけど、AVラボに入ってって言ったところの、まずそこのワンステップ聞いてくださっている方に、AVラボってまあそもそもどんな団体なのか?」
後藤雅幸さん「そうですよね。」
後藤雅幸さん「そのお話聞けると嬉しいなと思うんですけど。」
後藤雅幸さん「はい、AVラボというのはですね、新たな宇宙ビジネスを生み出すということを目的として作られた学生や社会人のためのコミュニティなんですね。
オンラインサロンという形になるんですけれども、普段は宇宙とあまり関係のない仕事をしている人たちが、宇宙に関わる新たなビジネスを生み出すということを、そういう気持ちを持ってですね、集まっているコミュニティです。
で、そのコミュニティには十数のプロジェクトが同時に走っていまして、私の主催している宇宙医療プロジェクトというのはその中の一つということになっております。」
後藤雅幸さん「ありがとうございます。これ、今いくつもプロジェクト動いてるっていう話なさってたと思うんですけど、そうなるとやっぱりAVラボ全体でも結構メンバーいらっしゃるんですか?」
後藤雅幸さん「そうですね。AVラボができたのは2018年なので、できて3年くらいにはなるんですけれども、メンバーすでに100人近くになっているというふうに聞いています。
それぞれどれか一つのプロジェクトだけに属しているわけではなくて、いろいろなプロジェクトに自由に顔を出したり助けに行ったりということが自由にラボ内で行われているので、
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かなりそのあたりプロジェクト間の垣根も低く、お互いに楽しくやっているというような状態です。」
後藤雅幸さん「いや、それ面白そうですよね。100何人もいたら新しいことをどんどん生み出せるエネルギーというか、しかもみんな宇宙好きな方じゃないですか、きっと集まっている方って。」
後藤雅幸さん「そうですね。やはり宇宙への情熱っていうのは皆さんもう半端ないものを持っていまして、
一番特徴なのがメンバーのバックグラウンドがそれぞれ全く違うんですよね。私は医療なんですけれども、宇宙医療プロジェクトにしても医療者だけが集まっているプロジェクトでは全くなくて、
メンバーの30人近く今プロジェクトにいるんですけれども、その中に医療者数人のほか、デザイナーの方とかエンジニアの方とかですね、
あとは法律の知識を持っている方とか、あとは医学生の方とかもいっぱいいまして、本当にみんなそれぞれのバックグラウンドを活かしつつ、一つの目標に向かって進んでいっているというような強みがあると思いますね。」
いろんなバックグラウンドあるからこそ、宇宙ってまだ一つのビジネスとして成り立つっていう法定式みたいなのはまだないじゃないですか。始まったばかりの領域とか。そうなるとやっぱり掛け算し合う数が多い方が僕的にもすごく触れ幅が大きいような感じがして、
やっぱりいろんなところからバックグラウンド集まっている人いるとすごい良いなって感じたんですけど、ABラボ全体でいくつか動いている中で、じゃあ後藤さんが宇宙医療プロジェクトっていうのを立ち上げたっていうことになるんですかね。
そうですね、私が入ったのが2019年、ABラボができて1年ちょっとっていうところだったと思うんですけど、そこではまだ医療者というメンバーはいなくてですね、医療を目標にしたプロジェクトというのも存在しなかったので、それならちょっと自分が作るしかないなということで、一から立ち上げたという形ですね。
いいですよね、お医者さんやられてるからこそのスペシャリティが活かされた宇宙ビジネスの方向性だと思うんで、僕なんかそういう専門性のある人がそれに宇宙を掛け算してくるっていう話ものすごい好きで、
今回この宇宙医療の話聞くのすごい楽しみにしてたんですけど、なんかこう、こういうところを解決したいなとかっていう漠然とした思いがあって立ち上げたとか、そういったところってあったりするんですか。
そうですね、僕は臨床医としてだいたい10年くらい大学卒業してからやってきましたので、宇宙の専門家では全くなかったんですよね。なので宇宙医学っていうものがどういうものなのかっていうのもよく知らなかったですし、そこをまず自分で勉強するところから始めまして、最初はその勉強会、宇宙医学の勉強会を開くからちょっとみんな集まってくれませんかっていうような形でプロジェクトを始めたんですよね。
