ひとの英語を批評する際に枕詞のように使用される言葉に、「文法的に」というものがあります。学生時代にこの言葉をよく使用した、あるいは聞いたという人も多いでしょうが、そもそも「文法的に」とはなんでしょう。このエピソードでは、文法的に正しい/間違いという言葉を使う人は、いったい何をみてそれを言っているのかについて説明します。
「文法的に正しい」の違和感 / 「数学的に正しい」「物理学的に正しい」との比較 / なぜ「文法的に」という言い方がよく使われるのか / 規範文法の考え方と記述文法の考え方 / 「文法的に間違い」の正体 / 竿や羽などの類別詞 / 使用域、レジスター / 場面ごとの使い分け
プロフィール:
フリーランス産業翻訳者。新潟県新潟市生まれ。東京工業大学(現:東京科学大学)大学院修了。2019年よりフリーランス産業翻訳者として開業し、現在に至る。専門は技術、IT全般。愛称は「そっちゃそ」。副業として語学指導や発音指導も手掛ける。趣味はキャンプ、登山、ドライブ。ご意見・ご感想は公式HPのお問い合わせフォームからお気軽にどうぞ。
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では、そっちゃそです。 この番組、そっちゃその語学ラジオでは、語学学習というテーマを軸に、 その本質やあり方について哲学的に考えていきます。
ここで扱うエピソードは、もともとYouTubeで公開した内容をもとに、 音声コンテンツとして再構成したものです。
映像がなくても理解できるように設計していますので、 通勤中や採用中など、長ら時間でもぜひお楽しみください。
それでは、今回のテーマに入っていきましょう。
こんにちは。今回は文法の話をしたいと思うんですけど、 具体的に何か文法の知識を教えるというわけではありません。
文法の話なんですけど、文法的に間違いという話、 文法的に間違えてますよという指摘とかフレーズ、枕言葉と言ってもいいかもしれません。
文法的に間違ってますという話を聞いたことがあると思います。
もしかしたら、自分が実際に誰かの英語を指摘するときに、 ここは文法的に間違いですという話し方をしたことがある人もいると思います。
文法的に間違えて、そうなのかと思う時もあるんですけど、 ちょっと引っかかる時もありますよね。
例えば、他の例で説明すると、1たす1ありです。これは数学的に正しいですと言われたらどう思いますかね。
数学的に正しいですと言われたら、正しいのは正しいんですけど、 数学的にって無駄じゃないですか、その言葉。
もしくは、自由落下する物体はその質量に関係なく、 一定の加速度で落下しますと言われたとして、
これは物理学的に正しいですと言われたら、何か変じゃないですか。
正しいものは正しいわけですよ。物理学的に言葉はいらないんですよね。
にもかかわらず、なぜか文法的にというのが常について回るんですよ。
ここに文法的に正しいという話し方、すごい巧妙なからくりがあると思いませんか。
そこで今回は、文法的に正しいと言いたがる人が、 何を考えて文法的に正しいと言っているんだろうなという、
僕なりの考えを説明したいと思います。
ここでまず前提があるんですよね。
前提というのは、まず文法というのは一体何文法を意味しているのか、
どういう文法を意味しているのかというのをまずクリアにしないと議論が進みません。
文法というのは大きく分けて、規範文法と記述文法という分け方があります。
規範文法というのは、規範というのは要するに従うべき規範とか、あるべき姿と言ってもいいかもしれません。
このようにすべきです、こうしなさい、こうしなきゃ駄目だという、
そういう誰か偉い人がいて決めたのが規範文法です。
だからこのような用法で使うのが望ましいという、
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そういう誰かの主観が入ったルールが規範文法です。
昔の人って辞書を編纂する時に、辞書を編纂した人の主観が結構辞書に入っていたらしいんですよ。
これは僕もあまりすごく詳しくないのでわからないんですけど、
今辞書に主観が入っていたら困りますよね。
今流通している辞書に辞書の編纂した人の意見が入っていたら困りますよね。
でも昔の辞書ってこれはけしからん言葉だとか、これはダメな用法だとか、
すごく身分の低い人たちが使う言葉だとか、
そういう編纂した人の主観が入っていたんですよ。
それってまさに規範文法の話で、
こうであるべき、言葉の交通整理をしていた時代だったんですよ。
そういうのが規範文法なんですよ。
言葉遣いにうるさいと言ってもいいと思います。
これがまず規範文法というのがドーンと1個あります。
それに対比して記述文法というのがあるんですよ。
記述文法というのは平たく言うと観察日記です。
観察日記というのはみんながどのように話しているのかなというのを観察して、
一般化して記述、説明する観察日記です。
これはあっている間違ってという概念がそもそもないんですよ。
なぜかというと規範文法はこうであるべきというルールであって、
ルール違反がありますけど、記述文法はそもそも観察日記なので、
こうであるべき、こうしなさいというのではなくて、
