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はい、始まりました。佐々木亮の宇宙ばなし。ではですね、実際にノットで更新した、今回はですね、すっごい重いブラックホールから出るビームがこっちに飛んできている、というようなタイトルで話していきたいと思います。
ですね、これは先週の金曜日にリリースされた論文で、内容がどんなのかというと、かなり遠く何十光年とか離れているようなブラックホールから飛び出ているビームがですね、こっちに向いているような天体っていうのを
重望遠鏡で観測してあげた結果っていうのが論文で報告されていたので、今回はそれを紹介していきたいと思います。でですね、今回言っているビームっていうのが何なのか、そもそもブラックホールの話を多分しなければいけなくて、
ブラックホールっていうのは、星が進化していって、その進化した星が、太陽みたいな星ですね。太陽みたいな星がどんどん進化していって、最終的にその重さに耐えきれなくなって、超新星爆発っていうのを起こすんですね。で、超新星爆発っていうのを起こした時にかなり重い星の場合だと、それがそのままブラックホールになるっていうのがブラックホールの正体で、
なので実はブラックホールって、単なる黒い穴っていうイメージよりは本当に星、めちゃめちゃ重い星っていうような感じです。でですね、ブラックホールっていうと本当に吸い込まれたら出てこれないみたいなイメージであるのが一般的な話だと思うんですけど、
実はですね、宇宙にあるブラックホール、いくつかのブラックホールからは、その穴が吸い込む方向と逆方向にジェット、ビームのようなジェットが飛んでるんですね。なのでちょっとイメージしづらいと思うので、そこら辺はノートに書いてある画像とかを見ていただければいいかなと思います。
で、このジェットがどっちを向いてるかっていうのによって星の呼び方が変わるんですけど、今回はそのジェットがこっちに向いてる、地球側に向いてるっていう状態のもの、それをブレーザーと言います。なので今回はそのブレーザーっていう天体を観測したお話です。
で、ブレーザー、ノートで何回も紹介してきているので、詳しい話は過去の記事に任せるとして、こういうブレーザーっていうのが中心にどんなブラックホールがあるかというと、スーパーマッシュブラックホールと呼ばれるようなめちゃめちゃ重い星ですね、重いブラックホールです。
もともとブラックホールになる時点でめちゃめちゃ重いんですけど、それの中でも非常に重いブラックホールでどのくらいかというと、太陽の重さの10万倍以上の重さを持っている星が中心にあるみたいなイメージですね。
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実はそのくらい重いブラックホールっていうのは実際に私たちがいる天の川銀河の中心にもあって、なので意外と身近にスーパーマッシュブラックホールと呼ばれるものがあるんですね。
そんな超巨大なブラックホールの穴から出ているビームをたくさん見てあげたと。
それを見てあげたのがフェルミ宇宙望遠鏡という人工衛星で、これがこの望遠鏡、私たちが目で見ているような光を見るのではなくてガンマ線と呼ばれる放射線を見ます。
このガンマ線って何かというと、光って7色に見えるじゃないですか、虹とかで。赤から紫みたいな感じになっていて、紫より外。紫っていうのは光の中ではエネルギーが高い方なので、紫よりも外の紫外線。
そこが紫より外が紫外線ということですね。それよりもさらにエネルギーの高い危険な光っていうのがX線。これがレントゲンとかで使われるやつですね。それよりもさらに危険な放射線っていうのがガンマ線なんです。
地球上では実際にそんなに影響はないんですけど、宇宙にはたくさん飛び立っている。ブラックホールみたいな、私たちが想像できないようなめちゃめちゃエネルギーの強い天体からガンマ線がめちゃめちゃ出ています。
なので、そのガンマ線を検出してあげようっていうのが今回の研究で、その観測の結果、37個のブレーザーから来ている、ブラックホールから来ている、ブラックホールのビームから来ているガンマ線っていうのを観測することに成功した。
もともとこのブレーザーがここにあるっていうのは結構わかっていたらしくて、そのうちそれらの中っていうのが大きく分けて2種類に分けられる。
1つはブラックホールが出しているジェットの足元がかなり厚い円盤を持っている、分厚い円盤を持っているっていうようなブレーザーで、もう1つはそこまでアクティブじゃない、放射があまり強くないようなブラックホールから出ているビームがあったと。
それがだいたい比率でいうと、今回見つけたのが37個のブレーザーで、そのうちの30個がすごい活発なやつ、7個があまり活発じゃないやつ。
ガンマ線でこうやって詳しく調べるっていうのは今までやられてなかったみたいで、実際にフェルミ望遠鏡っていうので見た中でさらに光の強弱みたいなものを確認してあげると、どうも今まで活発活発じゃないとか分けていたけど、実際はそうでもない。
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実際にそんな2つ綺麗に分けられるような状態じゃないみたいなところが今回わかった。
実は多分この論文をスタートさせる時には、その2つの中に差があるだろうみたいな目論みで始めたけど、実際はそういう差が見つからなかった。
ガンマ線で見てこういうのがあったら活発だろう、こういうのがなかったら、こういうのじゃなかったら活発じゃないみたいな指標っていうのが見つかると思ってやったんですけど、実際は見つからなかったっていうのがオチですね。
なのでこういうマイナスな研究結果っていうのは実は論文にする時にいいのか悪いのかなんですけど、すごい綺麗な思ってた通りの結果が出るっていうのは実験やってて実際に嬉しいことなんですけど、
思ってた結果じゃなかったみたいな。そのパターンって実は意外と重要で、ビジネスとかの話になった時に失敗には価値があるよく言うじゃないですか。
それと同じような感じで、こういう差が出るだろうと思ってやった研究の中でも実際に差はない。
実際に差がないっていうことが分かったっていうところで、そんなにマイナスな結果でもないのかなっていうのが今回の論文の内容でした。
すいません、ちょっとこれはですね、自分の専門と若干離れているので説明が分かりづらいところがあったと思うと、もし何か分からないところがあったら是非コメントといただければと思います。
一番よく開くSNSはインスタグラムになっているので是非そちらも覗いてみてくれるといいと思います。
アカウント名はryo-astroになっています。
よかったら探してみてください。それではまたお会いしましょう。さようなら。