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なるほど。
そこからがスタートで、徐々にメンバーが増えてきてくれて、現在の活動に至ってるっていうところなんですけれども、始めは本当にもう自分が勉強、一から勉強しながら始め、宇宙医学のことをですね、始めていったっていう感じですね。
何事も新しいの始める時って多分そういうところからスタートですよね。
そうですね。もともとその宇宙の知識がないのに、そのプロジェクトを立ち上げたっていうのも今考えるとすごいなと思うんですけれども、それで思い切ってやってよかったなって今はすごく思ってますけどね。
いや確かにそうですよね。なんかじゃあ早速なんですけど、これ具体的な、僕も含めて具体的な宇宙空間での医療の必要性とか、体に宇宙が悪いのかみたいな話ってちょっとイメージしづらい部分あると思ってて。
僕の中の宇宙医療のマックスの知識は宇宙兄弟の中で運動をしている姿だったりとか、ああいう感じになるんですよ。
宇宙兄弟すごいですね。すごく勉強になります。今でも。
そうですよね。そうなると、ああいうふうに運動しなきゃいけないっていう、一つなんて言うでしょう、宇宙空間でやらなきゃいけないことなくじゃないですか、運動って。
ああいう筋力の低下っていうのは、やっぱ医療の面から見ても非常に重要な部分になってきたりするんですか。
そうですね。おっしゃる通りで、やはり宇宙に行って一番問題となるのは何かというと二つあるんですけれども、その一つが微小重力、無重力って簡単に言われるんですけれども、微小重力環境で筋肉を使わないで済むことによる筋肉の萎縮と骨、骨量の減少ですね。
それがまず一番大きな問題になるんですよね。人間の体ってやはり使わなければどんどん衰えていくので、わかりやすいのがその高齢の方、やはり寝たきりになってしまうと、どんどん筋肉が痩せ衰えて、途端に歩けなくなってしまうとか、入院の患者さんとかで非常に多いんですけれども、あれと全く同じことが宇宙でも起こるんですよね。
それを予防するために、やはり体に負荷がかからない状況で、あえて負荷をかけ続けなくてはいけないということが、運動を宇宙であれだけ重力更新が毎日行っている理由なんですよね。
そうですよね。1日の中のスケジュールの2時間とかぐらい確か運動の時間確保されてますよね。2時間運動って結構すごいですよね。もう本当バリバリの運動でもつらいんじゃないかみたいな。
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これって僕すごい疑問だったんですけど、筋肉が低下するっていうのはなんとなくイメージつくんですけど、骨が弱くなっちゃうっていうのは無重力と微小重力とどういう関係があるのかなっていうのが気になっているんですけど。
そうですよね。骨っていうのもやはりカルシウムをベースにできているわけなんですけれども、メカニカルストレスというか機械的な負荷が骨にかからないとやはり衰えるんですよね。
人間の体、地上で何気なく立ったり歩いたりしているっていうのは重力という負荷に対して常に逆らっている。負荷がかかり続けているからこそ健康な状態を維持していられるというところがありまして、やはりその負荷が体に全くかからなくなってしまう状態だと骨というのもどんどん弱ってしまうんですよね。
そのおかしい話をすると骨ってあの破骨細胞というとその古い骨を吸収する細胞と骨が細胞といって新しい骨を作る細胞があるんですけれども、その破骨細胞と古い骨を食べてしまう細胞の働きが宇宙に行くと強くなってしまうんですよね。
それでどんどんどんどんその骨のリモデリングという作ると吸収酸性のバランスが崩れてですね、どんどん骨が萎縮してしまうというふうに言われています。
だいたい地上の高齢者の10倍のスピードで宇宙では骨が減ると言われているくらいなので非常にこれも大きな問題なんですよね。
医療っていうとそういうのを治すっていう目線で見ちゃうんですけど、それを予防するっていう面で見ても一つ宇宙医療っていうトピックにつながったりするんですかね。
そうですね。まさにおっしゃる通りで、今高齢者社会でですね、骨の萎縮とか骨の減少とか筋肉の萎縮、それによる寝たきりとか介護とかですね、そういう問題がもう本当に切実になってきているわけですね。