こうでしたという、こうなってましたという事実情報の一般化なんですよ。
そもそも文法的にあっている間違ってという話が存在しません。
これが記述文法です。
記述文法、規範文法の話を考えると、その性質を考えると、
冒頭の文法的に誤りという話は、
多分ですけど規範文法のことを言っていますよね。
だから正確には規範文法的に誤りと言うべきなんですよ。
それが冒頭で共通認識として持ちたい前提です。
規範文法、日本語の方が分かりやすいかもしれないので日本語で説明すると、
単数って人差を数えますよね。
単数ってもともと単数があって、
単数に差を指して肩にこうやって持ち運ぶじゃないですか。
だから人差をですよね。
ウサギも1羽2羽、羽って書いて1羽2羽って数えますよね。
これが規範文法的に観点から見た正しい類別詞の使い方ですよね。
他にもいろいろあると思うんですけど、
こういうのが、要するにこのようにあるべきのが規範文法なんですよ。
ただ実態としては多分単数のことを人差をって言ってる人あまりいないですよね。
周りの人たちに。
ウサギも1羽2羽って言わないで素直に1匹2匹って言いませんか。
多分言いますよね。
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ウサギがいて、その辺にウサギがいて、何匹いるんだろうなって多分思いますよね。
何羽いるんだろうなって思いませんよね。
もし仮に誰かにウサギが何匹2匹いるって言って怒られないんですよ。
規範文法というのが一つとして存在するという事実はありつつも、
やっぱりでも実態として運用されている言語にはずれがあるんですよ。
別に規範文法からずれた範囲の言語の運用がすごく怒られるとかじゃなくて、
それは大いに認められているんですよ。
消しからん消しからんってなるわけでは決してありません。
なぜかというと言語には使用域、レジスターというのが存在します。
レジスターというのは例を挙げると専門用語とかですよね。
専門用語ってその特定の集団の中でしか通用しない言葉遣いですよね。
その言葉遣いは一般人には伝わらないけど、
特定の例えばですけど、言語にもありますよね。
まさに今説明している記述文法、規範文法にも専門用語の範疇に入ります。
これ普段の生育館では使いません。
そういうのがあって、その中の一つに身内で使うレジスターがあるんですよ。
身内だけで使用するレジスターがあって、
それの別に公の場で使用するレジスターがあるんですよ。
だから身内だけでおしゃべりするときに、
1話2話とか一竿二竿という話は多分あまり気にしないですよね。
実際に運用される言語というのは、
コンテクストとかレジスターとかいろんなのが絡んでいるわけですよ。
常にこうであるべき、こうでなければならないという、
圧力が及ぶわけではないということをまず理解する必要があります。
英語の話に関連すると、例えば3単元のSもありますよね。
これって基本文法の範囲にはSをつけないとダメという話なんですけど、
実際、さっきのレジスターの話と関連しますけど、
フランクなLINEのメッセージでSをつけるつけないというのはあまり考えないですよね。
僕もあまり考えていないです。
あともしくはWant to doってありますよね。
何々したい、何々Want to do somethingみたいな感じで。
toなくてもわかるんですよ。
Want to doでも別にいいですし、Want to play、Want to readでもいいです。
それでわかりますし、フランクな範囲内だったら別に何も問題にはなりません。
というのがあるんですよ。
まず、基本文法、記述文法という枠組み2つの考え方があって、
記述文法…間違えた。
基本文法に言わせれば、文法的な誤り云々というのが存在するんですが、
必ずしも全てのコンテクスト、全てのレジスターが従わなければならないわけではないんですが、
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基本文法はあくまでも公の場とか大公の場とか、
すごく大事なシーンとかでは大いに従うべきですけど、
そうでないシーンも結構あるんですよ。
そういう時に3単元のSがあまりだ云々かん云々とピーチクパーチク言うのは変なんですよね。
ポイントはまとめますと、
まず、基本文法、記述文法という分け方をします。
言語には使用域がありますというのはまず大きな話で、
文法的に誤りという言葉を使いたいならば、この2つを意識しなければいけないんですよ。
大事なシーンの言葉遣いで、基本文法を語れるのは多分良くないんですけど、
そうでないシーンで、そこまで基本文法にこだわる必要はないんじゃないかなというふうに僕は思っています。
あまりはまなしがまとまっている気がしないんですけど、
今回はこんな感じで終わりにしたいと思います。
ご視聴ありがとうございました。
最後までお聞きいただきありがとうございました。
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それではまた次回お会いしましょう。
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