ただその似たような環境である宇宙でもしそれを防止できるような技術が生まれたら、より多くの方が地上で健康でいられることにつながるということが宇宙医学の非常に大事な点なんですよね。
宇宙で健康でいられるという技術はまさに地上の医療にも大きく貢献するということがあるんですね。
確かにそうですよね。地上の重倍を防ぐことができるんだったら、もう地上では余裕でガードできるってことですもんね。
そうですね。そのための骨の減少を防ぐ薬とかもですね、宇宙で使われたりとかしてですね、そういう本当に非常に似たような地上の高齢者と宇宙での微小重力状態に置かれている宇宙飛行士というのは、
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実は非常に似たような状況にあるということが大きなポイントなんですよね。
なるほど。確かにすごいな。なんかよくロケットの技術が生活の周りのものに使われてたりとかで、結構宇宙開発のおかげで私たちの生活にいいフィードバックがかかるみたいなことってあると思うんですけど、
そうなると医療もどっちかっていうとそっち側のアプローチも今進んできているってことなんですね。
そうですね。宇宙医学っていうのは当然宇宙で健康に人間が長期滞在するためにどうやって体の健康を保つかという目的で行われている学問技術なんですけれども、
それが実は地上にも役立つということがあまり知られていないと、でもそれは本当に宇宙って遠い世界の話じゃないかって思われがちなんですけれども、
GPSだったりとかスマホだったりとかですね、そういうのも全部宇宙の技術を生かしたものが日々みんな役に立っているということが医学に関しても非常に言えると思うんですね。
いいですね。その代表例で、じゃあ筋肉だったり骨の抗体じゃないですけど、そういったところできてきたら非常に楽しみだなと思うんですけど、
他ってなんか、例えば宇宙飛行士の方がすごい気にしている健康問題とかってあったりするんですか?
それはやはりですね、放射線の問題ですよね。
地球は大気とか磁場に守られているわけで、宇宙放射線が地上まで届かないからみんな気にしないでいられるっていうのは皆さんご存知かと思うんですけれども、
宇宙ではその地球の大気の恩恵というものがなくなってしまう。その中で被曝の問題が出てくるわけですね。
確かに。
実際宇宙飛行士がどれくらいの期間、ミッションで宇宙に滞在できるかっていうのは、
放射線、どれだけ被曝したかでもうほとんど決まってしまってるんですよね。
じゃあ他がどんなに、例えば体としては元気だよってなっても、いやもう放射線ありすぎているからダメだよってなっちゃう。
そうなんです。目に見えないところなんですけれども、そこを一番宇宙飛行士の健康管理の地上で運用しているスタッフの方も
おそらく最も気にしている部分で、そのIFS内部にもですね、いくつかの線量計、放射線の線量計が設置されていると。
また宇宙飛行士個人もですね、その線量計をつけて常にどのくらい被曝しているかを管理しながらミッションを行っているというふうに言われてますね。
確かにそうですね。なんかこのポッドキャストでも何回かお話はしてるんですけど、
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僕自身が太陽とかみたいな光勢の研究をしてたので、宇宙って放射線すごい大変なんだよみたいな話してて、
でも実際それが人の体にどう影響するかって多分詳しくポッドキャストで話したことがなかったんで、
なんかこう放射線の累積の量で宇宙飛行の上限が決まってしまうとかって結構面白い話だなと思うんですけど、
この例えば放射線ものすごく受けてしまうっていうところの課題があったら、宇宙医療っていう目で見たらどんな対策とかを考えていくものなんですか。
そうですね、やはり一番重要なことはまずどれだけ被曝しているかをきっちり正確に把握することだというふうにされているんですよね。
そのために先ほどお話しした線量計を常に身につけて宇宙では生活していると。
なおかつそのISS内部、外部にも設置されているんですけれども、どのくらい、どの場所がどのくらい今放射線の高いかということをまずしっかり把握すると。
その上でミッションのスケジュールを組んだりですとか、その宇宙飛行士がどれだけ宇宙に滞在できるかということを管理していくということが非常に大事なんですね。
なんかあれですよね、やっぱ僕あんま詳しくないんですけど、放射線ってもうやっぱ浴びちゃったら浴びちゃった分だけ蓄積されていっちゃうみたいなイメージになるってことですかね。
そうなるとこの障害でこれだけしか受けちゃいけないっていう風になるってことは。
そうですね、浴びたら浴びただけ蓄積して、それがある位置を超えると病気につながるというような場合もありますし、それとは別に、
あまり位置が関係なく発症するというパターンも両方あるんですよね。
ただ、障害被曝量というか、飛行士が障害を通してですね、宇宙で被曝していい限度量というのが定められているので、それを超えてしまうともう次のミッションはアサインできないという風にはなってしまうようなんですね。
それくらい大事だということですね。
それを、これとんでもない話かもしれないんですけど、そういうのをリセットするような処置とかってあったりしないんですか。
そうですね、今まで受けた被曝量をリセットする技術っていうのはまだないと思うんですけれども、いかに防御するかっていう技術をやはり今後、技術開発が求められている部分だと思うんですよね。
それには遮蔽剤、どうやって防御するかという方法もありますし、あとは抗酸化剤といって薬ですよね。
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飲み薬で被曝を極力抑えるというような研究のアプローチも進められてまして、そういったいろんな観点からどうやって被曝を減らしていくかということが研究されているんですよね。
それっていうのは、先ほどお話しした地上での医療にもまさにつながる話で、例えば、がんの患者さんで放射線の治療をされる方。
当然、あの被曝っていうのは体に悪い面もありますから、どれだけその悪い被曝の影響を減らすことができるかとかですね。
例えば髪の毛に放射線当てちゃうと脱毛が起こってしまうとか、そういったことを抗酸化剤を飲むことで放射線治療を受けても脱毛を予防できないかとかですね。
そういったことにもつながっていくんですよね。その放射線被曝対策っていうのは非常に地上の医療にも直結する課題なんですよね。
面白い。もうそもそも地球上で出ないような課題っていうのがやっぱり宇宙空間に行くとどうしても出てきちゃうから、今みたいな筋力低下とか放射線とか。
そこで仕方なく出てくる医療的な課題っていうのもあるし、そもそも地球上にいるだけでやっぱり僕たちって医療必要じゃないですか。生活をする上で。
そうですね。
だから、そういうもともと持ってる危険性みたいなのもそのまま宇宙空間で継続するわけだから、考えなきゃいけないことってきっとたぶんたくさんあるんだろうなみたいな。
そういうとおりですね。
多分プロジェクトとして動いていくと活動の幅がたくさんあるような気がするんですけど、今実際結構動かれてるってことですよね。
そうですね。今お話ししたのは医学というか、どちらかというと病気とかそういうものをダイレクトに扱う話になってくるんですけれども、
それっていうのはやはり専門家がいろいろ今研究をしている段階なので、それはちょっとやっぱり大学とかですね、そういったところでの研究が求められていく分野かなと思うんですよね。
それは当然必要なんですけれども、我々のプロジェクトはどちらかというと、宇宙での医療、ヘルスケアと広く言うと宇宙生活において人間にとって何が必要かということを解決していきたいということを考えてまして、
それを今後少しお話しさせてもらおうかなと思ってるんですけども。
そうですね。じゃあそしたらそのあたりの具体的にどんな話が出てきてるのかっていうところは、じゃあ明日続き伺えたらなと思うので、
明日もぜひ引き続きよろしくお願いします。
わかりました。じゃあ明日お話しさせてもらおうと思います。
ということでじゃあ今日はABラボの宇宙医療プロジェクト代表の後藤雅之さんに来ていただいて、宇宙空間に行った時にどんな医療的な課題っていうのが出てくるのかっていうお話ししていただきました。
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明日はじゃあ今お話ししたような具体的に宇宙医療っていうのがどういうのが動いているのかそんなお話ししていきたいと思ってますので、ぜひ楽しみにしていただければと思います。
ひとまずじゃあ本日はありがとうございました。
ありがとうございました。
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